「雛苺先生、さようならー」
雛「さよならなのー!」
放課後の廊下で、すれ違う生徒たちと別れの挨拶をする。
授業から解放された生徒たちが、みなそれぞれに帰路につく。
N「先生、さよならっす」
雛「うん、さよならなの!」
最後にすれ違った生徒の背中を見送る。ふと、生徒の持つ鞄を見た。
雛「あーっ、N君の鞄穴が開いてるの!」
N「え?げ、本当だ!」
見ると、どこかに引っ掛けたのか、無残に裂けていた。中身がこぼれそうだ。
N「げー最悪…。まぁ結構使ったしな。新しい鞄買うか・・」
雛「え?買い替えるの?」
N「そりゃそうっすよ。こんなの使えないっすもん」
雛「ダメー!」
腕にしがみつき、上目遣いに訴える。
N「へ?だって…」
雛「こっち来るの!!」
Nの腕を無理矢理引っ張って何処かへ連れて行こうとする。
N「痛い痛い!!自分で歩きますから!」
そんな調子で無理矢理連れて来られた先は、家庭科室だった。
雛「そこで待ってて!」
Nを椅子に座らせると、一人準備室へ入っていってしまった。
N「なんなんだよ…」
準備室から出てきた雛苺の手には、裁縫箱が持たれていた。
N「先生、どうするんすか?」
雛「えへへー。縫うのよ。ほら、鞄貸して!」
雛「さよならなのー!」
放課後の廊下で、すれ違う生徒たちと別れの挨拶をする。
授業から解放された生徒たちが、みなそれぞれに帰路につく。
N「先生、さよならっす」
雛「うん、さよならなの!」
最後にすれ違った生徒の背中を見送る。ふと、生徒の持つ鞄を見た。
雛「あーっ、N君の鞄穴が開いてるの!」
N「え?げ、本当だ!」
見ると、どこかに引っ掛けたのか、無残に裂けていた。中身がこぼれそうだ。
N「げー最悪…。まぁ結構使ったしな。新しい鞄買うか・・」
雛「え?買い替えるの?」
N「そりゃそうっすよ。こんなの使えないっすもん」
雛「ダメー!」
腕にしがみつき、上目遣いに訴える。
N「へ?だって…」
雛「こっち来るの!!」
Nの腕を無理矢理引っ張って何処かへ連れて行こうとする。
N「痛い痛い!!自分で歩きますから!」
そんな調子で無理矢理連れて来られた先は、家庭科室だった。
雛「そこで待ってて!」
Nを椅子に座らせると、一人準備室へ入っていってしまった。
N「なんなんだよ…」
準備室から出てきた雛苺の手には、裁縫箱が持たれていた。
N「先生、どうするんすか?」
雛「えへへー。縫うのよ。ほら、鞄貸して!」
鞄の中身を全て出し、雛苺に手渡す。それを受け取った雛苺は、早速裂けている部分に針を通した。
N「へぇ、先生結構上手いっすね」
雛「だってヒナ、家庭科の先生なのよ?」
慣れた手つきで鞄を縫っていく。
雛「鞄はね、もっともっとN君に使って欲しい。て言ってるの」
鞄を縫いながら、優しく語り掛ける。
N「へぇ、鞄がねぇ」
そりゃ凄いこった。とおどけてみせる。
雛「鞄はね、毎日毎日N君の為に頑張ってるのよ。だからN君も、鞄を大切にしてあげて…」
雛苺が、まるでわが子をいたわる様に鞄を撫でた。
そう言われると、今まで無意識に使っていた鞄に、不思議と愛着が湧いた。
N「そうっすね。そんなに頑張ってくれてるんならもっと使ってやらないといけないっすね」
雛「本当!?きっと鞄も喜ぶの!!」
顔を輝かせ、まるで自分のことのように喜ぶ。Nは思わず笑ってしまう。
雛「はい!できたのー!」
縫い終わった鞄を受け取る。雛苺によって命を吹き返した鞄は、新品のように思えた。
N「ありがとうございます。って、なんなんすかコレ!?」
裂けていた部分に、フェルトで作られた苺のワッペンが縫い付けられていた。
雛「えへへへー。可愛いでしょ?ヒナとお揃いよ」
そう言うと自分の鞄を見せた。なるほど確かに同じワッペンが付けられていた。
N「う…。しかもかなりしっかり縫い付けられてる…」
雛「取っちゃメ~なの!ちゃんと大切に使うのよ?」
呆れを通り越して笑えてきた。こういうのも悪くない。
N「ははは…。ありがとうございます。大切にしますよ」
雛「本当?約束よ!」
そう言うと小指を差し出した。Nはやれやれと笑いながら、その指に自分の小指を絡めた。
N「へぇ、先生結構上手いっすね」
雛「だってヒナ、家庭科の先生なのよ?」
慣れた手つきで鞄を縫っていく。
雛「鞄はね、もっともっとN君に使って欲しい。て言ってるの」
鞄を縫いながら、優しく語り掛ける。
N「へぇ、鞄がねぇ」
そりゃ凄いこった。とおどけてみせる。
雛「鞄はね、毎日毎日N君の為に頑張ってるのよ。だからN君も、鞄を大切にしてあげて…」
雛苺が、まるでわが子をいたわる様に鞄を撫でた。
そう言われると、今まで無意識に使っていた鞄に、不思議と愛着が湧いた。
N「そうっすね。そんなに頑張ってくれてるんならもっと使ってやらないといけないっすね」
雛「本当!?きっと鞄も喜ぶの!!」
顔を輝かせ、まるで自分のことのように喜ぶ。Nは思わず笑ってしまう。
雛「はい!できたのー!」
縫い終わった鞄を受け取る。雛苺によって命を吹き返した鞄は、新品のように思えた。
N「ありがとうございます。って、なんなんすかコレ!?」
裂けていた部分に、フェルトで作られた苺のワッペンが縫い付けられていた。
雛「えへへへー。可愛いでしょ?ヒナとお揃いよ」
そう言うと自分の鞄を見せた。なるほど確かに同じワッペンが付けられていた。
N「う…。しかもかなりしっかり縫い付けられてる…」
雛「取っちゃメ~なの!ちゃんと大切に使うのよ?」
呆れを通り越して笑えてきた。こういうのも悪くない。
N「ははは…。ありがとうございます。大切にしますよ」
雛「本当?約束よ!」
そう言うと小指を差し出した。Nはやれやれと笑いながら、その指に自分の小指を絡めた。