ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 野外行事

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1学期終了前。物凄く蒸し暑い今年の夏、毎年恒例の野外行事がある。
野外行事、といってもただの山登りである。
この時期は蜂などが多く発生し、危険だと言われて反対されているが、校長の歩くことは良いことだ!の一言で済まされた。
電車を乗り継ぎ、到着した先にはかなり険しい山が聳えていた。
水「ちょっとぉ。今年の山、険しすぎじゃなぁい?」
雛「ヒナ、絶対ばてるのー…」
早速、いつも以上に際どい白い服を身に纏った水銀燈と、相変わらずの可愛らしい服を着た雛苺がグチる。
ちなみに水銀燈の格好を見て、男子生徒の体温が上昇してしまい、既に汗をかいているのは秘密だ。
紅「……校長は何を考えているのかしら……」
Tシャツにジーンズ、という意外とラフな格好である真紅がぼそりと呟く。
蒼「まあまあ…皆頑張ろうよ」
金「皆で登れば楽しいかしらー!」
翠「そうですよぅ。最初からそんなグチるじゃねーです!」
いつも通りボーイッシュな服を着た蒼星石、普段よく着ている服のままの金孔雀、
フリルで緑を基調とした服を着こなす翠星石が順に自分達なりに彼女達を励ます。
雪・薔「……………………」
薔薇水晶、雪華綺晶の二人は既に屍のようだ………

ともかく、ここまで来たからには登らなければならない。
教師陣のあまりのやる気のなさに既に疲れながらも、生徒一同一歩一歩歩いていった。


生徒達の体力も考えて何度か休憩しながら確実にゆっくりと登って行った。
所々、崖のように切り立った細い道があったが何の問題もなく切り抜けることが出来た。
そして途中雛苺が何度もおんぶしてなのー!と騒いでいたが、皆無事に頂上に到着できた。
やっとお弁当タイムである。生徒達もがやがやと楽しそうに話ながら弁当を頬張る。
翠「これが翠星石特製!超ごーじゃすお弁当です!」
そう言った翠星石の弁当は確かに立派なものだった。さすがは家庭科担当の教師、である。
一方もう一人の家庭科の教師は…
雛「翠星石まだまだ甘いなの…。これがヒナ特製!超うるとらすーぱーごーじゃすお弁当なのー!」
壮絶。まさにその一言に尽きる。隅から隅まで苺大福。時よりアポロ。
翠「………ごーじゃすですぅ………」
雛「そうなのー!ヒナのお弁当が一番なのー!」
翠「…………………」
蒼星石は和食、金孔雀は玉子焼きが多いもののどちらもバランスのとれたものになっている。
水銀燈は…水筒から出てくるものがヤクルトと言うこと以外は普通だろう。ヤクルトの時点で……だが。

ドスンっ!
突然、大きな鈍い音が鳴り響いた。薔薇水晶と雪華綺晶の二人が置いた、超巨大なリュックからの音。
雪華綺晶はおもむろにその二つのリュックから食糧しか入ってないのだろうか、様々な食材を取り出してはむさぼりだした。
一方薔薇水晶は、バックの奥の方から少ししか入らないような弁当を取りだし、ちびちびと食べ始めた。
どうやら最初、二人が屍のようだったのは超巨大なリュックを担いでいたかららしい。
もちろん薔薇水晶のリュックの9割は雪華綺晶の食糧だが。
だが、その食事は二人同時に終わった…。
…と色々あったが弁当タイム終了。あとは下山するだけである。


登って来たときとはまた別の登山道を通って下山する。
もちろん、下山にも細心の注意を払い休憩を挟みながら順調に下っていく。
中腹近くまで下ったとき、生徒達の列のちょうど中心辺りにいた男子生徒があることに気付いた。
前を歩いていた水銀燈の服が汗で透けていたのだ。
当然一緒に歩いていた男子にそのことを伝える。
あとはねずみ講のように広まっていくだけだ。
ぴっちりと服が張り付き、体のラインをくっきりと露にしている。しかも透けて見える。脳殺、という言葉がぴったりだった。
近くにいる男子生徒は水銀燈を見ようと我先にと前を掻き分けて進む。
と、後ろにいた男子Aが前の生徒達の横から覗きこもうとした、その時だった。

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
絶叫。
転がり落ちていく男子A。
止まらない。
横に移動したときに足を踏み外したようだ。
傾斜角70度…は越えていそうな坂だ。幸いにも木はあまり生えていないため、幹に当たってはいないようだが…。
彼の体が落ち葉を掻き分け、湿った土があらわになる。
転がった跡が土の道となり、見えなくなるまで転がっていく。
周りの生徒達、先生達が慌てふためく。
そんな中一人、その土の道を滑っていった。


「蒼星石先生!!」

誰かが叫ぶ。
そう、蒼星石が彼の後を追い掛けていきなり滑っていったのだ。
自分の危険を顧みず生徒のために体を張るのはいいが、今回ばかりはあまりにも危険な行為である。
水「ちょっ、ちょっとぉ!危ないわよぉ!」
紅「同じところを滑るのは危ないのだわ…!落ち葉は少しはクッション代わりになるのにだわ…」
薔「ど………どうしましょう………!」
さらに慌てる教師や生徒達。誰もがどうしよう、大丈夫だろうか、というばかりであった。
そんな光景を見かねてか…

翠「………私にまかせやがれです…」
翠星石が彼女たちの後を追おうとした…

~次週予告~
こんばんわなのー!雛苺なの!
えっと、男子Aがゴロゴローって転がって、蒼星石がザザザーって滑って、翠星石が…!
もうとにかく大変なのー!
次週、翠星石死亡!?、蒼星石が鋏でステキカット!?、男子Aの魔の手…の3本でお送りするのー!
来週もまた見てなの!じゃんけんぽん!ウフ、ウフフフフフ………

