二つ名を持つ異能者になって戦うスレ@wiki
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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ@wiki
ja
2010-07-09T17:00:10+09:00
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鳴神御月
https://w.atwiki.jp/hutatuna/pages/148.html
{プロフィール}
名前:鳴神 御月(なるかみ みつき)
二つ名:無限騎士(ペネトレイトエンドレス)
年齢:21
身長:165cm
体重:52kg
種族:人間と魔族のハーフ
職業:傭兵
性別:男
能力:無限生成(エンドレスファクトリー)。能力の続く限り無限に武器を生成できる。ただし構造が複雑なもの(銃器など)ほど生成に時間がかかる。
容姿:銀の長髪に紅眼(眼は普段蒼。能力使用時に変化)、黒のロングコートに白のYシャツ、黒のブーツを履いている。
趣味:読書(主に古文書)、遺跡探索
好きなもの:古文書、貴重な遺跡等古代のもの全般
嫌いなもの:自分の強さを誇示したがる者、先人の歴史を馬鹿にする者
キャラ解説:普段は物静かで、感情をあまり表に出さない。基本的に自分から手は出さないが、売られた喧嘩は買う。能力発動時は残忍な性格になり凶暴性が増す。また、満月の夜には能力の増幅による破壊衝動が起こり、自制の為に自分の腕に噛み付く。背が低いのと(170以上になりたかった)、よく女に間違われることがコンプレックス。
*過去
かつてはとある小国で騎士団長を勤めていたが、隣国との戦争で国は崩壊、国王たちの行方も分からなくなってしまった。国王たちの行方を捜すついでに傭兵稼業を開始。更にそのついでに、趣味である遺跡探索を時々やっている。幼い頃から能力に覚醒しており、今では自在に行使できる。しかし過去に能力を暴走させ、国を1つ滅ぼしたことがある。
*現在の戦歴
*関わりの深い人物
*パラメータ
【本体】
筋 力:A
耐久力:S
俊敏性:B
技 術:B
知 力:A
精神力:B
成長性:A
【能力】
範 囲:C
破壊力:?
操作性:B
応用性:A
持続性:C
成長性:B
リスク :C
*自由記入欄
2010-07-09T17:00:10+09:00
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パンドラ
https://w.atwiki.jp/hutatuna/pages/147.html
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*&bold(){プロフィール}
名前: YH-0100(コードネームは『パンドラ』)
二つ名: 遍在する猟奇(ヒアゼアエブリウェア)
年齢: 41
身長: 192cm
体重: 75kg
種族: 人間?
職業:神徒改造異能者集団 忘却数字 No.P.N.D.R(パンドラ)
性別: 男
能力: 分身能力
この能力での分身は実体を持ち、分身のステータスは本体と完全に同じ
さらに本体が破壊された時分身が本体となる
同時に存在できる分身の数は本体を含め3人まで
強さを下げれば多くの分身を作ることも可能
容姿: 長い間封印されていたため髪は膝ぐらいまでの長さで、髭も首を隠すほど
服はジーパンのみで上半身裸
趣味: 強者との戦闘 解体 破壊
好きなもの: 人の悲鳴
嫌いなもの: 邪魔をする奴
キャラ解説:知性ある戦闘狂
忘却番号で機関の人間にも攻撃し勝手に行動するため封印された
池上らの機関進入の際、壁が破壊され出てきた
*過去
昔に作られた忘却番号の最初の成功体?(戦闘狂になり機関員にも攻撃をしたため)
*現在の戦歴
VS[[池上 燐介]]、[[桐北 修貴]]、[[海道 翔]]
・・・・・・池上・多重分身を使いKO、海道・池上を連れての逃亡を許す、桐北・影武者分身を倒され本体も深い傷を負うが再び分身を使い完全に回復、桐北に戦いの才を見出し逃亡
*関わりの深い人物
