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ローゼンの鬼ごっこ」(2006/03/27 (月) 21:00:46) の最新版変更点

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私立有栖学園の名物であるローゼン・・・ 彼の行動に胃を痛めるラプラス・・・ ○月×日 AM9:00 ゲーム開始 1時間目の授業が始まり、しばらくして緊急の校内放送が流れた ローゼン「やぁ、みんな今日も良い日だね!」 生徒達は皆(あぁ、また何かやるんだ)と内心つぶやいた そんな生徒達の内心等気にも留めないでローゼンは次の言葉を放つ ローゼン「では、今から日頃のお礼もかねて・・・」 全生徒+全教師(お礼?) ローゼン「これより有栖学園全体を使い逃げる僕を捕獲する、いやさせる!     つまり、何でもあり鬼ごっこをする!」 全生徒+全教師「は!?」 全員が見事にハモった・・・ そして、皆困惑する中ローゼンの次ぎの放送が飛び交う ローゼン「簡単な説明するよ!鬼ごっこと言っても僕を捕獲してクラスに持ち帰る事が条件     他には何を使ってもOK要は簡単、僕を戦闘不能にして捕獲したクラスがNo1!OK?」 ローゼン以外(OKじゃねぇぇぇぇぇぇ、しかも鬼ごっこって何だよ!?) ローゼン「では開始を9:20とする!     あ、あと時間になるまで各クラスの先生と生徒は教室から出ないように!出たら失格だぞ     ちなみに僕を捕まえたクラスには賞金500万円をプレゼントしちゃうぞ!プッ・・・・」 そしてローゼンの何時もの如くとんでもない内容の放送は終わりを告げた・・・・ 最後の一言で授業は崩壊、新たな血が流れるであろう有栖学園は激しい思考が入り混じる魔城と化していた 一方、その放送を聞いた格教室と教師陣は・・・ 真紅「皆、今日は授業を中止なのだわ。今すぐくんくんの為にローゼンを捕獲するのだわ」 3-A 真紅 参加 蒼星石「500万(新しいPCも欲しいし)・・・参加しない手はないよね、皆僕に協力してくれるかな?」 3-B 蒼星石 参加 薔薇水晶「・・・参加」 水銀燈「そ~うこなくっちゃぁ~!」 3-C 薔薇水晶 水銀燈 参加 翠星石「いますぐローゼンのやろぉを捕まえるですぅ!」 3-D 翠星石 参加 金糸雀「楽してズルして賞金は取っちゃうのかしらー」 3-E 金糸雀 参加 雛苺「うにゅ~を手に入れる為にぜぇぇぇぇったい負けられないのー!」 3-F 雛苺 参加 雪華綺晶「全員完全武装!!目標はローゼン!!生死は問わない!今すぐ捕まえろ!」 3-G 雪華綺晶 かくして、全生徒・教師一致で参加が決まった・・・・ この時既に開始5分前・・・・ 一方ローゼンは・・・・ ローゼン「ふぅ、とりあえず今日は本気で逃げましょう」 などと余裕しゃきしゃきな様子で放送室の隠し扉から狭く暗い階段を降りていた・・・・ そして放送室には一番先に駆けつけたラプラスが一人閉じ込められていた・・・ AM9:20 先手必勝ローゼンの奇策 その時間になった・・・・ 各教室から一斉に生徒が蜘蛛の子を散らしたように散っていった・・・ まず一番初めに放送室になだれ込んだのは3-D翠星石のクラスだった ドゴォッ!!!という轟音と共に放送室のドアが蹴り破られる・・・・ そして中に居たラプラスに翠星石が投げた卵爆弾が炸裂し放送室は煙だらけになり、奥でうごめく影を取り押さえた 翠星石「一丁上がりですぅ~、今日はこの翠星石の勝利なのですぅ」 ラプラス「翠星石先生・・・」 翠星石「・・・・・へ?な、なんでウサギやろぉがここにいるですかー!?」 もはや訳が判らないという風に騒ぐ翠星石、そして誤認で取り押さえられ、卵爆弾で体中粉だらけになったラプラス もはや放送室は騒然となっていた・・・ 一方校長室 はじめにやってきたのは雪華綺晶率いる3-Gのクラス・・・・ 生徒「ドアの爆破準備整いました!!」 雪華綺晶「爆破後は速やかに校長室を制圧せよ!」 生徒「サー!イエス!サー!!!」 ゴゴォ~ン・・・・校長室前から黒い煙ととてつもない爆音が響く・・・・ そしてしばらくして・・・ザザザッ・・・という足音と共に校長室の真ん中の人影に銃が向けられる 雪華綺晶「ローゼン、貴方の負けね・・・・・んっ!?総員退却しろ!」 生徒「!?」 ガシャーン!!!!という音と共に校長室の周りに鉄格子が現れる、そしてその中央に居る人影は・・・・ 雪華綺晶「ダミー人形・・・おのれっ!今すぐ鉄格子を破壊なさい!」 生徒「サー!イエス!サー!!!」 校長室には雪華綺晶が閉じ込められ、ローゼンは最強の敵を封じることに成功する その頃家庭科室では・・・・ 雛苺「ぜぇ~~~ったい、こーちょーはここにやってくるのー!」 と、言って3-F生徒全員で家庭科室を占領していた 生徒「でも先生、なんで家庭科室なんですか?」 確かにローゼンが家庭科室にくるとは限らないし、来る理由も無い・・・ 雛苺「兵糧攻めはおいしい作戦なのー!」 そして考えなしで家庭科室をぶん取った張本人はこの調子 もはや絶望感が漂う3-F生徒、一人ばっちりだと言う顔で待ち構える雛苺 しかし・・・これが後にローゼン捕獲に大きく関わる事になるとは誰も思いも知らないだろう 時を同じくしてローゼンは3-Cの天井裏に潜んでいた その時3-Cには薔薇水晶と数名の生徒しかおらず、残りは水銀燈筆頭に校内を探し回っていた ローゼン「やっぱり人数居ないと勝てないなー・・・・では失礼」 などと独り言をつぶやき3-Cの教室に何かを投げ込んだ・・・・ 約15分後校内放送にてローゼンが薔薇水晶を拉致したという内容が流れた AM9:40 まさかの敗北、雪華綺晶 雪華綺晶は焦っていた・・・・ 鉄格子に囚われ既に10分、あと数分で脱出できると生徒から連絡がひっきりなしに来るがこうしてる間にもローゼンがつかまるのではと考えてるからである 雪華綺晶「えぇい、まだか!!!」 生徒「あと3分程度で鉄格子は切断、脱出可能と思われます!!」 雪華綺晶「状況報告はいい!脳たれる前にサー!と言え!さもなくば笑ったり泣いたり出来なくしてやるぞ!!!」 生徒「サー!イエス!サー!!!」 こうしてる間に・・・ピンポンパンポ~ン等という気が抜けた校内放送が流れた 雪華綺晶はしまった、もう捕まったと思った・・・が ローゼン「皆がんばってるか~い 愛しき有栖学園のキム○ク、ローゼン校長先生だよーだれか早く捕まえてくれないかなー」 まだ捕まってないことに胸を撫で下ろし、ほっとする雪華綺晶 しかし確か校長室には翠星石が行ったはず、つまり翠星石から逃亡し再度放送室に戻ったのか?と考える だが、次ぎの発言でそんな考えは一瞬で奪われることになる ローゼン「誰も捕まえに来てくれないから、僕から1人捕まえちゃいました、はいっ!薔薇水晶先生!」 雪華綺晶「!!!!!」 薔薇水晶「・・・・・よく判らないけど捕まりました」 いつもの薔薇水晶の声でボソっと呟く様に放送された・・・ そしてローゼンの驚くべき次の放送内容 ローゼン「この放送を聞いてる3-Gの担任・・・そう!雪華綺晶先生は降参してくれませんか?」 雪華綺晶「・・・・な・・・なにを!?」 雪華綺晶の声など聞こえないローゼンは着々と放送を続ける ローゼン「降参してくれるなら薔薇水晶先生は解放する!もし降参しないならイタズラしちゃうぞ!」 薔薇水晶「・・・・お姉ちゃん、助けて」 雪華綺晶「・・・・・・っぁ・・・!!!!!!」 声にならない雪華綺晶の悲鳴、そして薔薇水晶の一度あるかないかの発言に生きててよかったと喜ぶ男子生徒 ローゼン「では、よい返事を待ってる!さらば!」 薔薇水晶「じゃぁ、お昼ご飯まで待っててね・・・・プッ」 本当に人質なのか疑問に思うような最後の放送を残しローゼンはまた逃亡を開始した それから程なくして 生徒「鉄格子の切断完了しました!!!」 放送を聞いてもやらせなのは明白なので一切動揺しない生徒・・・しかし 雪華綺晶「ばらしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいぃぃいいぃいいいいいいぃぃぃいぃいぃいぃぃ!!!!」 発狂寸前の雪華綺晶、この放送により3-Gは司令官を失い実質的に行動不可能に陥った AM9:42 3-G 教師/雪華綺晶 脱落(?) 以後参加クラスへ襲い掛かる事になる AM9:50 激突 蒼星石+翠星石vs雪華綺晶 今の放送を聞き蒼星石は3-Bの生徒全員と共に放送室に急いだ しかし、放送室前では翠星石とラプラスがまだ揉めていた、それ以前にローゼンは放送室に戻っていない 翠星石「そ・・・そうせぇ・・・・・い・・・せき~・・・」 などと半泣きの状況で蒼星石に助けを求める翠星石 蒼星石「な・・・ど・・・どうしたんだい?いったい・・・それにそこの白い物体は・・・ラプラス先生!?」 蒼星石は一瞬判断に困ったがこれが粉まみれでボロボロなラプラスと気づく 翠星石「翠星石は悪くないですぅー、悪いのは勝手に放送室に居るそこのうさぎやろぉですぅー」 ラプラス「こっちは閉じ込められていたのだ!それをドアといきなり蹴破り同時に何か投げつけて粉まみれに・・・!!」 幼稚な喧嘩に見えるがとりあえず二人とも姿が酷い有様だ 蒼星石「ま・・・まぁ、お二人とも落ち着いて」 などと仲介に入る蒼星石・・・・しかし、突拍子も無いことでこの幼稚な喧嘩は幕を閉じる 突如轟音と爆音と銃声が近づいてきた、3人はふとそちらに目をやると・・・・・ 戦車に完全武装した生徒がゾロゾロと現れた・・・と同時に放たれるゴム弾の嵐がやってきて命中した生徒はそのあまりにも恐ろしい破壊力から意識を失った 翠星石「な、なんでですぅ~!?!?なんで戦車が学校の中を暴走してるですかぁ~!?答えなさいチビ人間~!!!」 蒼星石「翠星石、突っ込むところはそこじゃないと思うんだ・・・」 と漫才顔負けの如く息の合ったコントが展開された 一方ラプラスは、あまりに奇天烈な出来事が目の前で展開されついに脳内ヒートか気絶してしまった・・・ 雪華綺晶「ロォォォォォゼェェェェェェェェン!!!!」 