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>お題 『薔薇と蒼でパジャマパーティ』 蒼星石「ふぅ…やっと終わった…。薔薇水晶の方はどう?」 薔薇水晶「私も終わった…。やっぱり、銀ちゃんが言ってたように、記号選択問題を増やしたほうが良かったかな…?」 この日、蒼星石と薔薇水晶は中間テストの採点に追われていた。 そしてそれが終わる頃には、時計はすでに夜10時半を廻っていた。 蒼星石「まいったな…こんなに時間がかかるなんて…。あ、薔薇水晶…電車は大丈夫?もし良かったら送っていくけど…。」 薔薇水晶「うん…。でも、私を送ったら蒼星石さんの寝る時間が…。あ…!」 薔薇水晶は何かを思い出したようにそう言うと、蒼星石にある場所へ寄ってもらえるようにお願いした。 学校から徒歩30分…。そこに、彼女の目指す場所があった。 薔薇水晶「えーと…7…0…5…と…。」 そう口で確認しながら数字を入力すると、薔薇水晶はオートロック操作盤の『呼び出し』ボタンを押した。 そう、このマンションには同じ私立有栖学園で働く、1人の教師が住んでいるはずだった。 しかし、いくら待っても反応はなかった。 蒼星石「…やっぱり居ないんじゃない?あの人、よく遊びに行っちゃうし…。」 薔薇水晶「ううん…大丈夫…。」 そう言いながら、薔薇水晶は操作盤についている監視カメラに向かって、手を振った。 すると、やっとお目当ての住人が反応してくれた。 ?「何よ…。こんな時間に…。」 薔薇水晶「来ちゃった…。」 ?「…そういうのは、彼氏とかに言いなさいよね…」 呆れたようにそう言うと、その住人はやっとオートロックを解除してくれた。 それに対し、薔薇水晶は微笑みながらこう言った。 「ありがとう…銀ちゃん。」と。 こうして、蒼星石と薔薇水晶の両名は、1日だけ水銀燈の家にお世話になることになった。 水銀燈「…全く…。私の家は駆け込み寺じゃ無いのよ…!?何でこんな事に…。」 何かブツブツ文句を言いながら、水銀燈は寝巻き用のいらない服を探し出すと、それを2人に手渡しこう言った。 水銀燈「ほら、無いよりマシでしょう?これ、貸してあげるわぁ…」 薔薇水晶「銀ちゃん…これ、胸ぶかぶか…」 水銀燈「嫌なら裸で寝なさぁい…。ほら、さっさとお風呂入って…!」 水銀燈はそう言いながら、薔薇水晶をバスルームへ押しやると、ため息をつきながらソファに身を投げ、そして何故か蒼星石の一挙手一投足をじーっと見つめていた。 蒼星石「…な、何!?」 水銀燈「あ…いや、昔…あなたに酷い事しちゃったじゃない?だから、後遺症とか…大丈夫かなって…。」 そう、それは2人が高校生の時の話…。ひょんな事から、蒼星石が意識不明の重傷を負ってしまうという事件があった。 そして、その事件に大きくかかわっていたのが、この水銀燈だったというわけだ。 蒼星石「あ…うん。このとおり、何の後遺症も無いよ…!全然大丈夫!」 大げさに腕を振り回し、それをアピールする蒼星石。 その姿を見て、水銀燈は小さく「そう…」と呟き、その場を後にした。 その時、蒼星石の耳に「よかった…」という声がかすかに聞こえたような気がした。 水銀燈「さ…あなた達はそのリビングで寝なさぁい。私はこっちの部屋で寝るから…。」 やっと2人がお風呂から上がったところで2人分の布団を手際よく敷くと、水銀燈はそう言いながら、さっさと自室へ行ってしまった。 取り残された2人は「せっかくだから、一緒に寝ればいいのに…」と言いながら、それぞれの布団に入っていく。 そして、普段学校ではなかなか話せなかった悩みや、考え、そして趣味の話などを話していたとき、水銀燈の部屋から何やら話し声が聞こえてきた。 それが電話で何かを話していると分かると、2人はついつい聞き耳を立ててしまう。 流石に最近建てられたマンションだけあって、その会話はなかなか聞き取りづらかったが、断片的にこんな単語が聞こえてきた。 それは、『お母様』…『仕送り』…『気にしないで』…『週末』…『帰る』…そして『体』…『気をつけて』といったもの…。 その普段は絶対見せない水銀燈の一面に、2人は驚きを隠しきれなかった。 蒼星石「…まさか、仕送りしてるの…!?」 薔薇水晶「うん…そうみたい…。凄いなぁ…。偉いなぁ…。」 蒼星石「…でも、何か意外だったなぁ…。水銀燈なら、未だに小遣いとかせびりにに行きそうなタイプだと思ってたけど…。」 薔薇水晶「ううん…銀ちゃんはホントはとってもいい子なんだよ…?でも、それを表に出すのが苦手みたい…。」 蒼星石「そうだね…そういえば、さっきも…」 そう言うと、蒼星石は先ほどあったことを伝えようとした。 しかし、その時、突然水銀燈の部屋から大きな音でクラッシックの曲が流れてきた。 その様子に、2人は顔を見合わせ、こう言った。 蒼星石「あはは…聞こえてたみたいだね…。」 薔薇水晶「うん…じゃ、もう寝ようか…。」 こうして、2人の水銀燈邸での初めてのお泊りは幕を閉じた。 そして翌日… 薔薇水晶「銀ちゃん…!早く起きて…!もう、学校に行く時間だよ…!?」 水銀燈「…やぁよ…。今日は、そんな気分じゃないの…」 薔薇水晶「だめ…!早く…!」 …いつもと変わらない1日が、今日も始まった。 完
