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有栖学園クーラー停止事件」(2006/09/26 (火) 20:19:06) の最新版変更点

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蝉の鳴き声が五月蝿く聞こえるこの頃。有栖学園では夏最大の危機を迎えていた。 雛「暑いの~」 金「こ、これはちょっと予想外かしら…」 雪「ゴクゴクゴクゴク(水がぶ飲み中)」 薔「…お姉ちゃんゆっくり飲んで・・・」 翠「あーイライラするです!どうにかならないですか!?」 職員室では異常な暑さに包まれていた。 ラ「仕方ないでしょう、停電でクーラーが使えないのですから。」 有栖市は昨日台風の直撃を受けていた。その影響で多くの家が停電となっており、有栖学園もその被害を受けていた 水「温いヤクルトなんて飲んでもおいしくないわぁ」 自分専用のミニ冷蔵庫を見て水銀燈がつぶやく 真「この暑さでは生徒が授業に集中できないかもしれないわね」 蒼「確かにそうだね。どれくらいで復旧するんだろう?」 ラ「今日の夕方頃には復旧するそうです。どうやらクーラーは今日は無理のようですね」 その言葉に教師全員が脱力する。 蒼「とにかく今日は教室の窓を全部開けよう。少しでも涼しくして授業をしよう」 翠「そうですね。今日さえ乗り切れば明日からはクーラー祭りですぅ」 雛「ヒナも頑張るのー」 そしてクーラーのない灼熱の一日が幕を開けた。 男子A「あぢぃ…この暑さは異常だろ…」 男子B「しゃべるな…。余計に暑くなる…」 教室では職員室と似た光景が広がっていた。 室内の温度は30度以上あり、もはや外にいるのもいないのも変わらなかった。 おかげで生徒は窓の近くで微かな風を感じ取ったり 教科書やノートを扇子代わりにする等の独自の方法で暑さを克服するしかなかった そんな中 ガラガラー 水「みんなー授業始めるわよ」 水銀燈が団扇を持って入ってきた。 水銀燈が来るとテンションが上がる男子だが今日は見向きもしなかった。 女子A「きり~つ…」 生徒達はだらだらとしながら起立礼を済ませる 水「みんな暑いのはわかるけど、授業は集中しなさぁい。」 生徒はへ~い…とだらしなく返事を返す 水「じゃあ今日は水分の補給の大切さを勉強するわぁ。C君、教科書80ページを読んでちょうだぁい」 男子C「はい。えっと…運動をすると体温を下げる為に汗をかくので体内の水分が不足して運動能力や 集中力が低下します。その為…………」 と途中で生徒の音読が止まった。 水「どうしたの?早く読みなさぁい。」 男子C「…あ、はい。その為怪我をしたり、熱中症になると生命の危険が及ぶこともあります。」 教科書を読んでいるCだが、時折ちらっと別の方向に目線を移している。 その目線の先には… 水「ふぅ…(クーラーが効かないなんて、ついてないわねぇ…)」 と少し汗をかきながら、シャツの胸元に扇子でパタパタと風を送る水銀燈がいた。 その行動に男子はチラチラと水銀燈を見る。 男子A「(水銀燈先生イィ!!)」 男子B「(あの汗をかいて憂鬱そうな表情もイィ!GJ!!)」 男子D「(ブッ!今チラッと谷間が…。一番前の席で良かった。GJ!!)」 この時全ての男子が心の中で親指を立てていた。 女子一同「(……ちっ)」 男子C「で、ですので長時間の運動、気温や湿度が高い場合の運動では注意が必要です。」 水「御苦労様。もう座っていいわよぉ」 水銀燈が仰ぐのをやめたので男子は少し落胆する 水「今読んでもらった通り、水分の補給はとても大切なことよぉ。