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蒼星石幽霊克服大作戦」(2006/03/26 (日) 22:50:35) の最新版変更点

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翠「はぁ~………」   教務室でため息をつく翠星石。彼女には今悩み事があった。   それは親友の蒼星石についてだ。   彼女は幽霊が苦手でそれが原因で今まで色々と損をしている。   なので、それをどうにか克服できないかと思案しているのだ。 翠「なかなかいいアイディアが思いつかんです~」   そうして机に突っ伏していると後ろから声がかかった。 金「どうしたのかしらー?無い頭をひねっても何もでないのかしらー」   声をかけてきたのは金糸雀だった。それも嫌味たっぷりに。 翠「うるせぇです!今おめーにかまっている暇は…」   ふと、あることを思いつく。 翠「金糸雀、蒼星石が幽霊が苦手なのは知ってるですね?」 金「もちろんかしらー。 この有栖学園一の頭脳派の金糸雀にわからないことなんて無いのかしらー」 翠「じゃあその直し方も知ってるですか?」   ダメ元で金糸雀に尋ねる翠星石。すると金糸雀は、 金「そんなの簡単かしらー。この有栖学園一の(ry 翠「本当ですか!?今すぐ教えるです!!」   金糸雀の胸倉をつかんで揺さぶる翠星石。苦しそうに金糸雀が言う。 金「ぐるじいかしら~。…つまり、ショック療法かじらー」 翠「ショック療法?」   意味がよくわからず金糸雀から手を離す翠星石。地面に落ちた金糸雀が続ける。 金「ゴホッ、ゴホッ…つまり、蒼星石を脅かしまくって   幽霊に対する抵抗を作ればいいかしらー」 翠「そんなことして大丈夫ですかねぇ」 金「大丈夫かしらー。これで蒼星石の幽霊恐怖症が直れば安いものかしらー。   カナも手伝ってあげるのかしらー」   こうして翠星石と金糸雀の『蒼星石幽霊克服大作戦』が始まった。   次の日の夜…蒼星石は学校の見回りをしていた。 蒼「・・・何にもでないよね・・・幽霊なんて・・・」   懐中電灯を右手に、そして左手にはなぜか日本刀、護身用だろうか。 蒼「・・・いざとなったら・・・この菊一文字で・・・」   幽霊にそんな物が通用するのかというツッコミは入れないでおこう。   その刀が蒼星石の最後の切り札なのだから。   しばらくすると蒼星石の周りに何か生温かい風が吹いた。 蒼「ひゃう!!・・・な、何!?」   あたりを見回す蒼星石。ふと中庭に何か見えた。 蒼「ん?何だろう、あれ・・・」   よく目を凝らす。その正体に気付き愕然とする。それは人の生首だった。 蒼「うわぁぁぁぁぁ!!!でたぁぁぁぁぁ!!!」   一目散に逃げだす蒼星石。廊下をひたすら走る。すると前から何か来る。 蒼「・・・?・・・うわぁぁぁぁ!!またでたぁぁぁぁ!!」   前から走ってきたのは人体模型と骸骨。ベタベタだが蒼星石には十分だった。 蒼「来ないで・・・来ないでぇぇぇぇぇぇ!!!」   懐中電灯をブンブンと振って追い払おうとする蒼星石。   蒼星石ー!左手!左手!という声は届かないだろう。   迫り来る人体模型と骸骨。しかし、その2体は蒼星石を通り過ぎて行ってしまった。 蒼「・・助かった?・・・」   胸を撫で下ろす蒼星石。しかし、安堵したのも束の間、次の刺客がやってきた。 蒼「・・・今度はひ、人魂だぁぁー!もうやだぁぁぁぁ!!!」   そして再び逃げる蒼星石。悪夢の追いかけっこは続いていった。   校舎内をひたすら逃げ回る蒼星石。そんな蒼星石の姿を見ているものがあった。 金「あははっ、蒼星石ったらすごい顔なのかしらー」 翠「大丈夫ですかねぇ…本当に直るんですかぁ?」 金「安心するのかしらー。カナの作戦は完璧かしらー」   翠星石と金糸雀だ。   2人は放送室で金糸雀が校内に設置した監視カメラを通して蒼星石を見ていた。 翠「ここまではバレずにこれたですぅ」 金「当たり前かしらー。任せておくのかしらー」   そう、これまでの幽霊はすべて金糸雀が仕掛けたものだ。   屋上から生首を吊り、人体模型と骸骨を操り、人魂を浮かせる、   それを違和感無くやってのけた金糸雀。   その才能をもっと別の所で活かせばいいと思う翠星石だった。   そして、作戦は最後の締めに入る。 金「最後はあなたに任せるのかしらー。しっかりやってくるのかしらー」   金糸雀からあるものを手渡されうなずく翠星石。 翠「わかったですぅ。一発かましてくるですぅ」   そうして放送室を飛び出す翠星石。最後の作戦とは一体・・・ >※最後の作戦は若干グロを含む可能性があります。 > 苦手な方はお気をつけください。 > さらに蒼星石のキャラが著しく変貌するので > 蒼星石のイメージを壊したくない方は見ないほうが > いいかと思われます 蒼「はぁ、はぁ、はぁ・・・もう、やだよぉ・・・誰か助けてよぅ・・・」   次々とあらわれる幽霊に追いかけられボロボロの蒼星石。   顔は涙と鼻水でグシャグシャになっておりひどい有様だ。 蒼「ひくっ、ひくっ・・・何でいつも・・・こんな目にあうの・・・」   校舎内をとぼとぼ歩いていく蒼星石。すると、前に人影が見えた。 蒼「ひっ!またっ!?・・・ん?