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憩いのお茶会」(2006/08/17 (木) 22:59:49) の最新版変更点

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私立有栖学園もようやく夏休みに入り学校も少し静かになったこの頃、 校長室では、校長であるローゼンが椅子に腰掛けていた。 ロ「ラプラス君、最近何もおもしろいことないと思わないかい?」 ラ「思いません。むしろ無い方がいいです。」 そう言ってお茶を一口 ロ「全くつまらない男だね。君は」」 ラ「あなたはもうちょっとその悪戯心を直してください。それから仕事もちゃんとして校長としてもっと…」 ロ「よし!ここは気分転換も兼ねて今度お茶会でも開いてリラックスしよう。 うちの教師達も呼べばおもしろそうだし。うんうんそれがいい。」 ラ「人の話を聞いていますか?」 一生懸命言ってみるが聞く耳を持たないのがローゼンである ロ「じゃあ、明日にするからよろしく。」 ラ「駄目です。そんなことをしている暇があったら、たまっている書類を片付けて下さい。」 そう言ってローゼンの目の前の大量に積んである書類を指差すラプラス。 ロ「そんなこと言っても、もうやるって言っちゃったも~ん。」 ラ「何やってんだこの馬鹿校長!」 ロ「もう止めても無駄だよ~。もう計画は真紅先生にまかせてあるから、真紅先生張り切ってたな~」 もう止めても無駄だと悟ったラプラスは、深い溜息と共に また胃薬が必要だなと思った。 真「という訳で、校長が特別にお茶会に来いと言ってるのだわ。」 翠「全くあの馬鹿校長もこのクソ忙しい時に変なこと考えるです。」 今有栖学園の教師達は多忙の毎日を送っていた。部活や受験生の夏期講座や出張などで お茶会などしている時間と気力がなかった。 蒼「お茶会もいいけど、部活が心配なんだよね~。大会も近いし」 水「私はいやよ。水泳部も大会があるし。それに生徒達の身体測定結果を来週までにまとめないといけないのよ」 雛「ねぇねぇ、金糸雀はどうするのー?」 金「う~ん。カナは部活もあるけど、今年受験の生徒の夏期講座もあるかしら。一日も無駄にできないかしら」 雛「ヒナも最近巴に拘束されて殆ど自分の時間が無いの~」 薔「……(射撃部で米軍基地へ合宿)」 雪「……(校長とデート)」 真「まぁ、とにかく一日だけでいいから、校長の家に来てほしいのだわ。 もし来なかったら今月の給料カットするそうなのだわ。」 水・翠・蒼・雛・金・薔・雪「!!!」 ー翌日ー この日、校長の家に集まった一同は、執事らしき人から『ローゼン様からです』と渡された豪華な服を着て、心地の良い椅子に座って待機していた。 校長の自宅は豪華だった。正直屋敷と言ってもいい程の豪邸である。一体どこから資金を持ってくるのやら… とローゼンが入ってきた。 ロ「やぁ~みんなよく集まったね。まぁ今回は楽しんでいってよ。」 蒼「あの…」 すぐに蒼星石が挙手する。 ロ「何だい?蒼星石先生」 蒼「ええっと、部活の練習があるので早めにお願いします。生徒達も待っていると思うんで。」 心底心配そうな蒼星石である ロ「あ、その件なら大丈夫。部費を二倍に増やすっていったら、『喜んで借りていって下さい!』ってさ。 だから各顧問の先生も心配しなくてもいいよ。」 教師一同「(私(僕)達の存在って……)」 一瞬生徒達の信頼を疑う教師だった。 蒼「それともう一つ…」 そうしてラプラスをチラリと見る。 見ればラプラスも他の教師同様に豪華な服装を着せている。しかし、明らかにサイズが小さい。 おかげでおなかが見えていたり、膝から下が見えていたりしていた。 教師「(絶対ローゼンの悪戯だーー!!)