[[籐堂院 神]]・・・・・・昔に負け封印された
*技一覧
***多重分身
3人以上に分身する
多くすれば多くするほど一体の強さが低くなる
***影武者分身
最大二人まで
本体とまったく同じの戦闘力を持つ
本体が死にこの分身が残っている時分身が本体となる
本体がどのような状態でもステータスが完全の状態で現れる
*パラメータ
【本体】
筋 力:A
耐久力:B
素早さ:A
技 術:B
知 力:C
精神力:A
成長性:D
【能力】
範 囲:B
破壊力:A
操作性:S
応用性:B
持続性:C
成長性:D
リ ス ク:C
*自由記入欄
//
- 書いた文字がこちらに出ます。 &br
2009-12-19T19:07:43+09:00
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海道 翔
https://w.atwiki.jp/hutatuna/pages/146.html
-&link_edit(text=このページを編集)
*&bold(){プロフィール}
名前: 海道 翔
二つ名:飛行挽歌(ショットガンスクランブル)
年齢: 18歳
身長: 181cm
体重: 65㎏
種族: 日本人
職業: 高校生
性別: 男
能力:
空を自由に飛ぶことができる能力
人を飛ばすこともできるが体に触れる必要がある
容姿:
黒髪で眼鏡
制服をしっかりと着ている真面目な一般生徒
趣味: 空中散歩
好きなもの: 歌、空、鳥
嫌いなもの: 空を飛ばない動物
キャラ解説:
唯能高校3年生
学校では真面目な生徒で男女かかわらず教師や生徒に憧れられている
桐北 修貴とは友人だったが修貴の停学をきっかけに関係が切れる
二人を引き離すために修貴に責任を押し付け停学にしたという噂も
*過去
*現在の戦歴
VS[[パンドラ]]
・・・・・・桐北、池上に出会った時に遭遇、池上の気絶と桐北の言葉により池上を連れて逃亡
*関わりの深い人物
[[桐北 修貴]] → 昔の親友
*技一覧
***飛行
空を自在に飛べる
自分が触れているものも共に飛ぶことができる
身体の痛みや空気の壁を無視すればかなりの速さで飛べる
***突き飛ばし
触れているものも共に飛べる性質を活かしたことでできた技
触れた瞬間相手を浮かしそのまま突き飛ばす
突き飛ばされた相手にはしばらく重力が働かない(異能力のもの意外)
*パラメータ
・本体
筋 力:D
耐久力:D
俊敏性:C(能力使用時はA)
技 術:C
知 力:B
精神力:B
成長性:C
・能力
範 囲:E
破壊力:N
操作性:A
応用性:E
持続性:A
成長性:B
リ ス ク:C
*自由記入欄
//
- 書いた文字がこちらに出ます。 &br()匿名も可能です。 -- 管理人 (2008-05-27 01:23:32)
#comment(vsize=3,nsize=20,size=75)
2009-12-19T19:19:28+09:00
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池上燐介28
https://w.atwiki.jp/hutatuna/pages/145.html
**28.脱出
「……別れは済んだか? こちらも時間が惜しいんでね。そろそろ……」
そう言い掛けた時、重松が立ち上がった。
「──君達は強い。それは認めよう。しかし、君達の手にかけられることだけは御免こうむる。
私にも意地というものがあってね。やられっぱなしというのはどうにも我慢できんのだよ」
「クックックック……そうさ……貴様達も我らと共に、ケルベロスのもとに行ってもらう!!」
「なに……?」
「この葉巻の中には爆薬が詰めてあってね。それも私が調合した特製の強力な爆薬だ。
万が一の時、敵もろとも自爆する為に作っておいたものだが……まさか本当に使う時が来るとはなぁ」
「既に火は放たれた。後10秒ほどでここは木っ端微塵だよ……
ククク……貴様達もろともなぁ! アハハハハハハッ! アヒャハハハハハハハッ!!」
南条が狂ったように高笑をあげた。
目は血走りながら涙を浮かべている。
(──チッ! 追い詰められて道連れを選んだか!)