戦車の爆音も轟音も消すような獣の咆哮・・・・ そう、すでに暴走状態に突入した雪華綺晶が戦車に乗り、生徒を率いて突っ込んできたのだ 翠星石「お、落ち着くですぅ~、ここにはローゼンはいやがらないですぅ~!」 蒼星石「え?でも確かに放送は流れてたよ?」 翠星石「で、でも放送中ずっとここに居たですぅ~」 確かに翠星石はずっと放送室の前に居たのでローゼンが中に居ないことを確認してる・・・ しかし、冷静な判断が出来ない雪華綺晶は・・・ 雪華綺晶「・・・前方に敵を確認、まずはローゼンの手に落ちた彼女達を倒しなさい!!!」 などと彼女の生徒(部下?)に指示を下した 翠星石「な・・・なんでそうなりやがるですかー!このアンポンタンー!」 蒼星石「と・・・とにかく逃げるよ!皆も近くの教室に飛び込んで!!!」 とにかく口で応戦しまくる翠星石とただ一人冷静に生徒に指示を下し翠星石を連れて逃げる蒼星石・・・ ここに蒼&翠vs雪華綺晶の図式が成り立った この3人の中でもっとも早く動いたのは雪華綺晶だった、やはり暴走状態でも軍隊経験者敵と対峙したときの判断力は高い 雪華綺晶「各員左右に展開し憎きローゼンの手下を倒せ!!!」 生徒「サー!イエス!サー!!!」 もはやお決まりの声を上げ雪華綺晶の指示通りにぴったり半数づつ左右の壁に沿って前進してくる そして中央には雪華綺晶の戦車がキュラキュラとキャラピラを鳴らして迫り来る 蒼星石「やめるんだ!雪華綺晶先生!僕達は何も薔薇水晶先生にはしてないし校長の手先でもない!」 必死に説得を試みる蒼星石、しかしそれも虚しく 雪華綺晶「ターゲット・・・・ロックオン!」 その瞬間戦車から轟音が聞こえたと思ったら周りが吹っ飛んでいる・・・間違いない戦車からの砲撃だ 翠星石「蒼星石!!!!!」 悲鳴のような翠星石の叫び・・・ 蒼星石は砲撃の瞬間翠星石を突き飛ばし、直撃を逃れさせた・・・しかし当の本人蒼星石は逃げることかなわず直撃を受けた・・・ように思えた 蒼星石「ちょっと・・・やり過ぎだよ、いくら僕でも翠星石を危険に巻き込むのを許すほど甘くない」 辺りが凍りつく、そうあの温厚かつ誰にでもどんなときでも優しい蒼星石がキレたのだ そして手に業務用の鋏を持ち雪華綺晶に告げる 蒼星石「その物騒な戦車、廃棄処分にするけど、恨まないでね」 その瞬間・・・旧ドイツ軍最強と言われた戦車マウスはたかが業務用の鋏に真っ二にされたのだった しかし雪華綺晶は諦めない、憎きローゼン打倒に燃える彼女は最強の武器を失っても闘志は衰えなかった いや、むしろ狭い建物内部を縦横無尽に走れるようになったので戦車に乗ってたときより強敵になったのではなかろうか? 雪華綺晶「蒼星石・・・よくもよくも!!!許さないっ!」 苦虫を噛み潰すような怨念のこもった声が響く・・・ 蒼星石「僕だけならいざ知らず、翠星石まで狙うなんて覚悟は出来てるかい?」 雪華綺晶の声を一切聞かずにいつもと同じ口調・・・しかし怒りの篭った声で蒼星石が返す 時間にして数秒・・・しかしこの空間に居る人間は何時間にも思えただろうか・・・・凍てついた空気は圧倒的な重圧で彼らにのしかかった そして・・・ついにその均衡が破られる 雪華綺晶「総員!蒼星石を倒せ!彼女を倒せばローゼンは目の前だ!!!!」 雪華綺晶の咆哮、それに反応するように一斉に動く3-G生徒、やはり地獄の訓練を受けてるだけあってその動きは既に戦士そのものだった 雪華綺晶は焦っていた、自慢の戦車マウスを破壊された為である 戦車を失った為か、落ち着きを取り戻してるが既に遅い、”敵は目の前に居る”という状況を確定させてしまったのである 数だけで言えばまだ雪華綺晶に分がある、いくら相手が超人であろうともこっちは30人フルに居る状況かつ、 戦車がなぎ倒した瓦礫が遮蔽物になり左右に15人づつ兵を置いてる状況なのだ、普通にやりあえば負ける訳がない だが・・・その方式はここでは通用しなかった 生徒が蒼星石を射撃した瞬間、蒼星石はそこに居なかった・・・ 蒼星石「悪いけど、手加減するから恨まないでね」 それが射撃した生徒がこのゲームで最後に聞いた言葉だった ドサッ、ドサッ・・・初撃を撃った生徒4人が倒れた、正確には気絶したのだったが 雪華綺晶「・・・・!」 雪華綺晶だけは正確に把握した、この刹那蒼星石が4人の急所に拳をいれ気絶させた、と 蒼星石「生徒に頼まないで君がおいでよ」 先ほどと変わらぬ口調、そして怒りの口調で雪華綺晶を挑発する 雪華綺晶「全員、下がりなさい」 生徒「サー!イエス!サー!!!」 雪華綺晶の号令で一斉に後ろに下がる3-Gの生徒達 蒼星石「雪華綺晶先生、翠星石に謝って下さい、そうすればこれ以上争う理由もなくなります」 やはり変わらぬ口調で告げる・・・ 雪華綺晶「冗談、ここまでやられたなら引き下がれない・・・・・勝負!」 その一声の元、両者相手に突進する・・・・そう、勝負は1発で終わると二人ともわかっているのだ 蒼星石は一瞬考えた、普通なら銃で応戦するものだと読んでいた為、相手の行動を把握しきれなかった・・・・ だが、相手が拳で来るなら話は早い・・・・ 体を捻る、腕を限界まで引き込む、相手との距離を見る・・・そして 蒼星石「これで終わりです!雪華綺晶!!!」 蒼星石渾身の一撃が放たれる・・・・ 雪華綺晶はひとつの策を用意していた、むろん勝てる保障も無い策を・・・しかし彼女は銃やナイフには頼らなかった 相手が武器を持たず、真っ向勝負を挑んできたのに対し自分だけが武器を使うことに躊躇した為だ しかし、彼女の考えは正しかった・・・・ そして、蒼星石が近づく、相手の顔はもう見ていない、見てるのは蒼星石の利き手・・・そう右手を見ていた・・・ 瞬間、限界まで引き絞られた拳が炸裂する、避けきれる速さでも距離でもない・・・直撃 次の瞬間雪華綺晶の顔には蒼星石の拳があった・・・・ しかし・・・それと同時に蒼星石の腹には雪華綺晶の肘があった・・・ そう雪華綺晶の策とは己の肉を切らせて相手の骨を絶つ、つまりクロスカウンターである 元軍人である雪華綺晶と蒼星石では体力が違いすぎた・・・ 蒼星石が勝つためにはスピードで相手を押し切り自分が被弾しないのが絶対条件 しかし雪華綺晶の肘はきれいに蒼星石のお腹へ入っていた・・・・ ドサッ・・・気を失い倒れる蒼星石・・・口内に真新しい鉄の味が広がる雪華綺晶・・・・勝者は次なる獲物へ・・・行かず 雪華綺晶「全員、一時離脱する・・・・!」 いつもの口調で生徒に伝達し、己の居城3-Gへ引き返していった 残されたのは蒼星石と先ほどからおろおろするだけで何も出来なかった翠星石だけだった・・・・ 翠星石「蒼星石!!!しっかりするですぅ!起きるですぅ!」 しかし蒼星石は起きない・・・・ 翠星石「なんであんな無茶しやがるですぅ!!!もう敵は居ないですぅ!起きるですぅ!!!」 翠星石は泣いていた・・・親友がこんなボロボロになるまで自分は隠れてるだけしか出来なかったからか・・・ 翠星石「蒼星石ぃぃ・・・うぅ・・・ぐすっ・・・起きやがれですぅ・・・」 そこに先ほどの敵である雪華綺晶が現れた・・・ 雪華綺晶「・・・・翠星石」 呼ばれて初めて気がつく翠星石 翠星石「・・・!な・・・・・もう蒼星石には手出しさせないですぅ!」 そう言い両手を広げ、蒼星石を庇う翠星石・・・たとえ相手が勝てない相手でも 雪華綺晶「・・・・一度だけ言う、呼吸がしっかりしてるなら大丈夫だ、骨も折れるようなことはしてない、念のために救急箱があったからやる、それだけだ」 と、相手の顔も見ずに言い放ち救急箱を置き帰る雪華綺晶 そして去り際、誰にも聞こえない声で 雪華綺晶「・・・・本当に今回はごめんなさい」 と呟き、その場を後にした・・・・ AM10:02 3-B 教師/蒼星石 脱落   3-D 教師/翠星石 棄権 AM10:00 水銀燈の乗っ取り 一方、3-Cの生徒は大混乱に陥っていた それもそのはず、担任の薔薇水晶がまさか拉致されるとは思ってもおらず、みんな一様に慌てふためいていた・・・ しかし、この事態を快く思っている人物が一名・・・・ 水銀燈「鬼が捕まる役に捕まるなんて・・・本当に本当におばかさぁん♪」 そう、副担任の水銀燈である・・・・ 生徒「しかし、先生がいないと・・・・」 と口を挟む生徒の目の前に・・・ 水銀燈「あらぁ・・・ここに先生なら居るでしょう?それも頼りになる せ・ん・せ・い が♪」 もはや、3-Cを乗っ取った気分に浸かり切ってる水銀燈が居た 水銀燈「さぁ、ローゼンを捕まえて賞金500万を取るわよ!」 そうして水銀燈は3-Cを掌握した・・・これが後に生徒が語る悪夢の始まりとは知らず 同時刻 3-E金糸雀 金糸雀「ふっふっふ、完璧かしらー!」 と意気揚々を声を高らかにする金糸雀の姿があった・・・ そんな彼女を見て側に居た生徒が 生徒「せ・・・先生・・・どう考えても校長はここには来ないかと思います・・・」 それもそのはず、金糸雀達は屋上に居たのだから・・・・ しかし金糸雀はそんな落ち込む生徒等知らないかのように言い放つ 金糸雀「ここを抑えておけば外の様子は丸判りなのかしらー つまり、ここを取っておけば校長の行き先がわかるのかしらー!」 おぉ!っと言う声が密かにあがる・・・が 生徒「校長が校内に入ったらどうするのです・・・?流石に内部までは判りませんよ?」 と生徒が突っ込みを入れた 金糸雀「・・・ぅ・・・今回は失敗なのかしらー?」 と、途端に表情を曇らせる金糸雀、やはり考えなしだったのだろうか・・・・ AM10:20 ローゼンの監視 もはや跡形も無い放送室前・・・・良く探せば凹んだ壁から隠し通路が見つかるが、もう誰も居ない・・・いや正確には参加者はここには居ないである 瓦礫の上に大人しく眠っている蒼星石、それに寄り添うように起きるのを待っている翠星石・・・・ 幸いにも蒼星石の怪我は浅く、打ち身程度で済んでいた 翠星石「蒼星石はいつも無茶ばかりしやがるですぅー・・・でも今はちゃんと休むですぅ・・・」 と静かに寝息を立ててる蒼星石に話しかける翠星石、もちろん返事は無い とにかく今は二人だけでそっとしておいてあげようと、左右の教室に逃げ込んだ生徒は決めていた・・・ そんな中、彼女達を覗く目が喋る・・・・ ローゼン「おやおや・・・これはこれは・・・また凄い事になってます・・・・ね?