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部を作ろう」(2006/06/20 (火) 01:12:41) の最新版変更点

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ロ「う~ん・・・うぅ~~ん・・・」 とある日の放課後、ローゼンは珍しく職員室に居た。ある物を見ながらうんうん唸っている。 全員「・・・・・・」 職員室に居た全員がローゼンの方を忌々しげに睨む。さっきから五月蝿くて仕事にならなかったからだ。 ロ「う~ん・・・どうしたものかなぁ・・・」 両手を頭の後ろに回して、天井を見上げる。眉間にしわを寄せなにやら考えているようだが・・・。 ロ「う~~~ん・・・」 ガタン! 堪えきれなくなった雪華綺晶が立ち上がる。 雪「さっきから五月蝿い。何を考えているか知らんが、少しは静かにしたらどうだ」 翠「そうですぅ、うるさくて仕事がはかどらねぇですぅ」 蒼「お菓子食べながら言っても、説得力無いよ」 真「それを差し引いてもうるさいわ」 雪華綺晶に続いてローゼンに文句を言う一同。 薔「・・・それで、何を考えているの?」 ロ「ん~とね、部の創設について考えてたんだ」 薔「・・・部の」 翠「創設?」 ロ「そ。さっきからこの学校の歴史を見てたんだけどさ・・・無いんだよね」 蒼「無いって、何がですか?」 ロ「どの学校にも普通はある運動部」 真「そう言えば・・・」 全員が部の数を数え始める。まずは水銀燈が顧問の水泳部、金糸雀顧問の卓球部、蒼星石顧問の空手部と剣道部、 そして雪華綺晶の射撃部だった。 翠「言われてみれば、野球部とかサッカー部とか無いですぅ」 ロ「そうなんだよ。うちの生徒は結構元気が有り余ってるみたいだし、上手く行けば大会とかで良い成績残すんじゃないかなぁ」 ローゼンの口からまともな事が出てくるのに少なからず驚くが、思い当たる節が幾つも有ったので納得する。 ロ「じゃあ、早速試しにやってみようか?じゃあ、皆顧問よろしく」 全員(しまった・・・ただでさえ、今の顧問でも手一杯なのに・・・) 翌朝 A「何々・・・『目指せ甲子園!野球部(仮) 部員募集中』?」 B「こっちは『青春の汗を流しますか? 流しませんか?サッカー部(仮) 部員募集中』って書いてある」 C「『隕石降らせてみませんか?テニス部(仮) 部員募集中』・・・隕石って何?」 生徒玄関のすぐ側にある掲示板は黒山の人だかりであった。掲示板に張り出されていたのは、この時期にしては珍しい 新入部員募集の張り紙だった。 どの部も(仮)が付いていたのは、部そのものも試験的に始めたからだ。 A「こういう事を思いつくのはどうせ校長なんだろうけど、今回は偉く普通だな」 B「ああ・・・逆に何かあるんじゃないか?って警戒しちまうな」 C「でもさ、部活って事は当然顧問が居るわけだよな?」 Cの言葉に『当然だろ、そんな事・・・』と思う二人だったが、すぐにCの真意を見抜く。 B「誰がどの顧問やるんだろうな」 A「雪華綺晶先生はどれかなぁ・・・」 B「そっか、お前はザ・ホワイト・デスだったな」 A「流石に射撃部はきついからな。命の保障も無さそうだし」 C「そういう意味では助かるな」 などと話してる後ろにローゼンが現れる。 ロ「う~ん・・・いまいちインパクトが弱いなぁ。・・・そうだ、こうしよう」 マジックを取り出して一文を付け加えていく。『初心者大歓迎!顧問が手取り足取りお教えします』 ロ「これでよし、皆も部に入ってねぇ」 手をひらひら振りながらその場を立ち去る。 この一文が功を奏したかどうかは分からないが、それぞれの部(仮)には入部希望者が殺到した。 放課後、普段はあまり人の姿が見えないグラウンドが、新入部員達で埋め尽くされる。 流石にユニフォームとかは揃えられなかったため、皆体操服やジャージ姿だった。 蒼「え~っと、それじゃ野球部(仮)の練習を始めるよ。基礎練習は空手部や剣道部も一緒に行ってもらうからね」 レ「ま、アタシらが顧問になるんだ。ビシビシ扱いてやるからな」 部員達の多くは自分達の予想が当たって、内心大喜びだった。というのも、職員室の蒼星石の机の上に野球のグローブが 置いて有ったのをちょくちょく見かけたからだ。 蒼「じゃあ、準備体操が終わったらグラウンド40周ね」 生徒『え・・・?』 