奴らの言うことが正しければもはやエレベーターに乗って階下に戻ることはできない。
一番良いのはすぐさまビルの外に出ることだが……ここは30階だ。
(……。仕方ない……か)
俺は窓際まで走り、窓に向かって『氷雪波』を放った。
窓の強化ガラスは『氷雪波』の凄まじい凍気と風圧によって粉々に砕かれ、ビルの外へと落ちていった。
こうしてできあがあったのは一つの大きな穴。つまるところここが脱出口になるわけだが、
勿論このまま飛び降りてはただの投身自殺にしからない。
「……籐堂院、来い! 先程の借りを返してやる」
こちらに策があると見抜いたのか、籐堂院は空けられた大穴に背を向ける俺に歩み寄った。
俺は左腕で籐堂院を抱きかかえると、右手に力を集中させ、その膨大なエネルギーを
床に向かって叩きつけた。
「敵との心中は俺の趣味じゃないんでね。自殺は、お前らだけでやってくれ」
言い終えた瞬間、俺と籐堂院の体はふわりと浮き上がり、猛烈な勢いで窓の外に飛び出した。
こちらの身がビル外に出たところを見計らったかのように、貳名製薬ビルの30階が爆音をあげた。
赤い炎が窓ガラスや壁を破壊しながら吹き上げ、何もかも燃やし尽くし
2009-10-05T00:57:02+09:00
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池上燐介27
https://w.atwiki.jp/hutatuna/pages/144.html
**27.対番犬
「ガルルルルルルッ……」
三つの頭が交互に喉を鳴らし、体を獲物を狙うように身構えている。
全長七、八メートルはあるだろうか。まるで巨大な虎を見ているようだ。
しかし、力任せな攻撃を繰り出してくるだけであれば、所詮俺の敵ではない。
俺は右手に力を込め異能力の開放を始めた。
俺の力を感じ取ったのか、ケルベロスはピタリと体の動きを止めた。
「むっ……来るな……奴の異能力が……」
「どのようなものか、拝見させてもらおうか」
俺は右手の上に八つほどの凍気の塊を滞空させた。そう、『小晶波』だ。
いかに奴が巨大とはいえ、これだけの量の凍気を一度にくらえば効果がないはずがない。
「──なにっ! あれはっ!」
突如、南条が声をあげた。初めて見た俺の技に驚いているのか。
しかしそんなことを意に介す必要は無い。俺は『小晶波』をケルベロス目掛けて放った。
──しかし、『小晶波』は奴の体に直撃する前に、弾け飛んだのだった。
いや、何か別の強い力によって『相殺』されたと考えた方が良いのかもしれない。
見ると、三つの頭の口から、青白い光が細かな『氷』の結晶を伴って、放出されている。
(『氷』……だと……? ──まさか!)
「ヒッヒッヒッ……こちらも驚いたぞ。まさかケルベロスと同じ能力を持っていたとはなぁ」
「同じ能力……ということはやはり!」
ブルーブラッド
「ケルベロスは『氷結執行官』とも呼ばれているのだ!
能力は体内から吐き出す強力な凍気によって相手を凍て付かせるもの!
貴様の技はケルベロスの体内から吐き出された凍気によって弾かれたのさ!」
「さぁケルベロス! 第二撃の『コールド・ブレス』を見舞ってやれい!!」
瞬間、三つの口から青白い光と共に、強烈な凍気が放たれた。
(チッ……!!)
