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「緊急あげかしらーっ」 「それ……なんて揚げ物?」 「何でも食べ物に結びつけるなかしらー!」 翠「これが巾キュウ揚げですぅ。」 雪「何コレ?」 翠「巾着揚げの中にキュウリが入ってるですぅ。」 雪「む、(ボリボリ)・・・翠星石、キュウリにも味をつけてくれ・・・」 翠(ふぅ、他の人で試さなくてよかったですぅ・・・) 「ほしゅかしらー」 「それ……何てお酒?」 「だから何でも(ry 元「ほしゅ・・・補酒のことか?それなら少し待っていてくれ。」 元「これが『補酒』じゃ。戦時中は物価が高くてのぅ・・・アルコールが少ない酒しかなかったんだよ。」 雪「だが悪酔いしにくそうですね。戴いても宜しいですか?」 元「おぉいいぞ。今日はこれで酒盛りでもするか!」 雪「是非!」 ロ「酒かい?私も・・・」 ラ「仕事を終わらせてからにしろ!」 雛「きらきしょーーっ、ヒナも金キュウ揚げを作ってみたのっ。味見してなのーーっ」 雪「……………………えっ……?」 雛「どしたの? さっそく食べてみるのっ」 雪「……う、うん……(……何か、発音が引っかかったけど、きっと気のせい……)」  懐から愛用の箸を取り出す雪華綺晶。と、そこへ翠星石がやってくる。 翠「おーい、おめえらーーっ、金糸雀の奴は見なかったですかぁ?」 雛「ううん、ヒナ知らないのーーっ」 翠「全く、一体どこをほっつき歩いてんだか。校舎を上から下まで捜したんですよーっ。学園の外ですかねぇ?  雪華綺晶、おめーは知らないですか……って、どうしたです? 何だか顔が真っ青ですけどぉ」 雪「…………う、ううん、な、何でもない…………」  翠星石は、慌ただしく出て行った。 雛「さ、冷めないうちに食べてみるのっ」 雪「…………う、うん…………」  こんがり狐色に揚がった天ぷらを、一つ箸でつまみ上げる雪華綺晶。どうやら、たんざく切りにしたキュウリを、 何か弾力のある素材で包んであるらしい。 雪(……まさか……そんな、いくらなんでも……) 雛「どしたの? 今回のはヒナの自信作なのーーっ。据え膳食わないなんて、きらきしょーらしくないのっ。  ささっ、たーんと召し上がれなのーーっ。……ふふふふふふふふふふふふふふふふっ……」  雛苺の妖しげな微笑みに、雪華綺晶の思考が、ぐるぐると渦を巻く。 雪(……まさか……そんなことってっ……………………金糸雀先生、こんな変わり果てた姿に……  ……いくら私が、出されたものは残さず食べるのが身上だからって………………  ……で、でも、これを食べずに残してしまうと、金糸雀先生の尊い犠牲が、全くの無駄になってしまう……)  雪華綺晶は、意を決した。ごくりと喉を鳴らすと。ぱくりっ。もぐもぐもぐもぐ……。幾度も噛みしめて味わう。  衣の中から、濃厚な肉汁が口いっぱいにあふれ出した。さっぱりとしたキュウリとのハーモニーが絶妙だ。  彼女の舌は、食に対して、どこまでもまっすぐだった。 雪(……ああっ、金糸雀先生が、こんなにも美味しかったなんて…………) 雛「き、きらきしょー、どうしたなのっ? 泣くほど美味しかったのーーっ?」 金「ふぅ……ちょーーっとコンビニまでお菓子を買いに出たら、ばったりみっちゃんと出くわしてしまったのかしらーーっ。  解放されるのに、えらい時間がかかったわ……って、雪華綺晶、どうしたかしらーーっ?   まるで幽霊にでも出合ったみたいかしらーーっ」 雛「金キュウ揚げの正体? よくぞ聞いてくれましたなのっ。これは、翠星石の菜園で採れたばかりの新鮮なキュウリを、  銚子から取り寄せた特上の金目鯛の切り身で包んだものなのーーっ。肉汁を閉じ込めるために、  あらかじめ切り身を火であぶっておくなど、とぉーーっても手間がかかっているのよーーっ……」  雪華綺晶は、安堵のあまり、その場にへなへなとくずおれた。  しかし、それからしばらくの間、金糸雀の顔を見るたびに、だらだらとよだれをあふれさせ、周囲を驚かせたという。
