ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

蒼星石と野球部

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匿名ユーザー

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蒼「ぼ、僕が代理で野球部の顧問?」

野球部の顧問が病気で倒れた。幸いにも大事には到らなかったが、夏の県予選1回戦には間に合いそうにないらしい。

蒼「そ、そんな無茶ですよ!」

蒼星石先生がこういうのも無理はない。
この学園の野球部はそこそこの実力なのだが、プレイスタイルは俗に言うIT野球。これは顧問の存在が非常に大きいのだ。
それにまず蒼星石は野球をよく知らない。アウトとセーフは分かるというレベルだ。

蒼星石の激動の2週間が今始まろうとしている。

金「蒼星石先生、大変そうなのかしらー!」

雛「うゆー本当なのー!」

翠「まったく二人とも静かにするですぅ!蒼星石先生の邪魔になるですぅ!」

真「そうなのだわ。というより職員室では静かにするのが常識なのだわ。」

銀「蒼星石先生ぇ~ちょっとは休憩したらぁ~?私のヤクルトあげるからぁ~」

蒼「えっと…打ったら1塁に走るんだな…ブツブツ」

雛「全然聞こえてないみたいなのー」

薔「…水銀燈先生…私にヤクルトちょうだい…」

こうして職員室の昼休みは過ぎていく…

放課後、部活の時間だが蒼星石は職員室で野球のルールブックと格闘中だ。
なんでも練習は部員だけで大丈夫らしい。まぁ僕が行っても何も指示はできないが…

蒼「なるほど。ストライク3つで三振、ボール4つで四球、体に当たったら死球か…奥が深いな野球って」
しかし、事件は起こった。
ガラガラッ!!
部員「先生っ!キャプテンと副キャプテンがっ!!」

蒼「二人がどうしたのっ?」

どうやら練習方法でもめて、グラウンドで殴り合いをしているらしい。これは一大事だ。

蒼「分かった!今すぐ行くねっ!!」

蒼星石はグラウンドに向かって走り出した。

グラウンドにつくとまだ喧嘩をしている最中だった。慌てて間に入る蒼星石先生

蒼「ちょっと二人とも止めて!」
キャ「蒼星石先生…」

蒼「今怪我でもしたら、大事な試合に出られなくなっちゃうよ!」
副キ「かまうもんか!俺はもううんざりなんだよ!こんな部活がよ!」

蒼「分かった、分かったから落ち着い…」
副キ「うるせぇ!」
蒼「キャッ!」ドスン!

キャ「先生!大丈夫ですか!?」

ただ尻餅をついただけだ。痛くなんかない。だけど、心が痛い…なんでこんなことに…

副キ「先生?」
蒼「グスッ、どうしたの?君はそんな子じゃなかったじゃない?グスッ」

副キャプテンは確かに授業中は真面目だし、人望もある。なのにどうして…

蒼「僕に…話してもらえないかな?なにか理由があるんでしょ?僕が全部聞いてあげるから。ねっ?」
副キ「っ!先生っ!」

そう言うと彼はがっくりと膝を落とし泣き始めたのだった。
僕はその間彼を優しく抱きしめてあげた。

副キャプテンの話を聞くと、どうやら練習だけでなくこの部活自体に嫌気がさしていたらしい。
形式ばかりにとらわれた練習。自由に野球が出来ない試合。もう散々なんだそうだ。

副キ「たぶん他の部員もそう思っています。ただ顧問の命令は絶対なんです。」

蒼「そうなの?キャプテン?」

キャ「実はそうなんです…俺だって楽しんで野球をしたいです。みんなだってそうです。」

部員「けど勝つためにはこれしかないって顧問が…」

蒼「そうか…みんな辛かったんだね…」

そう言うと心のダムが決壊したのか、次々と部員達は泣き出した。

蒼星石は決心した。

蒼「みんな聞いて。僕はもう野球の知識は学ばないことにするよ。」

一同「えっ?」

蒼「みんなが好きなように練習メニューを考えて。試合中も僕は一切指示を出さない。」

キャ「それじゃあ顧問が…」

蒼「顧問の命令は絶対なんでしょ?今の野球部の顧問は僕だよ?みんな言うこと聞かなきゃダメじゃない!」

部員達は一瞬ポカンとしていたが、みるみる笑顔になり、耳が痛くなるほど大きな声で「ありがとうございますっ!!」と言うと、一斉にグラウンドに駆け出したのだった。

数日後、蒼星石は顧問の先生の病室にいた。
蒼星石は事の一部始終を包み隠さず話した。

顧「そうですか…そんなことがあったんですか…」
蒼「はい…でしゃばった真似をしてすみません。」
顧「いえいいんですよ。むしろお礼を言いたいくらいです。」
蒼「えっ?」
顧「実はですね…」

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蒼「みんな!集合!」
蒼「さっきね、入院中の顧問の所に行ったんだ。そしたら、『俺の野球戦術以外で勝てるわけない。もし勝ったなら今後もお前等の好きにさせてやる。ただし負けたら…分かってるな?』だって!」
副キ「あの野郎!」
キャ「よしっ!こうなったら俺らの手で勝利を勝ち取ろうぜ!」
一同「おうっ!!」

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顧「実はですね、私も彼らと同じ気持ちなんですよ。もっと自由に野球をやりたいんです。だけど勝つためにはこうするしかなかったと…」
蒼「そうですか…」
顧「あ、これはあいつらには内緒です。あいつらにはこう伝えて下さい。ゴニョゴニョ」
蒼「フフッ!分かりました♪」

蒼(これでいいんだよね、先生。)

試合当日。蒼星石は緊張していた。僕は何もやることはないのに…
しかし対照的に部員達は皆気持ちいいほどの笑顔だ。
キャ「先生っ!何緊張してるんすか!?」
蒼「ぼ、僕は緊張なんてしししてないよ?」
副キ「なら、なんで相手ベンチに行こうとしてるんだよ」
蒼「はっ!僕何やってるんだろう…」
部員達は笑い出す。それにつられて僕も笑う。相手チームは半ば呆れ顔。かまうもんか。野球だろうが何だろうが、スポーツは楽しまなきゃね♪

翠「なーに笑ってやがるんですかね~あいつら」
真「本当なのだわ。勝負の前に笑うなんて…」
雛・金「けどみんな楽しそうなのー!(かしらー!)」
銀「ほんとおばかぁさん♪」
薔「…試合始まるよ…」

蒼「僕は何も指示はしないよ。だけど僕にだって応援はできる。さぁ!みんな楽しんで試合をしようっ!!」

一同「おうっ!!」

蒼空に球児が駆け出す。これが青春っていうのかな?

お・し・ま・い

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