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バレンタインデー」(2006/03/08 (水) 19:16:38) の最新版変更点

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今日は2月14日。そう、いわずもがなのバレンタインデー。 製菓会社の陰謀だの何だのいうが、結局は誰もが期待を抱く、そんな矛盾したイベント。 屋上に1人の女子生徒がいる。考え事してるのかぶつぶつ言いながらも、その手にはチョコがあるのだが・・・ 女子生徒「はぁ・・・、まったく何がバレンタイデーよ・・・。私はそんなお菓子会社の陰謀に加担すんのはゴメンだわ。」 が、持ってる物が物だけにその言葉には説得力がない。 女生徒「って、こんなもん持ってて言ってもねぇ・・・。けど、あいつには色々と世話になったしねぇ・・・。      い、一応、あげなきゃま、不味いわよねぇ・・・。まあ、時間がなかったからパパのお土産で代用だけど。      ・・・けど、どうやって渡そうかしら。先生達に見つかったら厄介なことになるのは目に見えてるし・・・」 そう、ここは私立有栖学園。成績優秀な生徒が集まる傍ら、その厳しい校則でも有名な学園なのだ。 いくら心弾む楽しいイベントでも、こんなものを学園に持ってきたとあれば最低お説教の一つは覚悟しなければならない。 女子生徒「やっぱ外で渡すのが一番かしらね。でも、早く渡さないと溶けちゃうし・・・。こんな時に真紅先生にでも見つかったら・・・」 赤鬼の生徒指導員の異名をとるあの真紅に捕まれば、お説教の一つでも軽く2~3時間はオーバーしてしまう。 紅茶を飲みながら優雅に長時間の説教など、そんなのは御免こうむりたい。 女子生徒「・・・やめよう、想像したくない。」 そりゃそうだろう、誰でも最悪の状況など想像したくないものだ。 女子生徒「うーん・・・、しかしなぁ、一応まだ冬だし鞄の中に入れてても溶ける・・・なんてこともないだろうし       やっぱリスクを考えて外で渡すのがベスト・・・かしらねー。・・・そうね、そうしましょう。」 彼女の脳内元老院がそう決断を下した・・・その矢先 雛「あー、こんな所で何してるのー?」 女子生徒「え?・・・うひゃあ」 と、思ってもみない来客に素っ頓狂な声を上げる女子生徒。 そして同時にチョコを鞄の中に押し込める。見た目お子様な雛苺といえど、これでも教師だからだ。 告げ口でもされようものなら、たまった物ではない。 女子生徒「な、なんだー?ひ、雛苺先生じゃないですか?先生こそどうしたんですか?」 雛「うぃ?雛はね、たまーに屋上でご飯を食べるのよ。天気がいい日は気持ちがいいんだからー。」 女子生徒「そ、そうなんですかー。そ、それじゃ私はこれで。」 これ以上、ここに居て変に勘ぐられても困る。早々に脱出を図る女子生徒。だが・・・ 雛「ところでー、今鞄の中に入れた物はなんなのー?」 女子生徒「(き、気付かれてた?!)は?いえ、あの、な、何のことでしょう?私にはさっぱりで・・・オホホホ」 雛「えー?!雛、凄い気になるー!!先生に隠し事はめっめっなのよー?」 しらばっくれようとしたが結局は無駄だったようだ。だが、それでも抵抗を諦めてないのか 女子生徒「うっ・・・。た、ただの生理用品ですよ?は、恥ずかしいじゃないですか?」 雛「うゆ?生理用品?・・・おかしいのー、それにしては物凄い慌て様だったの。」 こんな時に限って何でこうも察しがいいのか・・・どうしよう、逃げ出したい 雛「もし変な物だったら困るからー、一応見せてほしいのー。」 あー、何て最悪な展開なのだろうか・・・女子生徒は思った。 女子生徒「(も、もう逃げれないかー・・・。けど、雛苺先生だし見逃してくれるかも・・・。