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翠星石と雛苺と園芸」(2006/03/28 (火) 02:02:53) の最新版変更点

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雛苺「翠星石ー、そんなところで何やってるの?」 翠星石「見て分からんかですぅ、草木の手入れをしてるんですぅ。」 一つ一つの根元に、肥料を与えながら翠星石が答える。 雛苺「ふーん、大変そうねー。じゃあヒナも手伝ってあげる!」 翠星石「ほう!チビのくせに、なかなか見所があるやつですね!じゃあ…おめーは、この子達に水をあげてくれですぅ♪」 学校の植物の手入れは、普段蒼星石しか手伝ってくれなかったので、それはとても嬉しい申し出だった。 こうして、少しずつみんなが植物に興味を持つようになれば、この学校はさらに素晴らしいものになるかも…そんな思いに、思わず笑みがこぼれる翠星石。 そんな翠星石を見て、雛苺もウキウキした様子で水道の蛇口へと向かった。 翠星石「あ、水をやる時は翠星石の如雨露を使って、水圧に気をつけながら…」 そう言いながら、雛苺のほうへ振り返る翠星石。 が、そう言うより早く、雛苺はホースから直接水をかけ始めた。しかも、よりによって一番水圧の高いモードで…。 翠星石「あーっ!!何してやがりますか、このおバカ苺!!地面がえぐれてやがるですぅ!!」 その言葉に、雛苺はノズルを別のモードに切り替えようとするものの、あせって上手くいかず、被害はより拡大してしまう。 そして、事が収まった時にはそこらじゅう水浸しになり、いたるところで草花が見るも無残な姿を晒していた。 翠星石「あああぁぁぁ…」 雛苺「ご…ごめんなさい…なの…。」 翠星石「…全く、おめーなんかに頼むんじゃなかったですぅ!もう邪魔だから、どっか行きやがれですぅ!!」 そうはき捨てるようにいうと、草花の救出を始める翠星石。雛苺は、そんな翠星石の言動にショックを受け、逃げるようにその場を後にした。 力いっぱい走り、そして疲れたのか階段に座り込む雛苺。しかし、どうしても先ほどの翠星石の言葉が頭に浮かんでしまう。雛苺にとって、翠星石は大切な友達の1人…でも…。 雛苺「ヒナは…ヒナはどうしたらいいの…?」 誰に言うでもなく、雛苺はそうつぶやいた。そこへ、蒼星石が階段を下りてやってきた。 雛苺の落ち込んだ様子を見て、蒼星石は心配そうに声をかける。 蒼星石「どうしたんだい?何かあったのかい?」 雛苺「…実は…」 と、事の顛末を話す雛苺。話の全容を理解した蒼星石は、すぐに雛苺を連れて翠星石のところへ向かった。 雛苺「…許して、くれるかな…?」 蒼星石「大丈夫だよ…別に、雛苺はわざとやった訳じゃないだろう?翠星石もきっと分ってくれるさ。 あ、いたいた。おーい翠星石ー、ちょっと雛苺から話したいことがあるって。」 呼ばれた翠星石は、イライラした様子で蒼星石のほうを振り返った。見ると、着ているスーツはもう泥だらけになってしまっている。 翠星石「何ですか!?また性懲りもなく来やがって!!そのチビが来ると、ろくなことが無いですぅ!!」 蒼星石「そ、そんな言い方は無いだろ!?雛苺だって、わざとやったわけじゃないんだから…」 翠星石「見るですぅ!もう、パンジーもクロッカスも全滅ですぅ…。」 蒼星石「で、でも…花はまた植えればいいじゃないか。雛苺は…」 雛苺「もういいの!ヒナが…ヒナが全部悪いんだもん…」 吐き出すように、そう言う雛苺。その目からは大粒の涙があふれていた。 肩を震わせ、泣き続ける雛苺。その頭を優しくなでる人物がいた。 それは、他でもない翠星石だった。 翠星石「全く…だから、おめーは馬鹿だって言うんです。ちょっとイライラしてて、言い過ぎただけですよ…。わざとやった訳じゃないって事ぐらい、分かってるですぅ。」 雛苺「…ほんと?」 翠星石「翠星石が嘘つくわけねぇですぅ。だから、もう泣くのは止めやがれですぅ…。」 そう言うと、翠星石はそっと雛苺にハンカチを差し出し、続けてこう言った。 翠星石「…その代わり、おめーには植物のこといっぱい知ってもらうですぅ!そうすれば、こんな間違いはもう起こらないですぅ!覚悟はいいですね!?」 雛苺「りょ、了解なのー!!」 翠星石「よし、じゃあ今から園芸店にいくですよ!さっさと、車を用意しやがれですぅ!!」 そう言うと、2人は大急ぎで車に乗り込んだ。 その後、その花壇にはそれは見事な向日葵が花開いた。 それはまるで、2人の元気な姿をそっくりそのまま表したような、すばらしいものだったという。 完
