ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

難民

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ある日の昼休み。例の中庭の戦車の中でメンテナンスをしていた雪華綺晶。
そこへ、雛苺がなにやら思いつめたような表情でやってきた。
雛苺「…なんでこんなの、いつまでも学校にあるのよ…。こんなの…こんなのなくなっちゃえばいいのに…。」
どうやら中に雪華綺晶がいることに気づいてないようで、雛苺はそう小さくとつぶやいた。
この戦車を学校に持ってきた時から、雛苺の様子がおかしいのは分かっていたが、それでも理由もなく壊されては(…もっとも、そう簡単に壊れるものではないが)たまったものではない。
出て行って話をしようと思った矢先、別の声が聞こえてきた。


翠星石「チビ苺、そんなトコでなーに辛気臭い顔してるですか?」
雛苺「翠星石!?何でここにいるの?」
翠星石「いちゃわりぃですか。このデカブツのせいでここの植物が育ちづらくなっちったから、こうしてこまめに手入れに来てるんですよ。」
そういって、戦車に石を投げる翠星石。よっぽど出て行こうと思った雪華綺晶だったが、ここはグッと堪える事にした。
翠星石「ところで、何でそんな恨みがましい目で、このデカブツを見てたです?雪華綺晶に何かされたですか?」
雛苺「…ううん、そうじゃないの…」
そういうと、雛苺はぽつりぽつりと話はじめた。昔、遠い外国にいるコリンヌ・フォッセーという女性と文通をしていたこと…
その人とは大の親友だったこと…
でも、たまたまコリンヌが別の国の別荘に滞在していた時に、その国が戦争に巻き込まれてしまったこと…
その影響で手紙も届かなくなってしまったこと…
そして、その滞在していた国が戦争に負けてしまったこと…


雛苺「…だから関係ないのは分かってるんだけど、でも…」
翠星石「はーっ、何かと思えばそんな事で悩んでいやがったですか。全く、これだからチビチビは!」
雛苺「な、なによ!そんな事って!!」
翠星石「いいですか、そんな昔のこといつまでもクヨクヨ悩んでるんじゃねぇです。その子お金持ちの子だったんだから、きっと一目散に逃げ出してるに決まってるです!友達のおめーが生きてる事信じてやらねぇでどうするですぅ!」
雛苺「…うー…。」
翠星石「ほれ、もうすぐ授業がはじまるですよ。さっさと来やがれですぅ。」
そういって立ち去る2人。
雪華綺晶「コリンヌ、コリンヌ…。難民データベース…当たってみるか…。」
戦車の中では、そうつぶやく雪華綺晶の姿があった。


「雛苺先生。雛苺先生。お客様がお見えです。至急応接室までお越しください。」
ある日の昼休み、こんな放送で呼び出される雛苺。こんな時間になんだろう…それにお客様って…
そんな、言い知れぬ不安を抑えながら応接間に向かう。
雛苺「(コンコン)失礼しま…」
そこまで言って言葉が出なくなる。応接室に座り、こちらを振り返ったのはいつかの手紙に同封されていた写真に写る、コリンヌ・フォッセーその人だったからだ。
ラプラス「ああ、やっと来ましたね。こちら、コリンヌ・フォッセーさんといって、フランスの…」
その言葉を遮り、応接室を飛び出してしまう雛苺。
ラプラス「ああ、すいません…すぐ連れ戻してきますんで…」
コリンヌ「…いいんです。全て私が悪いんですから…」
そういって目を伏せるコリンヌ。そして続ける。
コリンヌ「…あれから約10年以上たつもんね…。今更…許してくれないよね…。」


雪華綺晶「…どうしたの?せっかく会えたのに…」
走り去る雛苺を捕まえ、問い詰める雪華綺晶。だが、雛苺は答えない。
雪華綺晶は、今までの経緯を細かく説明する。
それは、雛苺がコリンヌと昔文通していたが、それを戦争によって引き裂かれてしまったという話を聞いていたことがきっかけだった。
すぐさま、ここ数年の戦争に関するものの中から湾岸戦争をピックアップして調べる雪華綺晶。結果はすぐに出た。
元々、コリンヌが良家のお嬢様だったことが、早期発見につながったのかもしれない。
戦争が起こった日、コリンヌは着の身着のままで国外に逃げなくてはならなかった。
なぜなら、その時のイラクにとってコリンヌの母国であるフランスは敵国であったからだ。
そして、どうにか命からがら戦火から逃れられた時には、雛苺の住所が記載されていたものを全てなくしてしまったことと、亡命のための資金繰りの際に家を手放してしまったため手紙も手元には届かず、これまで連絡が取れずにいたというのが手紙が途絶えた原因だった。


雛苺「…でも、今更どんな顔して会えばいいか、わかんないの…」
雪華綺晶「親友…だったんでしょう?なら大丈夫…」
雛苺「でも…」
雪華綺晶「コリンヌさんも…同じこと言ってたよ。私が、雛苺の話をしたとき…コリンヌさんとても喜んでた…。でも、会うことをとても怖がってた…。今更会いにいったら、嫌われるんじゃないか…って…。」
雛苺「…。」
雪華綺晶「その時…私言ったの。『10年以上たった今でも、雛苺は今もあなたのことを心配している。親友じゃなかったら、ここまで心配しない』…って。一度起こってしまったことはしょうがない…。でも、それは誰のせいでも無いの…。
そう…それを、どういう風に受け止めて行動するかはその人しだい。コリンヌさんは勇気を出して雛苺に会いに来たよ?…さあ、雛苺もあるべき姿に戻りなさい。」
雛苺「…ありがとうなの、雪華綺晶。」
そう短くお礼を言うと、雛苺は応接室へと戻っていった。


ラプラス「すいません…わざわざ日本までお越しいただいたのに…。」
コリンヌ「いえ、一目会えただけでも満足です。お心遣いありがとうございます。」
そうお礼をいい、学校を立ち去ろうとするコリンヌ。
雛苺「待ってーなの!!」
息を切らせながら、走って呼び止める雛苺。
雛苺「ごめんなさい…!会った瞬間、何していいか分からなくなっちゃったの…。ホントはずっと会いたかったのに…ずっと心配してたのに…!
…んと、こんな雛苺だけど、友達でいてくれるかしら…?」
コリンヌ「…もちろん!これからもずっと友達よ…!」
そういうと、泣きながら抱き合う2人。
そして現在、彼女たちの友情は今も続いているそうだ。



終わり。


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