『今40周って言いませんでしたか・・・?4周の間違いですよね・・・』 多少は異なるが、その場に居た新入部員達の気持ちは同じだった。 その空気を感じ取ったか、蒼星石は慌てて言い直す。 蒼「ごめんごめん、ついいつもの癖で言っちゃったよ」 生徒『ほ・・・』 蒼「今のは空手部と剣道部で、君たちは半分の20周で良いよ」 生徒(なんですと~~~!!) レ「そんじゃ、アタシに付いてきな。1周遅れは1周プラスだからな」 レンピカはそう言って駆け出す。その速さはとても1周400mあるグラウンドを40周走る速度ではなかった。 真「はぁ・・・全く、なんで私がこんな事に付き合わなければならないのかしら」 サッカーのゴール側のベンチで紅茶の入った水筒片手に溜息をつく。サッカー部(仮)の顧問は真紅だった。 ホ「まぁまぁ、実質的な指導は私が行いますので」 真「頼んだのだわホーリエ」 ホーリエはウォーミングアップの済んだ新入部員達に今日行う練習を伝える。 ホ「では皆さん、今日はシュートの練習をしましょう」 サッカーボールの入った籠を持ってきて、新入部員たちはボールを持っていく。 ホ「サッカーで大切なこと・・・それはシュートをしてゴールさせる事です。ゴールを割る事が出来なければ、どんな名プレーも    その意味を失ってしまいます。ですから、まずはシュートを覚えましょう」 ホーリエはゴール前に移動して構える。 ホ「今回は私がキーパーを勤めます。1人ずつ順番にシュートを撃ってください。ゴールを割る事が出来れば今日の練習は終了です」 新入部員達はそれぞれ思い思いにシュートを撃つが、どのコースを狙っても押し込もうとしても完璧に止められてしまった。 ホ「さあ、ゴールしないと終わりませんよ。どんどん来てください」 真(今日は帰るの遅くなりそうね。くんくんの放送日じゃなくて良かったわ) 水「水泳部だけでも面倒くさいのに、なんでテニス部(仮)の顧問もしなくちゃならないのよぅ」 め「私は楽しいよ・・・それに、なんだかんだ言ってちゃんと服用意してるし」 水「何事も形からって奴よぉ・・・ああ、そうそう、今日は試合形式でトーナメント戦にするわぁ」 水銀燈の言葉に生徒の1人が手を挙げる。 E「先生はトーナメントに参加しないんですか?」 水「嫌よ面倒臭い」 つれない返事に男子達の士気が下がる。水銀燈の試合を見たいがために来たようなものだ、それが無いならやる気は起きなかった。 が、不満をもらすのは何も男子だけじゃなかった。 め「え~、折角着てるのにもったいないよ。ねぇ、一緒にやろうよ~」 めぐは水銀燈の服の袖を握って駄々をこねる。めぐには弱い水銀燈も渋々優勝者とならと約束し、トーナメントが始まる。 め「それじゃ、いっくよ~」 気が抜けるような声で、ボールを高々と上げるめぐ。初心者とは言え、あれなら勝てるとEは思ったが・・・。 め「えい!!」 Eはその時、めぐの目に宿る無垢な狂気を感じると同時に自コート内でバウンドしたボールを顔面に受けて昏倒した。 審判「え~っと・・・試合続行不能により、ゲーム・柿崎」 その後もめぐの対戦相手はサービスやスマッシュなどによって次々と保健室送りにされた。 翠「この翠星石がバスケ部(仮)の顧問になる以上、おめーらを全国大会まで連れてってやるですぅ!」 瞳に炎を宿しながら、力説する翠星石。その後ろから応援するスィドリーム。 ス「翠ちゃんかっこいい~」 翠「まずはシュートの練習ですぅ。今からお手本見せてやるから、よく見てやがれですぅ」 ボールを持ってリングに向かう翠星石。そしてレイアップシュートを打とうとするが・・・。 ス「翠ちゃんトラベリングしてるよ~」 翠「う、煩いですぅ。気が散るですぅ」 気を取り直して、再びシュートをしようとするが ス「それだとダブルドリブルよぉ」 翠「い、いちいち煩いですぅ。このシュートは苦手ですぅ、違う奴にするです」 そう言って、スリーポイントシュートに切り替えるが、これまたさっぱり入らない。 翠「・・・きーっ、何で入らないですかぁ?!このへっぽこボール!」 ス「翠ちゃん怒っちゃダメぇ、折角の可愛いお顔が台無しだよ~」 翠「うぅ・・・それなら、お前がやってみやがれですぅ!」 ボールを手渡されたスィドリームは、開いてるのかいないのか良く分からない笑顔のまま狙いを定める。 ス「えぇ~い・・・」 シュパッ・・・ ボールは綺麗な放物線を描き、リングへと吸い込まれていく。 ス「やった~入った~」 翠「な・・・い、今のはまぐれですぅ。