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部活動設立」(2006/04/05 (水) 18:36:46) の最新版変更点

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男子A「先生、俺たち『兵器研究部』っての作ろうと思ってるんですが、顧問になってくれませんか?」 昼休み、数人の生徒がそういって雪華綺晶の下に集まってきた。 雪華綺晶「別にかまわないけど…一体どんなことをするの?」 男子A「はい!名前にあるとおり、兵器のことを研究したり、ゆくゆくはで独自に開発したりなんかを…」 『開発』と聞いて、雪華綺晶は思わず考え込む。 見たところ、部を作れるだけの規定人数はそろっているし、私としても兵器に対して関心を持ってくれるのは嬉しい…。 軍事分野は一般には敬遠されがちだが、コンピューターや缶詰、それにサランラップだって元はそこから生まれたものである。 そういった事を通して、何か学んでくれるものがあれば大いに結構だが… 雪華綺晶「…でも、兵器はとても恐ろしい物…。そう簡単には…。」 男子A「お願いです!俺たち、こういう『ものづくり』ってのがやりたいんです!!」 男子B「一度きりの青春を、これに賭けてみたいんです!!お願いします!!」 …結局、雪華綺晶はその熱意に負け、部を設立するための嘆願書を書くことになった。 そして2日後、嘆願書は認められた。 雪華綺晶は、射撃部の敷地の一角に兵器研究部のスペースを確保し、まずはどんな事をするのか決めようとしたのだが、話は一向にまとまらなかった。 男子A「グロース・シュトラール!!」 男子B「ゲイヴォルグ!!」 男子C「リムファクシ!!」 雪華綺晶そっちのけで、今から作る兵器の名前をめぐり、もめる一同。 たまらず、1人が声を上げる。 水銀燈「名前なんてどうでもいいの!今決めなきゃいけないのは、『何を作るか』よ!?」 別の者も、これに賛同する。 翠星石「そうですぅ!名前なんて、後からついてくるモンですぅ!!」 …どこから話をかぎつけてきたのだろう…。と頭を抱える雪華綺晶。 2人が、この部を何かよくないことに利用しようとしているのは、明白だった。 とにかく、危険な方向に行く前に止めなくては、と雪華綺晶は口を開いた。 雪華綺晶「…あの、兵器は危険なものだから、まずは…」 翠星石「あっ!そういえば、この前TVで凄いのを見たですぅ!!」 この発言により、雪華綺晶の声は完全にかき消された。 水銀燈「見たって…何を?」 翠星石「ふっふっふ…聞いて驚くなかれ、世の中には周囲の色彩に応じて物体の模様を変化させ、姿を隠すというステルススーツなるものが研究されているそうですぅ!!」 ステルススーツ…?もしかしかして光学迷彩のことを言っているのだろうか、と思案する雪華綺晶。 あんなもの作ったら、ますますこの2人はいけない事をするに決まってる…! 私たちの手ではまず作ることは不可能とはいえ、この2人なら本当に…。 水銀燈「それ、最高だわぁ…♪雪華綺晶も、いいわね?」 雪華綺晶「い、いや…でも…みんなの意見も聞かないと…」 その言葉に、水銀燈はわざわざ生徒の前で足を組み替えながら、こんなことを言い出した。 水銀燈「…みんな、この学校で一番偉いのはぁ?」 部員一同「す、水銀燈先生です!!」 水銀燈「正しいのはぁ?」 部員一同「水銀燈先生です!!」 水銀燈「決まりね…♪」 こうして、全会一致で光学迷彩スーツが作られることになった。 薔薇水晶「そんなの…ダメに決まってるでしょう!!」 …2秒前までは。 いつの間にか現れた薔薇水晶に、慌てふためく一同。 水銀燈「ば、薔薇水晶…。一体何の用かしらぁ?」 薔薇水晶「またそんなこと言って…!この嘆願書に、勝手に校長の印鑑押したの、銀ちゃんでしょ!?校長室の防犯カメラに映ってたよ!!」 チッと、思わず舌打ちしてしまう水銀燈。 それが決定打となり、部はわずか1日で廃止させられてしまった。 薔薇水晶「…今から、姉さんと少し話してくるから、その間…絶対足を崩しちゃダメだよ?いい!?」 そう念を押すと、薔薇水晶は2人を『生徒指導室』で正座させ、職員室に雪華綺晶を連れて行った。 さて…。」と、薔薇水晶は雪華綺晶を椅子に座らせると、詰問を開始する。 薔薇水晶「あの2人が、作ったものを悪用しようとしている事…まさか、途中で気がつかなかった訳ではないでしょう?」 雪華綺晶「うん…」 薔薇水晶「だったら、途中で『ダメ』って言わないと…。いくら仲のよい人でも、悪い事にはキッパリと断る勇気を持たなきゃ…。それが、その人のためにもなるんだから…。」 雪華綺晶「…そうだよね。わかった…。」 薔薇水晶「…よし、じゃあ今度から気をつけてね?」 そう言うと、薔薇水晶は雪華綺晶を解放し、問題の2人がいる生徒指導室へと向かった。 薔薇水晶「さて…問題はこっちね…。」 どうしたら、こういう事を止めてもらえるかと、思案する薔薇水晶。 今まではきつめにお説教をしてたから、今回は少し甘めに言ってみようかな…。 そうすれば分かってくれるかも…。 そんなほのかな思いを胸に、生徒指導室のドアを開けると、そこには畳に寝そべる2人の姿があった。 薔薇水晶「…あなたたち、何をしてるの…?」 翠星石「あっ!!お、お早いお帰りですねぇ!!あ、あまりのことにびっくりして、思わず寝転んじまったですぅ♪」 水銀燈「ホ、ホント…ずいぶん早かったじゃなぁい♪…いつも、私を怒る時と違って…。」 もはや薔薇水晶に、先ほどの情けをかける余裕はなかった。 それから3時間後、辺りがすっかり闇に包まれる中、2人はまだお説教を受けていた。 薔薇水晶「…だから、人の嫌がることはしてはいけないって…聞いてるの!?」 翠星石「ちゃ、ちゃんと聞いてるですぅ!だから、二度と翠星石の足を叩くなですぅ!!しびれて痛いんですぅ!!」 薔薇水晶「じゃあ、顔は上げたまま!下を向かな…銀ちゃん、さっき私が言った事、復唱して…!!」 水銀燈「…人は、人は…ごにょごにょ…」 薔薇水晶「ほら!ちゃんと話を聞いてないから、そう言うことになるの!!もう一回最初から説明するからね!?」 その言葉に、ものすごく嫌そうな顔をする2人。 2人が生徒指導室から解放されるのは、まだまだ先のことになりそうだった…。 完

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