水「………」(笑いをこらえている)」 ロ「いやーたまたまあれしか残ってなくってさ~。まぁ、楽しいお茶会だからさ。ね?」 ニヤニヤしながら満足そうに言うローゼン ラ「(イツカコロシテヤル…)」 その時のラプラスの背後からはどす黒いオーラが発生していたという。 ロ「じゃあ、早速始めるけど説明は真紅先生にお願いするよ」 真「わかったのだわ。それじゃあ説明の前に準備をしてくるのだわ。」 そう言って部屋から出て行った。 ロ「ちなみに、お茶会はここから見える。あの庭でやるから」 そう指差した先を見ると、そこにはちょうど巨大な木の陰になっている所に テーブルと椅子が用意されていた。 翠「めちゃくちゃ広い庭です~。一体何者ですか。こいつ…」 蒼「でも何かいいね。涼しそうで落ち着きそうだよ。」 感嘆する二人であった ロ「そうかい?気に入ったなら早速行ってみよう。」 そうして、庭に出てテーブルまで来るとテーブルが五つ用意され、 テーブルの上に各教師の名前が書かれた紙が置いてあった。 その紙は一つのテーブルに向かい合うように二つ置いてある。 金「これは何かしらー?」 ロ「あ、自分の名前が置かれている席に着いてね」 と名前が書かれた席にそれぞれ座った。 ちなみに席の組み合わせは次のようである 真紅   水銀燈  翠星石  蒼星石 雛苺   金糸雀 薔薇水晶 雪華綺晶 ラプラス ローゼン そしてローゼンが席に着こうとしたとき ロ「!!!」 座った瞬間前から凄まじい殺気を感じるローゼン。席を変えればよかったと後悔するのはもう後の祭だった しばらくして真紅がやってきた 真「それではお茶会を始めるのだわ。……校長は大丈夫なの?」 ロ「はい。らいちょうぶれす……」 ラ「ククククククク……」 教師達はあえて後ろを見ないようにした。本能がそう言っていた。 真「さて、今回のお茶会は、ペアになった人に紅茶を入れてあげるのだわ。」 翠「何でそんな面倒くさいことするですか?」 真「あら、良い質問ね。それは紅茶は他の人に出してあげるとき その人を思いながら入れるもの。だからその味は飲む人にとって最高のものになるのよ。」 自分の熱意を語る真紅。しかし 水「紅茶なんて飲む気分じゃないわぁ。どうせならヤクルトにしなさいよぉ。」 ロ「あ、水銀燈君給料カットされたいの?」 水「じ、冗談に決まってるじゃない」 真「ま、ヤクルトは諦めることね。」 水「くっ…。覚えてなさい」 悔しがる水銀燈 真「さて、邪魔が入ったけどお茶会を再開するのだわ。ジュン紅茶を持ってきて頂戴」 ジュンが紅茶セットを運んでくる。 ジ「全くなんで僕がこんなこと……」 真「当たり前よ。あなたは私の家来なのだから、これくらい我慢なさい。」 ジ「いつ僕が先生の家来に…グハッ(真紅のキックが脛を直撃)」ジュン退場 真「ここにいろんな種類の紅茶を用意してあるから、ペアを組んで交代で紅茶を入れて頂戴。では始めるのだわ」 ペアその①真紅と水銀燈 真「さて、水銀燈。紅茶を入れて頂戴。」 水「(何で私が…。でもこれも給料のため)少し待っててぇ。」 その後テキパキと紅茶を入れる水銀燈。真紅に怒鳴られては面倒なので丁寧に入れる。 水「……できたわよ。」 真「では頂くのだわ。……………。」 しばらく沈黙する真紅。その様子に慌てる水銀燈 水「ど、どうかした?」 紅茶を飲み終えた真紅はカップをゆっくりテーブルに置いてこう答えた。 真「とてもおいしいわ、水銀燈。香りもいいし、温度も適正ね。ふふふ、あなた案外私のこと思って くれてるのかしら。」 水「そ、そんなわけないじゃない。全く調子狂うわね。そ、それより早く私の紅茶もいれなさいよ。」 真「わかったのだわ。今まで飲んだことの無い素晴らしい紅茶を飲ませてあげるのだわ。」 