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学食再生プロジェクト」(2006/05/10 (水) 23:08:17) の最新版変更点

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おばさん「最近食堂の売り上げが減ってきてねぇ」 放課後、たまたま立ち寄った食堂で調理のおばさんと世間話をしていたらそんな話が出てきた。 翠「そうですか?けっこう売れてるように見えるです」 おばさん「金額的には雪華綺晶先生のおかげで問題無いんだけどねぇ」 翠「なるほど・・・食べに来る生徒が少なくなったって事ですか」 おばさん「そうなのよ。翠星石先生何か良い案有りませんかねぇ?」 翠「う~ん、すぐには思いつかないですぅ。でも、料理に携わる者として見過ごせねぇです。    ここは翠星石に任せるです!泥舟に乗ったつもりで居やがれですぅ」 そう言って食堂を出て行く。翠星石の後姿が見えなくなった頃、おばさんはポツリと呟いた。 おばさん「泥舟だと困るんだけどねぇ・・・」 かくして、翠星石が中心となって学食再生プロジェクトが立ち上げられた。 翌日、翠星石は雛苺に事情を説明してある物を用意させ、授業にそれを持参した。 翠「おめえら、このアンケートに答えやがれです」 雛「ちゃんと真面目に書いて欲しいの」 二人は生徒達にアンケート用紙を配っていく。アンケートの内容は学食に関する物だった。 翠「最近学食を利用する奴が少ないと、調理のおばさんが嘆いていたです」 雛「そこで、皆にもっと利用してもらうためにどこが問題なのかを知りたいの」 生徒達は、そう言えば最近行って無いなぁと思いながらアンケート用紙に記入していく。 書き終わった用紙を集めたところで授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、二人は授業を終えて職員室に向かった。 翠「う~ん、結構辛辣ですぅ」 雛「学食美味しいのにぃ」 隣り合った机で難しい顔をしながら二人はアンケートを読んでいく。 アンケート用紙に書かれていたのは二人を悩ませる物ばかりであった。 例えば、使わなくなった理由として『購買のパンの方が安いしうまい』とか『メニューに飽きた』とか 『マズいから』とまで書いてある物も有った。 また、学食に望むものはという質問に対しては『あと100円安くして』『もっと美味しい物が食べたい』という物から 『水銀燈先生が作ってくれるなら1万出す』『蒼星石先生が食べさせてくれるサービス』などある意味でこの学園らしい 物まで有った。 真「学食に関する要望?そうね・・・紅茶が無いのが不満なのだわ」 金「甘~い玉子焼きを食べたいかしら~」 蒼「サイドメニューの充実かな」 薔「・・・小食な人向けの食券があれば」 雪「美味しければなんでも。ただ、ゆで卵はもう作らないで欲しい。臭いだけで食欲が無くなる」 他の教師からの要望は大体こんな物だった。生徒達と違って不満点や要望が具体的なので対策しやすい。 それらを纏めている翠星石に水銀燈が声をかける。 水「私には聞かないのぉ?」 翠「以前聞いたです。高級食材なんて学食には到底無理です」 水「・・・そう、じゃあこれだけ言っておくわぁ。どれだけコストを削減しても絶対に手作りにしなさい」 翠「・・・・・・・・・そんなの言われるまでもねーですけど、仲間はずれは良くないですからリストに入れておくです」 水「それじゃ、よろしくぅ」 そう言って次の授業のために職員室を出て行く水銀燈。 翠(相変わらず素直じゃないですぅ) 翠「寝言は置いておくとして、多い希望は値段とメニューの充実ですね」 雛「でも、値段はギリギリに切り詰めてるのよね」 翠「これでもうちの学食は手作りですぅ。これ以上安くしたら碌な物にならないですぅ」 学食や社食等はどうしても値段を重視してしまう。その結果出てくる料理は冷凍食品、という例も少なくはない。 その点、有栖学園の食堂は全て手作りである。しかもセットメニューなので栄養面でも問題無い。 雛「セットメニューばかりだから飽きちゃうのかな?」 翠「確かにAセットとBセットだと違いはトンカツかハンバーグぐらいです。でも、他にも単品メニューは結構有るですよ」 翠星石の言うとおり、セットメニューの他にもカレーやうどん・そば、ラーメン等の単品メニューは有った。 雛「それでもトッピングとかのサイドメニューは少ないと思うのよ」 翠「言われてみれば、カツカレーとか無いですね。