たまらずこの攻撃から逃れようと、再び横に飛び退こうとした時だった。
俺は両足が動かないことに気づいたのだ。というより、地面と引っ付いてはがれない感じだ。
直ぐに足元に目を向ける。……動かないはずだ。両足と地面が、奴のコールド・ブレスによって
凍り付いていたのだから。
「これで貴様は逃れられんぞ……。このまま
2009-10-05T00:52:36+09:00
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池上燐介26
https://w.atwiki.jp/hutatuna/pages/143.html
**26.清掃
俺は再びこの場所へとやって来た。
目の前には大きく聳え立つ高層ビル。その玄関前には「貳名製薬」と彫られた大理石。
そう、長束邸で受け取ったあのリストに記された場所のひとつである。
しかし、俺はビルを前にして一向に動こうとしなかった。
ビルの前まで来たはいいものの、どうやって入り込むかを考えていなかったからだ。
真正面から突入するのもいい。しかし、内部を探ることが目的となれば、
できうる限りスマートに侵入するのが最も望ましいことであるのは言うまでもない。
真正面から突入すれば、内部の人間から不審者として処理されてしまうのは明白だ。
かといって、コンクリートと鉄筋で固められた高層の密室空間に、
誰に気づかれることなく侵入することは困難極まりないこともまた確かなのだ。
(さて……どうしたものか)
あれやこれやと策を巡らしている俺の横で、一台の車が停車した。
車がドアを開くと、中からは清掃員の格好をした中年男性が二人、姿を現した。
服の背中には「貳名クリーニングサービス」とある。
「おい、時間は?」
「12時調度です。遅れてません」
「ふぅー、危なかったな。ここの会社は時間に厳しいからな。遅れなくてよかったよ」
二人の中年が何やらと会話している。
会話の内容からして、ビルの中の清掃を頼まれた連中らしい。
と、その時、俺の頭の中で何かがひらめいた。
俺はバケツやらブラシやら雑巾やらを抱えている二人に歩み寄った。
「あの……ちょっとよろしいですか?」
突然の俺の声に、二人は目を丸くしながらこちらを振り返った。
「はい?」
──三十秒後、辺りにかすかな悲鳴が響いた。
「えーと……今日は『植草』君、キミ一人かい?」
深々と清掃用の帽子を被り込んだ俺の前に立ち、服の胸につけられたネームプレートを確認
しているのは、清掃場所を案内するよう上司に命令された貳名製薬の社員である。
「いえ二人です。もう一人は遅れるとの連絡がありまして、先に私だけが……」
そう嘘八百を並べ立てても、前の男は疑うそぶりも見せない。
本物の清掃員は今頃車の中で大人しくお寝んねしているというのに、呑気なものだ。
まぁ
2009-10-05T00:50:35+09:00
1254671435
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池上燐介25
https://w.atwiki.jp/hutatuna/pages/142.html
**25.遭遇
「おいおいおい、一体どんな喧嘩したらこんな重傷になるんだぁ? えぇ?」
俺の左腕にはギプスが、左脇腹から右肩にかけては包帯が。
病院に戻った俺、いや、俺達はとある医師の一室で治療を受けていた。
包帯が巻かれるたびに痛みが走る。何しろ肋骨が三本折れているという話なのに、
医師は加減もせずに強く巻いていくのだ。
「ったく、さっきお大事にと言った矢先にコレだからなぁ。
女の前じゃ格好悪いところは見せられないとはいえ、少しは身の程をしれ!
時には女の手を引っ張って逃げるのも男の仕事だぞ? 分かってんのか?」
「つい先程、文字通り身に沁みるほど理解させてもらいましたよ」
先程から俺に説教を垂れているのは『大室』という医師。
五年前、大怪我を負ってここに入院していた時、俺の主治医だった医師だ。
「何かあったらすぐ私の元へ来い」。彼は五年前俺にそう言い残した。
あまり事を表立てたくなかった俺は、彼のその言葉を頼りに病院の彼の個室を訊ねると、
俺と四島、そして岩城と共に闘った男二人の治療を頼んだのだ。
彼は休憩中なのに面倒だと言わんばかりの顔をしたが、結局引き受けてくれた。
