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翠&雛の調理実習」(2006/03/03 (金) 21:54:43) の最新版変更点

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翠「今日は親子丼を作るです。みんな、ちゃんと班で材料は持ってきやがったですか?」 雛「忘れたら大変なの~!先生にすぐに言うの~!」 いつも大抵クラスに一人か二人は材料を忘れてくる生徒がいるが、今日は一人もいなかった。上出来である。 翠「それじゃあ、手はしっかり洗ったですか?まずはお米を研ぐです」 翠星石は一番前の調理台で、生徒の模範になるように丁寧に米を研いだ。生徒たちもそれに続く。 雛「ごしごし丁寧に洗うの~♪ごしごしきゅっきゅなの~♪」 雛苺は、各班の調理台を移動しながら、間違いが無いか見回りをしていた。 雛「あ~!違うの~!お米は洗剤では洗わないの~!」 「え、そうなんですか…!?」 生徒が洗剤を入れる一歩手前で雛苺が止めに入った。 雛「ふぅ、危なかったの~。お米はね、水だけで洗うのよ」 翠「そんなことも分からないなんてとんだ間抜けですぅ」 翠星石がさらっと暴言を吐いたが、最早慣れたのか、生徒は聞き流した。 全ての班がなんとか無事に米を研ぎ終えたのを確認し、鍋に火をかけた。 翠「最初は強火で炊くです。途中で吹きこぼれますがここで慌てて火を止めないように! 吹き零れたら弱火にして15分くらい炊くです。その後に火を止めて10分くらい蒸すです」 ご飯を炊く間に、次の作業に移る。生徒たちの前で見本を見せながら作り方を説明する。 翠「・・・次はだしを作るです。雛苺先生、お願いするです」 それまで見回りばかりだった雛苺は、待ってましたと言わんばかりに調理台に立った。 雛「それじゃあ教えるの~!んと、先生が分けたつゆに、砂糖大さじ2、みりん大さじ4、しょうゆ大さじ6を加えるの」 生徒に見えるように調味料を加えてゆく。 雛「最後に、砂糖を大さじ2杯入れるの!ぱっぱっ…」 翠「ひ、ひぃーーーー!!雛苺先生!?それは塩です!」 雛「え?あーーーーーーーーー!!間違えたのー!!」 見ると確かに雛苺の入れたものは砂糖ではなく塩だった。しかし取り出すことはもちろん不可能である。 つゆは生徒に分けた今、残りは殆ど無い。 翠「どどど、どうするですか!?もう作り直しはできないですよ!?」 雛「う、うゅ…」 翠「本当にどうしようもない先生です!全く成長してないです!」 雛「だって、だってぇ!近くに塩が置いてあったんだものー!」 翠「言い訳するなです!」 本当に教師なのかと疑いたくなるほど程度の低い言い争いが始まった。 しかし、生徒にとってはこれはもはや家庭科の授業の風物詩であった。 中には、これを楽しみにする生徒さえいる。 翠「仕方ないです…。翠星石たちの親子丼は諦めるです…」 雛「えぇー!?」 翠「黙るです!雛苺先生のせいです!!」 雛「う、うゅ・・・」 翠「みんなはこんな失敗しちゃ駄目です!」 言われなくてもこんなコントのような失敗はしない。生徒たちは喉まで出てきたその言葉を必死に飲み込んだ。 結局、教師である翠星石と雛苺以外の親子丼は見事に成功した。 調理実習の失敗、それは即ち昼飯の損失を意味する。 翠星石と雛苺は昼を白米のみで過ごさなければならなくなった。 雛「うー、親子丼食べたかったのー」 翠「我慢するです」 すっかり意気消沈する二人の前に、一つの茶碗が差し出された。中には親子丼が入っていた。 恐らく、自分の分を減らしてまで翠星石たちのためによそったのだろう。 生徒「はい、親子丼。美味しいですよ」 翠「せ、生徒の分を食べるわけにはいかないです!自分で食べやがれです!」 生徒「本当にいいんですか?先生たち白米だけでしょ?僕はもうおなかいっぱいだから…」 翠「う…そ、そこまで言うんなら食べてやらんでもねーです!ほ、ほらよこしやがれで…」 雛「わー!親子丼なのー!嬉しいのー!」 雛苺は横から茶碗を受け取ると、一気に口に入れた。 雛「う~ん!!美味しいの~!!ありがとうなの~!!」 翠「ひ、雛苺先生!?なにしやがるですかぁ!!」 雛「うゅ?だって翠星石先生はいらないって言ったの」 翠「やっぱりもらおうとしたです!」 雛「でももう食べちゃったの」 翠「き、きぃいぃーーーーーーーーーーー!!もう許さないです!!」
