ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

でぃーえす・発売日

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雛苺「(ガチャ)はい、もしもし。私立有栖学園なのよー。」
金糸雀「あ、雛苺!?カナ今日具合悪いから、お休みするかしらー!」
とても病気とは思えない、早口かつ元気な声で用件を伝え、携帯電話の電源を切る金糸雀。
これで完璧だ…と思わずほくそ笑む。
この日、金糸雀はマスクにサングラス、そしてロングコートといういかにも怪しげな格好で、あるものを買いに来ていた。
店員A「まもなく整理券配布しまーす!」
その声と共に、金糸雀にも整理券が配られる。
金糸雀「来たわ来たわ!待ち続けてはや58日…ついにこの金糸雀が『でぃーえす・らいと』を手にするときが来ちゃったかしら~!!」
そう、その日は人気ゲーム機の発売日。金糸雀は、この日をずっと心待ちにしていた。
昨日になって、発売日に学校があることに気がつき落ち込んだりもしたが、学校をズル休みすることで何とかこの問題を回避した。
そして、いよいよ開店。憧れの品を手に取り、思わず頬ずりする金糸雀。
後は家に帰り、先に買ってあるゲームソフトで遊ぶだけだった。


金糸雀「…ところで、今何時かしら?」
と携帯電話の電源を入れなおす金糸雀。電源ボタンを押して数秒後、現れたのはたくさんの不在通知…しかもそれは全部真紅からのものだった
あまりのことにショックを隠しきれない金糸雀。とりあえず親友の雛苺に電話をかけて、様子を確認することにした。
金糸雀「…も、もしもし…」
雛苺「もしもし、カナ?ダメよー、嘘ついてゲーム買いに行っちゃ。真紅、もうカンカンよー?」
金糸雀「ななええええええ!?ど、どうしてバレちゃってるかしらー!?」
雛苺「だって、カナ自分の机の上のカレンダーに、大きく『でぃーえす・発売日』って書いてるんだもん。」
そういえばそうだったと、深い自責の念に駆られる金糸雀。雛苺は続ける。
雛苺「あ、今真紅から伝言でねー、3分以内に学校に来いってー。電話かわる?」
その言葉を最後まで聞かず、もう一度電源を切る金糸雀。
金糸雀「と、とにかく何とかしてこのピンチを切り抜けないと…」
と言ってみるものの、具体的な解決策は何も浮かばず、気がついたら学校へついてしまっていた。


真紅「さあ、出しなさい。」
金糸雀を前に座らせ、まるで子供がテストの答案を隠したときのような口調で叱る真紅。
金糸雀「う…け、結局買えなかったかしら…。整理券もらえなくて。」
目線をそらしながら、そう答える金糸雀。それは明らかに嘘をついている証拠だった。
しかし、「そう…」と意外にあっさりと引き下がる真紅。そして続けてこう聞いた。
真紅「…ところで、そのゲーム機というのは、そんなに心待ちにしていたものなの?」
金糸雀「そ、そうよ!実は諦めて前の機種をオークションで買おうかとか、そんなことをもう58日間もずっと…」
真紅「そう…でもね、あなたの生徒もそういう気持ちだったのよ。」
金糸雀「?どういうことかしら?」
真紅「あなた、前の授業の時、生徒に『今度は液体窒素の実験をする』って言ってたらしいじゃない。あなたの代わりに蒼星石が授業やってくれたんだけど、みんな今日実験が出来ないと知った時は、たいそうショックを受けたそうよ。」
…そういえばそんなことを言った気がする。そして、生徒たちに凍らせたいものをもってくるようにと言った時の喜びようは、物凄いものだった。
真紅「いい?自分が楽しみにしていたのは分かるけど、そのことで他の信頼してくれている人を傷つけては駄目。ましてや、そっちを先に約束したんだから、しっかり守らないと。
さ、分かったら買ってきたものを出しなさい。」
金糸雀「…はい。」
真紅「よろしい。」
そう言ってゲーム機を受け取ると、真紅はこう付け加えた。
真紅「今日実験をやる予定だったクラスについては、次の授業の日にしっかりと埋め合わせをすること。そうすれば、これは返してあげるわ。」
少し微笑んだ様子でそういい立ち去る真紅。そして、次の時間からは、真面目に授業をする金糸雀の姿が学校で見られたそうな。


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