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「そうだ、京都へ行こう!おいでませ京都編」(2006/04/26 (水) 20:50:10) の最新版変更点
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ピンポンパンポーン
アナウンス「まもなく、本新幹線は京都、京都に着きます」
車内に目的地の到着を伝えるアナウンスが流れる。
真「さあ、皆そろそろ降りる準備を始めるのだわ」
真紅が皆に指示を出す。
当初真紅が皆と行くのを嫌がっていたのは、こうした指示を出す事だった。
もちろん、皆は大の大人なので本来はする必要も無いのだが、目を離すと何をするか分からない教師たちなので
ちゃんとまとめる役が必要だった。そしてそれができる人間は自分だけなので、自然とそういう役回りになる。
真「忘れ物はないかしら?」
金「水銀燈先生がまだ寝てるのかしら~」
真「・・・全く、ちゃんと寝てないからこういう事になるのだわ」
真紅はそう呟いて、水銀燈が眠る席へと近づく。
真「早く起きなさい水銀燈。もうすぐ京都に着くのだわ」
水「・・・う・・・ん、後・・・2時間・・・」
あと5分とか言わない所が水銀燈らしい。
真「そんなに寝てたら、博多まで行ってしまうのだわ。だから早く起きなさい」
水「うぅ・・・やぁ・・・」
もし起こす側が男性ならさぞかし羨ましいシチュエーションなのかもしれないが、真紅には通じなかった。
最初は殴ってでも起こそうかと考えていた真紅だが、折角の旅行に喧嘩をしてはつまらないという事で搦め手で攻めてみた。
真「そう・・・起きないのね。なら良いわ、ゆっくり寝ていなさい。
貴女にとって、くんくんは所詮その程度の存在だったという事ね」
真紅のその言葉で一気に覚醒する水銀燈。
水「真紅ぅ、私のくんくんに対する気持ちを随分と侮辱してくれたじゃなぁい・・・」
元々寝起きはあまり良くない上に、くんくんへの気持ちを侮辱されたのだ。怒らない方がおかしい。
だが、真紅はそ知らぬ顔で続ける。
真「ちゃんと起きられるじゃないの。今度からはちゃんと自分で起きて頂戴」
そう言って、乗降口へと向かおうとする。だが、1歩進んだところで立ち止まる。
真「そうそう・・・さっきの言葉なら、謝るのだわ。幾ら貴女を起こすためとは言え、
くんくんを引き合いに出したのは悪かったわ」
そして、今度は本当に乗降口へと歩いていった。
その後姿を見ながら、水銀燈は呟く
水(・・・・・・そんな風に謝られたら、怒れないじゃない)
でも、何も言わないままで居るというのも悔しいので言い返す。
水「・・・人と話をする時は、ちゃんと相手の目を見ろって教わらなかったぁ?」
そういう水銀燈も真紅の方を見ていなかったが、なんとなく微笑んでるように見えるのは気のせいだろうか。
翠「ようやく京都に着いた『どすぅ』」
金「良いお天気なのかしら~」
蒼「まさに五月晴れって感じだね」
翠「・・・・・・誰か突っ込みやがれこんチクショー、ですぅ」
改心のボケを無視されて、逆に突っ込む翠星石。
薔(・・・・・・プルプル)
水「・・・・・・貴女、もしかして今のがツボに入ったのぉ?」
薔(・・・コクコク)
水「・・・・・・・・・あ、そぅ」
この子の笑いセンスは確実にずれてるわぁ、と思いながらも口には出さなかった。
真「ちゃんと全員居るかしら?」
また確認を取る真紅。今度は雪華綺晶が居なかった。
真「またお弁当を買いに・・・」
雪「遅くなった」
真「どこへ行っていたの?」
雪「空になった弁当箱を捨てに行っていた」
真「そう、なら良いのだわ。けど、あまり勝手に居なくならないで頂戴」
雪「了解」
水「それで、これからどうする気?」
真「そうね、今すぐにでも・・・と言いたい所だけれども、昼食を取りましょう」
金「賛成なのかしら~。カナお腹ペコペコなのかしら~」
蒼「そうだね。もうすぐ12時だし、映画村へはその後にでも」
翠星石、水銀燈も賛成した。その後、真紅は雪華綺晶と薔薇水晶の方に顔を向ける。
真「貴女は大丈夫かしら?東京駅からここに着くまでずっと食べ続けていたようだけど」
真紅の言うとおりである。実際、京都駅に着くまで雪華綺晶は駅弁を食べ続けていた。
幾ら大食いとは言え、かなりの量を食べたはずだった。
流石にそんな彼女を連れて行くのは忍びないと思ったのだろう。だが、彼女はこう言った。
雪「無問題」
真「・・・・・・そう」
かくして、一行は京都駅ビルにあるカフェ・レストランで昼食を取った。
この時、雪華綺晶はメニュー全制覇を成し遂げかけたという事だけを記しておく。
昼食も終わり、いよいよ映画村に向けて出発である。
ここからはJR嵯峨野線で映画村へと向かうことになる。
その為切符売り場で真紅が太秦行きの切符を買おうとしたのだが、それを翠星石に止められた。
翠「ちょっと待つです。わざわざ損する必要ねえです」
真「どういうことかしら?」
水「まさか歩けって言うのぉ?嫌よぉ、歩くなんてぇ」
薔「・・・太秦駅からの方が・・・近いんじゃないんですか?」
それぞれ翠星石の行動を訝しむ。その様子を見て高笑いをあげる翠星石。
翠「オーホッホッホ、ですぅ。そんな事も知らねーで切符買おうとしたですか」
真「早く説明して頂戴」
せかす真紅に対し、まあ落ち着くですと言ってから翠星石は説明する。
翠「これは一昨日たまたま放課後に雑誌読んでた時に、>309から聞いた話です。
なんでも、映画村の入り口は太秦駅よりもひとつ前の花園駅からの方が近いらしいですぅ。
一駅前なら当然運賃も安いはずですぅ」
金「それなら、楽してズルして安くて早く映画村に行けるのかしら~」
えっへんと胸を反らす翠星石。
真「なるほど・・・、そういう事ならそっちの方が良いわね」
水「へぇ、たまには役に立つのねぇ」
皆口々に翠星石を褒める。その度に「煽てても何にも出ねーですよ」とか「もっともっと褒め称えるですぅ!」と
有頂天になっていく。しかし、彼女の天狗鼻を折ったのは蒼星石だった。
蒼「・・・運賃は190円で一緒だね」
翠「オーホッホッホ・・・え?」
全員「・・・・・・」
どうやら運賃のことまでは聞いてなかったようだ。
真「さあ、さっさと行くのだわ」
ぞろぞろと移動していく一行。
翠「・・・あ、こら待ちやがれーですぅ!」
かくして、電車に揺られて4駅、JR花園駅を降りた一行は道に設置してあった地図を頼りに歩くこと数分。
ついに映画村前へとたどり着いた。
真(・・・あぁ、ついにくんくんと会えるのね)
水(ふふ、くんくんは私が独り占めよぉ・・・)
翠(さあ、いっぱい遊ぶですよぉ)
蒼(そう言えば、この時期ってヒーローショーとかもやっていたんだったっけ。見に行ってみよう)
金(お芝居小屋とか面白そうなのかしら)
雪(・・・ご飯食べられる所あるのか。後で行ってみよう)
薔(・・・皆と思い出を・・・沢山作ろう)
真「さ、入場料を払って入りましょう」
全員「おー!!」
入り口で入場料を払い映画村の中に入る7人。
そしてこの瞬間から、楽しい宴が開幕する。
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