特に気温の高い夏は水分が急速に失われるから 気をつけないと命にも関わるから十分気をつけなさぁい。」 女子A「先生、運動時に一度に水を大量に飲むことはいけないんでしょうか?」 水「そうねぇ。あまりいいとは言えないはねぇ。一度に大量の水分を取るとお腹の調子が悪くなったりするから あまり薦めないわねぇ。基本的には運動前にあらかじめ水を飲んでおいて、運動中には数回に分けて飲んだ方が正しいわね。 後この方法はマラソンみたいな長時間運動するスポーツには常識とも言えることだから、水分補給はスポーツの勝敗にも大きく関わるわぁ」 その説明に生徒達はへぇ~と頷く 水「とにかくこの時季の水分補給はとても大切だから気をつけなさぁい」 キーンコーンカーンコーン 水「じゃあ、今日はここまでよぉ。今日読んだところは読み返しておいてちょうだぁい」 そうして水銀燈が教室から出て行った後、男子だけの感想会が始まっていたという。 ー化学室ー 金「それでは授業を始めるかしらー」 生徒「先生、今日予定していた実験は電気を使うから無理なんじゃないですか?」 今日は水溶液に電流が通るかどうかの実験をする予定だったのだ 金「ふっふっふっ…その心配は不要かしらー。 カナは、もしもの時の為に備えて二週間前からカナ特製の太陽電池、 名づけて『ソーラ・カナ』で電気を溜めてたかしらー」 そう言って教壇の上に置いてあるダンボール程の大きさの機械をビシッっと指差す。 ちなみにその機械にはローマ字でKANAとマジックで書いてあった それを見て生徒達がどよめきの声を上げる。普段金糸雀の発明は殆ど役に立たないのだが、今日のケースは珍しい 生徒「じゃあ、その電力があれば…」 金「もちろん実験も可能かしら。更に!!この電気で化学室のクーラーだけを付けることも可能かしらー。」 生徒一同「おぉっ…!!」 更なるどよめきが生まれる。機械のネーミングが気になったが、この暑さが無くなるなら何でもよかった 金糸雀「じゃあ、実験道具を取ってくるからちょっと待っててかしらー」 そう言って準備室に入っていた。 とその時、化学室の扉から微かに教室を覗く者がいた 翠「ひーっひっひっ、聞いたですぅ。あれさえあればこの暑苦しい状況からおさらばできるです」 ?「それはいい方法ねぇ」 翠「お、おめーは…(ばっちーん!)…キュ~」 気絶する翠星石。その後ろでは翠星石を教科書で勢い良く叩いて気絶させた水銀燈が立っていた 水「授業帰りに通ってみれば思わぬ収穫ね。あの変な機械があれば私のクラスでクーラー付け放題じゃなぁい。ふふふ…」 生徒「これで暑さとは一時的に、おさらばだな。」 生徒「本当だよ。今日は、かなりー先生様々だよなー」 とその時、教室の扉から何かが投げ込まれた。 生徒「ん?何だこの丸っこい機械は。」 生徒「実験の道具か?何か怪し…」 とその怪しげな物からプシュュュュュューーと音を立てて大量の煙が発生した 生徒「げほっ、げほっ、何だこれ…周りが見えない…。」 化学室は騒然となり生徒達もパニック状態である。 金「こ、これは何事かしら!?げほげほ・・・」 準備室の扉を開けた金糸雀が叫ぶ。 金「と、とにかく窓を開けるかしら。」 金糸雀の指示で生徒達が手探りで窓を開ける。すると煙がだんだんと晴れて、教室が見渡せるようになった 幸い怪我をしている生徒はいないようで、金糸雀は胸を撫で下ろした。 金「一体何があったかしら?」 生徒「変な球状の機械があると思ったら。いきなり煙が…」 金「煙?一体誰が何の目的で…?考えてもしょうがないから授業を再開するかしら。」 騒ぐ生徒達を席に着かせ、授業を再開させようとする 生徒「何か…余計に疲れた…。」 生徒「あぁ…暑さも増したな…。