雛苺「翠星石ー、そんなところで何やってるの?」 翠星石「見て分からんかですぅ、草木の手入れをしてるんですぅ。」 一つ一つの根元に、肥料を与えながら翠星石が答える。 雛苺「ふーん、大変そうねー。じゃあヒナも手伝ってあげる!」 翠星石「ほう!おめー、チビのくせになかなか見所があるやつですぅ!じゃあ…おめーは、この子達に水をあげてくれですぅ♪」 学校の植物の手入れは、普段蒼星石しか手伝ってくれなかったので、それはとても嬉しい申し出だった。 こうして、少しずつみんなが植物に興味を持つようになれば、この学校はさらに素晴らしいものになるかも…そんな思いに、思わず笑みがこぼれる翠星石。 そんな翠星石を見て、雛苺もウキウキした様子で水道の蛇口へと向かった。 翠星石「あ、水をやる時は翠星石の如雨露を使って、水圧に気をつけながら…」 そう言いながら、雛苺のほうへ振り返る翠星石。 が、そう言うより早く、雛苺はホースから直接水をかけ始めた。しかも、よりによって一番水圧の高いモードで…。 翠星石「あーっ!!何してやがりますか、このおバカ苺!!地面がえぐれてやがるですぅ!!」 その言葉に、雛苺はノズルを別のモードに切り替えようとするものの、あせって上手くいかず、被害はより拡大してしまう。 そして、事が収まった時にはそこらじゅう水浸しになり、いたるところで草花が見るも無残な姿を晒していた。 翠星石「あああぁぁぁ…」 雛苺「ご…ごめんなさい…なの…。」 翠星石「…全く、おめーなんかに頼むんじゃなかったですぅ!もう邪魔だから、どっか行きやがれですぅ!!」 そうはき捨てるようにいうと、草花の救出を始める翠星石。雛苺は、そんな翠星石の言動にショックを受け、逃げるようにその場を後にした。 力いっぱい走り、そして疲れたのか階段に座り込む雛苺。しかし、どうしても先ほどの翠星石の言葉が頭に浮かんでしまう。雛苺にとって、翠星石は大切な友達の1人…でも…。 雛苺「ヒナは…ヒナはどうしたらいいの…?」 誰に言うでもなく、雛苺はそうつぶやいた。そこへ、蒼星石が階段を下りてやってきた。 雛苺の落ち込んだ様子を見て、蒼星石は心配そうに声をかける。 蒼星石「どうしたんだい?何かあったのかい?」 雛苺「…実は…」 と、事の顛末を話す雛苺。話の全容を理解した蒼星石は、すぐに雛苺を連れて翠星石のところへ向かった。 雛苺「…許して、くれるかな…?」 蒼星石「大丈夫だよ…別に、雛苺はわざとやった訳じゃないだろう?翠星石もきっと分ってくれるさ。 あ、いたいた。おーい翠星石ー、ちょっと雛苺から話したいことがあるって。」 呼ばれた翠星石は、イライラした様子で蒼星石のほうを振り返った。見ると、着ているスーツはもう泥だらけになってしまっている。 翠星石「何ですか!?また性懲りもなく来やがって!!そのチビが来ると、ろくなことが無いですぅ!!」 蒼星石「そ、そんな言い方は無いだろ!?雛苺だって、わざとやったわけじゃないんだから…」 翠星石「見るですぅ!もう、パンジーもクロッカスも全滅ですぅ…。」 蒼星石「で、でも…花はまた植えればいいじゃないか。雛苺は…」 雛苺「もういいの!ヒナが…ヒナが全部悪いんだもん…」 吐き出すように、そう言う雛苺。その目からは大粒の涙があふれていた。 肩を震わせ、泣き続ける雛苺。その頭を優しくなでる人物がいた。 それは、他でもない翠星石だった。 翠星石「全く…だから、おめーは馬鹿だって言うんです。ちょっとイライラしてて、言い過ぎただけですよ…。わざとやった訳じゃないって事ぐらい、分かってるですぅ。」 雛苺「…ほんと?」 翠星石「翠星石が嘘つくわけねぇですぅ。だから、もう泣くのは止めやがれですぅ…。」 そう言うと、翠星石はそっと雛苺にハンカチを差し出し、続けてこう言った。 翠星石「…その代わり、おめーには植物のこといっぱい知ってもらうですぅ!そうすれば、こんな間違いはもう起こらないですぅ!覚悟はいいですね!?」 雛苺「りょ、了解なのー!!」 翠星石「よし、じゃあ今から園芸店にいくですよ!さっさと、車を用意しやがれですぅ!!」 そう言うと、2人は大急ぎで車に乗り込んだ。 その後、その花壇にはそれは見事な向日葵が花開いた。 それはまるで、2人の元気な姿をそっくりそのまま表したような、すばらしいものだったという。 完

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