「緊急あげかしらーっ」 「それ……なんて揚げ物?」 「何でも食べ物に結びつけるなかしらー!」 ---- 翠「これが巾キュウ揚げですぅ。」 雪「何コレ?」 翠「巾着揚げの中にキュウリが入ってるですぅ。」 雪「む、(ボリボリ)・・・翠星石、キュウリにも味をつけてくれ・・・」 翠(ふぅ、他の人で試さなくてよかったですぅ・・・) ---- 「ほしゅかしらー」 「それ……何てお酒?」 「だから何でも(ry ---- 元「ほしゅ・・・補酒のことか?それなら少し待っていてくれ。」 元「これが『補酒』じゃ。戦時中は物価が高くてのぅ・・・アルコールが少ない酒しかなかったんだよ。」 雪「だが悪酔いしにくそうですね。戴いても宜しいですか?」 元「おぉいいぞ。今日はこれで酒盛りでもするか!」 雪「是非!」 ロ「酒かい?私も・・・」 ラ「仕事を終わらせてからにしろ!」 ---- 雛「きらきしょーーっ、ヒナも金キュウ揚げを作ってみたのっ。味見してなのーーっ」 雪「……………………えっ……?」 雛「どしたの? さっそく食べてみるのっ」 雪「……う、うん……(……何か、発音が引っかかったけど、きっと気のせい……)」   懐から愛用の箸を取り出す雪華綺晶。と、そこへ翠星石がやってくる。 翠「おーい、おめえらーーっ、金糸雀の奴は見なかったですかぁ?」 雛「ううん、ヒナ知らないのーーっ」 翠「全く、一体どこをほっつき歩いてんだか。校舎を上から下まで捜したんですよーっ。学園の外ですかねぇ? 雪華綺晶、おめーは知らないですか……って、どうしたです? 何だか顔が真っ青ですけどぉ」 雪「…………う、ううん、な、何でもない…………」   翠星石は、慌ただしく出て行った。 雛「さ、冷めないうちに食べてみるのっ」 雪「…………う、うん…………」   こんがり狐色に揚がった天ぷらを、一つ箸でつまみ上げる雪華綺晶。どうやら、たんざく切りにしたキュウリを、何か弾力のある素材で包んであるらしい。 雪(……まさか……そんな、いくらなんでも……) 雛「どしたの? 今回のはヒナの自信作なのーーっ。据え膳食わないなんて、きらきしょーらしくないのっ。ささっ、たーんと召し上がれなのーーっ。……ふふふふふふふふふふふふふふふふっ……」   雛苺の妖しげな微笑みに、雪華綺晶の思考が、ぐるぐると渦を巻く。 雪(……まさか……そんなことってっ……………………金糸雀先生、こんな変わり果てた姿に…………いくら私が、出されたものは残さず食べるのが身上だからって……………………で、でも、これを食べずに残してしまうと、金糸雀先生の尊い犠牲が、全くの無駄になってしまう……)   雪華綺晶は、意を決した。ごくりと喉を鳴らすと。ぱくりっ。もぐもぐもぐもぐ……。幾度も噛みしめて味わう。   衣の中から、濃厚な肉汁が口いっぱいにあふれ出した。さっぱりとしたキュウリとのハーモニーが絶妙だ。   彼女の舌は、食に対して、どこまでもまっすぐだった。 雪(……ああっ、金糸雀先生が、こんなにも美味しかったなんて…………) 雛「き、きらきしょー、どうしたなのっ? 泣くほど美味しかったのーーっ?」 金「ふぅ……ちょーーっとコンビニまでお菓子を買いに出たら、ばったりみっちゃんと出くわしてしまったのかしらーーっ。解放されるのに、えらい時間がかかったわ……って、雪華綺晶、どうしたかしらーーっ? まるで幽霊にでも出合ったみたいかしらーーっ」 雛「金キュウ揚げの正体? よくぞ聞いてくれましたなのっ。これは、翠星石の菜園で採れたばかりの新鮮なキュウリを、銚子から取り寄せた特上の金目鯛の切り身で包んだものなのーーっ。肉汁を閉じ込めるために、あらかじめ切り身を火であぶっておくなど、とぉーーっても手間がかかっているのよーーっ……」   雪華綺晶は、安堵のあまり、その場にへなへなとくずおれた。   しかし、それからしばらくの間、金糸雀の顔を見るたびに、だらだらとよだれをあふれさせ、周囲を驚かせたという。

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