でもかなりー先生のおかげでクーラーが…」 金「ないかしらーー!!」 生徒「!!!」 生徒達が驚いて見てみると教壇で呆然と立ち尽くす金糸雀がいた 生徒「先生!どうしました!?」 生徒が駆け寄る 金「ソーラー・カナが…無くなってるかしら…」 生徒が目をやると教壇の上にあったはずの機械がなくなっていた。 金「うぅ…せっかく一生懸命作ったのに…。ひどいかしら…」 生徒「せ、先生…。大丈夫だって、実験なんて次の授業でやればいいし、暑さなんて我慢すればいいしさ。な!皆?」 うんうんと頷く生徒達 金「皆…。…ありがとうかしらー。それにしても一体誰がこんなことを…」 その時化学室の扉がゆっくりと開いた。そして… ?「……恨むべきは水銀燈ですぅ。」 生徒&金「ぎゃあぁぁぁぁーー!」 入り口からゆっくりと髪を前に垂らした何かがずるぅりずるぅりと金糸雀達に近づいてくる。その姿は正に貞○だった。 金「ぎゃぁあああー…ってもしかして翠星石先生かしら?」 翠「そうですぅ…『偶然』教室の前を歩いていたら水銀燈の奴が化学室から逃げるように出てきて、ぶつかったです。」 殆ど嘘なのだが、とりあえず復讐すべき者の名前を挙げるべくやってきた 金「教えてくれたことには感謝するかしらー。…でもそんな格好で登場しなくても良かったかしら」 翠「ついつい悪戯心がーですぅ」 金「全く…かしらー。…でも水銀燈…、生徒の授業とソーラー・カナを奪ったこと…後悔させてやるかしらー。ふ…ふふふふふ。」 金糸雀は不気味に笑い始めた。 水「はぁ~、涼しいー♪やっぱり夏はクーラーが一番よねぇ。」 水銀燈のクラスではクーラーが風量最大で動いていた。コードの先を辿っていくとその先にはソーラー・カナがあった。 水「これも貴方達のおかげよぉ。」 水銀党「いやー射撃部の奴らから煙幕を奪うのは簡単でした。」 あの後翠星石を気絶させた後、すぐに水銀党に煙幕を盗むよう命令して機械を奪ったのだ 水「それにしても本当に快適ね。後は温いけどヤクルトがあれば最高ね。水銀党A!職員室からヤクルト一本取ってきて。」 水銀党A「銀様の仰せのままに」 そうして教室から出て行った ー数分後ー 水銀党A「大変です!!ヤクルトが…ヤクルトが…」 突然水銀党員が慌てて教室に入って来たがその手にヤクルトは無かった 水「どうしたのぉ?ヤクルトも持ってこないでぇ。」 水銀党A「と、とにかく来て下さい。」 水「?」 ー職員室ー 職員室に来た水銀燈はヤクルト専用の冷蔵庫を見て唖然としていた 水「こ、これは一体…」 職員室にあるミニ冷蔵庫には水銀燈が愛して止まないヤクルトが入っている。そのヤクルトが大変なことになっていた 水「何で私のヤクルトが凍ってるのぉ!?」 冷蔵庫を開けた時、停電しているというのにひんやりと冷気が流れてきたのだ、 おや?と思いながら中を覗いて見ると、全てのヤクルトが容器ごと凍っていたのだ 金「ふっふっふ。どうかしらー。水銀燈先生。液体窒素でカチカチに凍ったヤクルトは? これで暑さも吹っ飛ぶかしらー。何なら頭から被ってみるかしら?」 そんなことをすれば凍傷だけでは済まないのだが… 水「金糸雀…あなたの仕業ね。こんなことしてただで済むと思って…(ガシ!)」 金糸雀に対しての怒りは後ろから肩を掴まれた人物に遮られた 翠「なーに言ってるですか。水銀燈の方こそ翠星石を気絶させたこと、忘れたですか?すご~く痛かったですよ」 後ろから怒りのオーラを出しながら迫る翠星石 水「そ、それは…」 金「カナもカナ・ソーラーを勝手に持ち出したことは許さないかしら!」 金糸雀も怒りをあらわにしている。 水「ま、まずは落ち着きましょう?ヤクルトのことは水に流してあげるわぁ」 翠&金「絶対許さない(です)(かしら)!!」 