ラーメンも醤油以外無いです」 雛「こうやって挙げてみると、結構問題点がいっぱいなの」 二人はあれこれと話し合い、次々と問題点を挙げていった。 翠「問題点はだいたいこれぐらいです。後はこれらの解決ですぅ」 雛「おー」 問題点は見つかった。しかし、解決策は簡単には見つからなかった。 蒼「初めて知ったけど、かなり切り詰めて作っているんだね」 翠「これ以上安くするのはやっぱり厳しいですぅ・・・」 雛「う~ん、難しいの~」 二人は蒼星石に頼んでネットで料金モデルを調べてもらった。 調理の人たちに直接聞けば良いのだが、材料費とか当人達が知っているとも限らないし、 人件費などの給料に関して聞くのも気が引けたからである。 蒼「材料費を1円でも安く出来れば、料金にも影響が出るんだろうけど・・・」 そう言ってある事を思いつく。 蒼「そうだ、材料を取り寄せている業者さんよりも安い所を探したらどうだろう?」 雛「取り寄せる材料は沢山なの。簡単には見つからないと思うの」 翠「でも、悪い手じゃないですぅ。1種類だけでも安く仕入れる事が出来れば・・・」 考え込む3人。そして最初に発言したのは雛苺だった。 雛「もしかしたら、安く仕入れる事が出来るかも知れないの」 翠「どうするですか?」 雛「商店街の八百屋さんに頼むの。確か八百屋さんの結菱さんは農家の人から直接仕入れてるの。    だからとっても安くて新鮮なの」 翠「なるほど・・・商店街ですか」 蒼「でも、大量に仕入れないといけないと言ったのは雛苺先生だよ」 雛「うぃ・・・でも、10分の1でも仕入れる事が出来れば安く済むの」 あれこれと話し合っている3人に、1人の用務員が近づく。 ?「かぁずきぃぃ!」 蒼「うわぁぁっ!!・・・はぁはぁ、柴崎さん驚かさないでください!」 元治「はっはっは・・・すまんすまん。それで一体何の話をしておるんじゃ?」 翠「じじいに話しても意味が有るとは思えねーけど話してやるです」 翠星石は事情を説明した。元治は一通り聞くと意外な申し出をしてきた。 元治「なるほどのぅ・・・一葉とは将棋友達じゃし、なんなら私から話を付けようじゃないか」 翠「え?!それ本当ですか?!」 元治「ああ、本当じゃとも。ついでに他の店とも掛け合ってみようかの」 雛「良かったの!これで安く仕入れる事が出来るの!」 蒼「ありがとうございます柴崎さん」 元治「なんのなんの、かずきの力になれるなら例え火の中水の中って奴じゃわい」 蒼(だから、僕かずきじゃないのに・・・) そう言って豪快に笑う元治だった。 翠「さて、これで仕入れの問題は解決したです。後はメニューの充実ですぅ」 雛「これはヒナ達にお任せなの~」 蒼「家庭科の先生の本領発揮だね」 翠「善は急げです。今から早速新メニューの製作に取り掛かるです。蒼星石は調理のおばさんたちを    家庭科室に呼んで来て欲しいです」 そう言って職員室を後にする2人。蒼星石は食堂に行って翌日の分の仕込をしていた調理の人たちを呼びに行った。 翠「それでは、今から家庭科の特別授業の始まりですぅ!」 それから数週間後、食堂は生徒達でごった返していた。 商店街からの協力で、材料費を1割近く安くする事ができ、その結果各メニューの値段が10~20円安くなった。 そのメニューの方も翠星石と雛苺のアドバイスで大きく様変わりした。 さらには食券に大盛りの他に半分など少量にできる食券や雪華綺晶先生専用の食券も付けた事で女子生徒から人気が出た。 また、浮いた材料費で購入したドリンクサーバーも生徒や教師たちに好評だった。 おばさん「ほんと、ありがとうねぇ翠星石先生」 翠「お礼を言うなら翠星石より柴崎さんに言うです。もし居なかったら材料の仕入れが出来なかったです」 おばさん「それじゃあ、あの人の好きな里芋の煮っ転がしでもサービスしないとねぇ」 そう言って笑うおばさん。釣られて翠星石も笑う。 一頻り笑った後、おばさんがこう切り出してきた。 おばさん「ねえ、翠星石先生」 翠「何ですぅ?」 おばさん「この間の特別授業、とっても評判だったのよ。だから、今後も新メニュー開発の時にアドバイス貰っても良いかい?」 翠「お安い御用ですぅ!何でも言いやがれですぅ!」 それ以来、翠星石と雛苺は食堂の新メニュー開発の手伝いをする事になった。 そして、その時から食堂の売り上げは大幅に伸びていく事になる。

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