ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

水銀燈と浮気発見術

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水銀燈「全く…何で私がこんな事やらなきゃいけないのよ…」
どこまでも続く灰色の空の下、彼女は肩をすぼめながら、誰に言うでもなくそう呟いた。
冬のこの時期になると、体育の授業には生徒にとって…そして彼女のような教師にとっても嫌なものが増える。
…そう、マラソンである。
ベンチに座り、時を計りだしてから約15分…。本来なら、学校や自宅など暖房の効いたところで暖まっていたいところなのだが、今回は同僚たちがそれを許さなかったようだ。
水銀燈「…大体、こういうのは雪華綺晶にやらせればいいのよ…。それに、何でマラソンが必修課目なのよ…」
イライラした様子でそう呟くと、彼女はもう一度グラウンドの隅のほうを眺めやった。
「早く、あそこから生徒全員がコースを走り終えて帰ってくればいいのに…。そうすれば、後は体育館の中で授業が出来るのに…」
そんな事を考えながら…


一方、生徒達の方はと言うと、これまた同じようにこの授業に対して、愚痴をこぼしていた。
いつもは水銀燈の言うことを聞く生徒たちであったが、今回ばかりは少し勝手が違うようだ。
男子A「いくら水銀燈先生の前だからって言っても、こんな寒いのにマラソンなんてやってらんねーよな…。」
男子B「ホントホント、しばらく休んでようぜ。」
そう言うと、2人はグラウンドの隅にある部室へと入っていった。
ここなら先生の目からも見えないし、何よりゴールも近い…。そして、本来所定のコースを3週走らなければいけないところを、約1週走るだけで済むというのが彼らの考え出した方法だった。
男子A「あー…極楽極楽…。てか、みんな寒い中よく頑張るねぇ…」
男子B「偉いよなー…真似したくは無いけど。あ、ジャンプとってくんない?」
そんな事を話しながら、彼らは思い思いの方法で時間を潰し始めた。
それから何分経ったであろうか…そうこうしているうちに、そろそろ他の真面目な生徒たちがゴールインし始めているようだ。
生徒A「お、そろそろ行かなきゃマズいな。おい、しっかり演技しろよ。」
生徒B「分かってるって。はい、霧吹き。」
そう言うと、彼らは再び外へと飛び出していった。


男子A「はぁはぁ…ちっくしょう…。最後の最後で抜かれちまったか…」
男子B「はは…野球部を…舐めんなよ…」
そう言いながら、彼らはさも疲れた顔をしてゴール地点に倒れこんだ。
額からは、霧吹きで吹きかけた水があたかも汗のように光り輝いている。
そう…全ては完璧のはずだった。しかし…
水銀燈「…おかしいわねぇ…。あなたたち、いつの間にココ3週したのぉ?」
それは、彼らにとって予想外の言葉だった。
確かに並みの教師なら、その方法でも通用するかもしれない…
しかし、彼らはある事実をすっかり忘れていた。
つまり…彼女が『並みの教師』では無いと言う事を…
水銀燈「…まさか人がこんな寒い中、ちゃんと仕事してたって言うのに…サボったりなんかして無いわよねぇ…?」
男子A「え!?…い、いやだなぁ、しっかり走ってましたよ!?なあ!」
男子B「お、おう!!」
もはや、嘘を突き通すしかない…そう覚悟を決めたのか、2人は多少早口になりながらも、そう声をそろえる。
そんな2人に対し、彼女はこんな事を言い出した。
水銀燈「ふぅん…まあいいわぁ…。ちょっとあなた、手ぇ貸してごらんなさぁい。」
その言葉に「なんだろう」と2人が疑問を抱くより早く、彼女はその手をとり、そしてその手をぺろっと舐めた。
男子A「え!?ちょ…いったい何を!?」
それは2人…そしてその場の生徒たちにとって、予想だにしない行動だった。
生徒達の中には、その行動にあらぬ妄想を抱いたものもいたかもしれない。
だが…
水銀燈「あらぁ…?普通なら汗をかくから塩の味がするはずなのに…これはどういうことかしらぁ…?」
結局、その質問に答えられなかった2人は、罰として規定の3倍の量を走らされる事になった。
そして、もはや息も絶え絶えになりながら、彼らが4週目を周り終えようかと言う時、彼女は不意にこんな事を言い出した。
水銀燈「…あ、そうそう。ちなみにコレ、夏場の浮気発見術にも使えるわよぉ…♪女子のみんな、よく覚えておきなさぁい♪」
その時、皆の頭にある共通の疑問が浮かんだ。
「…浮気された事、あるんですか?」と。
しかし、これを質問する勇気ある生徒は、幸か不幸か1人もいなかったそうである。


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