金糸雀が液体窒素の入ったフラスコの蓋を開けた。 水「(…ここは逃げた方がよさそうね。)…てぃ!」 プシュュュューー 金「また煙幕かしらー。げほげほ」 翠「ひ、卑怯ですよ!水銀燈!げほっ」 水「何とでも言いなさぁい。こういうのは逃げた方が勝ちなのよ。」 金「と、とりあえず窓を開けるかしらー!!」 二人が混乱している内に職員室の入り口に向かう水銀燈。しかし… 水「きゃっ」 と入り口で誰かとぶつかった。 水「痛たた…。ちょっとぉ、気をつけなさいよぉ」 腰を摩りながら、ぶつかった相手を睨む。しかし煙で姿は見えない ?「気をつけなさいですって?そんな態度を取る余裕があるのかしら?」 そして金糸雀達の換気もあって煙が晴れて、ぶつかった相手の正体がわかった 真「全く。私達は生徒達に何で貴方のクラスだけクーラーが付いているんだと苦情が殺到して大変だったのよ」 蒼「本当だよ。おかげで授業にならなかったよ」 雛「しかも、水銀燈だけクーラーに当たってずるいのー」 と真紅の後ろから教師達が出てきた。 薔「…銀ちゃん…あれほど悪いことしちゃ駄目って言ったのに…」 雪「射撃部の道具を勝手に持ち出した…」 水「う……」 座ったまま、ずるりずるりと後ずさる。と背中に何かがぶつかった 翠「この痛みどうしてくれるですか(怒)」 金「ソーラー・カナの制作費、請求しようかしら?(怒)」 挟み撃ちにされ身動きが取れなくなった水銀燈 水「み、皆落ち着くのよぉ。話せばわかるわぁ」 真・蒼・翠・雛・金・薔・雪「わかりません!!!」 その後水銀燈は七人から文句や説教をたっぷり聞かされ、一ヶ月の掃除当番、カナ・ソーラーの制作費の弁償、一週間教師全員に昼食を奢る といった罰を受けた。その時の雪華綺晶の昼食代には涙を流すしかなかったそうな。 そして夕方には電気も点き、翌日からは涼しいクーラーも付いて生徒達も安心して授業に集中できたという
蝉の鳴き声が五月蝿く聞こえるこの頃。有栖学園では夏最大の危機を迎えていた。 雛「暑いの~」 金「こ、これはちょっと予想外かしら…」 雪「ゴクゴクゴクゴク(水がぶ飲み中)」 薔「…お姉ちゃんゆっくり飲んで・・・」 翠「あーイライラするです!どうにかならないですか!?」 職員室では異常な暑さに包まれていた。 ラ「仕方ないでしょう、停電でクーラーが使えないのですから。」 有栖市は昨日台風の直撃を受けていた。その影響で多くの家が停電となっており、有栖学園もその被害を受けていた 水「温いヤクルトなんて飲んでもおいしくないわぁ」 自分専用のミニ冷蔵庫を見て水銀燈がつぶやく 真「この暑さでは生徒が授業に集中できないかもしれないわね」 蒼「確かにそうだね。どれくらいで復旧するんだろう?」 ラ「今日の夕方頃には復旧するそうです。どうやらクーラーは今日は無理のようですね」 その言葉に教師全員が脱力する。 蒼「とにかく今日は教室の窓を全部開けよう。少しでも涼しくして授業をしよう」 翠「そうですね。今日さえ乗り切れば明日からはクーラー祭りですぅ」 雛「ヒナも頑張るのー」 そしてクーラーのない灼熱の一日が幕を開けた。 男子A「あぢぃ…この暑さは異常だろ…」 男子B「しゃべるな…。余計に暑くなる…」 教室では職員室と似た光景が広がっていた。 室内の温度は30度以上あり、もはや外にいるのもいないのも変わらなかった。 おかげで生徒は窓の近くで微かな風を感じ取ったり 教科書やノートを扇子代わりにする等の独自の方法で暑さを克服するしかなかった そんな中 ガラガラー 水「みんなー授業始めるわよ」 水銀燈が団扇を持って入ってきた。 水銀燈が来るとテンションが上がる男子だが今日は見向きもしなかった。 