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「うぅ・・・ここは一体何処ですかぁ・・・」 よくわからない路地に入り込み、迷子になってしまった翠星石。 何故こんな場所にいるのかというと・・・それは1時間ほど前にさかのぼる。 「全く、今日も暇ですぅ・・・休暇とかもらったってすることないですぅ・・・」 あまりに暇なので散歩をしていた翠星石、ウインドウショッピングでもしようと商店街に向かっていた。 ふと、見慣れた制服が彼女の目に付いた。 「おかしいですぅ、今日は通常授業のはずですぅ」 「追いかけて叱ってやるですぅ!」 翠星石は生徒を追っていたのだが・・・結局迷子になってしまった。 「困ったですぅ・・・携帯の充電も切れちまってるですぅ・・・」 翠星石の目にはうっすらと涙が浮かんでいる。 ちなみに翠星石は寂しがりだ、生徒を追いかけたのも寂しさを紛らわせるためだったのだ。 普段は周りの人にいたずらばかりしているが、それは不器用な翠星石なりのコミュニケーションである。 だが、それを知っているのは教師陣のみ、故に翠星石は教師陣以外の友人がほとんどいない。 「翠星石はここで孤独死しちまうですかぁ?」 翠星石はその場に座りこんでしまい、そのまま泣き出してしまった。 その翠星石に近づくひとつの人影。 「どうしたんだい?」 その人影は優しく翠星石に声をかける、だが翠星石は返答しない。 「全く・・・僕って事に気付いて欲しいよ」 「ふぇ・・・?・・・そ、蒼星石・・・?」 蒼星石に抱きつく翠星石、頭を撫でてやる蒼星石。 「なんでこんなところで泣いているんだい?」 「迷子になってしまったですぅ・・・全部あの生徒がわりぃんですぅ・・・」 「あの生徒?まぁ、それはいいとして・・・こんなところにきたら迷子にもなるよ」 ここは翠星石の自宅から4キロほど離れた場所だったのだ。 蒼星石がバイクの部品を買いにこの道を通らなければ、おそらく翠星石は帰れなかっただろう。 ちなみに、翠星石が蒼星石に聞いた話によると、その日、休んだ生徒は一人もいないそうだ。 あの生徒はなんだったのか、それを知る術はない。 「・・・という事があったですぅ」 「ぜったいうそなのー!!」「かしらー!!」 いるはずのない生徒を見た話を翌日職員室で話す翠星石。 だが、それを信じる人は誰もいなかった。 「真紅はどう思うかしらー?」 「真紅ならお休みなのー、校長に休みをもらってたのー!」 ローゼンの思いつきの行動、今回は教師の休暇をローテションで与えるというものだった。 教師一同は喜んだ、休みがもらえて、給料も貰える。ただ、ラプラスは最近毛が薄くなってきてるようだ。 「絶対、絶対!翠星石は嘘なんかついてねぇですぅ!」 翌日・・・ 机の上で仕事をしていた翠星石に真紅が近づいてくる。 「翠星石、私も見たのだわ・・・」 「ほら、翠星石の言った通りですぅ!」 真紅はくんくんのグッズを買いに行ってる時に見慣れた制服を見たらしい。 その時はまだ翠星石の話を知らなかったので、何も考えずその生徒を追いかけてみたそうだ。 その結果、見たこともないところで迷い、困り果て、携帯で水銀燈を呼んだそうだ。 「全くぅ・・・真紅ったら面白いのよぉ?顔面蒼白とはまさにあれのことねぇ、そういえば今日は蒼星石は休みなのぉ?」 真紅の話を聞いて何故か胸騒ぎがした翠星石は携帯で蒼星石に連絡を取る。 とぅるるるる、とぅるるるる、がちゃ 「はい、蒼星石だけど・・・」 「無事でよかったですぅ・・・」 「ん?何かあったのかい?」 翠星石は真紅と自分の話に共通してる事を蒼星石に教える。 休みの日だったこと、生徒は一人も休んでいないこと、その生徒を見たときに周りに人はいなかったこと、いつの間にか生徒を見失っていたこと。 そして、今日も生徒は一人も休んでいない事。 「は、はは・・・ま、全く・・・僕がそんなこと、気にす、すると思っているのかい?  ま、まぁ仕事も溜まってるし、す、すぐに学園にい、いくよ」 蒼星石の声は誰が聞いてもわかるほど震えていた。 そして、蒼星石が学園に来る途中で見慣れた制服を見て、泣きそうになりながら学園に来たのだった。
「うぅ・・・ここは一体何処ですかぁ・・・」 よくわからない路地に入り込み、迷子になってしまった翠星石。 何故こんな場所にいるのかというと・・・それは1時間ほど前にさかのぼる。 「全く、今日も暇ですぅ・・・休暇とかもらったってすることないですぅ・・・」 あまりに暇なので散歩をしていた翠星石、ウインドウショッピングでもしようと商店街に向かっていた。 ふと、見慣れた制服が彼女の目に付いた。 「おかしいですぅ、今日は通常授業のはずですぅ」 「追いかけて叱ってやるですぅ!」 翠星石は生徒を追っていたのだが・・・結局迷子になってしまった。 「困ったですぅ・・・携帯の充電も切れちまってるですぅ・・・」 翠星石の目にはうっすらと涙が浮かんでいる。 ちなみに翠星石は寂しがりだ、生徒を追いかけたのも寂しさを紛らわせるためだったのだ。 