そう何度も入る訳ないですぅ」 もう一度ボールを渡してやらせてみるが、これも決まり。翠星石は半泣きで体育館を飛び出していった。 ス「あらあら、どうしましょう~」 薔「・・・苦しくたって・・・悲しくたって・・・コートの中では平気なの」 どこかで聞いたような事を呟きながら、バレー部(仮)の新入部員の方へと振り返る薔薇水晶。 薔「・・・では、早速練習を始めましょう・・・まずはトスから」 部員達は思い思いに練習を開始する。薔薇水晶はその間、熱心にルールブックを読んでいた。 それはそれは熱心な程に・・・。読み終えた頃にはとっくに部活の時間が終わっていた。 薔「・・・え、と・・・じゃあ、今日はこれまで」 金「こんなことも有ろうかと作っておいた機械が、ようやく役に立つかしら~」 ピ「皆、このラグビー選手養成ギブス『花園くんRX』をつけなさいかしら」 金糸雀とピチカートはラグビー部(仮)の新入部員達に花園くんRXを渡していく。 これまでの経験から絶対碌な目に遭わないと分かっているのだが、本人達の手前、断るわけには行かなかった。 W「あれ?全然きつくない・・・」 他の部員達も同じ感想だった。 金「それにはまだ電源が入ってないから、今はただのギブスかしら」 ピ「でも、このリモコンでスイッチを入れると・・・」 スイッチが入った途端、部員達はギブスによって強制的に走りまわされていた。 ピ「これがあれば、どんな素人もすぐにプロのラグビー選手になれるかしら」 金「試合中にこっそりスイッチを入れれば、楽してズルして勝利はいただきかしら~」 生徒『それは反則だ~~!!』 息もぴったりに突っ込む部員達だった。ちなみに、途中で止まらなくなったのもお約束であった。 雛「皆で楽しくバトミントンをするのよ~」 生徒『は~い!』 元気の良いバトミントン部(仮)の返事に満足して、早速練習を開始した。 雛「え~い!なの~」 雛苺が打ったシャトルが開いてコートに落ちる。 相手をしていたTは(雛苺先生って結構強いのね)なんて思いながら、シャトルを拾おうとしたところ、目の前に雛苺が来ていた。 T「どうしたん・・・なんで筆を持ってるんですか?」 雛「羽を落っことした人はお顔を墨で塗られちゃうのよ」 T「それは正月の羽根つき・・・って、くすぐったい!」 抗議するTに構わず顔に墨を塗っていく雛苺だった。 雛「とっても楽しかったの~」 その後、顔を真っ黒にしながら雛苺は嬉しそうに笑っていた。もっとも、部員たちの方が真っ黒だったが。 ラ「では、これより陸上部(仮)の練習を行います。この部の顧問は私と雪華綺晶先生が担当します」 雪「ではまず、貴様らは準備運動の後、グラウンドを10周10分で走って来い。1人でも遅れれば全員もう10周だ」 部員達は必死の形相でグラウンドを走る。遅れた場合は延々と走り続けることになるからだ。 ラ「なかなか有望な部員達ですね。今日はずっと走り回ることになると思っていましたが」 息も絶え絶えな部員達に対して、穏やかに語りかけるラプラス。 ラ「もしかしたら、皆さんの中には砲丸投げや走り幅跳び、棒高跳びなどを期待している人が居るかもしれませんが、    申し訳ありませんが諦めていただきたい」 ラプラスの言葉に驚く部員達。当然抗議の声が上がる。 ラ「君たちの意見も尤もなのですが、我が部では短距離から長距離までのスプリンターとランナーしか鍛えるつもりはありません」 Y「どういう意味ですか?!ちゃんと説明してください」 ラ「・・・答えは単純にして明快。全ては馬鹿校長を捕まえるため。私1人では時として逃げられたりしますので」 雪「そこであの馬鹿を捕まえるためにも足の速い者が必要だ」 ラ「そうした人を鍛えるためにこの陸上部(仮)は創設されました・・・もちろん、それが嫌なら辞めていただいて構いません」 ただし・・・、そう前置きして言葉を続ける。 ラ「この事を校長に伝えようとした場合、身の安全を保障できません。この事を予め伝えておきます」 翌日 ロ「結局失敗だったねぇ・・・我ながら名案だったと思うんだけどなぁ」 ラ「まさか全員がその日のうちに辞めてしまうとは・・・嘆かわしい事です」 ロ「仕方ない・・・しばらく部はこのままにしようか」 ラ「そうですね」 薔(せっかくルール全部覚えたのに・・・残念)

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