ラ「待てい、ローゼンッ!! 今日こそは……今日こそはっ、たまった書類を片づけてもらう!!」
ロ「やれやれ。毎度のことながら、しつこいな、キミも……っと、スレが落ちちゃうよ?」
ラ「な、何い!? 落とさせはせん、落とさせはせんぞぉ……って、待たんか、ローゼン!!」
ロ「あれれぇ、いいのぉ? スレが落ちちゃうよぉ……くっくっくくっ」
ラ「ききき貴様ぁ……スレを盾にするとは、何と卑劣な! 教育者の風上にも置けん……」
ロ「くっくっくっ、じゃあ、保守と書類の件は任せたよ。頑張ってねぇ~~」
ロ「やれやれ。毎度のことながら、しつこいな、キミも……っと、スレが落ちちゃうよ?」
ラ「な、何い!? 落とさせはせん、落とさせはせんぞぉ……って、待たんか、ローゼン!!」
ロ「あれれぇ、いいのぉ? スレが落ちちゃうよぉ……くっくっくくっ」
ラ「ききき貴様ぁ……スレを盾にするとは、何と卑劣な! 教育者の風上にも置けん……」
ロ「くっくっくっ、じゃあ、保守と書類の件は任せたよ。頑張ってねぇ~~」
廊下の角を曲がって、見えなくなるローゼン。と、くぐもった破裂音が三発響く。
サウンドサプレッサー付きの拳銃を携えて、雪華綺晶登場。後ろには、ぐったりしたローゼンを引きずっている。
サウンドサプレッサー付きの拳銃を携えて、雪華綺晶登場。後ろには、ぐったりしたローゼンを引きずっている。
雪「……ローゼン、仕留めた。どこへ運べばいい……?」
ラ「助かりましたよ、雪華綺晶先生。では、地下の特設自習室までお願いします」
ロ「……おおおおのれぇ、きらきぃいいいいっ、この恨みは必ずぅ、セクハラして返s」
ラ「助かりましたよ、雪華綺晶先生。では、地下の特設自習室までお願いします」
ロ「……おおおおのれぇ、きらきぃいいいいっ、この恨みは必ずぅ、セクハラして返s」
雪華綺晶、黙って四発目の銃弾を、ローゼンの右太ももに撃ち込む。ローゼン、完全に沈黙。
ラ「おおっと、雪華綺晶先生。上半身だけは傷つけないでくださいね。書類を処理できなくなってしまいますから」
雪「……わかってる……」
雪「……わかってる……」
雪華綺晶、ローゼンと共に退場。廊下にはべったりと、ローゼンの体が引きずられた血の跡が残されていた。
保守を終えたラプラスは、バケツとモップを用意すると、慣れた手つきで廊下の清掃に取りかかる。
保守を終えたラプラスは、バケツとモップを用意すると、慣れた手つきで廊下の清掃に取りかかる。
そんな何気ない日常の一コマ。
廊下をずるずると引きずられていくローゼン。
ロ「ねえ、きらきー……。お願いっ、見逃してっ」
雪「……お前に、きらきー呼ばわりされる、いわれはない……」
ロ「そんな、つれないなぁ。仮にも僕はキミの上司だよ? もうちっと優しく接してくれたって、罰は当たらないんじゃないかなぁ?」
雪「……お前に、きらきー呼ばわりされる、いわれはない……」
ロ「そんな、つれないなぁ。仮にも僕はキミの上司だよ? もうちっと優しく接してくれたって、罰は当たらないんじゃないかなぁ?」
雪華綺晶は、横目でローゼンの傷の様子を確かめた。もう、治癒し始めている。
口八丁な相手だ。雪華綺晶は、黙殺を決め込んだ。
口八丁な相手だ。雪華綺晶は、黙殺を決め込んだ。
ロ「ううう……うわああああああんんっ、嫌だい嫌だいっ、暗くてじめじめした地底の穴ぐらに閉じ込められて、退屈な作業を強要されるのは、嫌だい嫌だいっ、断じて嫌だいっ!!」
いい年をした大人が、恥も外聞もなく、大声で駄々をこね始めた。
もちろんこれは演技であり、単なる嫌がらせに過ぎないのだが、辺りの教室からは教員たちが一斉に顔を出した。
もちろんこれは演技であり、単なる嫌がらせに過ぎないのだが、辺りの教室からは教員たちが一斉に顔を出した。
真「一体何の騒ぎなのだわっ?」
銀「うるさいわねぇ、人がせっかく真面目にやってるのにぃ」
翠「この翠星石様の授業を邪魔するふてえ野郎は、どこのどいつですかぁ!?」
金「うっかり硫酸をこぼしちゃったかしらっ!」
銀「うるさいわねぇ、人がせっかく真面目にやってるのにぃ」
翠「この翠星石様の授業を邪魔するふてえ野郎は、どこのどいつですかぁ!?」
金「うっかり硫酸をこぼしちゃったかしらっ!」
血塗れの惨状を見ても、誰も驚かない。
真「とっとと静かにさせるのだわっ」
そう言い放って、ぴしゃりと扉を閉める。
雪華綺晶はこくりとうなずき、無造作にローゼンの襟元を締め上げた。
雪華綺晶はこくりとうなずき、無造作にローゼンの襟元を締め上げた。
雪「……よく、さえずる口。もう一発食らえば、少しはおとなしくなるかな……?」
少しこもりがちだが、耳ざわりのいい声で、淡々と物騒なセリフを吐く。ローゼンは、追従の笑みを浮かべるしかなかった。
再び引きずられていく校長。しかし、このまま黙って引き下がるのは、彼の流儀に反する。
せめて一太刀でも浴びせねば、溜飲が下がらない。
再び引きずられていく校長。しかし、このまま黙って引き下がるのは、彼の流儀に反する。
せめて一太刀でも浴びせねば、溜飲が下がらない。
ロ「なので、さっそくセクハラーーっ」
雪「…………ひっ……!」
雪「…………ひっ……!」
電光石火の早業で、雪華綺晶のお尻に手を伸ばした。心地よい弾力が返ってくる。至福の瞬間。
間髪をいれずに、銃声が轟いた。
間髪をいれずに、銃声が轟いた。
雪「…………しまった……」
結局、書類の山を片づけることになったのは、いつもの如くラプラス教頭だった。責任を感じた雪華綺晶も、居残り残業して手伝う。
薔「……お姉ちゃん、頑張ってるね……。お茶が入ったよ……」
翠「こいつはどえらい量ですねぇ……。仕方ねーです、このお優しい翠星石様が、少し手を貸してやるですかぁ」
蒼「うん、みんなで頑張れば、きっと今夜中に片づけられるよ」
雛「ヒナ、お夜食作ってくるのーーっ」
真「全く世話が焼けるわね……。ほら、その書類、ちょっと見せてみなさい」
翠「こいつはどえらい量ですねぇ……。仕方ねーです、このお優しい翠星石様が、少し手を貸してやるですかぁ」
蒼「うん、みんなで頑張れば、きっと今夜中に片づけられるよ」
雛「ヒナ、お夜食作ってくるのーーっ」
真「全く世話が焼けるわね……。ほら、その書類、ちょっと見せてみなさい」
そんな心温まる、何気ない日常の一シーン。