そう言ってテキパキと作業を終え、自分の入れた紅茶を水銀燈の手前に置いた。 そして真紅の思いのこもった紅茶を飲んだ水銀燈は、これまでに飲んだことのない最高の味を感じたという ペアその② 翠星石と蒼星石 翠「蒼星石、紅茶入れたですよ。」 蒼「僕もできたよ。」 お互い同じタイミングで紅茶を入れ終わる。 そしてお互いのテーブルの上に置く。 蒼「この香り…レディグレイだね。爽やかで良い香りだ」 翠「これは…ダージリンですね。昔真紅達とよく飲んだです。」 お互い味と香りをゆっくり味わいながら、時を過ごした。そして二人は同時にカップを机に置いた。 蒼・翠「ごちそうさま(ですぅ)」 蒼「とてもおいしい紅茶だったよ。翠星石。」そう言って微笑んだ 翠「(///)そんなことないです。蒼星石の入れる紅茶も最高です。」 お互いがお互いの感想を述べる。 蒼「それじゃあ、ぼくのためにまた入れてくれるかい?」 翠「蒼星石のためなら何百杯でも入れるですよ。」 蒼「あ、ありがと(///)」 ペアその③ 雛苺と金糸雀 金「雛苺~紅茶できたかしらー?」 雛「ちょっと待ってなのよー金糸雀。…できたのー」 お互い時間はかかったが、何とか紅茶を入れることが出来た。 雛・金「はいどーぞ(なのー)(かしらー)」 お互い相手の紅茶を受け取り、ゆっくりと一口 金「………………」 雛「………………」 長い沈黙。彼女達も蒼星石達と同じように、味と香りをゆっくり味わいながら…… 金「マズーかしらー!?」 雛「ブーー!!(0,01秒)」 そんなに味わなかった。 金「雛苺は一体何入れたかしら?」 雛「マポロチョコとうにゅーと苺カルピスを入れたのー」 金「ハーモニー最悪かしらー!?」 紅茶の中でマポロチョコがぷかぷかと浮いている… 雛「そう言う金糸雀は何入れたのなのー?」 金「もちろん。金糸雀は砂糖10杯と生卵入れたかしらー」 雛「不味いはずなのー」 お互いの文句を聞いてムッっとする 金「カナが入れたのは絶対おいしいかしら」 雛「ヒナのだって絶対絶対おいしいもん」 金「カナが入れたのが絶対絶対絶対おいしいかしらー!」 雛「ヒナのが絶対絶対絶対絶対おいしいもん!」 (以下省略) 金「はぁ、はぁ、じゃあお互い自分で入れた紅茶を飲んでみるかしら」 雛「了解なのー」 お互いのカップを交換して一口 金「………………」 雛「………………」 しばしの沈黙 金「マズーかしらー!?」 雛「ブーー!!(0,001秒)」 ペア④ 薔薇水晶と雪華綺晶 雪「コクコクコク……うむ。おいしい…おかわり」 薔「よかった…。たくさんあるからいっぱい飲んで。」 雪華綺晶は紅茶を入れる前につい自分で飲んでしまうので薔薇水晶だけが 紅茶を出すことになった。 雪「もうお腹いっぱい。……クー……」 53杯目を飲み終えて、満腹で寝てしまった雪華綺晶。普通紅茶は睡眠妨害の作用があるのだが… 薔「寝ちゃった…。……あの人にも一杯あげてこようかな。」 姉の寝顔に微笑む薔薇水晶だったが、もう一人心から愛する人に 一杯の紅茶を持っていこうと、その人のいる所へ向かった。 ペア⑤ ローゼンとラプラス ラ「ふむ。中々いい雰囲気ですね。もしかして初めから彼女達の休息の場としてお茶会を計画したのですか?」 ロ「さぁ~、俺はただ楽しんでるだけだけど~?」 ラ「まぁいいでしょう。しかし、彼女達のあんなに楽しい顔を見るのは久しぶりです。」 ちゃんとした服に着替えたラプラスが言う ロ「……そうだな。」 ローゼンの視線の先には、楽しそうにお茶を飲む教師達がいた。乗り気では無かった水銀燈までもが 笑っていた。 ロ「最近あいつらもストレスが溜まってだろうし、 ある意味解放的な彼女達だけど、心からの休息はしばらく感じていなかっただろうな。 それに、これからも良い教師として成長してほしいからね。