一か八か・・・)」 雛「先生にも見せられないの?」 と、上目遣いでウルウルとした目で女子生徒を見つめる雛苺。 女子生徒「(卑怯だ、この目は卑怯すぎるー!!)わ、わかりましたよー・・・。け、けどあまり人に言わないでくださいね・・・」 雛「わーい、約束するのー」 女子生徒「え、えっと、これ、なんですけどー・・・」 と、言いつつ鞄の中からチョコを取り出す女子生徒。 雛「あー、チョコなのー。・・・?あ、今日はバレンタインデーだったのー。だからなのね?」 女子生徒「あー、いや、まぁ、そうなんですが・・・」 と、恥ずかしそうに答える女子生徒。今までこういうイベントには力を入れてなかったのだろう。 雛「ふーん・・・、でも校則じゃこういうのを持ってくるのはめっなのよー?」 女子生徒「う・・・、いや知っていますけど・・・、でもですねー・・・やっぱねぇー」 やはり教師の手前バツが悪いのか、しどろもどろで答える。 雛「うーん、それじゃ、取引なのー。このチョコ一個くれたら見逃してあげるー。」 女子生徒「えー!!!」 驚くのも無理はない。教師たる者、このような取引を持ちかけることがおかしいのだ。 ましてや、ここは厳しい校則で有名な私立有栖学園。そんな取引を持ちかけられることすら思ってもみなかったことなのだから。 雛「ヒナねー、今ちょうど甘い物が食べたい気分なのー」 見た目に反して狡猾な取引を持ちかける雛苺 女子生徒「(き、きたねー)い、いや、でもこれはですねー、あの・・・」 雛「ふーん、そうなのー・・・、あ、真紅先生なのー!!おーい、真紅先生ー」 女子生徒「え!?う、嘘・・・、わ、わかりましたよー。あ、あげますからー」 これ以上、厄介な人物が来るのはどうしても避けたい。多少の犠牲は払うがここはしょうがない。 雛「え?ホント?!やったーなのー。あ、そういえばさっきの真紅先生は見間違えだったのー。」 女子生徒「(こ、このお子ちゃま先公がー!!)・・・・」 なんて先生なんだ、生徒を脅迫するとは。いくらこっちが悪いとはいえ・・・と女子生徒は思っていたが、ふとある事を思い出した。 女子生徒「(ん?そういやー、たしかこの中身、ウイスキーボンボンだったわねー・・・)」 そう、この娘の父親は辛党で甘い物など言語道断な味覚の持ち主なのだ。 そんな父親がたまーにウイスキーボンボンを買ってくることがある。今日はそれを失敬して持ってきたのである。 女子生徒「(ラッキー!!ふふふ、教師が生徒を脅迫するとどうなるか、思い知るがいいわ)        それじゃ雛苺先生、今空けますからちょっと待っててくださいねー。」 と、パッケージを雛苺に見られないように慎重に開封していく。ここでバレてしまっては元も子もない。 女子生徒「(ふぅ・・・何とか見つからなかったわー)それじゃ、先生お一つどうぞー。」 と言いつつ、雛苺にチョコを渡す。しかし、どう見てもその形はウイスキーボンボンだったが・・・ 雛「うゆ?変わった形のチョコなのー。」 女子生徒「ギクッ?!い、いやー、そ、それ外国のチョコなんですよ。日本のとはちょっと形が違うんですよー。」 苦しい言い訳である。しかし、ウイスキーボンボンなど見たこともない雛苺はそれを信じてしまう。 雛「わー、外国のチョコレートなのー!!凄いのー。」 女子生徒「(あ、あぶねー・・・)さ、先生。大胆に一口で行ってください。それは中にシロップが入ってるタイプですから・・・」 雛「うい。それじゃ、いっただきまーすなのー。」 パクっと可愛らしい擬音が聞こえてきそうな勢いで口の中にチョコを放り込む雛苺。 女子生徒「(くくく、成果はどうかしら?)先生ー、お味の方はどうですかー?」 雛「とっても美味しいのー・・・、それにー何だかーとっても気持ちよくなっれー・・・・」 と、段々舌足らずな声になっていく雛苺。