勿論、怪我に至った経緯も話さざるをえなかったが、その内容は事実とは多少異なっている。
「四島は大丈夫ですか? ──痛ッ……!」
「ほれ我慢しろ! ああ……彼女ね。背中の傷は幸い大した事はない。
ただ、暴漢に襲われた彼女の精神面を考えれば、二~三日は病院で安静だな。
親御さんの方には私から言っておくよ」
「助かります」
ふと個室の窓に目を向ける。どうやらここからは裏門の様子が見えるようだ。
窓からは赤い光が差し込んでは消えていく。裏にパトカーが停まっているのだろう。
岩城の遺体を放置したせいでやはり騒ぎになったのか、
何やら野次馬も多く集まって いる様子で、ここまで騒々しい音が聞こえて来る。
「ったく、やかましいなぁ警察も。一体何があったんだ? 患者が驚くだろうがよ~。
……あいつらが診察に来たら、毒でも注射してやろうか」
大室医師は椅子から立ち上がり、窓をのぞきこみながら人の命を救う医師とは思えぬ
台詞を平気で口にした。
(結果的にとはいえ、騒ぎ
2009-10-05T00:46:28+09:00
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池上燐介24
https://w.atwiki.jp/hutatuna/pages/141.html
**24.終宴
衝撃によって上空へと舞い上がった体は直ぐに重力に引かれて落下を始め、
俺の体は硬いアスファルトに打ち付けられる形となった。
それでも左膝を再び付き立ち上がろうとするが、左脇腹を襲う激痛により断念するのだった。
これは左肋骨を何本かやられているに違いない。
左腕も先程から痛みが増してきている。この闘いではもはや左腕も使えないだろう。
口元からは、胃から吐き出された赤い液体が滴り始めていた。
直ぐ傍で、『岩城』と名乗ったあの大男が眼鏡青年や長髪青年と何やら
会話をしている様子であったが、その内容は激痛という新たな敵と闘い始めていた
俺の耳には届かなかった。
──そして目の前で不意に広がった閃光。
何が起こったのか、前後の状況をまるで把握していなかった俺は、
ただ閃光の中心を見つめるしかなかった。
「私の能力は『宴の結末』を教えてはくれない。だが此処まですれば、ねえ?」
長髪の男が俺……いや、俺達二人に向かってそう呟いたようだが、
俺の視線は相変わらず閃光が走った場所へと向けられていた。
閃光に変わって白い煙が立ち昇り始めた場所には、切れた電線の一部が
軽い火花を撒き散らしながら転がっている。
閃光の正体……それはあの電線が発した電気。それにあの岩城が感電したということだろう。
口振りからして仕掛けたのは恐らくこの長髪。
(奴の用意した宴の席で、奴自身が死ぬ。これが顛末であれば言う事はない……が)
俺の一抹の不安は、直ぐに的中した。
もうもうと立ち込める煙の中から、岩城がその姿を現したからだ。
だが、如何に奴が肉体に自信を持っていても、流石にダメージだけは避けられなかったのだろう。
肉体のところどころにコゲ跡がつき、重さ数百キロはあるであろう電柱を息も切らさずに
軽々と操って見せた人間が、肩で呼吸をしているのだ。
「ハァハァ……今のは流石に効いたぜ。俺が異能力を使わずにいたら、あの世行きだった。
クフフ……俺の異能力は自身の肉体を最大限まで高めることだ。
あの程度の電撃ではダメージは負っても、死ぬことはねぇ」
肉体のみで耐え切ったというのか。
……肉体を強化する点に置いては確かに恐るべき異能力。
流石に
2009-10-05T01:03:27+09:00
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池上燐介23
https://w.atwiki.jp/hutatuna/pages/140.html
**23.饗宴
顔に似合わず大胆な事をするものだ。
眼鏡青年は体格的に既に劣勢に立たされていながら、
『No.19』と名乗った大男を堂々と挑発している。
それは体格の劣勢を跳ね除けることができるだけの異能力を持っている表れなのか。
「欲求不満、か。クックック……そうさ、実はその通りさ。
最近、人間の血を見てなくてなぁ……腕がうずうずしていた所なんだよ……
とてもじゃねぇが貴様一人の血だけじゃ今の俺の欲望を満たすことはできねぇなぁ……!」