薔薇水晶先生」 と、ローゼンは隣に居る薔薇水晶に話しかける 薔薇水晶「お姉ちゃん・・・暴れたんだ・・・お腹すいたのかな・・・」 とローゼンの声は届いてるのか届いてないのか判らない返事をする薔薇水晶 ローゼン「なんにしても、これ以上の覗きは悪趣味ですし戻りましょうか・・・・まだ鬼ごっこは続いてますよ」 と、ローゼンが言いその場を後にする2人 残った蒼星石と翠星石の空間は少し甘い感じがした AM10:30 ローゼン家庭科室へ こちらはローゼン、逃げてる役なのだが今一活躍できない・・・・ ローゼン「そろそろ薔薇水晶先生は解放しましょうか?」 これでも拉致していたつもりなのであろうか? 確かに効果はあったし3-B・3-D・3-Gはほぼ鬼ごっこ続行不可能になっているのも確かだが・・・ 薔薇水晶「ですね・・・きらきーのお弁当残ってるか確認しないといけないし」 しかし、当の本人もどれだけ重大な状況になってるか判っていない模様 それを聞いたローゼンはふんふんと鼻歌を歌い薄暗い隠し通路へ意気揚々と進んでいく ローゼン「では一番近くの家庭科室に繋がる道を案内しますので、どうぞ」 これが間違いであった・・・・・ 同時刻 真紅率いる3-A 開始から既に1時間以上経過している しかし真紅率いる3-Aは教室を中心に各教室の情報収集のみに徹していた 真紅「JUM、紅茶を入れて頂戴」 等と良い自分で探す気は0なのが現状である 生徒「せんせぇ~・・・もう各先生は移動してますよ・・・こっちも早くしないと・・・」 等と不満を漏らす生徒 真紅「嫌よ、服が汚れるわ」 しかし、テコでも動かない真紅・・・・これは絶望感だめだ、と絶望感が漂う中・・・ 生徒「先生!放送室前に蒼星石先生と翠星石先生が倒れてました、どうやら鬼ごっこ放棄の模様です!」 そう、あの仲良し先生2組が脱落したという情報が入ってきたのだ 生徒「あ、あと壊れた戦車や辺りは瓦礫だらけです、恐らく・・・・」 真紅「雪華綺晶先生ですわね」 と途中で制する真紅、しかしこれは吉報かもしれない、なにせライバルが減ったのだから そんな事を考えて一通りまとめたら・・・・ 真紅「貴方と、貴方と、貴方」 と3人を指差し、指示を出す 真紅「ローゼンは放送室以外のどこかに放送できる場所を持っているに違いありませんわ そこを見つけて来なさい、探す場所は放送室・校長室・3-C組みよ」 と言い放ち、その指示に渋々従う生徒3人 確かにこの策は有効である、事実この3箇所すべてにローゼン専用の隠し通路があり見つけられればローゼンを一網打尽に出来るからである しかし、ローゼンは各教室にこの通路を持っており、無論3-Aにもあるのはまだ真紅達は知らない AM10:40 金糸雀vs水銀燈 水銀燈は一つ確信をもって大妨害を決行する為に屋上へ向かっていた 水銀燈「ふふ、これを貯水タンクに流し込めばぁ、他のクラスはぁ、皆昏睡状況に陥るわぁ」 とかなり上機嫌な水銀燈、それの共犯になる生徒はたまったものじゃないという顔で水銀燈についていく と、屋上についた水銀燈だったが・・・・・ そこには金糸雀が・・・・ 金糸雀「あ、水銀燈先生なのかしらー?」 水銀燈「な、なんであんたがここにいるのよぉ!?」 と両者声を上げる・・・しかし次の発言は邪魔だった 金糸雀「はは~ん・・・・なるほど~・・・・水銀燈先生も狙ってたのかしらー・・・」 と、屋上を占領するつもりなのかと勝手に勘違いする金糸雀、更に咆哮をあげる 金糸雀「ここはカナ達がとったかしらー!潔く帰るのがいいのかしらー!」 もはや勘違いしまくりで吼える金糸雀 水銀燈「黙って聞いていれば・・・・・ローゼンの先に黙ってもらう必要があるわね」 こちらも半分勘違いのままヒートアップする水銀燈 これより両者の屋上をかけた戦いが始まる 先手は水銀燈 タッ!っと軽い音が聞こえた瞬間・・・・ 水銀燈「あまり私を見下さないで下さるぅ?」 と言い放ち、金糸雀を思いっきり突き飛ばす・・・しかし金糸雀は 金糸雀「それはこっちの台詞なのかしらー!」 と・・・その瞬間水銀燈の足元が崩れた 水銀燈「な、なんですって!?」 驚き慌てる水銀燈、頭の中では自分はそんなに太ったのか?と自問自答する・・・無論そんな訳ない 金糸雀「ふっふっふ、この有栖学園一の策士金糸雀様に勝とうなんて100年早いのかしらー!」 と、勝利を確信した金糸雀の両手には不気味に泡立つ薬瓶が2つ・・・・ 金糸雀「水銀燈先生、これはコンクリートを溶かす薬物なのかしらー!化学担当の私が作っちゃったのかしらー!」 等と、水銀燈をからかう金糸雀、そして何物騒なもの作ってるんだと心の中で突っ込む3-Eの生徒 一方屋上から3F(3-A教室前)に落ちた水銀燈は目をパチクリさせていた・・・ そんな水銀燈へ・・・ 真紅「なんなんですの今の音は!」 とドアを勢いよく開ける真紅と数人の生徒、目の前には目をパチクリさせた水銀燈 真紅・水銀燈「・・・・・・・・・」 両者目が合う、そうしてる間にも屋上は金糸雀のものになっていく・・・ 水銀燈「真紅!今は貴方と遊んでる暇はないの!」 と勢い良く叫び3-A教室前から屋上へ猛ダッシュする水銀燈 それを真紅の付き添いで見ていた生徒は、あぁ水銀燈先生って真紅先生のこと敵視してるんだ・・・と納得する 有栖学園でもトップクラスの仲の悪さで有名な2人のエピソードはまた他の話に 水銀燈が屋上に戻ったときはかなり劣勢になっていた 3-Cのクラスの生徒の大半は金糸雀が持ち出したと見られる薬品により・・・ 寝ている者、気絶してる者、屋上の隅に行って体育座りをして地面に8の字を書いてる者等、パッと見ても20人は居る それ以前に3-Cでのローゼン襲撃により数人数を減らしてる水銀燈の3-Cは残すところ水銀燈と生徒3人だけだった 3-C生徒1「先生!金糸雀先生の薬物で近寄れません!」 3-C生徒2「ここは一旦逃げて他の作戦を取りましょう!」 等と水銀燈に叫ぶが・・・・ 水銀燈「ほらぁ、君達あのにっくき金糸雀先生を捕らえなさい、捕らえた子は先生が特別サービスしちゃうぞ♪」 まったく聞いていない水銀燈、そして色仕掛け 残った生徒が全員男子だったのが幸いしたが、全員目の色を変えて金糸雀へ猛突進していくが・・・・ 金糸雀「無駄なのかしらー!」 と、足元に先ほどコンクリートを崩した薬品を撒く・・・ しかしそれすらも目に入らない3-C生徒、そう彼らは水銀燈の誘惑に負けたのだ・・・悲しい男の定め 3-C生徒1「うぁぁぁぁぁぁぁ!?」 と、地面が崩れやっと我に返る生徒、しかし時既に遅し・・・もう自分は落ちていくだけ・・・に見えたが 3-C生徒2・3「いけぇぇぇぇぇぇぇぇ」「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」 共の死を超えていけ、その言葉の如く、崩れる生徒1を踏み台にしていく2人、そして学生服の背中には新しい足跡が2つの生徒1 そしてついに・・・・ 生徒2「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!」 生徒3「水銀燈先生!捕らえましたああああああ!」 と豪快に叫ぶ2人、一方金糸雀の指示で危ないから手出しするなと言われていた3-E生徒は戸惑いはじめた 水銀燈「ふふふ、金糸雀・・・さっきはよくもやってくれたわね・・・・」 こめかみに筋をつけた水銀燈が優しく金糸雀へ話しかける・・・ そして、その顔の後ろには閻魔大王を想像させる背景があることを察する金糸雀 金糸雀「あ・・・あ・・・・ま・・・まずいの・・・かしらぁー?」 もう恐怖で声が上手くでない 水銀燈「でもぉ、私もぉ鬼じゃないしぃ・・・金糸雀、水に混ぜたら大変なことになる薬品とさっきコンクリートを崩した薬品を出したら許してあげるわよ」 無論許す気はないが、自分のもってる睡眠薬より金糸雀が持ってる薬品のほうが圧倒的な威力があるのは目に見えてる それに、コンクリートを崩す薬品は金糸雀に使わないと気がすまないのである・・・ 金糸雀「み・・・右の・・・ポケットに入ってるのかしらー・・・灰色のは水と混ぜたら危ないのかしらー!!!!」 必死に叫ぶ金糸雀、もう許して欲しいといわんばかりに涙目で水銀燈に訴えかける しかし水銀燈の次の発言を聞いて凍りつく 水銀燈「貴方達、もうちょっと金糸雀を押さえつけてなさい、今からこれが本物かどうか調べるわぁ」 3-C生徒1・2「はいっ!!!」 試すというのはつまり、抑えてる生徒も巻き添えを食らう可能性があるというのに彼らの頭の中はこの後の水銀燈のサービスしか無かった そして、金糸雀と抑えてる生徒中心に謎の液体を円を書くように垂らす水銀燈 そして3秒弱の時間が過ぎ・・・・ ピキピキと音を立てて崩れ始める屋上の一角、放して!と叫ぶ金糸雀、先生が押さえつけられてる為動けない3-E生徒 そして、屋上の一角の崩壊、3-A教室に落ちていく3人、そして金糸雀を追う3-E生徒 屋上に残されたのは水銀燈と金糸雀にやられて気絶してたりする3-C生徒 水銀燈「私に勝てるなんて思うなんて、ほんとぉ~におばかさぁ~ん♪」 もはや私の行く手を阻むものは誰も居ないといわんばかりに上機嫌な水銀燈 そして、当初の目的であった貯水タンクへ近づき、金糸雀から奪った灰色の薬品を流し込む・・・ 水銀燈「これでよs・・・・」 だが、最後まで言う前に貯水タンクが膨張し・・・・次の瞬間まるで水風船が破裂したようになった貯水タンクが目に入った そう、金糸雀は”水に混ぜたら危険”な薬品を水銀燈へ渡したのだった 空の彼方へ飛んでいく水銀燈、どこからどう見ても漫画にしか見えないが有栖学園では特別なことではないので気にしないことにする この後丸一日かかって有栖学園に戻ってきた水銀燈が居たそうな そして轟音と共に飛んでいく水銀燈を想像しながら金糸雀は気絶しながら笑っていたそうな AM10:52 3-C 副担任/水銀燈 脱落  3-E 教師/金糸雀 脱落 AM:10:50 真打ついに 屋上が騒がしくなってるが気にせず紅茶を飲む真紅 先ほども水銀燈が廊下に落ちてきたが気にしていたら有栖学園ではやっていけないので気にしていない 真紅「ふぅ、水銀燈も忙しい方ですわね・・・・」 ライバルを気にしてるのか、それとも嫌味か・・・あるいは両方なのか判断に苦しむ発言をする だが、その直後とんでもないものが落ちてくる ガシャーン!