ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki とある男子生徒の事情

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男子A「……」
 男子Aは、ただ廊下を歩いていた。その顔には、無表情が張り付き何か疲れた感じが見られた。
 こんなにも良い天気なのに、こんなにも賑やかな学校なのに、男子Aの体調が優れないわけでもない。
 ただ、問題だったのは男子Aの心だった。
 毎日が、詰まらないと感じ。毎日学校に来ることが苦痛で、何で俺は此処に居るのか。
 男子Aは、そんな事を思い考えていた。
 全てが、色あせて……そう、灰色に見える。
男子A「はぁ……」
 男子Aは、ため息をついた。今日で七回目のため息。
水銀燈「なぁに、ため息なんてついちゃってるのよぅ」
男子A「うわぁ?!」
 いきなり後ろから掛けられた声に、驚きのあまり素っ頓狂な声を上げる男子A。
 恐る恐る後ろを見れば、自分の教室の副担任である水銀燈が居た。
男子A「……別に」
水銀燈「ふぅん。まぁ、別に問題なかったらいいんだけどねぇ……アナタ、毎日が詰まらないって顔してるわよぅ?」
 え? と、水銀燈の言葉に顔には出さないが、男子Aは何でわかったのだろうか? と思った。
水銀燈「ほら、今なんでわかった? って思ってるでしょ?」
男子A「……何か用ですか? 水銀燈先生」
 男子Aは、水銀燈の言葉に何も答えずに、事務的にそう尋ねた。
 水銀燈は、べつにぃ~。ただ、目についただけよぅ。と言って笑った。

水銀燈「で? アナタは、殻に閉じこもってるつもりぃ?」
 いきなり何を言っているんだろうか? この人は……男子Aはそう思う。
水銀燈「まぁ、大方毎日が灰色。詰まらない毎日。そう、なんて暇で無駄な人生だろうとかぁ思ってない?」
 図星だった。
水銀燈「刺激がほしいけど、自分から歩いていかない。殻に閉じこもってるとおなじじゃなぁい」
男子A「………」
 無言で水銀燈を見る男子A。水銀燈は、苦笑した後にジュンの名前を出した。
水銀燈「あのコも、アナタとは方向が違うけど殻に閉じこもってたのよぅ?」
 男子Aは、一時期ジュンが登校拒否をしていた事を思い出す。
水銀燈「まぁ、あのコの場合は不安が積もりすぎて恐怖になって心をしばってたんだけどねぇ」
男子A「それが、俺になんの関係があるんです」
 いらついていた。男子Aはなんでこの人は、俺にこんな話をするのか……わからない。
水銀燈「あのコもアナタもそう。まるで昔の私を見ているみたいでむかつくのよぅ」
男子A「なんすかそれ………」
水銀燈「私はねぇ、私の昔みたいなヤツを増やしたくないのよぅ」
 少しばかり悲しそうに笑う水銀燈。
水銀燈「だって、アナタが求める刺激もただ一歩。そう一歩踏み出せばあるのよぅ?」
 何がいいたいんだこの人は、いらつく。

水銀燈「何か、聞きたい事あるぅ?」
男子A「別に……なんも」
 何も聞きたい事なんてない、俺を一人にさせてくれ。男子Aはそう思った。
水銀燈「あら、そう……なら、最後に言っておくわぁ」
男子A「なんすか……」
水銀燈「なにか話したくなったら……なにか悩んで苦しかったら私に話しなさい」
 水銀燈は、真剣な面持ちで男子Aにそう言った。
水銀燈「それだけよぅ」
 また、悲しそうに笑みを浮かべる水銀燈。
 そして、男子Aの前から去っていった。
 一人残された男子Aは、いらつきと共に何か別のナニカを感じていた。
 それから数日後。
男子A「水銀燈先生。ちょっといいっすか?」
 職員室で、ヤクルトを飲んでいた水銀燈に声を掛ける男子A。
 その顔には、どこか決意した表情が見て取れた。
水銀燈「いいわよぅ」
 嫌な顔せず、逆に笑顔を浮かべて水銀燈はそう答えた。
 その後も、ちょくちょく男子Aが職員室で、水銀燈に声を掛けている姿見られた。
 そんな一人の男子生徒の事情。