翠「今日は親子丼を作るです。みんな、ちゃんと班で材料は持ってきやがったですか?」 雛「忘れたら大変なの~!先生にすぐに言うの~!」 いつも大抵クラスに一人か二人は材料を忘れてくる生徒がいるが、今日は一人もいなかった。上出来である。 翠「それじゃあ、手はしっかり洗ったですか?まずはお米を研ぐです」 翠星石は一番前の調理台で、生徒の模範になるように丁寧に米を研いだ。生徒たちもそれに続く。 雛「ごしごし丁寧に洗うの~♪ごしごしきゅっきゅなの~♪」 雛苺は、各班の調理台を移動しながら、間違いが無いか見回りをしていた。 雛「あ~!違うの~!お米は洗剤では洗わないの~!」 「え、そうなんですか…!?」 生徒が洗剤を入れる一歩手前で雛苺が止めに入った。 雛「ふぅ、危なかったの~。お米はね、水だけで洗うのよ」 翠「そんなことも分からないなんてとんだ間抜けですぅ」 翠星石がさらっと暴言を吐いたが、最早慣れたのか、生徒は聞き流した。 全ての班がなんとか無事に米を研ぎ終えたのを確認し、鍋に火をかけた。 翠「最初は強火で炊くです。途中で吹きこぼれますがここで慌てて火を止めないように! 吹き零れたら弱火にして15分くらい炊くです。その後に火を止めて10分くらい蒸すです」 ご飯を炊く間に、次の作業に移る。生徒たちの前で見本を見せながら作り方を説明する。 翠「・・・次はだしを作るです。雛苺先生、お願いするです」 それまで見回りばかりだった雛苺は、待ってましたと言わんばかりに調理台に立った。 雛「それじゃあ教えるの~!んと、先生が分けたつゆに、砂糖大さじ2、みりん大さじ4、しょうゆ大さじ6を加えるの」 生徒に見えるように調味料を加えてゆく。 雛「最後に、砂糖を大さじ2杯入れるの!ぱっぱっ…」 翠「ひ、ひぃーーーー!!雛苺先生!?それは塩です!」 雛「え?あーーーーーーーーー!!間違えたのー!!」 見ると確かに雛苺の入れたものは砂糖ではなく塩だった。しかし取り出すことはもちろん不可能である。 つゆは生徒に分けた今、残りは殆ど無い。 翠「どどど、どうするですか!?もう作り直しはできないですよ!?」 雛「う、うゅ…」 翠「本当にどうしようもない先生です!全く成長してないです!」 雛「だって、だってぇ!近くに塩が置いてあったんだものー!」 翠「言い訳するなです!」 本当に教師なのかと疑いたくなるほど程度の低い言い争いが始まった。 しかし、生徒にとってはこれはもはや家庭科の授業の風物詩であった。 中には、これを楽しみにする生徒さえいる。 翠「仕方ないです…。翠星石たちの親子丼は諦めるです…」 雛「えぇー!?」 翠「黙るです!雛苺先生のせいです!!」 雛「う、うゅ・・・」 翠「みんなはこんな失敗しちゃ駄目です!」 言われなくてもこんなコントのような失敗はしない。生徒たちは喉まで出てきたその言葉を必死に飲み込んだ。 結局、教師である翠星石と雛苺以外の親子丼は見事に成功した。 調理実習の失敗、それは即ち昼飯の損失を意味する。 翠星石と雛苺は昼を白米のみで過ごさなければならなくなった。 雛「うー、親子丼食べたかったのー」 翠「我慢するです」 すっかり意気消沈する二人の前に、一つの茶碗が差し出された。中には親子丼が入っていた。 恐らく、自分の分を減らしてまで翠星石たちのためによそったのだろう。 生徒「はい、親子丼。美味しいですよ」 翠「せ、生徒の分を食べるわけにはいかないです!自分で食べやがれです!」 生徒「本当にいいんですか?先生たち白米だけでしょ?僕はもうおなかいっぱいだから…」 翠「う…そ、そこまで言うんなら食べてやらんでもねーです!ほ、ほらよこしやがれで…」 雛「わー!親子丼なのー!嬉しいのー!」 雛苺は横から茶碗を受け取ると、一気に口に入れた。 