変なイライラで大切なことを見失ってほしくないんだよ。」 ラプラスはその言葉に優しく微笑んだが、トタトタと歩いてくる音に気ずいていつものクールな顔に戻る。 薔「校長先生……これどうぞ」 一杯の紅茶がローゼンの前にカチャと音を立てて出される。 ロ「僕のために入れてくれたのかい?」 こくこくうなずく薔薇水晶 ロ「じゃ、有り難くいただきます。」 一口、また一口と飲んでから口を開いた ロ「……とてもおいしいよ。こんなにおいしい紅茶は初めてだ。」 薔「校長のことだけを考えて入れましたから……(///)」 ロ「あはははは、ありがと。ところでこの後空いてる?」 薔「…もちろんです。」 ロ「この後一緒に食事でもしない?この素敵な紅茶のお礼もしたいしね。」 薔「も、もちろん。かまいませんけど…」 ロ「じゃ、後でね」 小さく頷いてから薔薇水晶は姉の元へ戻っていった。 ラ「全くあんなイチャつきは他人のいない所でやってくれませんかね。」 やれやれと両手をあげる ロ「だったら君を気をきかせれないいのにー」 ラ「それはどうもすみません。私もまだまだ未熟ですね~」 ロ「まぁ、人間みんなそうでしょ。だから成長していくんだろ?」 ラプラスは少し笑ってから、そうですねと答えた。 ロ「さて、そろそろお開きにするか。お~い、そろそろ片付けろー」 教師「はい(なのだわ)(なのー)(かしらー)」 片づけを終えた(主にジュンが)教師達は、もう少しで地面に消え行く太陽を見ながら、 ローゼンの家を後にした。 金「はぁ~また明日から忙しい日々が始まるかしら…」 蒼「まぁ、いいじゃないか。今日はなんだかゆっくりできたし」 翠「そうですね。そうえばみんなそろって会話したのは久々です。」 水「じゃあ今日はみんなで飲みに行きましょうよ。紅茶だけじゃあなんだか足りないわぁ」 真「そうね。じゃあ、行きましょうか」 教師一同「おーー!!」 そうして教師達は日が暮れゆく道を一緒に歩いた。 その時の彼女達の顔は笑顔で満ち溢れていたという。
私立有栖学園もようやく夏休みに入り学校も少し静かになったこの頃、 校長室では、校長であるローゼンが椅子に腰掛けていた。 ロ「ラプラス君、最近何もおもしろいことないと思わないかい?」 ラ「思いません。むしろ無い方がいいです。」 そう言ってお茶を一口 ロ「全くつまらない男だね。君は」 ラ「あなたはもうちょっとその悪戯心を直してください。それから仕事もちゃんとして校長としてもっと…」 ロ「よし!ここは気分転換も兼ねて今度お茶会でも開いてリラックスしよう。 うちの教師達も呼べばおもしろそうだし。うんうんそれがいい。」 ラ「人の話を聞いていますか?」 一生懸命言ってみるが聞く耳を持たないのがローゼンである ロ「じゃあ、明日にするからよろしく。」 ラ「駄目です。そんなことをしている暇があったら、たまっている書類を片付けて下さい。」 そう言ってローゼンの目の前の大量に積んである書類を指差すラプラス。 ロ「そんなこと言っても、もうやるって言っちゃったも~ん。」 ラ「何やってんだこの馬鹿校長!」 ロ「もう止めても無駄だよ~。もう計画は真紅先生にまかせてあるから、真紅先生張り切ってたな~」 もう止めても無駄だと悟ったラプラスは、深い溜息と共に また胃薬が必要だなと思った。 真「という訳で、校長が特別にお茶会に来いと言ってるのだわ。」 翠「全くあの馬鹿校長もこのクソ忙しい時に変なこと考えるです。」 今有栖学園の教師達は多忙の毎日を送っていた。部活や受験生の夏期講座や出張などで お茶会などしている時間と気力がなかった。 蒼「お茶会もいいけど、部活が心配なんだよね~。大会も近いし」 水「私はいやよ。水泳部も大会があるし。それに生徒達の身体測定結果を来週までにまとめないといけないのよ」 雛「ねぇねぇ、金糸雀はどうするのー?」 