ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 本音

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酒のにおいが、鼻を突いた。
ボーッとする頭を持ち上げ、また宴に入ろうとする。
目の前には顔見知りの男女が大はしゃぎしていた。

 本音 

「今日は我らが学園の創立記念日だ!!皆、盛大にパーティをしよう!!」
事の元凶のここの学園の校長、ローゼンが突然の提案をした。
あるものは目を輝かせ、あるものはため息をつき。
「当然!代金は全部このボクとラプラス教頭が持つよ!!」
その言葉に、最初は無関心だった先生達も「おお。」と声を上げる。
教頭はローゼンによって縛られて口をふさがれていたが。
その案には全員が快く賛成し、ローゼンは満足げだった。
だが、ここに一つ、誤算があった。

      全員が酒に強いわけではないことに。

「さぁて今日はじゃんじゃん飲んじゃうわよぉ!」
と、元気よさそうに意気込んでいるのは水銀燈。
ちなみに流石遊び人といったところかお酒にはべらぼうに強いのでたくさん飲める酒好きの彼女には今日は最高の日になるはずだった。
因みに場所も職員室さらに寝泊り可能なため、飲酒運転で御用になる前に助かる。
「ぎ…銀ちゃん…手伝って…」
山のようなワインケースと様々な料理を運んでいるのは薔薇水晶。
彼女はお酒は滅多に飲まないのでお酒に対しての強弱は解らない。
華奢(きゃしゃ)な体で重いものは中々持てず、水銀燈に手伝ってもらおうと必死だ。
「はぁ?何で私が……」
水銀燈が拒絶の声を上げようとしたその時、

ジャコン

と、どこかで銃の弾を入れ替えた音がした。
「気……気が向いたからぁ……手伝ってあげるぅ……」
その言葉にぱぁっと薔薇水晶の表情は明るくなった。
水銀燈の後ろには拳銃を構えた雪華綺晶が居たが。

所変わって家庭科室。
「蒼星石!ちょっとパスタのほうの火の加減見てきてほしいです」
大声で司令を出すのは翠星石。
「わかったよ、翠星石。」
そして家庭科室内を見回り続けるのが蒼星石。
「花丸さーん♪花丸さーん♪どうしてあなたはおっいしいのー♪」
花丸ハンバーグと苺ケーキに囲まれているのは雛苺。
「ふっふっふっ…この金糸雀が楽してずるして苺を頂きかしらー?」
上機嫌な雛苺の死角からおでこを見せながら近寄ってくるのは金糸雀。
狙うは水々しい苺。

がいん

その頭の上にフライパンが落とされた。
「何をしているのかしら?金糸雀先生?」
金糸雀がフルフルと体を震わせ、後ろを振り向く。
見えたのは呆れた表情で金糸雀の後ろに立っていた真紅だった。
その後、金糸雀は翠星石に真紅の料理を食べさせられ、地獄の思いをした。

職員室には豪華な料理が並び、そして様々な酒類が並んでいた。
大半は雪華綺晶の胃に収まってしまうだろうが。

校長のローゼンが乾杯の音頭を上げ、一斉に夜の学校は明るくなった。

「ほらほらぁ真紅ぅ?こんな日ぐらいもっとのまないとぉ…」
もうすでにぐでんぐでんな真紅を明日、明後日、明々後日の二日酔いで痛めつけてやろうと思い、水銀燈はワインを注ぐ。
「ちょwww水g…あなt…」
酔いで目が回り、頭が重くて喋れなくなった真紅。
どうやら酒には弱かったみたいだ。
金糸雀と雛苺は案外お酒には強かったらしく特になんの反応もなく料理を口に運んでいた。
「はむ…はむ…」
雪華綺晶はハムスターばりに頬を膨らませ、むさぼっている。
ふと横に目をやると妹が頭を抑え、苦しそうにしていた。
「ば、ばらしー!!?」
大丈夫か、と言いながら妹の背中をなでてやる。
「う…」
ぐらりぐらりと歪む視界、心配そうな皆の横顔が目に映った。

「あぁれぇ~♪ばらしーちゃあんどうしたの?ねぇ、水銀燈せ・ん・せ?」
ローゼンはよった勢いで水銀燈に抱きつく。
「こ…このクソ校長…」
頬に青筋を走らせ、美貌を歪ませる水銀燈。軽く突き放し、冷静になる
が、その直後二人を妨害するかのように水晶の柱が生えた。
「は?」
「え?」
突然の出来事で今だ状況が掴めない二人。
そして視線を変えた先には

「やめんかぃジジィ」

恐るべき、悪魔(サタン)のような形相でローゼンに迫るのは普段は内気でおとなしい

「ば…薔薇水晶せんせぃ?」

重い足取りは水銀燈の元へと進む。
そして
「ん!!?」
ちゅう、と音を鳴らし舌を絡める
水銀燈は苦しそうにもがくが、次第に力は抜けていった。
「あ…はっ……////」
びくりと震えた体を薔薇水晶は抱きしめる。
その光景に二人以外は呆けた目で食い入るように見ていた。
「銀ちゃん、は…私、のなの。」
触れたら殺すと言わんばかりに睨みつける薔薇水晶。
どうやら、酒癖の悪く、酒に弱い薔薇水晶は酔うと本音を話すようである。
「ね…?良いよね銀ちゃん?」
自分の腕でヘロヘロになった水銀燈は力なく頷いた。
その光景を、呆けた目で見ていたがやがて自分の枕の上で眠っている蒼星石をなでる。

「蒼星石。」
返事は無い。でも彼女は続けた。
「翠星石はちょっと羨ましいんですよ?」
目の前で繰り広げられる光景を異色の目は写す。
「あんな風に、皆の前で堂々と言えたら…」
どんなに、どんなに幸せだろうか。
サラサラと亜麻色のは綺麗だった。
「好きですよ。蒼星石。」
聞こえない、小さな声。
耳をどれほどすませても聞こえることの無いささやき。
彼女にもう少し勇気という力があれば変えられたのに。
彼女の心に秘めた秘密が墓場への土産になるのかどうかはまた、別のお話。
只、今は幸せな気分に浸っていたかった。

甘い空気を、今一度、めいいっぱい胸に。

END