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翠「そういや、オーベルテューレの放送日が、12月22、23日に決まったみたいですねぇ。北海道でも見れるですかねぇ? 見れるといいですねぇ……」
真「まあ、過剰な期待は抱かないほうがいいわね。トロイメントも放送されなかったのだし。自動保守の下僕は稼ぎが少ないから、BS-iなんて夢のまた夢だし」
銀「せっかくこの私が主役なのにぃ、DVD待ちだなんて、貧乏って切ないわぁ……」
俺「うっ、ううううっ……うわわわわわわわわーーーーんっ!!!!」
金「ああっ、ほらほらぁ、泣かない泣かないのかしらぁ。下僕は下僕なりに頑張っているんだもの。お天道様だって、いつかきっと報いてくれるに違いないのかしらぁ」
俺「ううううううっ、俺のことをわかってくれるのは、カナぁ、お前だけだよぉっ!!」
金「ああんっ、ほらぁ、みんな見ているのかしら……」
銀「はぁ……好きにやってろって感じぃ……」
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雪「……オーベルテューレの放送日が、12月22、23日に決まった……。出番、あるかな……?」
薔「……オーベルテューレの舞台設定は、19世紀のヨーロッパ……。どうせ私なんてっ、私なんて……!」
雪「……ああっ、ばらしー……!」
俺「あれれっ、どうしたの、きらきー? 何か顔色がよくないようだけど……?」
雪「……自動保守の人……。ううん、何でもない……。ただ……」
俺「ただ?」
雪「……ただ、いつものように、あなたの雄姿を見せて欲しい……。お願い、だから……!」
俺「ええっ!? 雄姿って言うと、そ、そのぉ……例の?」
雪「…………だめ……?」
雪華綺晶は、いつもの如く、瞳を潤ませ、俺を上目遣いでじっと見つめてくる。
親とはぐれた仔犬のような、仔猫のような、すがりつくような眼差し。
だめだっ、俺はこの目に抗えない……。
かくして、俺は、件の如く、堅く結われたロープの輪に首を通す。
雪華綺晶が、きらきらした目で見上げてくる。俺は、彼女の期待に応えずにはいられない。
がくんと、足元の床がすっぽ抜けた。と同時に、首根っこが、全体重に引っぱられる。
息ができなくなり、意識が遠のいた。
元々表情に乏しい彼女の、子供のようにはしゃいだ笑顔を最後に、俺の知覚は闇へと閉ざされていった。
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