という音共に服装から金糸雀と男子生徒2人とすぐに判断できたがなんで天井から落ちてくるだろうか・・・ そして、紅茶を入れる準備をしていたJUMが3人に潰されていた 真紅「・・・・・金糸雀先生・・・これは新しい実験ですか?」 皮肉をこめてティータイムを邪魔した不届き者に声をかける真紅 だがその直後頭上でとてつもない大爆音が聞こえ、金糸雀が気絶しながら笑った・・・ その後30秒3-Aは不気味な沈黙が支配していたが、教室のドアから3-Eの生徒がノックもせず入ってきて無言のまま金糸雀を引き取っていった その間僅か15秒・・・・、泥棒顔負けの速さである 真紅「JUM、どうなってるか説明して頂戴」 と、頭で整理が出来てない真紅がJUMに声をかける、しかし天井から落ちてきた3人に潰され気を失ってるJUMは無反応だった・・・・ またもや沈黙が教室を支配する・・・そして5分前後たった後だろうか 真紅「そろそろローゼンを捕獲しに行くわよ、くんくんの為に」 そう言い放ち教室から出る真紅、それについていく生徒達 そして真紅と生徒に忘れられた偵察の為に校長室・放送室・3-C教室に行った生徒 ついに本腰をあげた3-A、しかしこの時既に残ってるクラスは3-F雛苺のクラスだけだった・・・ 同時刻 ローゼンのミス ローゼンは薔薇水晶を家庭科室の隠し扉の前に連れて行き、そこで別れる事にした ローゼン「じゃぁ、ここを通れば家庭科室に行けるからまたねー」 薔薇水晶「・・・・・・うん」 他愛ない挨拶を済ませ別れるローゼンと薔薇水晶、だがこの時既に家庭科室には雛苺率いる3-Fが待機していた 同時刻 猛追雛苺 3-Fは絶望に包まれていた、何故家庭科室なのか?何故おいしい作戦に繋がるのか?何故うにゅ~だけしか考えないのか? 様々な思考が入り乱れる、しかしそれとは裏腹に先ほどから聞こえる爆音や銃声に巻き込まれなくて済んだと安心感もあった 雛苺「こーちょー先生遅いのー!」 しかし、全くと言っていいほど能天気な雛苺の声、誰もこんなところにローゼンが来るとは思っても居ない・・・・だが ガチャ・・・調理台の戸棚が急に開く、数人の生徒が顔を向けたその先には・・・・ 生徒「ば・・薔薇水晶先生?」 薔薇水晶が居た・・・否、薔薇水晶が戸棚から出てきた 薔薇水晶「・・・・あ」 気まずそうに声を漏らす薔薇水晶、当然なんでこんな事になったか判っていない 雛苺「あー、ばらしーなのー!」 だが全く気にしていない雛苺・・・・に見えた 雛苺「こーちょー先生に捕まってたのにそこから出てきたって事は、そこが隠し通路に違いないのー!」 生徒「・・・!」 訳もわからず固まる生徒に対してズバッ!と正解を言う雛苺 そして次の瞬間一気に隠し通路(戸棚)に突っ込んでいく雛苺の姿があった) 雛苺「うにゅ~の為に皆いくのー!」 もう後先考えるべきではないと直感する生徒、ただ雛苺についていくことだけが心配であった・・・ 隠し通路は迷路のように入り組んでいる、恐らくこれを作り上げたローゼン以外正確な道はわからないのではなかろうか? そんな不安が過ぎる生徒、しかし全く気にしない雛苺、そんな中前方に動く人影を確認する生徒 生徒1「先生、あそこに誰か居ません?」 と雛苺に話しかけた矢先・・・・ ローゼン「見つかった!?・・・・とうっ!」 あの声だ・・・そう学園の校長にして伝説の漢の声だ・・・ もう3-Fの生徒・教師は勝利を確信した、ここでローゼンを捕らえれば500万が目の前だからだ 雛苺「みんな!ローゼンを捕まえるのー!」 雛苺の声が轟く、しかしここはローゼンの領域、更にラプラスから逃げ切るために鍛えたこの足がローゼンにはあった 追う生徒、しかし距離は一向に縮まらない・・・それどころか離れているかもしれない しかしそこは人数の問題、この隠し通路には3-F生徒30名が居るのだ・・・そう挟み撃ちである いくら複雑な通路でも学園の隙間を通ってるだけ、大体の構造は判らないでもない、ただし隠し扉等は判らない・・・ ローゼンの前に飛び出した生徒は3人、追いかけてくる10人も含めればもはや逃げる犯人と追う警官だ 生徒「捕まえました、校長!」 ついに校長を捕まえた3-F生徒・・・しかしこの程度で捕まえきれる相手ではない ローゼン「はっはっは!流石に厳しいかな?」 その瞬間ローゼンの足元が落とし穴の要領の如く開く、そして・・・・ここは3階の廊下・・・ そしてローゼンと共に落ちてきた生徒数名、全員落ちてきたときの衝撃で気を失っている ローゼンは知っていた、真紅率いる3-Aは教室で待機している事、他のクラスはもう脱落した事 しかし、これは間違いであった・・・3-Aは既に教室には居らず・・・いまローゼンの目の前に居る AM11:10 ローゼン捕獲、2時間10分 真紅達が移動を開始してから20分、決して廊下では走らない真紅・・・ それが故20分も経つのにほとんど移動できてない状況であったが ドシャーン!!!という音と共にローゼンが目の前に落ちてきた・・・ 真紅「今日は人が落ちてくるのが多いわね、ローゼンを捕まえなさい」 冷静な突っ込み、そして捕獲命令・・・・天井から落ちてきたローゼンは未だに尻餅をついている・・・ そして、ついに捕獲されたローゼン・・・彼を3-A教室に連れて行けば500万が・・・・ そんな事を考え、くんくん人形をいくつ買おうか悩む真紅・・・だがそれで終わるはずはなかった そう、天井からローゼンを追いかけていた3-Fの教師、雛苺が声をあげる 雛苺「あぁぁぁぁぁ~!うにゅ~の横取りずるいのー!!!」 そう叫び天井から降りて(落ちて)くる雛苺に3-F生徒 真紅「諦めなさい雛苺!くんくんの為に横槍入れるなら容赦しなくてよ」 威嚇する真紅 ここにローゼン・・・否500万の為の最後の戦いが幕を開けた [[おにごっこ、真のエンディング]]
私立有栖学園の名物であるローゼン・・・ 彼の行動に胃を痛めるラプラス・・・ ○月×日 AM9:00 ゲーム開始 1時間目の授業が始まり、しばらくして緊急の校内放送が流れた ローゼン「やぁ、みんな今日も良い日だね!」 生徒達は皆(あぁ、また何かやるんだ)と内心つぶやいた そんな生徒達の内心等気にも留めないでローゼンは次の言葉を放つ ローゼン「では、今から日頃のお礼もかねて・・・」 全生徒+全教師(お礼?) ローゼン「これより有栖学園全体を使い逃げる僕を捕獲する、いやさせる!つまり、何でもあり鬼ごっこをする!」 全生徒+全教師「は!?」 全員が見事にハモった・・・ そして、皆困惑する中ローゼンの次ぎの放送が飛び交う ローゼン「簡単な説明するよ!鬼ごっこと言っても僕を捕獲してクラスに持ち帰る事が条件、 他には何を使ってもOK要は簡単、僕を戦闘不能にして捕獲したクラスがNo1!OK?」 ローゼン以外(OKじゃねぇぇぇぇぇぇ、しかも鬼ごっこって何だよ!?) ローゼン「では開始を9:20とする! あ、あと時間になるまで各クラスの先生と生徒は教室から出ないように!出たら失格だぞ ちなみに僕を捕まえたクラスには賞金500万円をプレゼントしちゃうぞ!プッ・・・・」 そしてローゼンの何時もの如くとんでもない内容の放送は終わりを告げた・・・・ 最後の一言で授業は崩壊、新たな血が流れるであろう有栖学園は激しい思考が入り混じる魔城と化していた 一方、その放送を聞いた格教室と教師陣は・・・ 真紅「皆、今日は授業を中止なのだわ。今すぐくんくんの為にローゼンを捕獲するのだわ」 3-A 真紅 参加 蒼星石「500万(新しいPCも欲しいし)・・・参加しない手はないよね、皆僕に協力してくれるかな?」 3-B 蒼星石 参加 薔薇水晶「・・・参加」 水銀燈「そ~うこなくっちゃぁ~!」 3-C 薔薇水晶 水銀燈 参加 翠星石「いますぐローゼンのやろぉを捕まえるですぅ!」 3-D 翠星石 参加 金糸雀「楽してズルして賞金は取っちゃうのかしらー」 3-E 金糸雀 参加 雛苺「うにゅ~を手に入れる為にぜぇぇぇぇったい負けられないのー!」 3-F 雛苺 参加 雪華綺晶「全員完全武装!!目標はローゼン!!生死は問わない!今すぐ捕まえろ!」 3-G 雪華綺晶 かくして、全生徒・教師一致で参加が決まった・・・・ この時既に開始5分前・・・・ 一方ローゼンは・・・・ ローゼン「ふぅ、とりあえず今日は本気で逃げましょう」 などと余裕しゃきしゃきな様子で放送室の隠し扉から狭く暗い階段を降りていた・・・・ そして放送室には一番先に駆けつけたラプラスが一人閉じ込められていた・・・ AM9:20 先手必勝ローゼンの奇策 その時間になった・・・・ 各教室から一斉に生徒が蜘蛛の子を散らしたように散っていった・・・ まず一番初めに放送室になだれ込んだのは3-D翠星石のクラスだった ドゴォッ!!!という轟音と共に放送室のドアが蹴り破られる・・・・ そして中に居たラプラスに翠星石が投げた卵爆弾が炸裂し放送室は煙だらけになり、奥でうごめく影を取り押さえた 翠星石「一丁上がりですぅ~、今日はこの翠星石の勝利なのですぅ」 ラプラス「翠星石先生・・・」 翠星石「・・・・・へ?な、なんでウサギやろぉがここにいるですかー!?」 もはや訳が判らないという風に騒ぐ翠星石、そして誤認で取り押さえられ、卵爆弾で体中粉だらけになったラプラス もはや放送室は騒然となっていた・・・ 一方校長室 はじめにやってきたのは雪華綺晶率いる3-Gのクラス・・・・ 生徒「ドアの爆破準備整いました!!」 雪華綺晶「爆破後は速やかに校長室を制圧せよ!」 生徒「サー!イエス!サー!!!」 ゴゴォ~ン・・・・校長室前から黒い煙ととてつもない爆音が響く・・・・ そしてしばらくして・・・ザザザッ・・・という足音と共に校長室の真ん中の人影に銃が向けられる 雪華綺晶「ローゼン、貴方の負けね・・・・・んっ!?総員退却しろ!」 生徒「!?」 ガシャーン!!!!という音と共に校長室の周りに鉄格子が現れる、そしてその中央に居る人影は・・・・ 雪華綺晶「ダミー人形・・・おのれっ!今すぐ鉄格子を破壊なさい!」 生徒「サー!イエス!サー!!!」 