元来、酒に弱いものがウイスキーボンボンなど食べればどうなるか・・・結果は目に見えてるだろう。 女子生徒「(あら?思ったよりも回りが早いわねー・・・)せ、先生ー、それとっても美味しいでしょう?」 雛「うゆー、うん、とれもおいひいのー。ほれに・・・うゆ?」 女子生徒「え?何ですか?何か・・・ってきゃー!!!!」 いきなり叫びだす女子生徒。それもその筈で・・・ 雛「えへへへー、おいひほうなうにゅーなのー。」 と、訳の分からない事を口走る雛苺。が、ここで解説すると雛苺の言ううにゅーは女子生徒の・・・ 女子生徒「ちょ、ちょっとど、どこ掴んでるんですかー?!そ、それは私の・・・」 言わずもがなの胸。元々、水銀燈には負ける物のそれなりのプロポーションを持つ彼女。 そんな彼女の胸を鷲掴みしながら、雛苺はそれをうにゅーだと言い張っているのだ。 もはや夜中の新橋さながらの光景である。 雛「えー?!雛、うにゅーも食べたい、食べたい、食べたーい!!」 もう、どうしようもない。女子生徒は雛苺にこんな物を与えたことを後悔していた。 女子生徒「ちょ、そこは、い、イヤー!!もう雛苺先生ー、これ以上はいくら何でも怒りますよ!?」 雛「よいれはないかー、よいれはないかー」 と、おっさんさながらの言葉を吐きながら胸を揉む雛苺。思春期の男子が見たら鼻血だけで出血多量死レベルの光景である。 どうしたものか?と女子生徒が思案を張り巡らす中、そこに救いの女神が現れる。 真紅「ちょっと、貴方達。そんな所で何を・・・って」 女子生徒「あ?!し、真紅先生ー。た、助けてくださーい!!!」 こんな所、あの真紅に見られたらという考えは今の女子生徒の頭の中には無い。早く、この騒ぎから抜け出すことのみである。 真紅「あ、貴方達・・・。こ、この神聖な学び舎でそんな不潔な・・・って雛苺先生??」 雛「あー!!こんろは苺なのー。美味しそうな苺なのー。」 と、苺なのは真紅がただ単に赤い服を着ているだけなのだが。そしてお約束道理、真紅の胸を揉みしだこうと行動に移す雛苺。 真紅「ちょ、ちょっと雛苺先生?貴方、よ、酔っているの?」 雛「うゆ?れもー、よくみららこんろの苺は何だかちっちゃいのー。まずそうらのー。」 真紅「なっ!?」 あの真紅も流石にその言葉の意図が読めたようで・・・ 真紅「ふ、ふふ、ふふふふ・・・。雛苺先生ー?それはどういう意味なのだわ?」 と、ニッコリと雛苺に問いかける真紅。 雛「うゆー、さっきのうにゅーのほうがおいひそ」 ・・・ガスッと鈍い音が響き、その直後何かが倒れる音がした。真紅がその答えを聞く前に、雛苺の首に手刀を叩き込んだのだ。 件の女子生徒はあまりの恐怖に隅っこの方で震えっぱなしである。そして、真紅が近づいていき 女子生徒「ひっ!!い、今のことはあ、謝りますからー。ど、どうかお、お許しをー!!」 真紅「今見たことは、何も、憶えて、いない」 女子生徒「な、なにも・・・お、憶えて・・・いない」 真紅「そう。何も憶えていないのだわ。」 女子生徒「何も憶えていません。」 真紅「そう。いい娘なのだわ。それじゃ私は後片付けをしなくちゃならないのだわ。先に行くのだわ。」 女子生徒「・・・・」 真紅は何をしたのか、それはもはや我々には想像も付かない。ただ一つ分かっているのは 哀れな女子生徒と、一つ減ったチョコだけがそこに取り残されたということだけ。 少したって。♪キ~ンコ~ン、カ~ンコ~ン♪ 女子生徒「・・・はっ?!わ、私、な、何でここに・・・。ん?あー!!チョコがー?!な、何で、つかどうしよう・・・       に、しても私なんでこんな所に・・・。うん?あー、嘘?!もう帰りのHR始まっちゃてるー?!       な、何?一体私に何が起きたのよー!!」 女子生徒の苦難は続く

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