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真昼の来訪者」(2006/04/05 (水) 10:21:45) の最新版変更点

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>お題 『白崎・雛苺・薔薇水晶』 ?「すいませーん、誰かいらっしゃいませんかー?」 昼休み、水銀燈が職員室で1人、本を読んでいると1人の男が尋ねてきた。 顔はまあ悪く無いわね…と品定めをしながら、水銀燈は応対する。 水銀燈「なぁに?みんな今、お昼だから出払っちゃってるのよねぇ…」 ?「そうなんですか…。あっ!私、教育教材販売の『白崎』と申しまして…」 水銀燈「あらそう…。私、保健体育担当だから、そんなもの必要ないわぁ…」 白崎「そうなんですか!?いやー、だからそんなに健康的で美しいんですね!!」 水銀燈「ふふ…口が上手いのねぇ…。ま、どうせヒマだから、話ぐらいは聞いてあげるわぁ…。」 そう言うと、水銀燈は白崎を椅子に座らせた。 白崎「…というわけで、この商品は他校でも好評でして…」 熱心に商品の説明をする白崎。それとは対照的に、水銀燈は非常に眠そうである。 どうやら、この手の商品にはあまり興味が無いらしい。 水銀燈「ねぇ…そんなのじゃなくて、アクセサリーとか扱ってないのぉ?」 白崎「い、いや…私は教育教材が専門でして…」 水銀燈「つまんないのぉ…。」 白崎「あの…失礼ですが、水銀燈さんはあまり教育にはご関心が…」 水銀燈「んー?無いわよぉ。何で人様の子供のために、一生懸命にならなきゃいけないのよぉ…。自分のことだけで、精一杯だわぁ…。」 そう言うと、水銀燈は独自の教育論をこんこんと語りだした。 水銀燈「…というわけで、自分のことぐらい自分でやれって思うわけ。分かる?」 白崎「なるほど…仰るとおりです。確かに、最近の親は教師にすべてを任せる傾向がありますからねー…。そのくせ、権利ばっかり主張する…。」 水銀燈「あなた…話が分かるわねぇ…。好きになっちゃいそうだわぁ…♪」 その言葉に思わず照れ笑いを浮かべる白崎。 白崎「それは光栄です♪…でも、そうするとあまり学校も楽しくなかったりとか…」 水銀燈「そうね…でもいいトコもあるわよぉ…。色んな出会いや発見もあったしねぇ…」 白崎「例えば、新しいご友人が出来たとか?」 その問いに、「さあね…。」とそっけなく答えると、水銀燈は次の授業の準備をしだした。 そんな水銀燈に、白崎は最後の質問をする。 白崎「…どうしたら、学校が楽しくなると思いますか?」と。 水銀燈「…ふぅ…。少し喋りすぎちゃったわねぇ…。」 普段見せない本心を、一部とはいえ他の人…それも初対面の相手に晒してしまったことを悔いる水銀燈。 そこへ、雛苺と薔薇水晶がやってきた。その表情は、どことなく普段より明るく見える。 水銀燈「どうしたのぉ?何かいいことでもあったのぉ?」 雛苺「うん!!これから1週間、水銀燈はヒナや薔薇水晶と一緒に暮らすのよ!?」 薔薇水晶「そうなの…さっき、教頭先生からのお達しで…」 水銀燈「何言ってるの!?そんなの絶対許さないわよ!!」 予想外のことに、珍しく慌てる水銀燈。 冗談じゃない…雛苺はともかくとして、薔薇水晶なんかと一緒に住んだら、絶対規則正しい生活をさせられるに決まっている…!! 自由を愛する水銀燈にとって、それは拷問以外の何物でもなかった。 水銀燈「とにかく、そんなの絶対にやぁよ。大体、そこまでする権利がどこに…」 雛苺「うー…。水銀燈は、ヒナのこと嫌いなの?」 水銀燈「そ、そう言う意味じゃなくて…」 薔薇水晶「嫌いなの…?」 水銀燈「!?何で、あなたまでそんな目をするのよ!?何なのよ、一体!?」 …こうして、3人は1週間、仲良く一緒に生活することとなった。 薔薇水晶「銀ちゃん!もう12時だよ!!いつも、そんな遅くまでお酒飲んでるの!?」 水銀燈「『午前』12時だから、暦の上ではもう朝よぉ?全然遅くなんて…」 薔薇水晶「そう言うのをヘリクツっていうの!!雛苺を見習いなさい!!」 水銀燈「じゃあ、雛苺のように夜10時に寝ろっていうの!?お馬鹿さん!!」 まるで、修学旅行の夜のように騒ぐ2人。 一方、別の家では、ある男がこんなことを考えていた。 ラプラス「水銀燈は朝に弱い割に、夜遊び歩いているから、よく学校をサボってたんですね…。まあ、仲の良い二人をそばに置いたことですし、これで彼女のさぼり癖も少しは治ればいいのですが…。」 そう、実は今回、ラプラスは白崎という人物に化けて、水銀燈のさぼり癖の秘密を探っていたのだ。 ちなみに、最後の質問に対する水銀燈の答えは、「さあ…誰かがいつもそばにいれば、それはそれで楽しいんじゃなぁい?」と言うもの… それを踏まえたうえで、水銀燈とは仲のよい雛苺と薔薇水晶が1週間、一緒に暮らすようにしたというわけだ。 ラプラス「…次は、翠星石ですか…。これも大変そうですね…。」 ため息混じりに、そう語るラプラス。 彼のこういった陰の努力があるからこそ、この学校が上手く成り立っているのかもしれない… 完