校長室には雪華綺晶が閉じ込められ、ローゼンは最強の敵を封じることに成功する その頃家庭科室では・・・・ 雛苺「ぜぇ~~~ったい、こーちょーはここにやってくるのー!」 と、言って3-F生徒全員で家庭科室を占領していた 生徒「でも先生、なんで家庭科室なんですか?」 確かにローゼンが家庭科室にくるとは限らないし、来る理由も無い・・・ 雛苺「兵糧攻めはおいしい作戦なのー!」 そして考えなしで家庭科室をぶん取った張本人はこの調子 もはや絶望感が漂う3-F生徒、一人ばっちりだと言う顔で待ち構える雛苺 しかし・・・これが後にローゼン捕獲に大きく関わる事になるとは誰も思いも知らないだろう 時を同じくしてローゼンは3-Cの天井裏に潜んでいた その時3-Cには薔薇水晶と数名の生徒しかおらず、残りは水銀燈筆頭に校内を探し回っていた ローゼン「やっぱり人数居ないと勝てないなー・・・・では失礼」 などと独り言をつぶやき3-Cの教室に何かを投げ込んだ・・・・ 約15分後校内放送にてローゼンが薔薇水晶を拉致したという内容が流れた AM9:40 まさかの敗北、雪華綺晶 雪華綺晶は焦っていた・・・・ 鉄格子に囚われ既に10分、あと数分で脱出できると生徒から連絡がひっきりなしに来るがこうしてる間にもローゼンがつかまるのではと考えてるからである 雪華綺晶「えぇい、まだか!!!」 生徒「あと3分程度で鉄格子は切断、脱出可能と思われます!!」 雪華綺晶「状況報告はいい!脳たれる前にサー!と言え!さもなくば笑ったり泣いたり出来なくしてやるぞ!!!」 生徒「サー!イエス!サー!!!」 こうしてる間に・・・ピンポンパンポ~ン等という気が抜けた校内放送が流れた 雪華綺晶はしまった、もう捕まったと思った・・・が ローゼン「皆がんばってるか~い 愛しき有栖学園のキム○ク、ローゼン校長先生だよーだれか早く捕まえてくれないかなー」 まだ捕まってないことに胸を撫で下ろし、ほっとする雪華綺晶 しかし確か校長室には翠星石が行ったはず、つまり翠星石から逃亡し再度放送室に戻ったのか?と考える だが、次ぎの発言でそんな考えは一瞬で奪われることになる ローゼン「誰も捕まえに来てくれないから、僕から1人捕まえちゃいました、はいっ!薔薇水晶先生!」 雪華綺晶「!!!!!」 薔薇水晶「・・・・・よく判らないけど捕まりました」 いつもの薔薇水晶の声でボソっと呟く様に放送された・・・ そしてローゼンの驚くべき次の放送内容 ローゼン「この放送を聞いてる3-Gの担任・・・そう!雪華綺晶先生は降参してくれませんか?」 雪華綺晶「・・・・な・・・なにを!?」 雪華綺晶の声など聞こえないローゼンは着々と放送を続ける ローゼン「降参してくれるなら薔薇水晶先生は解放する!もし降参しないならイタズラしちゃうぞ!」 薔薇水晶「・・・・お姉ちゃん、助けて」 雪華綺晶「・・・・・・っぁ・・・!!!!!!」 声にならない雪華綺晶の悲鳴、そして薔薇水晶の一度あるかないかの発言に生きててよかったと喜ぶ男子生徒 ローゼン「では、よい返事を待ってる!さらば!」 薔薇水晶「じゃぁ、お昼ご飯まで待っててね・・・・プッ」 本当に人質なのか疑問に思うような最後の放送を残しローゼンはまた逃亡を開始した それから程なくして 生徒「鉄格子の切断完了しました!!!」 放送を聞いてもやらせなのは明白なので一切動揺しない生徒・・・しかし 雪華綺晶「ばらしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいぃぃいいぃいいいいいいぃぃぃいぃいぃいぃぃ!!!!」 発狂寸前の雪華綺晶、この放送により3-Gは司令官を失い実質的に行動不可能に陥った AM9:42 3-G 教師/雪華綺晶 脱落(?) 以後参加クラスへ襲い掛かる事になる AM9:50 激突 蒼星石+翠星石vs雪華綺晶 今の放送を聞き蒼星石は3-Bの生徒全員と共に放送室に急いだ しかし、放送室前では翠星石とラプラスがまだ揉めていた、それ以前にローゼンは放送室に戻っていない 翠星石「そ・・・そうせぇ・・・・・い・・・せき~・・・」 などと半泣きの状況で蒼星石に助けを求める翠星石 蒼星石「な・・・ど・・・どうしたんだい?いったい・・・それにそこの白い物体は・・・ラプラス先生!?」 蒼星石は一瞬判断に困ったがこれが粉まみれでボロボロなラプラスと気づく 翠星石「翠星石は悪くないですぅー、悪いのは勝手に放送室に居るそこのうさぎやろぉですぅー」 ラプラス「こっちは閉じ込められていたのだ!それをドアといきなり蹴破り同時に何か投げつけて粉まみれに・・・!!」 幼稚な喧嘩に見えるがとりあえず二人とも姿が酷い有様だ 蒼星石「ま・・・まぁ、お二人とも落ち着いて」 などと仲介に入る蒼星石・・・・しかし、突拍子も無いことでこの幼稚な喧嘩は幕を閉じる 突如轟音と爆音と銃声が近づいてきた、3人はふとそちらに目をやると・・・・・ 戦車に完全武装した生徒がゾロゾロと現れた・・・と同時に放たれるゴム弾の嵐がやってきて命中した生徒はそのあまりにも恐ろしい破壊力から意識を失った 翠星石「な、なんでですぅ~!?!?なんで戦車が学校の中を暴走してるですかぁ~!?答えなさいチビ人間~!!!」 蒼星石「翠星石、突っ込むところはそこじゃないと思うんだ・・・」 と漫才顔負けの如く息の合ったコントが展開された 一方ラプラスは、あまりに奇天烈な出来事が目の前で展開されついに脳内ヒートか気絶してしまった・・・ 雪華綺晶「ロォォォォォゼェェェェェェェェン!!!!」 戦車の爆音も轟音も消すような獣の咆哮・・・・ そう、すでに暴走状態に突入した雪華綺晶が戦車に乗り、生徒を率いて突っ込んできたのだ 翠星石「お、落ち着くですぅ~、ここにはローゼンはいやがらないですぅ~!」 蒼星石「え?でも確かに放送は流れてたよ?」 翠星石「で、でも放送中ずっとここに居たですぅ~」 確かに翠星石はずっと放送室の前に居たのでローゼンが中に居ないことを確認してる・・・ しかし、冷静な判断が出来ない雪華綺晶は・・・ 雪華綺晶「・・・前方に敵を確認、まずはローゼンの手に落ちた彼女達を倒しなさい!!!」 などと彼女の生徒(部下?)に指示を下した 翠星石「な・・・なんでそうなりやがるですかー!このアンポンタンー!」 蒼星石「と・・・とにかく逃げるよ!皆も近くの教室に飛び込んで!!!」 とにかく口で応戦しまくる翠星石とただ一人冷静に生徒に指示を下し翠星石を連れて逃げる蒼星石・・・ ここに蒼&翠vs雪華綺晶の図式が成り立った この3人の中でもっとも早く動いたのは雪華綺晶だった、やはり暴走状態でも軍隊経験者敵と対峙したときの判断力は高い 雪華綺晶「各員左右に展開し憎きローゼンの手下を倒せ!!!」 生徒「サー!イエス!サー!!!」 もはやお決まりの声を上げ雪華綺晶の指示通りにぴったり半数づつ左右の壁に沿って前進してくる そして中央には雪華綺晶の戦車がキュラキュラとキャラピラを鳴らして迫り来る 蒼星石「やめるんだ!雪華綺晶先生!僕達は何も薔薇水晶先生にはしてないし校長の手先でもない!」 必死に説得を試みる蒼星石、しかしそれも虚しく 雪華綺晶「ターゲット・・・・ロックオン!」 その瞬間戦車から轟音が聞こえたと思ったら周りが吹っ飛んでいる・・・間違いない戦車からの砲撃だ 翠星石「蒼星石!!!!!」 悲鳴のような翠星石の叫び・・・ 蒼星石は砲撃の瞬間翠星石を突き飛ばし、直撃を逃れさせた・・・しかし当の本人蒼星石は逃げることかなわず直撃を受けた・・・ように思えた 蒼星石「ちょっと・・・やり過ぎだよ、いくら僕でも翠星石を危険に巻き込むのを許すほど甘くない」 辺りが凍りつく、そうあの温厚かつ誰にでもどんなときでも優しい蒼星石がキレたのだ そして手に業務用の鋏を持ち雪華綺晶に告げる 蒼星石「その物騒な戦車、廃棄処分にするけど、恨まないでね」 その瞬間・・・旧ドイツ軍最強と言われた戦車マウスはたかが業務用の鋏に真っ二にされたのだった しかし雪華綺晶は諦めない、憎きローゼン打倒に燃える彼女は最強の武器を失っても闘志は衰えなかった いや、むしろ狭い建物内部を縦横無尽に走れるようになったので戦車に乗ってたときより強敵になったのではなかろうか? 雪華綺晶「蒼星石・・・よくもよくも!!!許さないっ!」 苦虫を噛み潰すような怨念のこもった声が響く・・・ 蒼星石「僕だけならいざ知らず、翠星石まで狙うなんて覚悟は出来てるかい?」 雪華綺晶の声を一切聞かずにいつもと同じ口調・・・しかし怒りの篭った声で蒼星石が返す 時間にして数秒・・・しかしこの空間に居る人間は何時間にも思えただろうか・・・・凍てついた空気は圧倒的な重圧で彼らにのしかかった そして・・・ついにその均衡が破られる 雪華綺晶「総員!蒼星石を倒せ!彼女を倒せばローゼンは目の前だ!!!!」 雪華綺晶の咆哮、それに反応するように一斉に動く3-G生徒、やはり地獄の訓練を受けてるだけあってその動きは既に戦士そのものだった 雪華綺晶は焦っていた、自慢の戦車マウスを破壊された為である 戦車を失った為か、落ち着きを取り戻してるが既に遅い、”敵は目の前に居る”という状況を確定させてしまったのである 数だけで言えばまだ雪華綺晶に分がある、いくら相手が超人であろうともこっちは30人フルに居る状況かつ、 戦車がなぎ倒した瓦礫が遮蔽物になり左右に15人づつ兵を置いてる状況なのだ、普通にやりあえば負ける訳がない だが・・・その方式はここでは通用しなかった 生徒が蒼星石を射撃した瞬間、蒼星石はそこに居なかった・・・ 蒼星石「悪いけど、手加減するから恨まないでね」 それが射撃した生徒がこのゲームで最後に聞いた言葉だった ドサッ、ドサッ・・・初撃を撃った生徒4人が倒れた、正確には気絶したのだったが 雪華綺晶「・・・・!」 雪華綺晶だけは正確に把握した、この刹那蒼星石が4人の急所に拳をいれ気絶させた、と 蒼星石「生徒に頼まないで君がおいでよ」 先ほどと変わらぬ口調、そして怒りの口調で雪華綺晶を挑発する 雪華綺晶「全員、下がりなさい」 生徒「サー!イエス!サー!!!」 雪華綺晶の号令で一斉に後ろに下がる3-Gの生徒達 蒼星石「雪華綺晶先生、翠星石に謝って下さい、そうすればこれ以上争う理由もなくなります」 やはり変わらぬ口調で告げる・・・ 雪華綺晶「冗談、ここまでやられたなら引き下がれない・・・・・勝負!」 