「蒼星石と女子高生2(書き散らし氏ver」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

蒼星石と女子高生2(書き散らし氏ver」(2006/03/12 (日) 00:56:23) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

 私は、今恋をしている。しかし、それは叶わない夢だと分かっている。 だけど、この思いをとめる事は出来ない。この思いをあの人に言えたのなら いまこの焦りに似た感情がどうにかなるだろうか? 悩む。 なやんでなやんでなやんで、その途中であの人の笑顔が浮かぶ。 もし、この事を告白したら、あの人はどんな表情をするだろうか? もどかしい。胸が苦しい。考えすぎて頭が痛い。だから、やっぱり 私は……行動する事にした。思いは話さなければ分からない。 何をしたいのか、言わなきゃ理解されないのと同じ。だから、私は話す事にした。 明日、放課後。この事を話そう……そして、私は目を瞑り眠りにつく。  黄昏色に染まる屋上。女子生徒と教師が一人。 「お話ってなんだい?」  教師は、真剣な表情をした女子生徒に笑みを浮かべてそう微笑む。 「………」  女子生徒は、教師を前にして無言ではあるが、言いたい事が喉に引っかかり言えず 女子生徒は何処か自分に対して苛立ちと不甲斐無さを覚えた。 それが、悔しかった。昨日言おうと決めたはずなのに、今の自分が情けなかった。 無償に、そう無償に涙が出た。  女子生徒の涙を見て、ギョッとする教師。 慌てて、女子生徒に近づき大丈夫かい? 何か辛い事でもあったのかい? と、優しい言葉をかける。 その優しい言葉が、痛い。痛くて余計に涙が出てくる。  無言で泣き続ける女子生徒。教師は、そんな女子生徒をそっと抱きしめた。 「蒼星石先生゛………」 「大丈夫だから………話してごらん?」 「でも゛……」  言いよどむ女子生徒。蒼星石は、自分の胸で泣く女子生徒の頭をやさしく撫でる。 「私……私……」 「うん………慌てなくてもいいからね?」  ぽんぽんと、あやす様に優しく女子生徒の背中を叩く蒼星石。 「私……先生の事が好きなんです」 「嬉しいなぁ」  女子生徒の言葉の意味を蒼星石は、分かっていた。だけど、あえて蒼星石はそう言った。 自分を教師として好いてくれているんだね? と…… 「違うんです……そう言う好きじゃないんです……」 「ん……恋愛対象として……だよね?」  蒼星石の言葉に、はい。と涙声で答える女子生徒。スッと、蒼星石は女子生徒の両肩に手を置いて 目線を合わせるために少しばかりかがむ。泣いている女子生徒の顔が、其処にある。 「僕はね……教師なんだ。君はね……僕の生徒なんだよ」 「は゛い゛……それでもそれでも」 「同じ性別の人を好きになる。それは、異性を好きになるぐらい普通の事だよ。でも、やっぱり君は僕の生徒なんだ」  遠まわしすぎる言葉。優しい蒼星石だから、女子生徒に遠まわしすぎる言葉をかける。 その優しさが何処か辛くて、女子生徒の瞳からはまたポロポロと涙が流れ出す。 「ごめんね……こんな僕で」 「……………」  しばらくの間、屋上には静寂。 「ありがとうございました」  蒼星石から、離れて女子生徒はそう言い頭を下げた。その表情は、何処か晴れ晴れとしていて 何処か吹っ切れたという表情をしている。  蒼星石は、そんな女子生徒にどう声をかけていいものか分からなかった。 「大丈夫です。私は先生が好きです。それは変わりません。だから、大丈夫です」 「…………」 「私は、生徒として蒼星石先生を教師として大好きです」 「うん」 「でも、蒼星石先生を『蒼星石さん』として恋していた私が居た事を覚えていて欲しいです」 「わかったよ」  二人は、笑顔を浮かべていた。  女子生徒が、もう一度先生に抱きしめてもらっていいですか? と尋ねると、蒼星石は顔を赤くしながらも良いよと答えた。  女子生徒が、蒼星石に抱きつき。蒼星石は、女子生徒を抱きしめた。 しばらくして、女子生徒は離れ「さようなら」と笑顔でそう言って屋上を後にする。 屋上には、蒼星石が一人取り残された。  空を見上げれば、もう太陽は沈み満月が浮かぶ夜になっていた。 「明日も、晴れそうだ」  蒼星石は、そう呟いて屋上を後にした。  そんな放課後の女子生徒と一人の教師のお話。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
目安箱バナー