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真紅とお泊まりと豊胸

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匿名ユーザー

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ピンポーン
真紅「…うぅ…?」
その音で目を覚まし、怪訝な顔をして時計を見る真紅。時刻は午前1時をまわっていた。
どうやら、こんな遅い時間に家を訪れた大馬鹿者がいるらしい。
真紅「…こんな時間に相手をしてられるほど、暇じゃないのだわ…」
そう言い不機嫌そうに布団をかぶる真紅。「ピンポーン、ピンポーン」とまだ玄関のチャイムは鳴っているが、そのうち諦めて帰るだろう…そう考えていた。
しかし1拍の間が空いたあと、その不届きな来訪者はいきなりチャイムを連打し始めた。
これにはたまらず、怒り心頭で玄関に向かう真紅。
真紅「ちょっと!こんな時間に何の…!!」
そこまで言って固まる真紅。そこにはおなじみの顔があった。


翠星石「ほれ見るです。ちゃんといやがったですよ♪」
水銀燈「ダメよぉ…せっかく来てあげたんだから、居留守なんかしちゃあ…♪」
どうやらこの2人、どこかでお酒を飲んでいたら終電を逃したらしく、仕方なしにタクシーでここまでやってきたらしい。
真紅「な、何でタクシーでそのまま家に帰らないの!?」
水銀燈「だって、あなたの家のほうが近いんだもぉん…♪」
真紅「だ、だったら漫画喫茶でもカプセルホテルでも行けばいいじゃない!!」
翠星石「嫁入り前の娘が、そんなトコに泊まれるわけないですぅ!うだうだ言ってねーで、さっさと中に入れやがれですぅ!!」
真紅「嫌よ!早く帰りなさい!!」
そう、真紅にはどうしても部屋の中に人…特にこの2人を入れたくない理由があった。アレを知られたら…そう考えただけでも身震いがする。
しかし、結局勝利したのは2人のほうだった。全く悪びれる様子もなく、ずかずかと奥に入っていく水銀燈。
水銀燈「あらぁ、あれだけ抵抗するからどんな汚い部屋が待ってるかと思えば、案外綺麗に片付いてるじゃない。」
真紅「人として当然だわ。さ、も…もう遅いんだから早く寝なさい!」
そういって電気を消そうとする真紅。
水銀燈「何をあせってるのよぉ…それに床に直に寝るわけにはいかないでしょお。お風呂も入りたいしぃ…」
翠星石「ププーッ!!分かったですよ水銀燈!!真紅はきっと、これを隠したかったんですぅ♪」
そういって本棚を指差す翠星石。そこには綺麗に並べられた女性誌があった。
そして、そこに共通するのはタイトルに「バストアップ」の文字が並んでいることだった。
水銀燈「ぷっ!なぁんだ、あれだけ胸なんてもう気にしないって言ってなのにぃ…。可哀想な子ぉ♪」
真紅「こ、これはもう捨てようと思ってて…」
翠星石「水銀燈!こんなものも発見したですぅ♪」
家宅捜索が楽しくなったのか、辺り一帯を捜索していた翠星石が見つけたもの…それは豊胸マシーンと、「めざせ豊胸手術!」と書かれた30万円貯められる貯金箱だった。
それを見られた真紅は、突然その場に座り込み、泣き出してしまった。
水銀燈「な、何も泣くことないじゃない…」
翠星石「そ、そうです!人間、胸じゃないですぅ♪」
真紅「あなた達には、私の苦しみが分からないからそんな事が言えるのだわ…。私が今まで…どんな思いで生きてきたか…ううっ…」
結局、真紅が泣き止むまでには、1時間を要したという。


翠星石「ふぅ、さっぱりしたですぅ♪」
そういい、先にお風呂に入った水銀燈にドライヤーを借りにいく翠星石。
真紅「待ちなさい。あなたお風呂入った後、ちゃんお風呂と洗っておいたの?」
翠星石「はぁ?」
真紅「すぐに洗わないと、汚れが落ちにくくなるじゃないの。早く洗ってきて頂戴。」
翠星石「客人にそんな事やらせるつもりですか!?おめーの家なんだから、おめーが洗いやがれですぅ!」
そういうと、ドライヤーを使いながら、先ほどはあんなに馬鹿にしていたバストアップ特集の本を読み始める翠星石。その姿に諦めたのか、自分で風呂釜を洗いに行く真紅。
そこには、水銀燈のものであろうブラが置いてあった。思わず手に取り、服の上から試着してみる真紅。ブラの中にタオルなどを入れ、巨乳気分を味わってみる。
真紅「はぁ…こんなに胸が大きければ私だって…」
そういい、鏡の前で色々なポーズを取ってみる。悪くない…そんな満足げな表情が鏡には映っていた。そして、それをただ呆然と眺める水銀燈の姿も。
水銀燈「は、歯を磨こうと思ったんだけど…わ、私は何も見てないわぁ!」
そういうと、そそくさと脱衣所から出て行く水銀燈。真紅の顔は、彼女の名前が示すように真っ赤になっていた。


そんなこんなで、やっと就寝の準備が整った3人。
しかし、ここでも問題が勃発した。
真紅「あなた達、まだ自分の立場が分かってないようね。ベッドは私が使うに決まってるじゃない!」
水銀燈「やぁよ。こんな床の上で寝られるわけないじゃなぁい…。」
翠星石「そうですぅ!このベッドは翠星石のような高貴な者が使うべきですぅ!!」
そう、3人は1つしかないベッドの使用権でもめていたのだ。
ベッドのほかには、数枚の掛け布団しかないというのも、争いの火種になった。
水銀燈「だいたい、あなた彼氏家に泊める時どうするのよぉ?何で予備の布団が無いのぉ…!?」
真紅「あ、あなたみたいにそんな不潔なことはしないから、必要ないのだわ!!」
水銀燈「どういう意味よ…!!ちょっと、あなた何勝手に寝てるのよ!!」
翠星石「うるっさいですぅ…!翠星石はここに寝ることに決めたんですぅ!!」
そんなこんなで、結局一睡も出来なかった3人。次の日、学校では薔薇水晶に全てを任せて保健室で眠りこける水銀燈。半分意識の無い状態で蒼星石に付き添われる翠星石、そして目を真っ赤にした真紅の姿があったそうな。


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