女子A「きり~つ…」 生徒達はだらだらとしながら起立礼を済ませる 水「みんな暑いのはわかるけど、授業は集中しなさぁい。」 生徒はへ~い…とだらしなく返事を返す 水「じゃあ今日は水分の補給の大切さを勉強するわぁ。C君、教科書80ページを読んでちょうだぁい」 男子C「はい。えっと…運動をすると体温を下げる為に汗をかくので体内の水分が不足して運動能力や 集中力が低下します。その為…………」 と途中で生徒の音読が止まった。 水「どうしたの?早く読みなさぁい。」 男子C「…あ、はい。その為怪我をしたり、熱中症になると生命の危険が及ぶこともあります。」 教科書を読んでいるCだが、時折ちらっと別の方向に目線を移している。 その目線の先には… 水「ふぅ…(クーラーが効かないなんて、ついてないわねぇ…)」 と少し汗をかきながら、シャツの胸元に扇子でパタパタと風を送る水銀燈がいた。 その行動に男子はチラチラと水銀燈を見る。 男子A「(水銀燈先生イィ!!)」 男子B「(あの汗をかいて憂鬱そうな表情もイィ!GJ!!)」 男子D「(ブッ!今チラッと谷間が…。一番前の席で良かった。GJ!!)」 この時全ての男子が心の中で親指を立てていた。 女子一同「(……ちっ)」 男子C「で、ですので長時間の運動、気温や湿度が高い場合の運動では注意が必要です。」 水「御苦労様。もう座っていいわよぉ」 水銀燈が仰ぐのをやめたので男子は少し落胆する 水「今読んでもらった通り、水分の補給はとても大切なことよぉ。特に気温の高い夏は水分が急速に失われるから 気をつけないと命にも関わるから十分気をつけなさぁい。」 女子A「先生、運動時に一度に水を大量に飲むことはいけないんでしょうか?」 水「そうねぇ。あまりいいとは言えないはねぇ。一度に大量の水分を取るとお腹の調子が悪くなったりするから あまり薦めないわねぇ。基本的には運動前にあらかじめ水を飲んでおいて、運動中には数回に分けて飲んだ方が正しいわね。 後この方法はマラソンみたいな長時間運動するスポーツには常識とも言えることだから、水分補給はスポーツの勝敗にも大きく関わるわぁ」 その説明に生徒達はへぇ~と頷く 水「とにかくこの時季の水分補給はとても大切だから気をつけなさぁい」 キーンコーンカーンコーン 水「じゃあ、今日はここまでよぉ。今日読んだところは読み返しておいてちょうだぁい」 そうして水銀燈が教室から出て行った後、男子だけの感想会が始まっていたという。 ー化学室ー 金「それでは授業を始めるかしらー」 生徒「先生、今日予定していた実験は電気を使うから無理なんじゃないですか?」 今日は水溶液に電流が通るかどうかの実験をする予定だったのだ 金「ふっふっふっ…その心配は不要かしらー。 カナは、もしもの時の為に備えて二週間前からカナ特製の太陽電池、 名づけて『ソーラ・カナ』で電気を溜めてたかしらー」 そう言って教壇の上に置いてあるダンボール程の大きさの機械をビシッっと指差す。 ちなみにその機械にはローマ字でKANAとマジックで書いてあった それを見て生徒達がどよめきの声を上げる。普段金糸雀の発明は殆ど役に立たないのだが、今日のケースは珍しい 生徒「じゃあ、その電力があれば…」 金「もちろん実験も可能かしら。更に!!この電気で化学室のクーラーだけを付けることも可能かしらー。」 生徒一同「おぉっ…!!」 更なるどよめきが生まれる。機械のネーミングが気になったが、この暑さが無くなるなら何でもよかった 金糸雀「じゃあ、実験道具を取ってくるからちょっと待っててかしらー」 そう言って準備室に入っていた。 とその時、化学室の扉から微かに教室を覗く者がいた 翠「ひーっひっひっ、聞いたですぅ。