男からは隠しきれないといわんばかりの殺気が放たれ始めていた。
青年は逃げろと言ったが、この様子では大男は逃がしてくれまい。
やっと体力も回復してきたのだから俺とて闘いたくはないが、この際仕方ないだろう。
「ねぇ、なんなのこの人達? キカンとかイノーシャとかって、何の話なの?」
この場を包む緊張状態などどこ吹く風か。四島が眉を顰めて、俺にボソリと呟いた。
もっとも、機関とも異能者とも全く関わりの無い人生を歩んでいた人間が聞けば、
この疑問は当然の如く湧いてくるものなのだろう。
彼女に本当のことを言ってしまうのは容易いが、それは俺自身が危険な能力を秘めた
異能者であると告白してしまうのに等しい。それは避けねばならない。
それにましてや言ったところで、理解してはもらえるとは到底思えないのだ。
「この眼鏡兄さんの言う通り、こいつは俺達に絡みたいだけさ。
だが売られた喧嘩は買わなくてはなるまい。……これでお出かけはおあずけだ。
お前は自分の家へ戻れ」
青年の台詞に合わせた適当な受け答えをし、「えぇー」と悲嘆の声を出す四島に背を向け、
俺は眼鏡を外し少々興奮気味と思える青年を横目にして、男の傍へと歩み寄った。
「No.1の言葉は絶対と言っていたな? つまりお前らのボスがNo.1と呼ばれている人間ということか。
ならば思うに、No.1とは『城栄』という男のことじゃないのか?」
「ほう……No.1を知っているのか。貴様、ただの異能者じゃなさそうだな」
町全体を巻き込んだバトルロイヤルといい、異能者の人工増産計画の
立案者ということといい、そしてあの圧倒的な力といい、
やはりあの男が全ての黒幕、機関その
2009-10-05T00:40:38+09:00
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池上燐介22
https://w.atwiki.jp/hutatuna/pages/139.html
**22.病院
あの駅での一件から二十数分は経っているだろうか。
俺は目的地である病院に辿り着くと直ぐに受付を済ませ、
今は既に多くの人間でごった返している待合室のソファに腰をかけ、順番を待ち続けていた。
朝でも、大病院となると来訪する人間の数はかなり多い。
急患でもない限り、一時間くらいは平気で待たされるものだ。
この効率の悪さには辟易していたものだが、今の俺にとってはこの上ない時間潰しとなってくれる。
とは言うものの、診察までただソファに座っているだけというのは退屈なものだ。
俺は待合室に置かれている雑誌でも読もうと席を立ち、ふと玄関に目を向けた。
中年親父が何かを手にして何やらキョロキョロと辺りを窺っている。
見れば、手にしている物はどうやら財布であるらしい。
中年親父が挙動不審な行動を取っている場所は、先程ひょろっとした眼鏡青年が
俺とぶつかった場所だ。あの時、俺とぶつかった拍子に彼が自分の私物をぶちまけていたが、
もしかするとあれは彼の財布ではないのだろうか。そういえば微かだが見覚えがある。
中年からは、放って置けば黙って持っていくと断定できるくらい不審な雰囲気が漂っている。
俺には関係のないことだと見て見ぬフリを決め込んでもよかったのだが、
目の前で堂々と盗みを働かれるのは、俺にとってあまり良い気分がしない。
俺は雑誌が並ぶ本棚に向けていた体を玄関に向けなおし、
その中年のもとへと歩み寄った。
「ありがとうございます、拾っていただいて。それ、僕のなんですよ」
まさか落とし主と名乗る者が現れるとは思ってもみなかったのだろう。
中年は一瞬驚いたような顔を見せると、少しどもついた声で財布を渡してきた。
俺は財布を受け取ると、中年を背にして先程まで座っていたソファに戻り、腰をかけた。
「つくづくお人好しだね……俺も」
思わずそう呟いてしまう。
隣に座っていた高齢の女性は、今頃俺を変な目で見ていることだろう。
俺はそれを気にすることもなく、今度こそ本棚に向かうべく再び席を立った。
と、その時である。
「三十番の番号札をお持ちの方ー、四番の診察室へどうぞー」
俺に順番が回ってきたと、看護婦が告げたのだ。
意外や
2009-10-05T00:38:52+09:00
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