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球技大会~一回戦第一試合G雪華綺晶vsF蒼星石~-野球-」(2006/03/20 (月) 23:16:29) の最新版変更点

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   さっそくグラウンドに移動する両クラス。    それぞれベンチに行きオーダーを決める。    ローゼンが決めたルールで教師は必ず出場しなくてはならない。    というわけで雪華綺晶は1番センター、    蒼星石は3番ピッチャーということになった。    ベンチの前で円陣を組む蒼星石サイド。   蒼「いきなり野球になっちゃったけどボク達のチームワークなら大丈夫!     絶対勝とうね!」    「「「はいっ!」」」     さすがは蒼星石。生徒達の動揺を拭い去る。一方、   雪「いいか!敵はあの蒼星石だ!気を抜くな!」    「「「サー!イエス!サー!」」」    こちらもさすが、夏休み中に射撃部以外の生徒も訓練したのだろう、    生徒の顔には真新しい傷ができている。    「集合!」    集合の合図がかかる。ベンチから飛び出す両チーム。   蒼「お手柔らかにたのむよ、正々堂々と戦おう」   雪「ええ。でも忘れないで、ここは戦場よ」   蒼「物騒だなぁ」    会話をしながら握手を交わす2人。しかし蒼星石はまだ気づいていなかった。    この会話が後々現実となることに…    先攻はG組、後攻はF組となった。    ピュッ      バシッ    投球練習をする蒼星石。    さすが文武両道の蒼星石だけあってしっかりとしたフォームである。    球速は100㌔程度だろうか。そこそこ打ちやすそうだ。    投球練習も終わり、雪華綺晶が右打席に入る。    「プレイボール!」    熱い熱戦が始まった。    大きく振りかぶる蒼星石、足が上がる、投げる!    その球に雪華綺晶は驚く。    ビシュッ   バシィーン    投球練習の球とは大違いだ。スピードは130㌔後半ぐらいだろう。   蒼「こう見えて昔は草野球でならしたんだ。なかなかのもんだろう」    そういって打席の雪華綺晶を見る。すると、   雪「おもしろい…そうこなくては…」    再び構えなおす雪華綺晶。振りかぶる蒼星石、第二球、    ビュッ  ククッ    二球目はカーブだ。しかもなかなかのキレだ。しかし、    カキンッ    初見でそれをとらえる雪華綺晶。レフト線に打球が飛んでいく。    「ファール!」    打球はわずかに切れていった。ふぅと汗を拭う蒼星石。    再び振りかぶり、第三球、    ビュッ  バシィッ    「ストライ~ク!」    蒼星石の放ったボールはアウトローいっぱいに決まった。   蒼「よしっ!」   雪「くっ!」    雪華綺晶と蒼星石の初対決は蒼星石に軍配があがった。    その後のバッターも三振にきってとり、蒼星石は初回を三者三振で終えた。    一回裏、蒼星石チームの攻撃はすでにツーアウトになっていた。    雪華綺晶チームの投手は野球部の二番手ピッチャーでなかなかのものだ。    そして、蒼星石の打席、ゆっくりと左打席に入る。    構えた蒼星石の姿はあまりにも凛々しく、観客の女子が数名倒れるほどだった。    そして、その初球インローにきたストレートをライト前にはじき返した。   蒼「あれっ、打てちゃったよ」    そうおどけながら一塁ベースを小さくオーバーランする。    蒼星石の次のバッターは野球部の一番で単打に期待が持てる。   蒼(ここは盗塁だな…)    そう思いリードをとる蒼星石。そしてカウントがノーツーになった時、   蒼(安田君、走るよ)    バッターにサインを送る蒼星石。セットポジションに入るピッチャー。    足が上がる。   蒼(今だ!)    スタートを切る蒼星石。