金「う~ん。カナは部活もあるけど、今年受験の生徒の夏期講座もあるかしら。一日も無駄にできないかしら」 雛「ヒナも最近巴に拘束されて殆ど自分の時間が無いの~」 雪「……(射撃部で米軍基地へ合宿)」 薔「……(校長とデート)」 真「まぁ、とにかく一日だけでいいから、校長の家に来てほしいのだわ。 もし来なかったら今月の給料カットするそうなのだわ。」 水・翠・蒼・雛・金・薔・雪「!!!」 ー翌日ー この日、校長の家に集まった一同は、執事らしき人から『ローゼン様からです』と渡された豪華な服を着て、心地の良い椅子に座って待機していた。 校長の自宅は豪華だった。正直屋敷と言ってもいい程の豪邸である。一体どこから資金を持ってくるのやら… とローゼンが入ってきた。 ロ「やぁ~みんなよく集まったね。まぁ今回は楽しんでいってよ。」 蒼「あの…」 すぐに蒼星石が挙手する。 ロ「何だい?蒼星石先生」 蒼「ええっと、部活の練習があるので早めにお願いします。生徒達も待っていると思うんで。」 心底心配そうな蒼星石である ロ「あ、その件なら大丈夫。部費を二倍に増やすっていったら、『喜んで借りていって下さい!』ってさ。 だから各顧問の先生も心配しなくてもいいよ。」 教師一同「(私(僕)達の存在って……)」 一瞬生徒達の信頼を疑う教師だった。 蒼「それともう一つ…」 そうしてラプラスをチラリと見る。 見ればラプラスも他の教師同様に豪華な服装を着せている。しかし、明らかにサイズが小さい。 おかげでおなかが見えていたり、膝から下が見えていたりしていた。 教師「(絶対ローゼンの悪戯だーー!!)水「………」(笑いをこらえている)」 ロ「いやーたまたまあれしか残ってなくってさ~。まぁ、楽しいお茶会だからさ。ね?」 ニヤニヤしながら満足そうに言うローゼン ラ「(イツカコロシテヤル…)」 その時のラプラスの背後からはどす黒いオーラが発生していたという。 ロ「じゃあ、早速始めるけど説明は真紅先生にお願いするよ」 真「わかったのだわ。それじゃあ説明の前に準備をしてくるのだわ。」 そう言って部屋から出て行った。 ロ「ちなみに、お茶会はここから見える。あの庭でやるから」 そう指差した先を見ると、そこにはちょうど巨大な木の陰になっている所に テーブルと椅子が用意されていた。 翠「めちゃくちゃ広い庭です~。一体何者ですか。こいつ…」 蒼「でも何かいいね。涼しそうで落ち着きそうだよ。」 感嘆する二人であった ロ「そうかい?気に入ったなら早速行ってみよう。」 そうして、庭に出てテーブルまで来るとテーブルが五つ用意され、 テーブルの上に各教師の名前が書かれた紙が置いてあった。 その紙は一つのテーブルに向かい合うように二つ置いてある。 金「これは何かしらー?」 ロ「あ、自分の名前が置かれている席に着いてね」 と名前が書かれた席にそれぞれ座った。 ちなみに席の組み合わせは次のようである 真紅   水銀燈  翠星石  蒼星石 雛苺   金糸雀 薔薇水晶 雪華綺晶 ラプラス ローゼン そしてローゼンが席に着こうとしたとき ロ「!!!」 座った瞬間前から凄まじい殺気を感じるローゼン。席を変えればよかったと後悔するのはもう後の祭だった しばらくして真紅がやってきた 真「それではお茶会を始めるのだわ。……校長は大丈夫なの?」 ロ「はい。らいちょうぶれす……」 ラ「ククククククク……」 教師達はあえて後ろを見ないようにした。本能がそう言っていた。 真「さて、今回のお茶会は、ペアになった人に紅茶を入れてあげるのだわ。」 翠「何でそんな面倒くさいことするですか?」 真「あら、良い質問ね。それは紅茶は他の人に出してあげるとき その人を思いながら入れるもの。だからその味は飲む人にとって最高のものになるのよ。」 