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教科書が教えない歴史『エルトゥールル号』」(2006/10/10 (火) 20:36:30) の最新版変更点

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   日本史の授業で、一人の男子生徒がこう呟いた。 「あぁまた日本の悪口か」  と、それは当然の事。  教えられる歴史は、日本人が日本と言う国家に対し嫌悪感を  持つように仕向けられた歴史なのですから。  確かに、授業で教えられる歴史は真実です。  まぁ、嘘のような真実も教えられますが。  それ故に、男子生徒はそう呟いたのでしょう。  それを耳にしてしまったのは、我らが薔薇水晶。  日本史担当の教員である彼女は、いったん手を止めて少々考えました。 「では……教科書が教えない……歴史を勉強しましょう……」  考えた結果、薔薇水晶はそう告げました。  その言葉に、え? と、少々驚きの表情をする男子生徒とその他の生徒達。  ただ、JUMだけは…… 「結構為になるんだよなぁ……コレ」  などと、思って居たりします。まぁ彼は、薔薇水晶と色々と深いつながりがあるので  そう思っただけなのかもしれませんがね?  とにかく、薔薇水晶は自分の日本史の教科書を閉じ  黒板に書かれた文字を黒板消しで消した後  新たに、黒板に書き込み始めました。 【トルコ人が日本を好きになった理由】  と、黒板にかかれました。  この一文を見る限り、これのドコが教科書の教えない歴史なのか?  と、生徒達は首を傾げます。 「……では……説明しますね……」  そんな生徒達の様子を見て、口元にわずかな微笑みを浮かべながら薔薇水晶はそう告げます。 「トルコは、アジアとヨーロッパの中間に位置しています。  だから、トルコはアジアとヨーロッパの文化交流点となっています……」  黒板にトルコと書かれる。 「トルコの人々は、親日家が多いので、どこの国に行きたいですか? と尋ねれば十人中九人が日本と答えます」  トルコと書かれた下に、トルコの人=親日家が多い。と書かれる。 「こうなった、最初のきっかけは……エルトゥールル号の遭難と言う事件です……」  少々大きめに、エルトゥールル号の遭難と書かれる。 「十九世紀末……ごく最近の出来事ですが……丁度日本では、明治新政府が誕生……」  黒板に、十九世紀末とかかれ、日本は明治新政府誕生とかかれる。  そこに付け加える様に、オスマン・トルコ帝国とかかれ、日本と同じような立場とかかれる。 「天皇を中心とした新しい政府をつくる……その為に、政治や社会の改革……貴方達が習った明治維新がそれです……  その時のトルコも同じ様な立場でした……日本もトルコも同じ様に国内改革を進めていきます……  対外的にヨーロッパ列強に対して平等な扱いを認めさせようと努力……」  ヨーロッパ列強に認めさせようと努力と、トルコと日本から矢印が引っ張られる。 「当時のアブドル・ハミト二世は……明治天皇へ特派使節としてオスマン・パシャ提督を選び……日本へ派遣」  トルコから日本へと矢印が引っ張られ、特派使節の派遣と書く。 「トルコの使節団……総勢六百五十人……エルトゥールル号に乗り込み一年かけ遠路はるばる航海……  千八百九十年六月五日……横浜に到着……その時日本は、到着した一行を手厚く歓迎」  トルコ使節団六百五十人と書かれる。  「目的を果たした使節団一向は……丁度日本の台風シーズンである九月の十五日……帰国の途に着きます……  日本関係者は……台風の事もあり危険だと言い、帰国を遅らせるよういいましたが……  オスマン・パシャ提督は『私たちにはアラーの神の守られ、インド洋の荒波を越えてやって来たのです。  心配には及びません』と告げ、出航……」  台風シーズンに出国と書かれる。 「しかし……無事に国に帰ることは……できなかったのです……  エルトゥールル号は神戸に向かって航海中……台風に遭遇し……  和歌山県大島の樫野崎沖にて難破……そして沈没……」  台風直撃、エルトゥールル号難破・沈没と書き込まれた。 「オスマン・パシャ提督を含む……五百八十七人……半分以上が死亡……  生存者六十九名……その翌日未明……流れ着いた人々は……地元大島の村人に救われます……」  六百五十人とかかれたところに、五百八十七名死亡・六十九人生存と書かれる。  「この大惨事に……日本は、生存者の救助・介護・犠牲者の遺体・遺品捜索・エルトゥールル号の引き揚げ……  事後措置を官民あげて手厚く行ないました……義援金の募集が広く行なわれ……  樫野崎に慰霊碑も建てられました……生き残った六十九人は……  日本の軍艦「金剛」「比叡」により丁寧に送還……」  日本からトルコへ矢印がひかれ、生存者六十九名、金剛・比叡による送還と書かれる。 「イスタンブールの海軍博物館には……今も……エルトゥールル号の遺品や日本で作られた追悼歌の楽譜が展示されてます……  日本の手厚い事後措置に……トルコの人達は感激しました……  これ以来、今日までに日本とトルコは深い友情で結ばれているのです……  これが……教科書が教えない歴史の一つです……」  薔薇水晶が、そういい終わると丁度良く授業終了のチャイムが鳴る。 「あと……今度の試験で……これ出しますよ……」  との言葉に、ゲッと不味いものを食べたようになる生徒達。  慌てて、黒板にかかれた事をノートに書き込み始めた。  そんな日本史の時間。  後日の試験で、この問題が出され。  最後の方に「この事件を見て貴方はどう思いますか?」の質問に  日本の悪口か……と呟いた男子生徒はこう書き込みました。  「日本もまだまだ捨てたモンじゃない」  と……

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