普段は周りの人にいたずらばかりしているが、それは不器用な翠星石なりのコミュニケーションである。 だが、それを知っているのは教師陣のみ、故に翠星石は教師陣以外の友人がほとんどいない。 「翠星石はここで孤独死しちまうですかぁ?」 翠星石はその場に座りこんでしまい、そのまま泣き出してしまった。 その翠星石に近づくひとつの人影。 「どうしたんだい?」 その人影は優しく翠星石に声をかける、だが翠星石は返答しない。 「全く・・・僕って事に気付いて欲しいよ」 「ふぇ・・・?・・・そ、蒼星石・・・?」 蒼星石に抱きつく翠星石、頭を撫でてやる蒼星石。 「なんでこんなところで泣いているんだい?」 「迷子になってしまったですぅ・・・全部あの生徒がわりぃんですぅ・・・」 「あの生徒?まぁ、それはいいとして・・・こんなところにきたら迷子にもなるよ」 ここは翠星石の自宅から4キロほど離れた場所だったのだ。 蒼星石がバイクの部品を買いにこの道を通らなければ、おそらく翠星石は帰れなかっただろう。 ちなみに、翠星石が蒼星石に聞いた話によると、その日、休んだ生徒は一人もいないそうだ。 あの生徒はなんだったのか、それを知る術はない。 「・・・という事があったですぅ」 「ぜったいうそなのー!!」「かしらー!!」 いるはずのない生徒を見た話を翌日職員室で話す翠星石。 だが、それを信じる人は誰もいなかった。 「真紅はどう思うかしらー?」 「真紅ならお休みなのー、校長に休みをもらってたのー!」 ローゼンの思いつきの行動、今回は教師の休暇をローテションで与えるというものだった。 教師一同は喜んだ、休みがもらえて、給料も貰える。ただ、ラプラスは最近毛が薄くなってきてるようだ。 「絶対、絶対!翠星石は嘘なんかついてねぇですぅ!」 翌日・・・ 机の上で仕事をしていた翠星石に真紅が近づいてくる。 「翠星石、私も見たのだわ・・・」 「ほら、翠星石の言った通りですぅ!」 真紅はくんくんのグッズを買いに行ってる時に見慣れた制服を見たらしい。 その時はまだ翠星石の話を知らなかったので、何も考えずその生徒を追いかけてみたそうだ。 その結果、見たこともないところで迷い、困り果て、携帯で水銀燈を呼んだそうだ。 「全くぅ・・・真紅ったら面白いのよぉ?顔面蒼白とはまさにあれのことねぇ、そういえば今日は蒼星石は休みなのぉ?」 真紅の話を聞いて何故か胸騒ぎがした翠星石は携帯で蒼星石に連絡を取る。 とぅるるるる、とぅるるるる、がちゃ 「はい、蒼星石だけど・・・」 「無事でよかったですぅ・・・」 「ん?何かあったのかい?」 翠星石は真紅と自分の話に共通してる事を蒼星石に教える。 休みの日だったこと、生徒は一人も休んでいないこと、その生徒を見たときに周りに人はいなかったこと、いつの間にか生徒を見失っていたこと。 そして、今日も生徒は一人も休んでいない事。 「は、はは・・・ま、全く・・・僕がそんなこと、気にす、すると思っているのかい?  ま、まぁ仕事も溜まってるし、す、すぐに学園にい、いくよ」 蒼星石の声は誰が聞いてもわかるほど震えていた。 そして、蒼星石が学園に来る途中で見慣れた制服を見て、泣きそうになりながら学園に来たのだった。 真紅達が制服姿の人を初めて見た時から一週間が経っていた。 その間も目撃談は後を絶たず、その度に職員室が大騒ぎだった。 水銀燈は煙草を吸おうと思い、職員室を出て、屋上に向かう途中でラプラスを見かける。 「はぁ・・・全く、あの馬鹿校長は何を考えてるかわかりません・・・」 「あらぁ?お疲れじゃないぃ、どうしたのぉ?」 「あの馬鹿校長、皆さんに休暇を与えると同時に、私の隙を見てこの学園の制服を着用してたびたび出かけているのです」 「それってぇ・・・」 水銀燈はラプラスに聞いた話を職員室に帰って真紅達に聞かせる。 真紅達は最初は普通に話を聞いていたのだが、少しずつ、怒りの表情を露にする。 「あの制服姿の人を追うためにくんくんグッズを水溜りに落としてしまったのだわ、これも校長のせいなのだわ」 「あの馬鹿校長、翠星石が泣いてるところを見てきっと笑ってやがったですねぇ!絶対許さないですぅ!!」 「流石に今回ばかりは僕も我慢できないね、最近夜も満足に眠れない日々が続いていたし」 4人は職員室を出て、校長室のドアをノックせずに開ける。 「ん?なにかね?休暇が欲しいのか~い?」 おどけているローゼンを無視し、4人でローゼンを囲む。 「一体どうしたんだ~い?おしくらまんじゅうか~い?」 ローゼンは自分にこれから起こる出来事など全く予想できていないのだろう。 「翠星石は・・・久しぶりに本気で怒ってるですぅ!」 「くんくんグッズの恨みは怖いのだわ!」 「睡眠時間が取れなかったせいで授業に影響が出てしまったよ・・・!!」 「私はぁ・・・直接的な恨みはないけどぉ・・・便乗しとくわぁ」 その日、ローゼンの叫び声が真夜中まで聞こえたという・・・。

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