>お題 『白崎・雛苺・薔薇水晶』 ?「すいませーん、誰かいらっしゃいませんかー?」 昼休み、水銀燈が職員室で1人、本を読んでいると1人の男が尋ねてきた。 顔はまあ悪く無いわね…と品定めをしながら、水銀燈は応対する。 水銀燈「なぁに?みんな今、お昼だから出払っちゃってるのよねぇ…」 ?「そうなんですか…。あっ!私、教育教材販売の『白崎』と申しまして…」 水銀燈「あらそう…。私、保健体育担当だから、そんなもの必要ないわぁ…」 白崎「そうなんですか!?いやー、だからそんなに健康的で美しいんですね!!」 水銀燈「ふふ…口が上手いのねぇ…。ま、どうせヒマだから、話ぐらいは聞いてあげるわぁ…。」 そう言うと、水銀燈は白崎を椅子に座らせた。 白崎「…というわけで、この商品は他校でも好評でして…」 熱心に商品の説明をする白崎。それとは対照的に、水銀燈は非常に眠そうである。 どうやら、この手の商品にはあまり興味が無いらしい。 水銀燈「ねぇ…そんなのじゃなくて、アクセサリーとか扱ってないのぉ?」 白崎「い、いや…私は教育教材が専門でして…」 水銀燈「つまんないのぉ…。」 白崎「あの…失礼ですが、水銀燈さんはあまり教育にはご関心が…」 水銀燈「んー?無いわよぉ。何で人様の子供のために、一生懸命にならなきゃいけないのよぉ…。自分のことだけで、精一杯だわぁ…。」 そう言うと、水銀燈は独自の教育論をこんこんと語りだした。 水銀燈「…というわけで、自分のことぐらい自分でやれって思うわけ。分かる?」 白崎「なるほど…仰るとおりです。確かに、最近の親は教師にすべてを任せる傾向がありますからねー…。そのくせ、権利ばっかり主張する…。」 水銀燈「あなた…話が分かるわねぇ…。好きになっちゃいそうだわぁ…♪」 その言葉に思わず照れ笑いを浮かべる白崎。 白崎「それは光栄です♪…でも、そうするとあまり学校も楽しくなかったりとか…」 水銀燈「そうね…でもいいトコもあるわよぉ…。色んな出会いや発見もあったしねぇ…」 白崎「例えば、新しいご友人が出来たとか?」 その問いに、「さあね…。」とそっけなく答えると、水銀燈は次の授業の準備をしだした。 そんな水銀燈に、白崎は最後の質問をする。 「…どうしたら、学校が楽しくなると思いますか?」と。 水銀燈「…ふぅ…。少し喋りすぎちゃったわねぇ…。」 普段見せない本心を、一部とはいえ他の人…それも初対面の相手に晒してしまったことを悔いる水銀燈。 そこへ、雛苺と薔薇水晶がやってきた。その表情は、どことなく普段より明るく見える。 水銀燈「どうしたのぉ?何かいいことでもあったのぉ?」 雛苺「うん!!これから1週間、水銀燈はヒナや薔薇水晶と一緒に暮らすのよ!?」 薔薇水晶「そうなの…さっき、教頭先生からのお達しで…」 水銀燈「何言ってるの!?そんなの絶対許さないわよ!!」 予想外のことに、珍しく慌てる水銀燈。 冗談じゃない…雛苺はともかくとして、薔薇水晶なんかと一緒に住んだら、絶対規則正しい生活をさせられるに決まっている…!! 自由を愛する水銀燈にとって、それは拷問以外の何物でもなかった。 水銀燈「とにかく、そんなの絶対にやぁよ。大体、そこまでする権利がどこに…」 雛苺「うー…。水銀燈は、ヒナのこと嫌いなの?」 水銀燈「そ、そう言う意味じゃなくて…」 薔薇水晶「嫌いなの…?」 水銀燈「!?何で、あなたまでそんな目をするのよ!?何なのよ、一体!?」 …こうして、3人は1週間、仲良く一緒に生活することとなった。 薔薇水晶「銀ちゃん!もう12時だよ!!いつも、そんな遅くまでお酒飲んでるの!?」 水銀燈「『午前』12時だから、暦の上ではもう朝よぉ?全然遅くなんて…」 薔薇水晶「そう言うのをヘリクツっていうの!!雛苺を見習いなさい!!」 水銀燈「じゃあ、雛苺のように夜10時に寝ろっていうの!?お馬鹿さん!!」 まるで、修学旅行の夜のように騒ぐ2人。 一方、別の家では、ある男がこんなことを考えていた。 ラプラス「水銀燈は朝に弱い割に、夜遊び歩いているから、よく学校をサボってたんですね…。まあ、仲の良い二人をそばに置いたことですし、これで彼女のさぼり癖も少しは治ればいいのですが…。」 そう、実は今回、ラプラスは白崎という人物に化けて、水銀燈のさぼり癖の秘密を探っていたのだ。 ちなみに、最後の質問に対する水銀燈の答えは、「さあ…誰かがいつもそばにいれば、それはそれで楽しいんじゃなぁい?」と言うもの… それを踏まえたうえで、水銀燈とは仲のよい雛苺と薔薇水晶が1週間、一緒に暮らすようにしたというわけだ。 ラプラス「…次は、翠星石ですか…。これも大変そうですね…。」 ため息混じりに、そう語るラプラス。 彼のこういった陰の努力があるからこそ、この学校が上手く成り立っているのかもしれない… 完

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