あれは・・・」   最初は幽霊かと思ったが、近づくにつれて見覚えのある後姿が見えてきた。 蒼「翠星石!?翠星石じゃないか!!」   そう、そこにいたのは親友の翠星石だった。   なぜそこに翠星石がいたのかとかそんなことは頭に浮かばなかった。   知り合いがいるだけでよかったのだ。 蒼「助かったよぉ・・・さっきからお化けが出て大変で・・・」   翠星石に話しかける蒼星石。しかし、翠星石の様子がおかしい。   話しかけても返事をしない。再び話しかける蒼星石。すると・・・ 蒼「翠星石?どうしたの?」 翠「おめーの知り合いの翠星石ってのはこんな顔ですかぁ?」   振り向く翠星石。その顔を見て蒼星石は悲鳴をあげる。 蒼「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!目が・・目が・・」   蒼星石の方を見た翠星石の顔はとんでもないものだった。   皮膚はすっかりただれおち、片方の目玉がぶらーんと垂れている。   口からは黄色い涎がたれており、まさにゾンビといったところだ。 蒼「あ…あ…す、すいせいせき・・・」   翠星石の変わり果てた姿に気絶寸前の蒼星石。その時、 翠「蒼星石!大丈夫ですか!?しっかりするです!!」   変わり果てた翠星石が声をかけてくる。 蒼「す、翠星石…?」   駆け寄ってくる翠星石。   すると、翠星石は自分の顔に手をかけベリベリとはがし始めた。   その下から出てきたのはいつもの翠星石だった。 蒼「翠星石…これは一体?」 翠「これは翠星石が蒼星石の幽霊嫌いを直すために仕組んだことですぅ。   いわゆるショック療法というやつですぅ。で、直ったですか?」   蒼星石の顔を覗き込む翠星石。すると、その顔がみるみる豹変していく。 翠「そっ、蒼星石!?どうしたですか!?」 蒼「キミはどうしてボクが幽霊嫌いになったか覚えているかい?」 翠「えっ!?」   突然聞かれ驚く翠星石。しかし心当たりは無かった。 蒼「忘れているようだから話してあげるよ・・・」   蒼星石の話をかいつまんで説明すると、   小さい頃、蒼星石は翠星石に怖い話を聞かされまくり、そして脅かされまくり、   それがトラウマになっている、ということだった。 翠「へぇ、そうだったですか・・・」   まるで他人事のような口ぶりだ。すると、蒼星石は左手に持っていた鞘から刀を抜く。 翠「そ、蒼星石…?どうしたんですか…?」 蒼「いやー今日のこともトラウマになっちゃったんだ。   だからキミにもトラウマを作ろうかなーと思って」   蒼星石の眼は本気だ。親友の翠星石でもめったに見たことの無い眼をしている。 翠「…蒼星石、やめるです…」 蒼「やめないよ♪キミにトラウマを作るまではね♪」   翠星石の前には笑顔の蒼星石がいた。しかし、翠星石は知っている。   この顔をしている時の蒼星石が1番危ないことを。 蒼「まずは~寸止めからかな♪」   そういって蒼星石は突きを繰り出す。 翠「ひっ!」   そして刀の切っ先は翠星石の瞳の数ミリ前で止まった。   恐怖に体を震わせる翠星石。そんな翠星石を見ながら笑っている蒼星石。 蒼「ははっ、じゃあ次はどうしようかな~♪」   嬉しそうに刀の刃を舐めている。   このままではまずいと思った翠星石は恐怖に震える体に鞭を打って駆け出した。 蒼「ふふん♪逃がさないよ♪」   後ろからは刀を肩に担いだ蒼星石が追ってくる。   すると、目の前から金糸雀がやってきた。 金「翠星石~どうだったかしらー?」 翠「どうもこうもねぇです!後ろを見るです!!」   そう言われ翠星石の後ろを見る金糸雀。   そこには笑顔で刀を振り回す蒼星石の姿があった。 金「っ!!??ど、どういうことかしらー!?」 翠「説明してる暇はねーです!!さっさと逃げるです!!捕まったら終わりですよ!!」 金「わ、わかったのかしらー!!」   その後、この命がけの追いかけっこは朝まで続いたそうだ。 ----   後日・・・ 翠「今日の調理実習はサラダを作るですよー」 雛「作るなのー」   蒼星石はあの日の豹変した後の記憶が無いらしく   あの夜はひどい目にあったことしか覚えてないらしかった。 翠(助かったですぅ。覚えていたらどうしようかと思ったですぅ)   全て丸く収まって…はいないのだがとりあえずは収まったように見えた。が、 雛「野菜を洗ったら次は切っていくのー。翠星石、お願い」 翠「任せるですぅ。この翠星石の包丁捌きを・・・」   ふと、包丁を持った翠星石の動きが止まる。どうしたのだろうか。 翠「あ、あ、蒼星石が…蒼星石が迫ってくるですぅ!!」 雛「どうしたのー?蒼星石なんていないのー!」 翠「くるですぅ~!!うわぁぁぁぁぁ!!」   そして、翠星石は教室を飛び出していった。   後に残された雛苺と生徒達はただ呆然とするだけだった。      ここで翠星石に何が起きたのか説明しよう。   彼女が包丁を持った時、その腹にあの日の蒼星石が映ったのだ。   その姿にあの日の恐怖が思い出され逃げ出してしまったというわけだ。   ちなみに翠星石がそのトラウマを克服するのは結構な時間がかかったそうだ。   おしまい

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