ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

二人のお盆

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今日から、お盆。
有栖学園の教員、真紅と水銀燈は昨夜浴びるほどの酒を飲みながら、今日から始まる「くんくんお盆スペシャル」
シリーズの話に華を咲かせていた。そんなわけで、近かった真紅宅で水銀燈も泊まっていた。
ジリリリリリリリ!!幾度となく壊され遂に12代(台?)目の目覚ましが鳴る。
真「……うるさいのだわ!!」
寝たままその長い金髪の髪を回転させ目覚ましを真っ二つに切り裂いた。神業ならぬ、髪業である。
四時間後・・・
真「……ハッ!もうこんな時間なのだわ!」
真紅は腕時計から今の時刻を読み取る。既に十二時を回っていた。
真「何て役立たずなのこのm……」
目覚ましに文句をつけようとしたが目覚ましの惨状を見て納得する。自分も気付かなかったが、そこにはきっと
目覚ましの必死の努力とそれが織り成す戦いがあったに違いない。真紅は一通り朝の一連の行為を終わらせた。(紅茶は朝と昼の二回分)
真「水銀燈。起きるのだわ!もう十二時を過ぎてるのだわ。」
横でだらしなく寝ている同僚を起こそうとするが、
銀「……なら今日はずっとねてるわぁ……。」
この有様である。真紅はこのままでは邪魔なので二人の数少ない共通点を使うことにした。
真「せっかく、くんくんのビデオを見て優雅に今日のスペシャルを放送を待t・・・」
銀「おはよう真紅ぅ。あら、もうこんにちはねぇ。」
寝ぼけた顔が一瞬にて冴え渡った顔に変わった。真紅は水銀燈に朝の身支度を促した。何故か、キッチンに向かう水銀燈。
真「あら、料理でも振舞ってくれるの?感心なことね。でも、もう済ませたわ。」
銀「何で私がそんなこと……。」
水銀燈は呟きながら冷蔵庫を開け、中を一通り覗くと叫んだ。
銀「なんでヤクルトが無いのぉ!真紅、あなた狂ってるわぁ!!」
水銀燈はヤクルトが無いと駄目らしい。へなへなとその場に座り込んでしまった。
銀「あぁ……、今日はもう駄目よぉ。ヤクルトが無い生活なんて死んだほうがましだわぁ!」
真紅は呆れたようにテレビをつけて呟いた。
真「・・・くんくん。」
それを聞いて水銀燈はハッとする。
銀「そうよ!ヤクルトが無くてもくんくんがいるわぁ!真紅、今日は冴えてるわねぇ!」
真紅は単純だなと思いつつも自分も同類なので黙ってビデオを再生する。くんくんのオープニングが始まり、二人は完全にテレビの 前で見入っていた。
真「くんくんの名推理はいつも完璧なのだわ!」
水銀燈は真紅の隣でくんくん人形を抱えている。
銀「くんくんは推理だけじゃないわよぉ、真紅。」
二人は結局スペシャルが始まるまでくんくんについて語り合っていた。スペシャルの時は二人とも一言もしゃべらずにいた。
そして、スペシャルの終わりの部分で・・・
くんくん「ここで皆に重大なお知らせがあるんだ。名探偵になりたいならメモするのをお勧めするよ。実はテレビを見ている皆の
中から一組二人に今まででたくんくんグッズ一式をあげちゃうよ!中にはこのシーズン特別の・・・」
よくあることなのだが、二人のまえでは特別である。
銀「真紅!」
真「水銀燈!」
二人の間に今でかつて無い友情が芽生え、応募手紙を高速(光速?)で書き上げていった。その数、六千万枚!!一枚一枚丁寧に感想まで書いてある。
しかし、この数を見たスタッフは「こりゃマズいだろ」ということになり、一枚しか抽選に使われなかった。
結局、二人の元にはハズレの通知しか来なかった。こんなお盆を二人は過ごしていた。

後日・・・
真「水銀燈、何故私たちが当たらなかったのか解る?」
学校の休み時間水銀燈に尋ねる。部活があるので二人ともたいていの教師が学校に来ていた。
銀「わからないわねぇ。数も十分だったしぃ、感想も書いてあったわぁ。」
ヤクルトの蓋をめくりながら答える。そんな中、幸運が二人の元に運ばれる。
雛「金糸雀ー!やったのー。遂にくんくんセットが届いたのよー。」
雛苺の快活な声、外れた二人には衝撃の事実。
金「やったのかしらー。カナに掛かればチョロイのかしらー。」
こちらも浮かれている。そんな二人に忍び寄る魔の手・・・。
真「……雛苺……。それ十万で買ってあげるのだわ。」
銀「金糸雀、私も十万、二十万出すからちょうだぁい……。」
いつもの笑顔だがまとっているオーラは違っていた。それでも雛苺は反発する。
雛「これはヒナとカナがもらったのー!!だから真紅にはあげないのー。」
金「そうなのかしらー!」
懸命の抵抗、しかし危険なムードは増していく。
蒼「二人とも早く渡すんだ!!」
翠「このままじゃ学園が大変になるですぅ!!」
ストッパーも公正よりも安全を重視していた。

      • こうして、学園の平和は守られた。その後も水銀燈と真紅は仲良く当分喧嘩はしなかったらしい。

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