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球技大会~決勝戦G雪華綺晶vsE金糸雀~-ドッヂボール-」(2006/03/22 (水) 23:06:23) の最新版変更点

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   ついに、ついにその時がやってきた。    私立有栖学園球技大会決勝戦の始まりである。 ローゼン「諸君!ついに決勝だ!待ちかねただろう!      では決勝を戦う両クラスの入場だ!!」  アナ「Aブロック代表、目の前の敵は全て薙ぎ払う雪華綺晶先生率いるG組!!」    「「「「「うおぉぉぉぉぉ!!!」」」」」  アナ「Bブロック代表、楽してズルするがモットー金糸雀先生率いるE組!!」    「「「「「うおぉぉぉぉぉ!!!」」」」」    各クラスが紹介されるたびに怒号のような歓声が響き渡る。 ローゼン「両クラスの紹介も終わったところで種目決めのクジを引くぞー!      大注目の決勝の種目は…これだぁ!!」    つ「ドッジボール」    「「「「「おおぉぉぉぉ!!!」」」」」    種目が発表され再度怒号が響き渡る。   金「100万円は渡さないのかしらー!絶対勝つのかしらー!」   雪「それはこちらも同じ…さぁ、行きましょう」    両クラスがグラウンドの方に移動しようとすると、ローゼンが話し出す。 ローゼン「こらこら、競技が始まるというのにどこへ行く?」    ローゼンの言葉の意味がわからない2人。とりあえず質問に答える。 金・雪「「どこって、コートに…」」 ローゼン「誰がコートがグラウンドにあると言った?コートはあれだぁ!!」    ローゼンが指差す先には校舎があった。 金・雪「「まさか…」」 ローゼン「その通り!決勝のドッジボールは校舎の中で行う!」    「「「「「「ええぇぇぇぇぇぇーーー!!!!!」」」」」」    今日1番の怒号が響き渡った。    生徒があっけにとられている中、ローゼンはルールを説明し始めた。 ローゼン「コートは校舎の中全体、だが一歩でも校舎の外にでれば失格だ。      メンバーは各クラス5人ずつ選んでくれ。      先に相手を全滅させた方の勝ちとする。      ボールは各クラスに1個ずつ与える。ちなみに相手チームのボールも      使えるので、奪えば有利になるだろう。だいたいこんなもんだ。      では、今から二十分後に開始する。両クラス準備にかかってくれ」    それぞれのクラスはメンバーを選び、校舎内の指定された初期配置につく。    金糸雀のE組は1階の科学教室、雪華綺晶のG組は3階の音楽室ということだ。    作戦を練る両クラス…   雪「決勝まで来たといっても所詮相手は金糸雀率いる烏合の衆。     我がクラスの相手ではない…一気に決めるぞ!」    「「「「サー!イエス!サー!」」」」    こちらは士気が高いながらも楽勝ムードが漂っている。一方…   金「マ、マズいのかしらー…楽して勝つ方法はないのかしらー…」    そんな金糸雀に声をかける生徒がいる。一回戦で金糸雀とペアを組んだ五十嵐だ。 五十嵐「先生!今回ばかりは楽することは出来ないと思います。     しかし、勝つことなら出来ます!」   金「そうなのかしらー…楽できなきゃ勝てるわけ……えっ!?」    五十嵐の発言に驚く金糸雀。   金「そんなことできるはずないかしらー。だって敵はあの雪華綺晶なのかしらー」    金糸雀の反論は当然のことである。しかし、五十嵐の顔は自信満々である。 五十嵐「できますよ、俺たちの団結力と金糸雀先生の腕があれば……」    そういって五十嵐はクラス全員を集め作戦を説明する。それを聞き終わって、   金「それならいけるのかしらー!でもそううまくいくのかしらー?」 五十嵐「やらなきゃやられるんです。仕方がありません」    そういって準備にとりかかるE組。    一体どうなってしまうのだろうか…    ピピーーーーーー!!    ローゼンの開始を告げるホイッスルが鳴り響いた。   雪「よし!出撃!」    そういって音楽室を飛び出す雪華綺晶チーム。一気に階段を駆け下りる。    そして、化学教室の前にたどり着く。   雪「突入…」    ドアを開け中に入る雪華綺晶チーム。すると中にはもやが漂っていた。   雪「こ、これは…」    雪華綺晶が唖然としているとそのもやの中に人影が見えた。    となりでボールを持っていた生徒が    「そこか!」    といって振りかぶる。   