ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 駐車場の蒼星石

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放課後の職員室に、一本の電話が鳴り響く。
蒼「はい私立有栖学園です」
蒼星石は電話を取ると丁寧に応対した。
蒼「はい・・はい・・・えっ!!??」
蒼星石が短い悲鳴を上げた。思わず立ち上がる。周りにいた教師はギョッと蒼星石の方を見た。
蒼「ウチの生徒が…!?どこで?・・・はい・・・はい・・・分かりました!直ちに向かいます!はい・・・ありがとうございます!」
翠「蒼星石先生!?どうしたですか!?」
蒼「ごめん!!今日の会議は遅れるかもしれないって他の先生に伝えといて!!」
翠星石の呼び止める声を後ろに聞きながら、蒼星石は職員室を駆け出した。
地域の住民から電話が来た。ウチの生徒が、他校の生徒と殴り合いの喧嘩をしていると。
場所は近所のスーパーの裏の駐車場。全力で走れば3~4分で着くことができる。
程なくして問題の駐車場に着いた。そこに、一人の男子生徒がうずくまっていた。
制服は、間違いなく蒼星石の学校のものだった。買い物客は遠巻きにそれを見ていた。
蒼「だ、大丈夫かい!?」
駆け寄り、倒れていた男子生徒を抱き上げる。顔は殴られたのであろう、血だらけだった。
「う、うぅ・・・蒼星石先生・・・?」
蒼「酷い怪我じゃないか!どうしたんだい!?」
「か、絡まれちまった…。△△学校の奴らだ・・・。あいつら、自分から肩をぶつけておいて文句言ってきやがった…。
それで、ここに連れて来て殴りかかってきやがった。5対1だぜ…?卑怯だっつの。」
5人に袋叩きにされたのであろう。男子生徒は全身ボロボロだった。

「でも、俺…、あいつらには手を出さなかったぜ・・・」
蒼「え・・・?」
「俺も、もう3年生だしな…。問題起こすわけにもいかないし…、なにより先生たちに迷惑掛けられねぇしな。へへへ…」
男子生徒はそう言うと、折れた前歯をニカッと見せて笑い掛けた。蒼星石も思わず釣られて笑ってしまう。
蒼「はは…君は強いね」
「へっ…先生には勝てねえよ」
蒼「ううん…。君は強い」
蒼星石はハンカチを取り出し、男子生徒の顔を拭いた。
蒼「さぁ、帰ろう。保健室で怪我の治療をしてもらわないとね」
そう言うと、蒼星石は生徒に背中を向けてしゃがみこんだ。
「なんだよ・・・」
蒼「おぶって帰るよ」
「ば、馬鹿言うなっての!!そんな恥ずかしいことができるか!!歩いて帰れる!!」
男子生徒はそう言うと、一人で歩き始めた。しかし、打撲をしているのか全く踏み込むことができず、まともに歩くことができなかった。
「痛て…!!」
まるで生まれたての子馬のようだった。蒼星石は、困ったものだと笑いながら言った。
蒼「そのまま帰るほうがよっぽど恥ずかしいと思うけどなぁ」
「う、うるせーよ!!男が女におぶられて帰るなんて…!!」
蒼「なんだい?もしかしてお姫様抱っこの方が良いのかい?ボクは構わないよ」
「ぐっ…!!」
蒼星石は再び背中を向けしゃがむ。
蒼「ほら、早く」
「ちぃ…」
蒼星石に促され、男子生徒はようやく観念したのか、渋々と蒼星石の背中に乗っかった。
蒼星石はそれを軽々と持ち上げ、歩き始めた。
「お、俺は重いぞ…大丈夫かよ…?」
蒼「なぁに、問題ないよ」


男子生徒は恥ずかしさのため、顔をうずめた。蒼星石の髪の匂いが鼻をくすぐる。
とても優しい、温もりのある匂いだった。
ふと首筋を見ると、汗が滲んでいた。全速力で駆けてきたのだろう。
「なぁ先生・・・」
蒼「ん?なんだい?」
「もし先生があの駐車場に来た時、俺がまだ殴られていたら先生はどうするつもりだった?」
蒼「間違いなく止めに入っただろうね」
「でも、相手は5人だぜ?いくら蒼星石先生が強くても、勝てるとは限らないよ…」
蒼「ボクは暴力を暴力で押さえ込むつもりはないよ。あくまで、止めに入るだけさ」
「でもそしたら、先生も殴られるかも知れないぜ?」
蒼「大切な生徒のために怪我ができるなら、本望だよ…」
この時男子生徒は、蒼星石の本当の強さを知った。
「へっ、やっぱり先生には敵わねぇよ・・・」