注:番組のタイトルは変更する事がございます。ご了承ください。




金「翠星石先生!?あなたも危ないのかしらー!」
翠「………よく分からねーですけど、とても嫌な予感がするですよ……」
雛「でもここを滑って行くのは危ないのー!」
翠「どっちにしても一人じゃチビ人間を運ぶのは無理です!とにかくおめーらは先に下山しやがれです!」
薔「でも………」
翠「でももアイゼンメンゲル症候群もねーです!ここは私に任せるです!
  私は蒼星石の友達として協力しにいくだけです!」
紅「なら私も……」
雪「…………下山しましょう」
金「雪華綺晶先生!?」
雪「………私は…あなた達を信じます…絶対に無事で…いてください…」
翠「…言われねーでも、大丈夫です」
紅「…好きにしなさい。でも絶対に怪我はしないで頂戴」
雛「ヒナ達は下で待ってるのー」
翠「…………頑張るです」
そして翠星石は彼女等が滑った跡の少し横の、落ち葉が多く積もっているところからゆっくりと滑っていった…が。
翠「…………っきゃぁぁぁぁぁぁ!!ちょ…っと止まりやがれですうううぅぅぅぅ…………」
叫び声が響き………………聞こえなくなる。
紅「………大丈夫かしら………」
「先生、俺も行きましょうか?体力には自信ありますし」
紅「それはだめなのだわ。生徒にそんな危険なことをさせるわけにはいけないのだわ。
  …今は無事を祈って先に進みましょう」
水「仕方ないわねぇ…」
雛「ヒナとても心配なのー…」
これ以上『犠牲』を増やすべきではないと、先に下山することを苦渋ながらも決断した。

そこから笑顔は消えた。
「楽しい野外活動」は一瞬にして緊迫感に包まれてしまったのだった。


一方、二人の後を追っている翠星石は依然叫び声をあげていた。
翠「とても速いですぅぅぅ!!!!!」
…少々楽しんでいるようだ。木のすぐ真横を通り何度も当たりそうになっているはずなのだが。
徐々に坂が緩やかになり、勢いも徐々になくなる。
完全に勢いが止まると、翠星石は服をはたきながら急いで二人を探し出す。
奇跡的にも擦り傷だけで済んだが、それらが服と擦れ、痛みを増幅させる。
だがそれだけで済むところ、かなりの強運の持ち主と言えるだろう。
そして数分間辺りを探索していると拓けた場所に出た。
川沿いで、辺り一面石だらけである。
そうしている内に、男子Aの石の上に座っている後ろ姿を見付けた。
動いているところを見ると一応無事なようだ。
翠「そこのまぬけなチビ人間!大丈夫ですか!?」
翠星石は遠くから叫んだ。だが返事がない。
よく見ると、蒼星石が横になっていて、男子Aに抱きかかえられているようだ。
それを見た翠星石は何を勘違いしたのか、急に駆け出し
翠「何をしやがってるですかぁぁぁぁ!!!!」
と叫びながら、男子Aの背中に飛び蹴りを喰らわした。

吹っ飛んでいく男子A。
「いってて……っあんたは何してるんですか!!!」
翠「おめーこそ何しやがってたですか!どさくさに紛れてキッ、キスしようとしてたじゃないですか!!」
「なっ!?馬鹿なこと言わないで下さいよ!蒼星石先生が大変なんですよ!?」
翠「そんなごまかそうとしても………!!??」
コントのような掛け合いをする二人。
だが翠星石が蒼星石を見た瞬間、さっと顔色が変わった。


頭から血が流れ出ている。服が所々破れ、そこからも血が流れ出ていた。
それだけでもかなりの傷なのだが、さらに左肩が外れているようだ。
分からないが、肋骨も折れているかもしれない。
苦しげながら息はしているようだが、目をつむったまま先程から何も話さない。
翠「……物凄い怪我じゃねーですか…!一体何があったですか!?」
「ちょ…先生話すから…首…締めないで下さい…」
翠「あ……ごめんなさいです……」
いつも強気な翠星石が素直に手を離す。そのくらい目の前の状況に動揺しているのだろう。
蒼星石を出来るだけ平らな場所に寝かせると、男子Aが説明を始める。
男子Aの説明を産業にまとめると、
  • 自分は体を鍛えていることと、運よく木の幹には当たらなかったからか足の捻挫とちょっとした傷だけですんだ。
  • 蒼星石は途中つまづいたかで、転がりながら木の幹に直撃したのかもしれない。
  • 倒れている蒼星石を見付けた自分は、ここまで運んで無事かどうか確かめていた。
…とこんな感じらしい。
「…どうします?あまり下手に動かさない方がいいと思うんですけど…ってちょっと!」
翠「どうしたです?さっさと下山するですよ!」
男子Aが説明し終え、ぱっと翠星石を見た時には、彼女は蒼星石をおんぶして下山する準備をしていた。
「そんなに急に動かしたら…ここは一度連絡を取っt」
翠「そんな時間はねーですよ………」
「え?何て言いました?」
翠「そんな時間はねーです!!!蒼星石が…蒼星石が死んでしまうですっ!!!」
「でも俺たち二人じゃ…」
翠「私一人で十分ですよっ!!第一こんな所に誰もこねーです!
  おめーは荷物でも持ってやがれですっ!!!」
「せんせ……ちょ、ちょっと!」
もう話している時間が惜しかった。脇目もくれず走り出した。
翠星石は走る。友人のために。重傷の友を救う為に走るのだ。走らなければならぬ。

次週、走れ翠星石!お楽しみに。