完璧なスタートだった。悠々と二塁に到達する。   蒼「安田君!思いっきり打っていいよ!」    そうバッターに声をかける。その期待に応え見事安田君はレフト前ヒットを放ち    蒼星石のチームは1点先取した。    その後、試合は両投手の好投で0-1のまま試合は7回まで進んだ。    7回表、雪華綺晶チームの攻撃は1番雪華綺晶からだ。    ここまで蒼星石はなんと完全試合をやっている。    右打席に入る雪華綺晶。振りかぶる蒼星石。    ビシュッ   バシィーン    雪華綺晶は目を疑った。蒼星石の球は今までの打席より球速が格段に上がっている。   蒼「ボクは尻上がりでね。このままいかせてもらうよ」    そう雪華綺晶に告げる蒼星石。すると、   雪「ふふっ、あはははははっ!」    いきなり雪華綺晶が笑い出した。どうしたんだと思い蒼星石が見ていると、   雪「ここまでやるとはね…」    そういうと雪華綺晶は付けていたリストバンドをはずし始めた。   雪「初めて敵に会えた・・・いい勝負をしよう」    はずしたリストバンドを放り投げる雪華綺晶。    リストバンドはドスンという音を立てて地面に落ちた。    そして左打席に入る雪華綺晶。今までにはない威圧感がある。   蒼「くっ、雰囲気が全然違う。」    たじろぐ蒼星石。   蒼(ここは慎重にいかないと)    ビュッ  バシッ   「ボール」    1球はずして様子を見る。   蒼(手を出しても凡打になるギリギリを狙わないと)    3球目を投げる蒼星石。狙いは外角低め、狙い通りだ。それを打ちに行く雪華綺晶。   蒼(よしっ、打ち取った!)    そう思った蒼星石だったが、雪華綺晶はその上をいった。    雪華綺晶のバットはボールを芯で捉えた。打球はレフト方向に伸びていく。    そしてそのままフェンスを越えた。腕をつきあげダイヤモンドを1周する雪華綺晶。    試合は振り出しに戻った。    その後の打者はピシャリと抑えた蒼星石。1-1のまま7回裏の攻撃に入る。   蒼「追いつかれちゃったけど気を落とさないでいこう」    「「「はいっ!」」」    生徒の士気を高める蒼星石。一方…   雪「追いついたが油断するな!この回を死守するぞ!」    「「「サー!イエス!サー!」」」    相変わらずの雪華綺晶。さらにショートとセカンドの2人を呼び、   雪「よし、この回に『アレ』を実行する。準備にかかれ」    「「ハッ!」」    この回先頭の蒼星石はレフト前ヒットを放ち、ノーアウト一塁。   蒼(ここも盗塁しちゃおう)    そういって1打席目と同じく盗塁を試みる蒼星石。またもスタートは完璧だ。    しかし、二塁ベース上には誰もいない。ショートもセカンドも動く気配がない。   蒼「どうしたのかな?」    疑問に思いながら二塁を踏む蒼星石。すると、    カチッ   蒼「えっ!?」    ベースから音がしてあわてて足を離す蒼星石。そして次の瞬間、    ドカ~~~~ン    突然のことにあっけにとられる観客。そう、二塁ベースが爆発したのだ。    もちろん犯人はあの人…    「総司令官殿、作戦成功しました!」   雪「よろしい」    そして二塁付近の煙がはれると真っ黒焦げの蒼星石がいた。   蒼「けほっ…き、雪華綺晶先生…これは…や、やりすぎ…では…?」   雪「いったでしょ、ここは戦場。一瞬の油断が死を招くのよ」   蒼「そ、そんな…むちゃ…く…ちゃ……な……」    バタン    そういって倒れる蒼星石。担架で運ばれていった。    普通ならここで試合中止になるのだが、そのまま試合は続けられた。    なぜかって?ここは有栖学園だから。    その後試合は9回表に雪華綺晶の2打席連続ホームランで2-1とし    一回戦第一試合はG組が勝利した。

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