ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 裏有栖学園 第三話

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「JUM。約束してたモノは出来たの?」

 と、一心不乱に人形作りにいそしむのJUMに声をかけるめぐ。
 JUMは、あと服だけだ。と告げるとめぐは腕を組む。

「今日中が期日って言ったけど……こんな時まで普通やる?」
「間に合わないんだからしょうがないだろうが、オマエ期日破ると
 不死屋餡蜜食べ放題とか要求するだろうが」
「そりゃぁね?」
「そのたびにだ、僕の財布が空になるのがいただけない」
「結構稼いでるくせに」

 JUMの物言いにめぐが舌を出して言う。

「まぁ、そんな訳で僕とロスヴァイセは今回手ださないから」
「自業自得の癖に、コレ全部私やるの?」

 そう言って目線をやれば其処に居るのは、巨大な軍勢。
 ゴーレム。魔術により生み出された命持たぬ者。
 その数は六十ばかり。

「ただの土くれ。五大元素エンチャントのゴーレムよりマシだろ?」

 あぁ!? ずれた!? と、人形の服の縫い糸を手早く外しながらそう告げるJUM。
 はぁ……と、JUMの物言いにため息を一つこぼすめぐ。

「まぁ見た感じ粘土工作で作った不出来なでぐ人形だけど……
 大きすぎない? アレ」

 六十あるゴーレムは全て10m以上の身長を誇っていた。
 めぐの身長の約十倍もの大きさを持つゴーレム達。

「ロスヴァイセ貸してよ」
「僕はいいが、ロスヴァイセが……」
『イヤナコッタ』

 ほら。とJUMは傍らに座る人形の言葉を聴いて呟いた。
 同じくめぐも、JUMの傍らに座る人形の言葉を聴いて肩を落とす。

「わかった! ちゃっちゃと済ませてくるから、ソレまで終わってなかったら……」
「なかったら?」
「不死屋の秋限定で数量限定の秋のスペシャルスイーツを五人前」
「よし、がんばろう」

 めぐの言葉に、俄然やる気が出てきたJUMと言うかめぐの言ったスイーツは一人前一万円するのだ
 それを五人前=五万円。JUMのやる気が出るわけだ。
 払いたくないから。

「さー殺りましょうか」

 と、めぐは教室の窓を開けて外へと飛び降りた。


 六十のゴーレムを前に悠然と立つめぐ。
 その表情に恐れなど無い。
 一つのゴーレムが上に人の影。
 たぶんこの二十のゴーレムを創り操り有栖学園を狙う輩。
 あぁ、なんてセオリー的な敵な事かとめぐは思う。
 随分前に有栖学園に来た輩も学園の敷地まで進行してきたが其処で立ち止まる。
 何せ、何処を押さえれば「モノ」に出来るのかなんて分かる訳が無い。
 知っているのは多分ローゼンのみだろう。案外JUMあたりも知ってるかもしれない。
 そんな事よりも目の前の敵を倒そう……と、めぐはスッと右腕を空に上げる。

 パチンッ

 そんな乾いた音が、周囲に響いた。
 それと同時に一体のゴーレムが真っ二つに切り分けられ真っ二つになった体が地面に大きな音を立てて倒れ付した。
 ゴーレムを操る者には何が起こったのかわからない。
 そんなゴーレムを操る者の事等知った事かとめぐは、さらに音を鳴らす。
 また一体のゴーレムが真っ二つになり倒れ付す。
 めぐは笑う。なんと脆い事かと
 めぐは笑う。三流以下がなんでココに来たのかと
 めぐは笑う。せいぜいあがいて楽しませてくれと

 パチンッ

 また、一体のゴーレムが真っ二つになった。
 三体のゴーレムが屠られやっと何が起こったのか認識した愚か者は、憤怒の表情を浮かべ一斉にゴーレム達をめぐに襲わせる。
 その巨体から全てのゴーレムが一斉にめぐに対して攻撃できる訳ではないが……
 攻撃でなくともその足で踏まれれば一溜まりも無い。その巨体に吹き飛ばされれば一溜まりも無い。
 つまり、ゴーレム自身が「攻撃の塊」なのである。
 ゴーレム達が襲い掛かってくる中、めぐはいとも簡単に回避する。
 そしてまた一体ゴーレムが、今度は横から真っ二つとなり倒れ付す。
 めぐは、左の人差し指の皮を少し噛み千切る。
 其処から小さく流れるめぐの血。

「私も、水銀燈先生もJUMも、面倒くさい事って大ッ嫌いなのよ?
 まぁJUMは、人形を創る事に関しては別だし水銀燈先生はヤクルトとかの為なら別でしょ?」

 そんな事を言いながら、めぐは血が流れる人差し指で何も無い場所で指を動かす。
 普通ならば、そのまま地面に落ちるはずの血がその場に固定されたかのように宙に浮いている。

「私は、まぁ水銀燈先生の事とかは別なの。でその別な事に甘い物を食べる事があるの」

 笑顔を浮かべながら人差し指を動かし続けるめぐ。
 相変わらずゴーレム達は、その巨体を生かしてめぐに襲い掛かっているが……
 兎と亀。亀が兎を捕まえられるか?

「だから、これで終りね?」

 宙に浮かび上がっためぐの血で書かれたソレ。
 ソレは、血を使っためぐにしか出来ないモノ。

「血染めの咆哮をあげなさい」

 そのめぐの言葉を鍵として、血で書かれたソレが光り全てを飲み込んだ。

『ブラッディハウリング』

 書かれたソレから大量に溢れ出る赤、紅、朱。
 牙となり、剣となり、腕となり、刃となり、狼となり、騎士となり、なり、成り。
 それらは咆哮そのものを天に昇らせゴーレム達とその操り人を飲み込む。
 赤が消えればゴーレムは全て粉砕され操り人は、干乾びた干物になっていた。
 めぐは、その干乾びた操り人に歩み寄り踏み砕いた。
 乾いた音と共に怨念染みた声をあげ操り人は、操り人だったモノになる。
 めぐは、笑みを一度浮かべた後クルリと踵を返しJUMの居る教室へと戻った。


 後日談、どうやらJUMのサイフが空になる事は免れたようである。
 「ちぇっ」
 「か、紙一重」
 『ゴクロウナ、コッタ』