昼休み開始を知らせる合図が校内に鳴り響く。
教室内の生徒達は、素早くあいさつを済まし皆それぞれ昼食を取るべき行動を始める。
教室内の生徒達は、素早くあいさつを済まし皆それぞれ昼食を取るべき行動を始める。
『青と蒼』
蒼(さて、僕もお昼を食べないと)
昼食をとるべく職員室に向かう蒼星石。
が、嫌なものが目に留まってしまった。
が、嫌なものが目に留まってしまった。
なんと、薔薇水晶が倒れているのだ。
蒼「薔薇水晶!!」
すぐさま、駆け寄る蒼星石。
蒼「早く、病院に連れて行かないと」
すぐに駆けつけた救急車によって薔薇水晶は、運ばれていった。
薔「…」
目が覚める。視界には真っ白な天井。
蒼「目がさめたかい?薔薇水晶」
聞こえるのは、蒼星石の声。
薔「…」
彼女には、この状況が把握できない。
蒼「どうしたんだい?」
薔「ここは、何処?」
薔「ここは、何処?」
蒼「ここは病院だよ」
彼女の問いにスッパリと答える。
彼女の問いにスッパリと答える。
と、蒼星石の横から雪華綺晶が現れる。
薔「あ、お姉ちゃん」
雪華綺晶に対して安堵の笑みを浮かべる。
雪「…大丈夫なの?」
珍しく心配した顔で訊ねる。
薔「うん、体もそんなに痛くないし大丈夫だよ」
大丈夫であることをアピールする。
雪「…そう」
素っ気ない返事ではあるが安堵の顔を浮かべている雪華綺晶。…こいつ、ツンデレだな。
蒼「…どうして、あんなところに倒れていたんだい?」
蒼星石が彼女に疑問を投げかける。
薔「それは…」
彼女は、ぽつり、ぽつりと語りだした。
彼女は、ぽつり、ぽつりと語りだした。
それは、昼休みのことであった。
薔「~♪」
彼女は、鼻歌を歌いながら生徒でごった返す廊下を歩いていた。
そして、階段を下りている途中にその場面に遭遇した。
彼女は、鼻歌を歌いながら生徒でごった返す廊下を歩いていた。
そして、階段を下りている途中にその場面に遭遇した。
「本当にこれだけしかないんです」
一人の男子生徒が女子生徒五人に囲まれてカツアゲにあっていた。
…情けない男だ。俺なら女五人ボコボコにして傷物にしてやるのに。はい、誰もナレーターの主見なんて訊いてませんね。あい、とぅいまてん。…まじ、すいません。
…情けない男だ。俺なら女五人ボコボコにして傷物にしてやるのに。はい、誰もナレーターの主見なんて訊いてませんね。あい、とぅいまてん。…まじ、すいません。
それを見て彼女が黙っているわけもなく。止めに入った。
その後、口論となり切れた女子生徒に突き飛ばされ階段から落ちたそうだ。
その後、口論となり切れた女子生徒に突き飛ばされ階段から落ちたそうだ。
蒼「…」
彼女は、とても悔しそうな顔をしていた。
蒼「…ちょっと、散歩に行ってくるね」
彼女は、そう言い残し病室を出た。
彼女は、そう言い残し病室を出た。
薔「どうしたんだろう?」
雪「…」
雪「…」
広場。普段なら散歩している患者などが居るのだが、今は彼女以外誰も居ない。
そんな空間で、彼女は昔を思い出していた。
そんな空間で、彼女は昔を思い出していた。
彼女がまだ教師になりたてだったころの話だ。
彼女は、中学生の教員をしていた。
そして、彼女の受け持ったクラスに彼は居た。
彼はいじめにあっていた。いや、あれはいじめなどという形容に当てはまらない。もっと、もっと、酷いものだ。
彼女は、中学生の教員をしていた。
そして、彼女の受け持ったクラスに彼は居た。
彼はいじめにあっていた。いや、あれはいじめなどという形容に当てはまらない。もっと、もっと、酷いものだ。
彼を救いたいと彼女は強く思った。
だが、彼女がその中学校にいる間に彼に彼女の思いが伝わることはなかった。
彼女は、その学校を去る時にそれがとても心残りだった。
しかし、奇妙な偶然はあるもので再び彼と有栖学園高等部という舞台で教師と生徒という立場で出会うこととなる。
だが、彼女がその中学校にいる間に彼に彼女の思いが伝わることはなかった。
彼女は、その学校を去る時にそれがとても心残りだった。
しかし、奇妙な偶然はあるもので再び彼と有栖学園高等部という舞台で教師と生徒という立場で出会うこととなる。
青「なにをしてるんですか」
急に現実へと引き戻される声。
蒼「えっ、えっと」
なんというか、しどろもどろの蒼星石。
蒼「ちょっとね」
適当にごまかす。
青「そうですか?」
…なんか、顔がにやけてるような気が。
蒼「ど、どうして、青桐君はここにいるのかな?」
誤魔化すために質問を投げ掛ける。
青「…馬鹿な親友が入院してるんで、見舞いに来たんですよ」
…馬鹿ってひどい言いようだな。
蒼「そ、そうなんだ」
適当な相槌を打っておく。
適当な相槌を打っておく。
青「で、蒼星石先生はなにようで、この病院にいるんですか?」
とりあえず、質問を30°ほど変えることにした。
蒼「薔薇水晶先生が入院してるんだよ」
これには、簡単に応じる。
青「…」
しばし、無言で考え込む。
しばし、無言で考え込む。
そして、ポンっと手を打ち。
青「こんなおもしろいことは、あいつにも伝えんとな」
そう言って、彼は去った。
青「こんなおもしろいことは、あいつにも伝えんとな」
そう言って、彼は去った。
去り際に彼は、
青「過去のことをいつまで悩んでも今に目を向けないと損なだけですよ」
と、言い残して行った。
青「過去のことをいつまで悩んでも今に目を向けないと損なだけですよ」
と、言い残して行った。
蒼(…今か、…)
今は、とりあえず薔薇水晶を酷い目に逢わせた彼女達をとっちめてやらないと。
とっちめるなんて言い方が悪いが、きついお灸はすえてやらねば。
とっちめるなんて言い方が悪いが、きついお灸はすえてやらねば。
そんなことを考えながら、蒼星石は広場を去っていった。
おまけ
青「薔薇水晶先生が入院しているそうだぞ」
紅「まじでか!そいつはチャンスだ。これを機に薔薇水晶先生と距離を縮めてやるぜ」
青「…がんばれよ」
青「薔薇水晶先生が入院しているそうだぞ」
紅「まじでか!そいつはチャンスだ。これを機に薔薇水晶先生と距離を縮めてやるぜ」
青「…がんばれよ」
次の日に紅が爆撃にあい死に掛けたのは言うまでもない。