「蒼星石とチョーク」(2006/03/14 (火) 18:18:57) の最新版変更点
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蒼「ここは左辺を展開して、右辺に代入して~」
いつものように数学の授業をする蒼星石。
ふと、気付くと何か変な音がする。グーグーという音。
最初何の音かわからなかった蒼星石だったが、
ようやく理解した。いびきの音だった。
そして誰が寝てるのかと思い教室を見たが、
見渡す限り寝ている生徒は見当たらない。
それもそのはず、蒼星石のチョーク投げは百発百中で、
さらに当てられた生徒は膨大な量の課題を出されるのだ。
そんな授業で堂々と寝るものなどいない。
しかし、このクラスには座席の利を利用して眠るものがいた。
Hである。彼の席は真ん中の前から4番目の席で
それほど見つかりにくい訳ではない。
では、なぜ見つかりにくいのか?それは彼の前の席の人物に秘密があった。
その人物はK、身長195cm体重106㌔の超巨漢だった。
そのKの影に隠れてチョークもここなら当たらないだろうと思って
安心してHは眠っていた。
蒼星石も寝ているのがHだと気がついた。
蒼「はは~ん、寝ているのはH君か」
蒼星石は迷っていた。
蒼(ふつうに起こしてもいいんだけどなあ)
しかし生徒の間で「チョーク投げの鬼才」という通り名で
呼ばれている蒼星石の中に何か熱いものがこみ上げてきた。
蒼(ここで引き下がる訳にはいかない!)
Hの挑戦的な態度に蒼星石の闘志に火がついた。
蒼星石は黒板になにやら難しい計算をし始めた。
蒼「ブツブツ・・空気抵抗が・・角度は・・ブツブツ」
生徒は何が書かれているのかさっぱりわからなかった。
蒼「よし!これでいける!」
計算を終え声を上げる蒼星石。
チョークを手に取り、なにやら削っている。
蒼「できた!」
そういうと蒼星石は大きく振りかぶりチョークを投げた。
蒼「いっけぇー」
投げられたチョークはHの少し右を通るという角度で飛んでいった。
蒼「そこだっ!」
蒼星石がそういうとチョークはKを過ぎたあたりで急激に左に曲がった。
そしてHの頭に命中した。
H「いってぇ~」
そういって目を覚ますH
蒼「おはよう、H君。放課後、教務室まで来てね」
その日の放課後、Hは山のようなプリントを持って帰っていった。
そしてそれ以来、蒼星石の授業で眠るものはなかったという。
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