その一声の元、両者相手に突進する・・・・そう、勝負は1発で終わると二人ともわかっているのだ 蒼星石は一瞬考えた、普通なら銃で応戦するものだと読んでいた為、相手の行動を把握しきれなかった・・・・ だが、相手が拳で来るなら話は早い・・・・ 体を捻る、腕を限界まで引き込む、相手との距離を見る・・・そして 蒼星石「これで終わりです!雪華綺晶!!!」 蒼星石渾身の一撃が放たれる・・・・ 雪華綺晶はひとつの策を用意していた、むろん勝てる保障も無い策を・・・しかし彼女は銃やナイフには頼らなかった 相手が武器を持たず、真っ向勝負を挑んできたのに対し自分だけが武器を使うことに躊躇した為だ しかし、彼女の考えは正しかった・・・・ そして、蒼星石が近づく、相手の顔はもう見ていない、見てるのは蒼星石の利き手・・・そう右手を見ていた・・・ 瞬間、限界まで引き絞られた拳が炸裂する、避けきれる速さでも距離でもない・・・直撃 次の瞬間雪華綺晶の顔には蒼星石の拳があった・・・・ しかし・・・それと同時に蒼星石の腹には雪華綺晶の肘があった・・・ そう雪華綺晶の策とは己の肉を切らせて相手の骨を絶つ、つまりクロスカウンターである 元軍人である雪華綺晶と蒼星石では体力が違いすぎた・・・ 蒼星石が勝つためにはスピードで相手を押し切り自分が被弾しないのが絶対条件 しかし雪華綺晶の肘はきれいに蒼星石のお腹へ入っていた・・・・ ドサッ・・・気を失い倒れる蒼星石・・・口内に真新しい鉄の味が広がる雪華綺晶・・・・勝者は次なる獲物へ・・・行かず 雪華綺晶「全員、一時離脱する・・・・!」 いつもの口調で生徒に伝達し、己の居城3-Gへ引き返していった 残されたのは蒼星石と先ほどからおろおろするだけで何も出来なかった翠星石だけだった・・・・ 翠星石「蒼星石!!!しっかりするですぅ!起きるですぅ!」 しかし蒼星石は起きない・・・・ 翠星石「なんであんな無茶しやがるですぅ!!!もう敵は居ないですぅ!起きるですぅ!!!」 翠星石は泣いていた・・・親友がこんなボロボロになるまで自分は隠れてるだけしか出来なかったからか・・・ 翠星石「蒼星石ぃぃ・・・うぅ・・・ぐすっ・・・起きやがれですぅ・・・」 そこに先ほどの敵である雪華綺晶が現れた・・・ 雪華綺晶「・・・・翠星石」 呼ばれて初めて気がつく翠星石 翠星石「・・・!な・・・・・もう蒼星石には手出しさせないですぅ!」 そう言い両手を広げ、蒼星石を庇う翠星石・・・たとえ相手が勝てない相手でも 雪華綺晶「・・・・一度だけ言う、呼吸がしっかりしてるなら大丈夫だ、骨も折れるようなことはしてない、念のために救急箱があったからやる、それだけだ」 と、相手の顔も見ずに言い放ち救急箱を置き帰る雪華綺晶 そして去り際、誰にも聞こえない声で 雪華綺晶「・・・・本当に今回はごめんなさい」 と呟き、その場を後にした・・・・ AM10:02 3-B 教師/蒼星石 脱落   3-D 教師/翠星石 棄権 AM10:00 水銀燈の乗っ取り 一方、3-Cの生徒は大混乱に陥っていた それもそのはず、担任の薔薇水晶がまさか拉致されるとは思ってもおらず、みんな一様に慌てふためいていた・・・ しかし、この事態を快く思っている人物が一名・・・・ 水銀燈「鬼が捕まる役に捕まるなんて・・・本当に本当におばかさぁん♪」 そう、副担任の水銀燈である・・・・ 生徒「しかし、先生がいないと・・・・」 と口を挟む生徒の目の前に・・・ 水銀燈「あらぁ・・・ここに先生なら居るでしょう?それも頼りになる せ・ん・せ・い が♪」 もはや、3-Cを乗っ取った気分に浸かり切ってる水銀燈が居た 水銀燈「さぁ、ローゼンを捕まえて賞金500万を取るわよ!」 そうして水銀燈は3-Cを掌握した・・・これが後に生徒が語る悪夢の始まりとは知らず 同時刻 3-E金糸雀 金糸雀「ふっふっふ、完璧かしらー!」 と意気揚々を声を高らかにする金糸雀の姿があった・・・ そんな彼女を見て側に居た生徒が 生徒「せ・・・先生・・・どう考えても校長はここには来ないかと思います・・・」 それもそのはず、金糸雀達は屋上に居たのだから・・・・ しかし金糸雀はそんな落ち込む生徒等知らないかのように言い放つ 金糸雀「ここを抑えておけば外の様子は丸判りなのかしらー つまり、ここを取っておけば校長の行き先がわかるのかしらー!」 おぉ!っと言う声が密かにあがる・・・が 生徒「校長が校内に入ったらどうするのです・・・?流石に内部までは判りませんよ?」 と生徒が突っ込みを入れた 金糸雀「・・・ぅ・・・今回は失敗なのかしらー?」 と、途端に表情を曇らせる金糸雀、やはり考えなしだったのだろうか・・・・ AM10:20 ローゼンの監視 もはや跡形も無い放送室前・・・・良く探せば凹んだ壁から隠し通路が見つかるが、もう誰も居ない・・・いや正確には参加者はここには居ないである 瓦礫の上に大人しく眠っている蒼星石、それに寄り添うように起きるのを待っている翠星石・・・・ 幸いにも蒼星石の怪我は浅く、打ち身程度で済んでいた 翠星石「蒼星石はいつも無茶ばかりしやがるですぅー・・・でも今はちゃんと休むですぅ・・・」 と静かに寝息を立ててる蒼星石に話しかける翠星石、もちろん返事は無い とにかく今は二人だけでそっとしておいてあげようと、左右の教室に逃げ込んだ生徒は決めていた・・・ そんな中、彼女達を覗く目が喋る・・・・ ローゼン「おやおや・・・これはこれは・・・また凄い事になってます・・・・ね?薔薇水晶先生」 と、ローゼンは隣に居る薔薇水晶に話しかける 薔薇水晶「お姉ちゃん・・・暴れたんだ・・・お腹すいたのかな・・・」 とローゼンの声は届いてるのか届いてないのか判らない返事をする薔薇水晶 ローゼン「なんにしても、これ以上の覗きは悪趣味ですし戻りましょうか・・・・まだ鬼ごっこは続いてますよ」 と、ローゼンが言いその場を後にする2人 残った蒼星石と翠星石の空間は少し甘い感じがした AM10:30 ローゼン家庭科室へ こちらはローゼン、逃げてる役なのだが今一活躍できない・・・・ ローゼン「そろそろ薔薇水晶先生は解放しましょうか?」 これでも拉致していたつもりなのであろうか? 確かに効果はあったし3-B・3-D・3-Gはほぼ鬼ごっこ続行不可能になっているのも確かだが・・・ 薔薇水晶「ですね・・・きらきーのお弁当残ってるか確認しないといけないし」 しかし、当の本人もどれだけ重大な状況になってるか判っていない模様 それを聞いたローゼンはふんふんと鼻歌を歌い薄暗い隠し通路へ意気揚々と進んでいく ローゼン「では一番近くの家庭科室に繋がる道を案内しますので、どうぞ」 これが間違いであった・・・・・ 同時刻 真紅率いる3-A 開始から既に1時間以上経過している しかし真紅率いる3-Aは教室を中心に各教室の情報収集のみに徹していた 真紅「JUM、紅茶を入れて頂戴」 等と良い自分で探す気は0なのが現状である 生徒「せんせぇ~・・・もう各先生は移動してますよ・・・こっちも早くしないと・・・」 等と不満を漏らす生徒 真紅「嫌よ、服が汚れるわ」 しかし、テコでも動かない真紅・・・・これは絶望感だめだ、と絶望感が漂う中・・・ 生徒「先生!放送室前に蒼星石先生と翠星石先生が倒れてました、どうやら鬼ごっこ放棄の模様です!」 そう、あの仲良し先生2組が脱落したという情報が入ってきたのだ 生徒「あ、あと壊れた戦車や辺りは瓦礫だらけです、恐らく・・・・」 真紅「雪華綺晶先生ですわね」 と途中で制する真紅、しかしこれは吉報かもしれない、なにせライバルが減ったのだから そんな事を考えて一通りまとめたら・・・・ 真紅「貴方と、貴方と、貴方」 と3人を指差し、指示を出す 真紅「ローゼンは放送室以外のどこかに放送できる場所を持っているに違いありませんわ そこを見つけて来なさい、探す場所は放送室・校長室・3-C組みよ」 と言い放ち、その指示に渋々従う生徒3人 確かにこの策は有効である、事実この3箇所すべてにローゼン専用の隠し通路があり見つけられればローゼンを一網打尽に出来るからである しかし、ローゼンは各教室にこの通路を持っており、無論3-Aにもあるのはまだ真紅達は知らない AM10:40 金糸雀vs水銀燈 水銀燈は一つ確信をもって大妨害を決行する為に屋上へ向かっていた 水銀燈「ふふ、これを貯水タンクに流し込めばぁ、他のクラスはぁ、皆昏睡状況に陥るわぁ」 とかなり上機嫌な水銀燈、それの共犯になる生徒はたまったものじゃないという顔で水銀燈についていく と、屋上についた水銀燈だったが・・・・・ そこには金糸雀が・・・・ 金糸雀「あ、水銀燈先生なのかしらー?」 水銀燈「な、なんであんたがここにいるのよぉ!?」 と両者声を上げる・・・しかし次の発言は邪魔だった 金糸雀「はは~ん・・・・なるほど~・・・・水銀燈先生も狙ってたのかしらー・・・」 と、屋上を占領するつもりなのかと勝手に勘違いする金糸雀、更に咆哮をあげる 金糸雀「ここはカナ達がとったかしらー!潔く帰るのがいいのかしらー!」 もはや勘違いしまくりで吼える金糸雀 水銀燈「黙って聞いていれば・・・・・ローゼンの先に黙ってもらう必要があるわね」 こちらも半分勘違いのままヒートアップする水銀燈 これより両者の屋上をかけた戦いが始まる 先手は水銀燈 タッ!っと軽い音が聞こえた瞬間・・・・ 水銀燈「あまり私を見下さないで下さるぅ?」 と言い放ち、金糸雀を思いっきり突き飛ばす・・・しかし金糸雀は 金糸雀「それはこっちの台詞なのかしらー!」 と・・・その瞬間水銀燈の足元が崩れた 水銀燈「な、なんですって!?」 驚き慌てる水銀燈、頭の中では自分はそんなに太ったのか?と自問自答する・・・無論そんな訳ない 金糸雀「ふっふっふ、この有栖学園一の策士金糸雀様に勝とうなんて100年早いのかしらー!」 と、勝利を確信した金糸雀の両手には不気味に泡立つ薬瓶が2つ・・・・ 金糸雀「水銀燈先生、これはコンクリートを溶かす薬物なのかしらー!化学担当の私が作っちゃったのかしらー!」 等と、水銀燈をからかう金糸雀、そして何物騒なもの作ってるんだと心の中で突っ込む3-Eの生徒 一方屋上から3F(3-A教室前)に落ちた水銀燈は目をパチクリさせていた・・・ そんな水銀燈へ・・・ 真紅「なんなんですの今の音は!」 