雪「ま、待て!」    雪華綺晶の静止も空しくボールは飛んでいった。しかもボールは人影をすり抜けた。    「な、何で…」   雪「おそらくホログラフよ」    身構えながら雪華綺晶がいう。そして、    「うわっ」    「いてっ」    「ぎゃっ」    周りからあがる声。   雪「くっ、いったん教室から出ろ!」    そういって教室を出る雪華綺晶。すぐにあたりを見渡す。    すると廊下を逃げていく人影があった。しかも、左右両方に。   雪「チッ、片方だけでも…」    愛用のPSG-1で狙いを定める雪華綺晶。    カチッ  ズキューン  ガツッ    放たれたチョークは見事逃げていく生徒に直撃し、気絶させた。    ボールを拾いにいき、クラスの様子を見る。   雪「残ったのは…」  羽田「私だけであります…」    そう答えたのは射撃部の生徒で雪華綺晶の忠実な右腕の羽田であった。   雪「すまない…私が油断したばかりに…」  羽田「落ち込まないでください。まだこれからですよ」   雪「そうだな…ここからは全力でいくぞ!」  羽田「ハッ!」    雪華綺晶達の反撃が始まった。   金「遅いのかしらー。大丈夫なのかしらー」 五十嵐「あいつらなら大丈夫ですよ…多分…」    ドタドタドタッ   ガラッ    「はぁはぁはぁ…木村はダメらった…」   金「そう…でもあなたが残ってくれてよかったかしらー」 五十嵐「ほんとよかったよ。で、首尾は?」    「雪華綺晶先生と羽田は無理らった。他の3人はしとめたれ」   金「ホント!?よくやったのかしらー!これも五十嵐の作戦のおかげかしらー」 五十嵐「こんなにうまくいくとは思ってませんでしたけどね」    三十分前…   金「で、どんな作戦なのかしらー」    五十嵐に作戦の内容を尋ねる金糸雀。五十嵐が話し始めた。 五十嵐「いいですか、おそらく雪華綺晶先生たちは油断しているはずです。     そこをつきます。金糸雀先生ここにドライアイスはありますか?」    金「ええ、明日実験で使うつもりだったから大量に買い込んであるのかしらー」 五十嵐「じゃあそれを教室中に置いてください。そして………」    五十嵐の作戦を大まかに説明すると、ドライアイスで目くらましをする、    ライトと紙で人影の幻影をつくる、2人で仕留めるという感じである。 五十嵐「2人に注意してもらいたいのは雪華綺晶先生が教室から出たら     2人もすぐに出ることだ。中にいると手榴弾でやられるから」    「わかった!」    「まかせとけ!」 五十嵐「あと、教室をでたら別々の方向に逃げること。     まとまっていると狙い撃ちにされるから」   金「2人ともがんばるのかしらー」    「「はいっ」」    そして逃げ切った生徒が来たのが集合場所の2-5の教室である。   金「これからどうするのかしらー?」 五十嵐「そうですねー…」    4人が話し合っていると突然窓の外に人影が現れた。雪華綺晶だ。   金「えっ!?」 五十嵐「マズイ!!」    雪華綺晶は窓を割り、煙玉を投げ入れた。    ガシャーン      ボムッ   金「ゴホッ、ゴホッ何も見えないのかしらー」    煙だらけになる教室。すると、入口から誰か入ってくる音がする。   金「ゴホッ、どうするのかしらー」 五十嵐「反対側のドアから逃げましょう。例の物を忘れずに」   金「でもうまく逃げれるのかしらー」    すると、    「先生、ここは俺たち2人が抑えます。」    「五十嵐!先生は任せたれ」    2人の生徒が壁になる。 五十嵐「スマン、頼んだぞ」    金糸雀を脇に抱え教室を飛び出す五十嵐。   金「あの子達はどうするのかしらー!?助けにいかないと…」    生徒の身を案じる金糸雀。しかし、 五十嵐「あいつらの死を無駄にしちゃだめです!いいですか!?」    まぁ、実際死ぬわけではないのだが…   金「うぅ、わかったのかしらー」    泣く泣くあきらめる金糸雀。その手には風呂敷包みがあった。   雪「奴らの位置はわかったか?」  羽田「はい、現在2-5の教室に潜伏中です」    金糸雀達の作戦で2人になってしまった雪華綺晶チーム。    しかし、2人になっても雪華綺晶達の闘志が衰えることはなかった。    作戦を立てる雪華綺晶。   雪「よし、私が屋上から降下して教室に煙幕を張る。     お前は教室の外に待機して、私が突入したらお前も突入しろ」  羽田「了解しました」    そして…    ガシャーン  ボムッ    「~~~~~~~!」    「―――――――!」    ・・・・・・・   雪「仕留めたのは2人か…」  羽田「これで2対2ですね」   雪「よし、校舎内を探すぞ」    校舎内を回る2人。しばらく歩き回ると、   雪「ん?……なにかいいにおいがする…」    突然そう言い出す雪華綺晶。   雪「こっちから…」    においの方向に歩き出す雪華綺晶。羽田にはこれが罠だとわかった。  羽田「司令官殿!これは罠です!行ってはなりません!」    しかし、羽田の声はすでに雪華綺晶には届いていなかった。    なぜなら雪華綺晶は今日昼ごはんを食べていなかったからだ。    本当なら薔薇水晶が持ってきて一緒に食べる予定だったのだが、    薔薇水晶はクラス全員でラーメンを食べにいってしまったので    雪華綺晶の昼ごはんは抜きになったということだ。   雪「ご飯…ご飯…ご飯…」    もう雪華綺晶の頭の中には食べることしかなかった。    においをたどり廊下の角を曲がるとそこにいかにも怪しく弁当箱が置いてあった。   雪「見つけた…」    嬉しそうに弁当に近づく雪華綺晶。それを力ずくで止めようとする羽田。    しかし、雪華綺晶は止まらない。どんどん弁当に近づく。    そして、弁当に手をかけた瞬間…   金「ここまでくれば大丈夫かしらー」 五十嵐「はぁ、はぁ、そうですね」    2人を犠牲にして逃げ切った金糸雀と五十嵐。最後の作戦を立てる。 五十嵐「最後の作戦は…わかっていますね?」   金「わかってるかしらー。でもそんなことして大丈夫なのかしらー?」 五十嵐「雪華綺晶先生に勝つにはそれしかないんです」    よほどの作戦なのだろう。五十嵐の顔にもためらいが見える。 五十嵐「そろそろです。行きますよ」   金「行くのかしらー」    そういって2人は弁当を設置しにいく。弁当を置いた2人は少し離れる。    そして…   金(きたのかしらー)    だんだんと弁当に近づく雪華綺晶。そして雪華綺晶が弁当に手をかけた瞬間、    ドカーーーーン    弁当が爆発した。いや、正確にいうとさせたのだ。    金糸雀が化学の知識を活かして火薬を調合して弁当に設置しといたのだ。   金「…さすがにやりすぎではないかしらー…」 五十嵐「そうっすねー…さすがにこれは…」    2人の思っていた以上の威力だったようだ。   金「様子を見に行くのかしらー」    爆発跡に近づく金糸雀と五十嵐。すると、煙の中からボールが飛んできた。 五十嵐「うぼぁ!!」    そのボールは五十嵐のみぞおちにクリーンヒットした。   金「えっ!?えっ!?」    何が起こったのかわからない金糸雀。煙が晴れていく。    そこにいたのは服がボッロボロになった黒焦げの雪華綺晶だった。    その眼は怒りに燃えていた。   金「あわわわわわわわ…」    完全にビビっている金糸雀。声をかける雪華綺晶。   雪「よくも…よくも私の弁当を…」    自分の体とかよりも弁当優先なのは雪華綺晶らしい。    しかし、金糸雀にはそんなことを考えている余裕はなかった。   金(このままだと確実に殺されるのかしらー。三十六計逃げるにしかずかしらー)    そう思い逃げ出す金糸雀。    後ろからワルサーP38を持った雪華綺晶が追いかけてくる   雪「逃がさない!」    後ろから次々と弾が飛んでくる。チョークではない。実弾だ。   金「ヤ、ヤバイのかしらー。このままだと…死んでしまうのかしらー」    実際、金糸雀の体を何発も弾がかすっている。そして、目の前は行き止まり。    壁に背中を合わせ雪華綺晶のほうを向く。じりじりと自分の方によってくる。   雪「さぁ…覚悟はいい?」    そういって銃口を金糸雀にむける雪華綺晶。何かないかとポケットを漁る金糸雀。   金「な、何かないのかしらー…あっ!これは!」    そういって取り出されたのは    自分の昼ごはんの残りのゆで卵だった。   金「え~い!やけくそかしらー!!」    そういってゆで卵を雪華綺晶にむけて投げる金糸雀。    突然飛んできたゆで卵に驚く雪華綺晶。   雪「えっ!?何!?」    そしてそのままゆで卵は雪華綺晶の口に飛び込んだ。   雪「んんーーんーー………………」    バタッ    悲鳴にならない声を上げて倒れる雪華綺晶。それを呆然と見つめる金糸雀。   金「た、助かったのかしらー……寿命が5年は縮まったのかしらー…」    そういってボールを雪華綺晶に当てる金糸雀。    こうして壮絶な決勝戦は幕を閉じた。

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