あれさえあればこの暑苦しい状況からおさらばできるです」 ?「それはいい方法ねぇ」 翠「お、おめーは…(ばっちーん!)…キュ~」 気絶する翠星石。その後ろでは翠星石を教科書で勢い良く叩いて気絶させた水銀燈が立っていた 水「授業帰りに通ってみれば思わぬ収穫ね。あの変な機械があれば私のクラスでクーラー付け放題じゃなぁい。ふふふ…」 生徒「これで暑さとは一時的に、おさらばだな。」 生徒「本当だよ。今日は、かなりー先生様々だよなー」 とその時、教室の扉から何かが投げ込まれた。 生徒「ん?何だこの丸っこい機械は。」 生徒「実験の道具か?何か怪し…」 とその怪しげな物からプシュュュュュューーと音を立てて大量の煙が発生した 生徒「げほっ、げほっ、何だこれ…周りが見えない…。」 化学室は騒然となり生徒達もパニック状態である。 金「こ、これは何事かしら!?げほげほ・・・」 準備室の扉を開けた金糸雀が叫ぶ。 金「と、とにかく窓を開けるかしら。」 金糸雀の指示で生徒達が手探りで窓を開ける。すると煙がだんだんと晴れて、教室が見渡せるようになった 幸い怪我をしている生徒はいないようで、金糸雀は胸を撫で下ろした。 金「一体何があったかしら?」 生徒「変な球状の機械があると思ったら。いきなり煙が…」 金「煙?一体誰が何の目的で…?考えてもしょうがないから授業を再開するかしら。」 騒ぐ生徒達を席に着かせ、授業を再開させようとする 生徒「何か…余計に疲れた…。」 生徒「あぁ…暑さも増したな…。でもかなりー先生のおかげでクーラーが…」 金「ないかしらーー!!」 生徒「!!!」 生徒達が驚いて見てみると教壇で呆然と立ち尽くす金糸雀がいた 生徒「先生!どうしました!?」 生徒が駆け寄る 金「ソーラー・カナが…無くなってるかしら…」 生徒が目をやると教壇の上にあったはずの機械がなくなっていた。 金「うぅ…せっかく一生懸命作ったのに…。ひどいかしら…」 生徒「せ、先生…。大丈夫だって、実験なんて次の授業でやればいいし、暑さなんて我慢すればいいしさ。な!皆?」 うんうんと頷く生徒達 金「皆…。…ありがとうかしらー。それにしても一体誰がこんなことを…」 その時化学室の扉がゆっくりと開いた。そして… ?「……恨むべきは水銀燈ですぅ。」 生徒&金「ぎゃあぁぁぁぁーー!」 入り口からゆっくりと髪を前に垂らした何かがずるぅりずるぅりと金糸雀達に近づいてくる。その姿は正に貞○だった。 金「ぎゃぁあああー…ってもしかして翠星石先生かしら?」 翠「そうですぅ…『偶然』教室の前を歩いていたら水銀燈の奴が化学室から逃げるように出てきて、ぶつかったです。」 殆ど嘘なのだが、とりあえず復讐すべき者の名前を挙げるべくやってきた 金「教えてくれたことには感謝するかしらー。…でもそんな格好で登場しなくても良かったかしら」 翠「ついつい悪戯心がーですぅ」 金「全く…かしらー。…でも水銀燈…、生徒の授業とソーラー・カナを奪ったこと…後悔させてやるかしらー。ふ…ふふふふふ。」 金糸雀は不気味に笑い始めた。 水「はぁ~、涼しいー♪やっぱり夏はクーラーが一番よねぇ。」 水銀燈のクラスではクーラーが風量最大で動いていた。コードの先を辿っていくとその先にはソーラー・カナがあった。 水「これも貴方達のおかげよぉ。」 水銀党「いやー射撃部の奴らから煙幕を奪うのは簡単でした。」 あの後翠星石を気絶させた後、すぐに水銀党に煙幕を盗むよう命令して機械を奪ったのだ 水「それにしても本当に快適ね。後は温いけどヤクルトがあれば最高ね。水銀党A!職員室からヤクルト一本取ってきて。」 水銀党A「銀様の仰せのままに」 そうして教室から出て行った ー数分後ー 水銀党A「大変です!!