とドアを勢いよく開ける真紅と数人の生徒、目の前には目をパチクリさせた水銀燈 真紅・水銀燈「・・・・・・・・・」 両者目が合う、そうしてる間にも屋上は金糸雀のものになっていく・・・ 水銀燈「真紅!今は貴方と遊んでる暇はないの!」 と勢い良く叫び3-A教室前から屋上へ猛ダッシュする水銀燈 それを真紅の付き添いで見ていた生徒は、あぁ水銀燈先生って真紅先生のこと敵視してるんだ・・・と納得する 有栖学園でもトップクラスの仲の悪さで有名な2人のエピソードはまた他の話に 水銀燈が屋上に戻ったときはかなり劣勢になっていた 3-Cのクラスの生徒の大半は金糸雀が持ち出したと見られる薬品により・・・ 寝ている者、気絶してる者、屋上の隅に行って体育座りをして地面に8の字を書いてる者等、パッと見ても20人は居る それ以前に3-Cでのローゼン襲撃により数人数を減らしてる水銀燈の3-Cは残すところ水銀燈と生徒3人だけだった 3-C生徒1「先生!金糸雀先生の薬物で近寄れません!」 3-C生徒2「ここは一旦逃げて他の作戦を取りましょう!」 等と水銀燈に叫ぶが・・・・ 水銀燈「ほらぁ、君達あのにっくき金糸雀先生を捕らえなさい、捕らえた子は先生が特別サービスしちゃうぞ♪」 まったく聞いていない水銀燈、そして色仕掛け 残った生徒が全員男子だったのが幸いしたが、全員目の色を変えて金糸雀へ猛突進していくが・・・・ 金糸雀「無駄なのかしらー!」 と、足元に先ほどコンクリートを崩した薬品を撒く・・・ しかしそれすらも目に入らない3-C生徒、そう彼らは水銀燈の誘惑に負けたのだ・・・悲しい男の定め 3-C生徒1「うぁぁぁぁぁぁぁ!?」 と、地面が崩れやっと我に返る生徒、しかし時既に遅し・・・もう自分は落ちていくだけ・・・に見えたが 3-C生徒2・3「いけぇぇぇぇぇぇぇぇ」「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」 共の死を超えていけ、その言葉の如く、崩れる生徒1を踏み台にしていく2人、そして学生服の背中には新しい足跡が2つの生徒1 そしてついに・・・・ 生徒2「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!」 生徒3「水銀燈先生!捕らえましたああああああ!」 と豪快に叫ぶ2人、一方金糸雀の指示で危ないから手出しするなと言われていた3-E生徒は戸惑いはじめた 水銀燈「ふふふ、金糸雀・・・さっきはよくもやってくれたわね・・・・」 こめかみに筋をつけた水銀燈が優しく金糸雀へ話しかける・・・ そして、その顔の後ろには閻魔大王を想像させる背景があることを察する金糸雀 金糸雀「あ・・・あ・・・・ま・・・まずいの・・・かしらぁー?」 もう恐怖で声が上手くでない 水銀燈「でもぉ、私もぉ鬼じゃないしぃ・・・金糸雀、水に混ぜたら大変なことになる薬品とさっきコンクリートを崩した薬品を出したら許してあげるわよ」 無論許す気はないが、自分のもってる睡眠薬より金糸雀が持ってる薬品のほうが圧倒的な威力があるのは目に見えてる それに、コンクリートを崩す薬品は金糸雀に使わないと気がすまないのである・・・ 金糸雀「み・・・右の・・・ポケットに入ってるのかしらー・・・灰色のは水と混ぜたら危ないのかしらー!!!!」 必死に叫ぶ金糸雀、もう許して欲しいといわんばかりに涙目で水銀燈に訴えかける しかし水銀燈の次の発言を聞いて凍りつく 水銀燈「貴方達、もうちょっと金糸雀を押さえつけてなさい、今からこれが本物かどうか調べるわぁ」 3-C生徒1・2「はいっ!!!」 試すというのはつまり、抑えてる生徒も巻き添えを食らう可能性があるというのに彼らの頭の中はこの後の水銀燈のサービスしか無かった そして、金糸雀と抑えてる生徒中心に謎の液体を円を書くように垂らす水銀燈 そして3秒弱の時間が過ぎ・・・・ ピキピキと音を立てて崩れ始める屋上の一角、放して!と叫ぶ金糸雀、先生が押さえつけられてる為動けない3-E生徒 そして、屋上の一角の崩壊、3-A教室に落ちていく3人、そして金糸雀を追う3-E生徒 屋上に残されたのは水銀燈と金糸雀にやられて気絶してたりする3-C生徒 水銀燈「私に勝てるなんて思うなんて、ほんとぉ~におばかさぁ~ん♪」 もはや私の行く手を阻むものは誰も居ないといわんばかりに上機嫌な水銀燈 そして、当初の目的であった貯水タンクへ近づき、金糸雀から奪った灰色の薬品を流し込む・・・ 水銀燈「これでよs・・・・」 だが、最後まで言う前に貯水タンクが膨張し・・・・次の瞬間まるで水風船が破裂したようになった貯水タンクが目に入った そう、金糸雀は”水に混ぜたら危険”な薬品を水銀燈へ渡したのだった 空の彼方へ飛んでいく水銀燈、どこからどう見ても漫画にしか見えないが有栖学園では特別なことではないので気にしないことにする この後丸一日かかって有栖学園に戻ってきた水銀燈が居たそうな そして轟音と共に飛んでいく水銀燈を想像しながら金糸雀は気絶しながら笑っていたそうな AM10:52 3-C 副担任/水銀燈 脱落  3-E 教師/金糸雀 脱落 AM:10:50 真打ついに 屋上が騒がしくなってるが気にせず紅茶を飲む真紅 先ほども水銀燈が廊下に落ちてきたが気にしていたら有栖学園ではやっていけないので気にしていない 真紅「ふぅ、水銀燈も忙しい方ですわね・・・・」 ライバルを気にしてるのか、それとも嫌味か・・・あるいは両方なのか判断に苦しむ発言をする だが、その直後とんでもないものが落ちてくる ガシャーン!という音共に服装から金糸雀と男子生徒2人とすぐに判断できたがなんで天井から落ちてくるだろうか・・・ そして、紅茶を入れる準備をしていたJUMが3人に潰されていた 真紅「・・・・・金糸雀先生・・・これは新しい実験ですか?」 皮肉をこめてティータイムを邪魔した不届き者に声をかける真紅 だがその直後頭上でとてつもない大爆音が聞こえ、金糸雀が気絶しながら笑った・・・ その後30秒3-Aは不気味な沈黙が支配していたが、教室のドアから3-Eの生徒がノックもせず入ってきて無言のまま金糸雀を引き取っていった その間僅か15秒・・・・、泥棒顔負けの速さである 真紅「JUM、どうなってるか説明して頂戴」 と、頭で整理が出来てない真紅がJUMに声をかける、しかし天井から落ちてきた3人に潰され気を失ってるJUMは無反応だった・・・・ またもや沈黙が教室を支配する・・・そして5分前後たった後だろうか 真紅「そろそろローゼンを捕獲しに行くわよ、くんくんの為に」 そう言い放ち教室から出る真紅、それについていく生徒達 そして真紅と生徒に忘れられた偵察の為に校長室・放送室・3-C教室に行った生徒 ついに本腰をあげた3-A、しかしこの時既に残ってるクラスは3-F雛苺のクラスだけだった・・・ 同時刻 ローゼンのミス ローゼンは薔薇水晶を家庭科室の隠し扉の前に連れて行き、そこで別れる事にした ローゼン「じゃぁ、ここを通れば家庭科室に行けるからまたねー」 薔薇水晶「・・・・・・うん」 他愛ない挨拶を済ませ別れるローゼンと薔薇水晶、だがこの時既に家庭科室には雛苺率いる3-Fが待機していた 同時刻 猛追雛苺 3-Fは絶望に包まれていた、何故家庭科室なのか?何故おいしい作戦に繋がるのか?何故うにゅ~だけしか考えないのか? 様々な思考が入り乱れる、しかしそれとは裏腹に先ほどから聞こえる爆音や銃声に巻き込まれなくて済んだと安心感もあった 雛苺「こーちょー先生遅いのー!」 しかし、全くと言っていいほど能天気な雛苺の声、誰もこんなところにローゼンが来るとは思っても居ない・・・・だが ガチャ・・・調理台の戸棚が急に開く、数人の生徒が顔を向けたその先には・・・・ 生徒「ば・・薔薇水晶先生?」 薔薇水晶が居た・・・否、薔薇水晶が戸棚から出てきた 薔薇水晶「・・・・あ」 気まずそうに声を漏らす薔薇水晶、当然なんでこんな事になったか判っていない 雛苺「あー、ばらしーなのー!」 だが全く気にしていない雛苺・・・・に見えた 雛苺「こーちょー先生に捕まってたのにそこから出てきたって事は、そこが隠し通路に違いないのー!」 生徒「・・・!」 訳もわからず固まる生徒に対してズバッ!と正解を言う雛苺 そして次の瞬間一気に隠し通路(戸棚)に突っ込んでいく雛苺の姿があった) 雛苺「うにゅ~の為に皆いくのー!」 もう後先考えるべきではないと直感する生徒、ただ雛苺についていくことだけが心配であった・・・ 隠し通路は迷路のように入り組んでいる、恐らくこれを作り上げたローゼン以外正確な道はわからないのではなかろうか? そんな不安が過ぎる生徒、しかし全く気にしない雛苺、そんな中前方に動く人影を確認する生徒 生徒1「先生、あそこに誰か居ません?」 と雛苺に話しかけた矢先・・・・ ローゼン「見つかった!?・・・・とうっ!」 あの声だ・・・そう学園の校長にして伝説の漢の声だ・・・ もう3-Fの生徒・教師は勝利を確信した、ここでローゼンを捕らえれば500万が目の前だからだ 雛苺「みんな!ローゼンを捕まえるのー!」 雛苺の声が轟く、しかしここはローゼンの領域、更にラプラスから逃げ切るために鍛えたこの足がローゼンにはあった 追う生徒、しかし距離は一向に縮まらない・・・それどころか離れているかもしれない しかしそこは人数の問題、この隠し通路には3-F生徒30名が居るのだ・・・そう挟み撃ちである いくら複雑な通路でも学園の隙間を通ってるだけ、大体の構造は判らないでもない、ただし隠し扉等は判らない・・・ ローゼンの前に飛び出した生徒は3人、追いかけてくる10人も含めればもはや逃げる犯人と追う警官だ 生徒「捕まえました、校長!」 ついに校長を捕まえた3-F生徒・・・しかしこの程度で捕まえきれる相手ではない ローゼン「はっはっは!流石に厳しいかな?」 