自分の熱意を語る真紅。しかし 水「紅茶なんて飲む気分じゃないわぁ。どうせならヤクルトにしなさいよぉ。」 ロ「あ、水銀燈君給料カットされたいの?」 水「じ、冗談に決まってるじゃない」 真「ま、ヤクルトは諦めることね。」 水「くっ…。覚えてなさい」 悔しがる水銀燈 真「さて、邪魔が入ったけどお茶会を再開するのだわ。ジュン紅茶を持ってきて頂戴」 ジュンが紅茶セットを運んでくる。 ジ「全くなんで僕がこんなこと……」 真「当たり前よ。あなたは私の家来なのだから、これくらい我慢なさい。」 ジ「いつ僕が先生の家来に…グハッ(真紅のキックが脛を直撃)」ジュン退場 真「ここにいろんな種類の紅茶を用意してあるから、ペアを組んで交代で紅茶を入れて頂戴。では始めるのだわ」 ペアその①真紅と水銀燈 真「さて、水銀燈。紅茶を入れて頂戴。」 水「(何で私が…。でもこれも給料のため)少し待っててぇ。」 その後テキパキと紅茶を入れる水銀燈。真紅に怒鳴られては面倒なので丁寧に入れる。 水「……できたわよ。」 真「では頂くのだわ。……………。」 しばらく沈黙する真紅。その様子に慌てる水銀燈 水「ど、どうかした?」 紅茶を飲み終えた真紅はカップをゆっくりテーブルに置いてこう答えた。 真「とてもおいしいわ、水銀燈。香りもいいし、温度も適正ね。ふふふ、あなた案外私のこと思って くれてるのかしら。」 水「そ、そんなわけないじゃない。全く調子狂うわね。そ、それより早く私の紅茶もいれなさいよ。」 真「わかったのだわ。今まで飲んだことの無い素晴らしい紅茶を飲ませてあげるのだわ。」 そう言ってテキパキと作業を終え、自分の入れた紅茶を水銀燈の手前に置いた。 そして真紅の思いのこもった紅茶を飲んだ水銀燈は、これまでに飲んだことのない最高の味を感じたという ペアその② 翠星石と蒼星石 翠「蒼星石、紅茶入れたですよ。」 蒼「僕もできたよ。」 お互い同じタイミングで紅茶を入れ終わる。 そしてお互いのテーブルの上に置く。 蒼「この香り…レディグレイだね。爽やかで良い香りだ」 翠「これは…ダージリンですね。昔真紅達とよく飲んだです。」 お互い味と香りをゆっくり味わいながら、時を過ごした。そして二人は同時にカップを机に置いた。 蒼・翠「ごちそうさま(ですぅ)」 蒼「とてもおいしい紅茶だったよ。翠星石。」そう言って微笑んだ 翠「(///)そんなことないです。蒼星石の入れる紅茶も最高です。」 お互いがお互いの感想を述べる。 蒼「それじゃあ、ぼくのためにまた入れてくれるかい?」 翠「蒼星石のためなら何百杯でも入れるですよ。」 蒼「あ、ありがと(///)」 ペアその③ 雛苺と金糸雀 金「雛苺~紅茶できたかしらー?」 雛「ちょっと待ってなのよー金糸雀。…できたのー」 お互い時間はかかったが、何とか紅茶を入れることが出来た。 雛・金「はいどーぞ(なのー)(かしらー)」 お互い相手の紅茶を受け取り、ゆっくりと一口 金「………………」 雛「………………」 長い沈黙。彼女達も蒼星石達と同じように、味と香りをゆっくり味わいながら…… 金「マズーかしらー!?」 雛「ブーー!!(0,01秒)」 そんなに味わなかった。 金「雛苺は一体何入れたかしら?」 雛「マポロチョコとうにゅーと苺カルピスを入れたのー」 金「ハーモニー最悪かしらー!?」 紅茶の中でマポロチョコがぷかぷかと浮いている… 雛「そう言う金糸雀は何入れたのなのー?」 金「もちろん。金糸雀は砂糖10杯と生卵入れたかしらー」 雛「不味いはずなのー」 お互いの文句を聞いてムッっとする 金「カナが入れたのは絶対おいしいかしら」 雛「ヒナのだって絶対絶対おいしいもん」 金「カナが入れたのが絶対絶対絶対おいしいかしらー!」 雛「ヒナのが絶対絶対絶対絶対おいしいもん!」 (以下省略) 金「はぁ、はぁ、じゃあお互い自分で入れた紅茶を飲んでみるかしら」 雛「了解なのー」 お互いのカップを交換して一口 金「………………」 雛「………………」 しばしの沈黙 金「マズーかしらー!?」 雛「ブーー!!(0,001秒)」 ペア④ 薔薇水晶と雪華綺晶 雪「コクコクコク……うむ。おいしい…おかわり」 薔「よかった…。たくさんあるからいっぱい飲んで。」 雪華綺晶は紅茶を入れる前につい自分で飲んでしまうので薔薇水晶だけが 紅茶を出すことになった。 雪「もうお腹いっぱい。……クー……」 53杯目を飲み終えて、満腹で寝てしまった雪華綺晶。普通紅茶は睡眠妨害の作用があるのだが… 薔「寝ちゃった…。……あの人にも一杯あげてこようかな。」 姉の寝顔に微笑む薔薇水晶だったが、もう一人心から愛する人に 一杯の紅茶を持っていこうと、その人のいる所へ向かった。 ペア⑤ ローゼンとラプラス ラ「ふむ。中々いい雰囲気ですね。もしかして初めから彼女達の休息の場としてお茶会を計画したのですか?」 ロ「さぁ~、俺はただ楽しんでるだけだけど~?」 ラ「まぁいいでしょう。しかし、彼女達のあんなに楽しい顔を見るのは久しぶりです。」 ちゃんとした服に着替えたラプラスが言う ロ「……そうだな。」 ローゼンの視線の先には、楽しそうにお茶を飲む教師達がいた。乗り気では無かった水銀燈までもが 笑っていた。 ロ「最近あいつらもストレスが溜まってだろうし、 ある意味解放的な彼女達だけど、心からの休息はしばらく感じていなかっただろうな。 それに、これからも良い教師として成長してほしいからね。変なイライラで大切なことを見失ってほしくないんだよ。」 ラプラスはその言葉に優しく微笑んだが、トタトタと歩いてくる音に気ずいていつものクールな顔に戻る。 薔「校長先生……これどうぞ」 一杯の紅茶がローゼンの前にカチャと音を立てて出される。 ロ「僕のために入れてくれたのかい?」 こくこくうなずく薔薇水晶 ロ「じゃ、有り難くいただきます。」 一口、また一口と飲んでから口を開いた ロ「……とてもおいしいよ。こんなにおいしい紅茶は初めてだ。」 薔「校長のことだけを考えて入れましたから……(///)」 ロ「あはははは、ありがと。ところでこの後空いてる?」 薔「…もちろんです。」 ロ「この後一緒に食事でもしない?この素敵な紅茶のお礼もしたいしね。」 薔「も、もちろん。かまいませんけど…」 ロ「じゃ、後でね」 小さく頷いてから薔薇水晶は姉の元へ戻っていった。 ラ「全くあんなイチャつきは他人のいない所でやってくれませんかね。」 やれやれと両手をあげる ロ「だったら君を気をきかせれないいのにー」 ラ「それはどうもすみません。私もまだまだ未熟ですね~」 ロ「まぁ、人間みんなそうでしょ。だから成長していくんだろ?」 ラプラスは少し笑ってから、そうですねと答えた。 ロ「さて、そろそろお開きにするか。お~い、そろそろ片付けろー」 教師「はい(なのだわ)(なのー)(かしらー)」 片づけを終えた(主にジュンが)教師達は、もう少しで地面に消え行く太陽を見ながら、 ローゼンの家を後にした。 金「はぁ~また明日から忙しい日々が始まるかしら…」 蒼「まぁ、いいじゃないか。今日はなんだかゆっくりできたし」 翠「そうですね。そうえばみんなそろって会話したのは久々です。」 水「じゃあ今日はみんなで飲みに行きましょうよ。紅茶だけじゃあなんだか足りないわぁ」 真「そうね。じゃあ、行きましょうか」 教師一同「おーー!!」 そうして教師達は日が暮れゆく道を一緒に歩いた。 その時の彼女達の顔は笑顔で満ち溢れていたという。

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