ヤクルトが…ヤクルトが…」 突然水銀党員が慌てて教室に入って来たがその手にヤクルトは無かった 水「どうしたのぉ?ヤクルトも持ってこないでぇ。」 水銀党A「と、とにかく来て下さい。」 水「?」 ー職員室ー 職員室に来た水銀燈はヤクルト専用の冷蔵庫を見て唖然としていた 水「こ、これは一体…」 職員室にあるミニ冷蔵庫には水銀燈が愛して止まないヤクルトが入っている。そのヤクルトが大変なことになっていた 水「何で私のヤクルトが凍ってるのぉ!?」 冷蔵庫を開けた時、停電しているというのにひんやりと冷気が流れてきたのだ、 おや?と思いながら中を覗いて見ると、全てのヤクルトが容器ごと凍っていたのだ 金「ふっふっふ。どうかしらー。水銀燈先生。液体窒素でカチカチに凍ったヤクルトは? これで暑さも吹っ飛ぶかしらー。何なら頭から被ってみるかしら?」 そんなことをすれば凍傷だけでは済まないのだが… 水「金糸雀…あなたの仕業ね。こんなことしてただで済むと思って…(ガシ!)」 金糸雀に対しての怒りは後ろから肩を掴まれた人物に遮られた 翠「なーに言ってるですか。水銀燈の方こそ翠星石を気絶させたこと、忘れたですか?すご~く痛かったですよ」 後ろから怒りのオーラを出しながら迫る翠星石 水「そ、それは…」 金「カナもカナ・ソーラーを勝手に持ち出したことは許さないかしら!」 金糸雀も怒りをあらわにしている。 水「ま、まずは落ち着きましょう?ヤクルトのことは水に流してあげるわぁ」 翠&金「絶対許さない(です)(かしら)!!」 金糸雀が液体窒素の入ったフラスコの蓋を開けた。 水「(…ここは逃げた方がよさそうね。)…てぃ!」 プシュュュューー 金「また煙幕かしらー。げほげほ」 翠「ひ、卑怯ですよ!水銀燈!げほっ」 水「何とでも言いなさぁい。こういうのは逃げた方が勝ちなのよ。」 金「と、とりあえず窓を開けるかしらー!!」 二人が混乱している内に職員室の入り口に向かう水銀燈。しかし… 水「きゃっ」 と入り口で誰かとぶつかった。 水「痛たた…。ちょっとぉ、気をつけなさいよぉ」 腰を摩りながら、ぶつかった相手を睨む。しかし煙で姿は見えない ?「気をつけなさいですって?そんな態度を取る余裕があるのかしら?」 そして金糸雀達の換気もあって煙が晴れて、ぶつかった相手の正体がわかった 真「全く。私達は生徒達に何で貴方のクラスだけクーラーが付いているんだと苦情が殺到して大変だったのよ」 蒼「本当だよ。おかげで授業にならなかったよ」 雛「しかも、水銀燈だけクーラーに当たってずるいのー」 と真紅の後ろから教師達が出てきた。 薔「…銀ちゃん…あれほど悪いことしちゃ駄目って言ったのに…」 雪「射撃部の道具を勝手に持ち出した…」 水「う……」 座ったまま、ずるりずるりと後ずさる。と背中に何かがぶつかった 翠「この痛みどうしてくれるですか(怒)」 金「ソーラー・カナの制作費、請求しようかしら?(怒)」 挟み撃ちにされ身動きが取れなくなった水銀燈 水「み、皆落ち着くのよぉ。話せばわかるわぁ」 真・蒼・翠・雛・金・薔・雪「わかりません!!!」 その後水銀燈は七人から文句や説教をたっぷり聞かされ、一ヶ月の掃除当番、翠星石への慰謝料(50万)カナ・ソーラーの制作費の弁償(35万)、一週間教師全員に昼食を奢る といった罰を受けた。その時の雪華綺晶の昼食代には涙を流すしかなかったそうな。 そして夕方には電気も点き、翌日からは涼しいクーラーも付いて生徒達も安心して授業に集中できたという

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