雛「う~ん!!美味しいの~!!ありがとうなの~!!」 翠「ひ、雛苺先生!?なにしやがるですかぁ!!」 雛「うゅ?だって翠星石先生はいらないって言ったの」 翠「やっぱりもらおうとしたです!」 雛「でももう食べちゃったの」 翠「き、きぃいぃーーーーーーーーーーー!!もう許さないです!!」 ---- 家庭科。 雛苺「今日は、オムライスをつくるのー!」 翠星石「各班に、材料と用具を人数分配るからとりにきやがれです!」  他の授業とちがって、わいわいがやがやと賑やかな家庭科の時間。 JUM「おい、タケヤー」 タケヤ「なんだよ」 JUM「いや、それ今日の授業に関係なくないか?」  タケヤのもってる卸金を見てそういうJIM タケヤ「いいんだよ! ただのオムライスじゃつまらないからな! 創作して 翠星石「創作してどうするですか? ん?」  いつの間にかタケヤの後ろにいた、翠星石がやさしーく尋ねる。ただ、何故か顔の上半分が暗いのは気のせいだと思いたい。 タケヤ「……え、えーと」 翠星石「まぁ、創作するのもオッケーですよ。ただーし、先生も食べて点数つけるからちゃーんと食べれるモノにしやがれです」 タケヤ「う、うぃっす!」  タケヤの声に満足したのか、翠星石は違う班の様子を見に行った。 タケヤ「し、心臓とまるかとおもった」 JUM「……お前、自業自得だぞ。オッケーもらったからいいけどさ」  タケヤが、深呼吸している横でJUMため息をついた。 JUM「で? どうせ卸金って事は、卵に何か加えるんだろ?」 タケヤ「あ、あぁ」 JUM「なに加えるんだよ?」  すると、JUMの肩を誰かがたたく。JUMが、叩かれた方を向くと レン「コレだ」  レンが、持っていたのはメロン。見間違える事が実に難しい。何せ、メロン丸ごと持っているんだから。 JUM「………あ、俺先に作る」 タケヤ「なっ!? JUM! 卑怯だぞ!」 JUM「しるか!」 雛苺「なら、コレをいれるのー!」 JUM「ちょっ!? 雛苺先生!?」  JUMが、先に溶いていた卵に何か赤いモノを投入する雛苺。 JUM「ピ、ピンク色……な、なに入れたんですか、雛苺先生」 雛苺「もちろん!」 JUM「もちろん?」 雛苺「苺なのー!!」  元気いっぱいにそう答える雛苺に、JUMは頭を抱えた。俺、胃薬もってきてないぞ。一番最初に考えたのがソレである。 タケヤ「……まぁ、なんだ。JUM」 JUM「んだよ」 タケヤ「案外、美味いかも!」 JUM「お前、オムレツならまだいいけどよ。オムライスだぞ?」 タケヤ「あ゛」  二人そろって、額に漫画みたいな汗を浮かべる。  そんな二人を差し置いてレンはメロンを卸金で、おろして溶き卵に入れてるし。  他の班からも、似たような悲鳴が聞こえるのは、気のせいではないだろう。 翠星石「雛苺せんせーい!!! なぁに仕出かしやがるですかぁ!!!!!」 雛苺「苺は、絶対にいれるのー!! 美味しいのー!!」 翠星石「単品で食いやがれですぅ!!!!」  喧々諤々。  そりゃ、オムライスができた全ての班を見て回れば、ピンク色のオムライスの群れ群れ群れ。  見てるだけで、少し胸がむかついてしまった翠星石は、元凶の雛苺にそう叫ぶ。 翠星石「見事にミスマッチしまくりのこんこんちきですぅ! ケチャップに甘ったるい苺がぁ!!」 雛苺「? 美味しいの!」  ピンク色のオムライスを食べて、そうコメントする翠星石に対して美味しいとコメントする雛苺。 翠星石「お前ら! 不合格です! 点数つけるまでもないです!」  そりゃ、点数つけるまでもない。誰もがそう思った。 翠星石「だから、次の授業もまたオムライスを作りやがれです! 今度は、雛苺先生を見張っとくです!!」 雛苺「酷いのー! 絶対、苺入れた方が美味しいな~なの!」 翠星石「苺狂いジャンキーなチビチビは、黙れです!」  家庭科の調理授業の時は、いつもこんな感じだ。  JUMは人知れずため息をついた。

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