ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 翠星石と演劇部

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ホールに入ったとたん蒼星石は感嘆の声を上げた。
蒼星石「うわぁ凄い、お客さんでいっぱいだよ」
翠星石「あたりまえですぅ、あいつは相当頑張ってるですぅ」
蒼星石「ふふふ・・・そうだね」
翠星石「そこの席が空いてるですぅ」

蒼星石「ちょうど真ん中の席だよ」
翠星石「見やすい席でラッキーですぅ」
蒼星石「始まるまで少し時間があるね」
翠星石「・・・」
蒼星石「翠星石?」
蒼星石が呼びかけても翠星石は黙ったまま、じっと誰もいない舞台を見つめていた。



翠星石「演劇部へようこそですぅ、私が顧問をしている翠星石ですぅ。」
生徒「えっ!?先生って演劇部の顧問だったんですか!?」
翠星石「な、なんで驚くですか!うだうだ言ってねーでとっとと入部届け出しやがれですぅ!」

翠星石「あ~~~~」
生徒「あーーー・・・あれ?あーーーーー」
翠星石「全然発声が出来てないですぅ!お腹から声を出すですぅ!」
生徒「あーーーー!」
翠星石「そうじゃないですぅ!」
生徒「あーーー!!」
翠星石「違うですぅ!肩に力が入ってるですぅ、脱力するですぅ!」
生徒「あーーー」
翠星石「ちーがーうーでーすぅ!」

生徒「・・・」
翠星石「なにイライラしてるですか?」
生徒「!?・・・別に、なんでもありませんよ・・・」
翠星石「何か悩みでもあるですか?先生に話し・・・」
生徒「何でもありません!!」
翠星石「・・・きーっ!こっちが優しくしてたらつけあがりやがってぇ!!どうせ自分の役のことで悩んでるに決まってるですぅ!!」
生徒「!?」
翠星石「最近てめぇはずっと一人で悩んでるですぅ!どうして相談しないですか!!」
生徒「・・・それは」
翠星石「先生はてめぇの・・・」
生徒「っ・・うぅ・・っ・・」
翠星石「あ・・・ち、ちょっと言い過ぎたですぅ!だから、泣くなですぅ!ええ、えっとハンカチ・・・」
生徒「・っ・・が分か・・・たん・・・・っ」
翠星石「え?」
生徒「役が分がらなくなっだんでずっ!!練習を続げるうぢに役者の方向性が分がらなぐ・・・っ」
翠星石「・・・大丈夫ですぅ!!役が煮詰まるのは誰にだってあることですぅ!先生の手に掛かればすぐに解決するですぅ!!」
生徒「・・・」
翠星石「まずはその顔を洗ってこいですぅ、今日はたっぷりてめぇの悩みを聞かせてもらうですぅ」

生徒「なんですか?さっきからボーっとこっちを見てますけど・・・」
翠星石「うまくなったですぅ」
生徒「へ?」
翠星石「てめぇは本当に演技がうまくなったですぅ。今までずっと見てきたから分かるですぅ」

生徒「・・・」
翠星石「何緊張してるですか、てめぇは今まで目一杯練習してきたですぅ、自信を持つですぅ」
生徒「・・・先生」
翠星石「何ですぅ?」
生徒「ありがとう、先生を見てたらなんだか緊張が無くなったみたい」
翠星石「まったく、てめぇはほんとに危なっかしいですぅ。」

生徒「先生は本番中は何をするんですか?」
翠星石「客席に座っててめぇ達の演技をみるですぅ」
生徒「へ?だって今まで練習でずっと見てきたじゃないですか」
翠星石「何言ってるですか、だからこそ本番では今までで最高の演技を演じるですぅ!少しでも手を抜いたら承知しねぇですぅ!!」
生徒「・・・はい!!」



蒼星石「翠星石?」
翠星石「・・・何ですぅ?」
蒼星石「どうしたの?ボーっとしてたよ?」
翠星石「・・・少し昔を思い出していたですぅ」
蒼星石「あの子の事?」
翠星石は黙ってうなずいた
翠星石「でも、チケットが届いたときは驚いたですぅ」
蒼星石「半年だもんね」
翠星石「ひでーやつです、卒業して劇団作ったのなら作ったときに言いやがれですぅ!」
蒼星石「それは翠星石を驚かせたかったんじゃないかな?」
翠星石「そんなことねーですぅ、どうせ恥ずかしかったに決まってるですぅ!」
蒼星石「ふふふ・・・じゃあ、そういうことにしておくよ」
翠星石「まったく、今日のためにわざわざ時間を空けてやったですよ」
蒼星石「でも、チケットが届いた日からずっと机にあと何日って・・・」
その時、ブザーが鳴った。
翠星石「いよいよ始まるですぅ」

すべての照明が落とされた。舞台の中央にじわじわと明るくなる光を浴びて一人の役者が立っていた。
そこに立っていた者は右も左も分からなかった生徒の顔ではなく立派な役者の顔だった。
その顔を見て翠星石は泣いた。だがすぐさま目を拭った。
泣くのは最後でいい今は立派に成長した自分の生徒をただ目に焼き付けようと心に言って、もう一度目を拭った。