その瞬間ローゼンの足元が落とし穴の要領の如く開く、そして・・・・ここは3階の廊下・・・ そしてローゼンと共に落ちてきた生徒数名、全員落ちてきたときの衝撃で気を失っている ローゼンは知っていた、真紅率いる3-Aは教室で待機している事、他のクラスはもう脱落した事 しかし、これは間違いであった・・・3-Aは既に教室には居らず・・・いまローゼンの目の前に居る AM11:10 ローゼン捕獲、逃走時間2時間10分 真紅達が移動を開始してから20分、決して廊下では走らない真紅・・・ それが故20分も経つのにほとんど移動できてない状況であったが ドシャーン!!!という音と共にローゼンが目の前に落ちてきた・・・ 真紅「今日は人が落ちてくるのが多いわね、ローゼンを捕まえなさい」 冷静な突っ込み、そして捕獲命令・・・・天井から落ちてきたローゼンは未だに尻餅をついている・・・ そして、ついに捕獲されたローゼン・・・彼を3-A教室に連れて行けば500万が・・・・ そんな事を考え、くんくん人形をいくつ買おうか悩む真紅・・・だがそれで終わるはずはなかった そう、天井からローゼンを追いかけていた3-Fの教師、雛苺が声をあげる 雛苺「あぁぁぁぁぁ~!うにゅ~の横取りずるいのー!!!」 そう叫び天井から降りて(落ちて)くる雛苺に3-F生徒 真紅「諦めなさい雛苺!くんくんの為に横槍入れるなら容赦しなくてよ」 威嚇する真紅 ここにローゼン・・・否500万の為の最後の戦いが幕を開けた しかし、いざ戦闘になっても真紅は余裕であった 相手は雛苺、かつローゼンを捕まえ教室に戻るだけの単純作業・・・・ だが万全を期するほうが良いと考え近くに居る生徒に指示を下す 真紅「貴方達3人はローゼンを抱えて3-Aの教室に戻りなさい、残りの者はここで雛苺先生を止めるわよ」 思考時間3秒未満、まるで考えが決まっていたかのような指示内容とその迅速な速さ 雛苺「ぜぇ~~~ったい、うにゅ~は手に入れるのー!皆、真紅を倒してローゼンを捕獲するのー!」 それに対して見た目は思考無しの雛苺が叫び返す、しかしこれが雛苺の演技とは3-Fの生徒ですら思いもよらなかっただろう 事は遡る、事2時間前・・・・家庭科室に移動する前の雛苺の幼稚な幼稚な作戦である 雛苺「先に、クラスの名札を取り替えるのー!」 何を言ってるか判らない生徒、快心の作戦と己を褒め称える雛苺 生徒「・・・つまり、全部のクラスの表札を3-Fに変えるんですか?」 一人の生徒が一応聞いてみたところ・・・ 雛苺「そうなのー!そうすればどこに行っても3-Fのものになるのー!」 もはや幼稚すぎる上に、そんなポカミスするクラスがあるとは思わないが雛苺の指示通りにやる生徒 この間わずか3分・・・無駄に神業的早さである この後は家庭科室に篭る事になり今に至る・・・・ AM11:15 各地の災害 3-Aの陸上部メンバー3人はひたすら自らの教室に走っていた・・・・ ただ怪しいのは中年オヤジを無造作に担ぎ上げてだが だが、彼らの前にはとてつもないものが立ちはだかる・・・・ 陸上部1「お・・・おい、なんだこりゃ・・・・」 陸上部2「せ、戦車!?」 目の前には戦車がスクラップ状態で放置され道を完全に塞いでいた 陸上部3「と、とにかく・・・回り道してでも教室に行くぞ!」 彼らの判断は正常だった、戦車等どかせるものでもないし回り道をしてでも目標に向かうのは最善の策だっただろう 更に幸運だったのは、ここで回り道をしたことにより追っ手を撒くのにも成功したのである そして3Fから2Fへ降りてきた3人の陸上部員、半分ひきずられ階段で全身あざだらけになっただろう気絶してるローゼン・・・ すぐ隣には校長室があるが今は黒いススだらけで火事でもあったような有様だった・・・ 陸上部1「と・・・とりあえず奥にいって3Fにいけばすぐに教室だ」 陸上部2・3「おぅ!」 もう勝利は目の前である、このままならばコースアウトでもしない限り勝利は確定だ・・・が 雪華綺晶「やっと・・・見つけた・・・ろぉぉぉぉぉぉぜぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!!」 校長室の前には獣が居た・・・それもラスボスクラスの 先ほど蒼星石にやられた傷は癒え冷静さを取り戻していたのだが、目の前に元凶がやってきては冷静で居られるはずはない・・・ 雪華綺晶「しねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 もう賞金等関係ない、愛する薔薇水晶を虐めたローゼンは今すぐ処刑台に送り込まなければ気がすまないのだ 陸上部1・2・3「なんで雪華綺晶先生が!?」 可哀相な彼ら・・・しかしこれ以上遠回りすれば追っ手に追いつかれかねない・・・そんな時 陸上部3「陸上部1、お前が一番タイム早いよな?」 この言葉の意味を察したか陸上部2も続けて喋る 陸上部2「お前が校長を教室に連れて行け、雪華綺晶先生は俺らが止めてみせる、つっても1分持たないぞ?」 この言葉を最後に陸上部3人は一斉に雪華綺晶に突入する・・・後日かっこつけた為に入院するハメになった陸上部2名が居たそうな 雪華綺晶「邪魔するかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 片手で陸上部3をなぎ払おうとする雪華綺晶、しかし陸上部3は決死の覚悟でその腕にしがみついた・・・ しかし、雪華綺晶の勢いはとまらない、そこへ陸上部2がタックルをする! 陸上部2「うぉぉぉぉぉおおおお」 ドゴン!重い音が響く・・・しかし雪華綺晶は怯む様子もなくローゼンへ・・・いけなかった 陸上部2は体当たりをしたと同時に雪華綺晶の足へ抱きついたのだ!普通に見ればセクハラでしかない行為だが今はそんなこと一切考えてない これを見て陸上部3は俺もそうしておくべきだったと後悔した この間に陸上部1がローゼンをかかえ3Fへ急ぐ・・・・ 一方こちらは雛苺と真紅・・・・ 激しい攻防が続いていた、真紅も雛苺も戦闘が得意というわけでは無いのだがお互い自分の宝を手に入れる為にはどんな無茶も出来る人間だからだ 真紅「いい加減諦めたらどう?息が上がってるわよ」 この状況下でも開いてを挑発する真紅、それに対して雛苺は・・・ 雛苺「まな板はうるさいのー!絶対にうにゅ~は渡さないの~!!」 と言い返す雛苺 こちらの勝敗はお互い共に相手をここに引き付けることが勝利条件なのでローゼンの鬼ごっこが終わっても勝敗はつかなかった・・・ 真紅の狙いは陸上部3人の為にここで雛苺を食い止める事、それが勝利と確信していた 一方雛苺はここで真紅を押さえ最初に実行した自分の作戦に相手がはまるのを待つ事だった 一方こちらは陸上部メンバー こちらは3Fに到着した陸上部1、しかし見慣れた廊下は瓦礫だらけで奥に行くまでに時間がかかりそうだった・・・ しかし陸上部1に迷いは無い、自分の為に散った(死んでません)友の為に今はローゼンを教室に運ぶ事だけを考えていた そして限界を超え走る、酸素が足りないと嘆く体、筋肉がもう限界だと伝え続ける・・・しかしもう勝利は目の前なのだ と・・・その時・・・ 雪華綺晶「にがすかぁぁぁぁぁぁぁ!」 ついに友を打ち倒し追ってきた獣・・・教室まで目測20m、雪華綺晶との距離はおよそ50m ここまできたらもう策もなにもない、ただ走る陸上部1 体の痛覚が麻痺してくる、息はもうできない、まるで体全身が乳酸漬けの感覚だ・・・その時! 目標の教室から見慣れた顔が・・・そう真紅の命令で偵察に出かけていた同じ陸上部の仲間だ この時陸上部1は確信した・・・ここの教室に突っ込めば勝ちだ・・・と そして偵察に出かけていた陸上部の仲間の声は届かず・・・その教室に突っ込んだ AM11:20 勝者決定 意識を取り戻しポケットからマイクを取り出すローゼン、その後ろでローゼンを襲おうと必死に暴れ生徒に押さえつけられる雪華綺晶 ローゼン「えー・・・今回の鬼ごっこの勝者は・・・」 この瞬間有栖学園は静まり返った、3-Aの真紅と3-Fの雛苺は同時に勝った!と思い込んだ ローゼン「3-B、蒼星石先生でした」 しばしの沈黙・・・そして真紅と雛苺の叫び、陸上部1の涙・・・ 事は5分前に遡る もう動けないという感じで突っ込んできた陸上部1、そして後ろから雪華綺晶にタックルされローゼンを教室に捨てる事になる・・・ しかし、陸上部1が見たのは3-Aの教室ではなかった・・・なぜか隣の3-Bの教室であった・・・ 陸上部1は最後に何故?とだけ思い限界まで走り続けた為に崩れ落ちる それに対して慌てた様子で話しかける偵察に行っていた陸上部4 陸上部4「なんでここに走ってきたんだ・・・?」 しかし、呼吸が苦しいのか陸上部1は答えない、それを見て続ける陸上部4 陸上部4「戻ってきたら教室には誰も居ないから真紅先生がどこに行ったか隣の蒼星石先生に聞きに俺はここに来たんだが・・・」 その一言で目の前が真っ白になる陸上部1・・・ そして雪華綺晶との戦闘から目が覚め教室に待機していた蒼星石は未だに状況がつかめず、目をパチクリさせるだけだった そんな中意識が戻るローゼン ローゼン「う・・・んん・・・おや・・・・蒼星石先生ですか・・・見たところここは3-B、つまり今回の勝利は蒼星石先生ですか」 起きてからわずか5秒で状況を把握するローゼン、とても意識を失っていたとは思えない状況適応力だ 蒼星石「い・・いえ、僕は・・・・」 それに対してまだ状況が判らない蒼星石は返そうとするが・・・ ローゼン「まぁまぁ、いま放送しますからお待ちください」 と、いいポケットからマイクを取り出した ローゼン「えー・・・今回の鬼ごっこの勝者は・・・」 コホンと一息入れる・・・そして勝者の名前を放送した ローゼン「3-B、蒼星石先生でした」 この直後、取り押さえられていた雪華綺晶が取り押さえていた生徒をなぎ払いローゼンに思いっきりフックを入れローゼンの意識はまた失われた この後ローゼンは雪華綺晶に殴られ続け、医者から全治3ヶ月を言い渡されるが僅か1週間後には学校に戻ってきていた かくして、ローゼンの鬼ごっこは3-B蒼星石の勝利で幕を閉じた・・・ 後日談 優勝したのは蒼星石だが彼女は自分の為に賞金は使わず、全校生徒の為に壊れた校舎の工事に戦車の撤去にその賞金をあてたそうな [[おにごっこ、真のエンディング]]

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