>お題 『薔薇と蒼でパジャマパーティ』 蒼星石「ふぅ…やっと終わった…。薔薇水晶の方はどう?」 薔薇水晶「私も終わった…。やっぱり、銀ちゃんが言ってたように、記号選択問題を増やしたほうが良かったかな…?」 この日、蒼星石と薔薇水晶は中間テストの採点に追われていた。 そしてそれが終わる頃には、時計はすでに夜10時半を廻っていた。 蒼星石「まいったな…こんなに時間がかかるなんて…。あ、薔薇水晶…電車は大丈夫?もし良かったら送っていくけど…。」 薔薇水晶「うん…。でも、私を送ったら蒼星石さんの寝る時間が…。あ…!」 薔薇水晶は何かを思い出したようにそう言うと、蒼星石にある場所へ寄ってもらえるようにお願いした。 学校から徒歩30分…。そこに、彼女の目指す場所があった。 薔薇水晶「えーと…7…0…5…と…。」 そう口で確認しながら数字を入力すると、薔薇水晶はオートロック操作盤の『呼び出し』ボタンを押した。 そう、このマンションには同じ私立有栖学園で働く、1人の教師が住んでいるはずだった。 しかし、いくら待っても反応はなかった。 蒼星石「…やっぱり居ないんじゃない?あの人、よく遊びに行っちゃうし…。」 薔薇水晶「ううん…大丈夫…。」 そう言いながら、薔薇水晶は操作盤についている監視カメラに向かって、手を振った。 すると、やっとお目当ての住人が反応してくれた。 ?「何よ…。こんな時間に…。」 薔薇水晶「来ちゃった…。」 ?「…そういうのは、彼氏とかに言いなさいよね…」 呆れたようにそう言うと、その住人はやっとオートロックを解除してくれた。 それに対し、薔薇水晶は微笑みながらこう言った。 「ありがとう…銀ちゃん。」と。 こうして、蒼星石と薔薇水晶の両名は、1日だけ水銀燈の家にお世話になることになった。 水銀燈「…全く…。私の家は駆け込み寺じゃ無いのよ…!?何でこんな事に…。」 何かブツブツ文句を言いながら、水銀燈は寝巻き用のいらない服を探し出すと、それを2人に手渡しこう言った。 水銀燈「ほら、無いよりマシでしょう?これ、貸してあげるわぁ…」 薔薇水晶「銀ちゃん…これ、胸ぶかぶか…」 水銀燈「嫌なら裸で寝なさぁい…。ほら、さっさとお風呂入って…!」 水銀燈はそう言いながら、薔薇水晶をバスルームへ押しやると、ため息をつきながらソファに身を投げ、そして何故か蒼星石の一挙手一投足をじーっと見つめていた。 蒼星石「…な、何!?」 水銀燈「あ…いや、昔…あなたに酷い事しちゃったじゃない?だから、後遺症とか…大丈夫かなって…。」 そう、それは2人が高校生の時の話…。ひょんな事から、蒼星石が意識不明の重傷を負ってしまうという事件があった。 そして、その事件に大きくかかわっていたのが、この水銀燈だったというわけだ。 蒼星石「あ…うん。このとおり、何の後遺症も無いよ…!全然大丈夫!」 大げさに腕を振り回し、それをアピールする蒼星石。 その姿を見て、水銀燈は小さく「そう…」と呟き、その場を後にした。 その時、蒼星石の耳に「よかった…」という声がかすかに聞こえたような気がした。 水銀燈「さ…あなた達はそのリビングで寝なさぁい。私はこっちの部屋で寝るから…。」 やっと2人がお風呂から上がったところで2人分の布団を手際よく敷くと、水銀燈はそう言いながら、さっさと自室へ行ってしまった。 取り残された2人は「せっかくだから、一緒に寝ればいいのに…」と言いながら、それぞれの布団に入っていく。 そして、普段学校ではなかなか話せなかった悩みや、考え、そして趣味の話などを話していたとき、水銀燈の部屋から何やら話し声が聞こえてきた。 それが電話で何かを話していると分かると、2人はついつい聞き耳を立ててしまう。 流石に最近建てられたマンションだけあって、その会話はなかなか聞き取りづらかったが、断片的にこんな単語が聞こえてきた。 それは、『お母様』…『仕送り』…『気にしないで』…『週末』…『帰る』…そして『体』…『気をつけて』といったもの…。 その普段は絶対見せない水銀燈の一面に、2人は驚きを隠しきれなかった。 蒼星石「…まさか、仕送りしてるの…!?」 薔薇水晶「うん…そうみたい…。凄いなぁ…。偉いなぁ…。」 蒼星石「…でも、何か意外だったなぁ…。水銀燈なら、未だに小遣いとかせびりにに行きそうなタイプだと思ってたけど…。」 薔薇水晶「ううん…銀ちゃんはホントはとってもいい子なんだよ…?でも、それを表に出すのが苦手みたい…。」 蒼星石「そうだね…そういえば、さっきも…」 そう言うと、蒼星石は先ほどあったことを伝えようとした。 しかし、その時、突然水銀燈の部屋から大きな音でクラッシックの曲が流れてきた。 その様子に、2人は顔を見合わせ、こう言った。 蒼星石「あはは…聞こえてたみたいだね…。」 薔薇水晶「うん…じゃ、もう寝よっか…。」 こうして、2人の水銀燈邸での初めてのお泊りは幕を閉じた。 そして翌日… 薔薇水晶「銀ちゃん…!早く起きて…!もう、学校に行く時間だよ…!?」 水銀燈「…やぁよ…。今日は、そんな気分じゃないの…」 薔薇水晶「だめ…!早く…!」 …いつもと変わらない1日が、今日も始まった。 完

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