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1番手。めりーさん◆c67jyZa4xw ──みんな死んでしまった。 俺の目の前には、かつてはヒトの形であった肉片が散乱していた。 吐き気を催すほどの臭気が辺りを包んでいる。 「これは……」 ふと目に付いた。無造作に転がる小さなそれは、座敷童子の千切れた足に間違いはなかった。 2番手。座敷童女◆AxN64oY9xA 信じられなかった。妖怪である彼女たちが、こうもあっさりと死に絶えるなんて。信じられるわけがなかった。 「どうしてだ……。どうして……」 いつの間にか俺の日常にまでなった風景。その全てが一瞬で奪われていく様が脳内を埋め尽くしていた。人は悲しすぎると涙すら流せないというが、今まさにそれを実感している。色々な感情を内包し、俺はそいつを我武者羅に睨み付けた。 「答えろよ! 須々木小柚!」 3番手。むー◆nlfNPGXYe2 「ふふ……」 視線の先には見慣れたポニーテール。前髪が暗い影を落とし表情は読めない。 「どうして、どうしてですって? あなたが問うの?」 歌うように優雅な仕草で小柚は足元に手を伸ばした。 「これ、なにかわかる?」 4番手。文 ◆YqZoxH8Vog 彼女の指の先に視線をやった。そこには── 「……へ?」 沸騰するかと思えた程に熱かった頭の中が、今急速に冷えていく。困惑と違和感が綯交ぜになってぐちゃぐちゃに。加速していた時間は止まる。 それは人間の頭部で、しかし問題はソコじゃない。それは良く見知った人間の顔をしていて。そうじゃない。一番の問題は。 「俺の──生首」 そいつが大泉純一、一番見慣れた、自分の顔をしていたってことだ。 5番手。1◆9dl5dBekac (ゲスト) 「どうして――」 俺は確かにここに居る。しかし、目の前の首も間違いなく俺のものだ。 鏡像としてではなく、有形的な存在で確認できる自身の肉体。 ――客観的に目にする己の亡骸。 自分の存在を押しつぶすような二律背反に目眩を覚える。 思考も体も、世界そのものが冷えきっていくような恐ろしさ。 俺の反応のどこが楽しいのか、須々木は上機嫌に俺の首を踏みつけた。 「気に入らないの。ただそれだけ」 禍々しい微笑み。 「あなたも、ね」 俺のさらに後ろを見据えて言葉を投げかけている。 もはや俺は眼中にないらしい。目の前の事実から目を逸らすように、俺は須々木の視線を追った。 6番手。共有者R ◆Q4QqNnVgv2 (通りすがり) 彼女の気配を背後に感じることに慣れたのは、いつごろからだろう。 神出鬼没なこの気配は、もはや俺の日常の一部だった。 「……メリーさん」 いつもの見慣れた表情とは違い、悲しそうな顔をしている。 いや、怒っているのかもしれないし、泣いているのかもしれない。 眉根を寄せ、彼女は何かを耐えるようにきつく目を閉じていた。 須々木さんは、メリーさんから視線をはずさない。  沈黙を破ったのはメリーさんだった。 「あなた、誰?」 7番手。文 ◆YqZoxH8Vog、再び それを聞いて須々木小柚は、いや──誰だ。あれは、ダレなんだ? あんな凶々しい笑みを、俺は知らない。その口元がにいぃっ、と更に釣り上げられた。 「あはは、私が誰かって? こんな異常な状態でそれを聞くの、ねぇ」 異変、そうこれは異常だ。そうして俺は気付かされる、自分自身さえもおかしいことに。 覗き込んだ自分の掌、確かめるように触れた躯、どれをとっても女性のものだ。 さっきまで自分があげていた声も。そして、視界に感じていた違和感。顔に触れようとしたときに先に手に触れたもの── 「あなた、メリーの姿をした誰なのかしら?」 8番手。座敷童女◆AxN64oY9xA ああ。なんとなく、現状が掴めてきた。 睨み合う須々木とメリーさん。多分、彼女たちも外見と中身が別の誰かと入れ替わっているのだろう。今の俺のように。 「まあ別に、誰だっていいんだけどね。壊れちゃえば同じことでしょ?」 須々木が酷く冷淡な声音で呟く。室内に緊迫した空気が漂い、メリーさんが身構えた。 「遅い上に隙だらけ。ダメダメね」 眉間を押さえるような動作をしながら仕掛ける須々木。左に右にとローキックを放ち、メリーさんはなんとかそれを捌いていく。 「言うほど、大したことないじゃない」 メリーさんが安堵の息と共にそう評した。確かに、須々木の攻撃は完全に防がれている。女の体力ならいずれ疲弊してしまうと思うのだが……。 その時、須々木が笑みを零したのを俺は見逃さなかった。と同時、更にメリーさんの内に一歩踏み込み、彼女の襟首を持ち須々木が跳ねる。 「カウ・ロイ!」 須々木の膝蹴りが深々とメリーさんに突き刺さった。この為に彼女はローキックで視線を下に向けさせていたのだろう。そして突然の上段への攻撃。為す術もなく、メリーさんは崩れ落ち、須々木が唾を吐いた。 「ムエタイ……立ち技最強の武術よ。覚えておきなさい」 9番手。文 ◆YqZoxH8Vog、他の人も書け。 「め、メリーさ」 駆け寄ろうとする俺に対して、片膝をついた彼女は右手を突き出した。大丈夫、とだけ表情で語って── 「……座敷さんじゃないし、灯のヤツでもない。メリーさんも違うし、男連中でも無いわね」 ゆっくりと、体勢を立て直す。目の前に居る須々木はそれをただじっと見ている。 「最初は遊木子かと思ったのだけれど──、分かったわアンタの正体。アンタは」「もういい、死んで?」 目で追うのがやっとの速さ。そのままの体勢から須々木が繰り出した跳び膝蹴りを、メリーさんは肘で弾くようにして受け流した。 「おい、大泉! こっから早く逃げろ! このままじゃ二人とも殺られちまう!」 激しい攻防の中から、メリーさんは──いや、あれは須々木だ。メリーさんの外見をした須々木はこちらに声を投げ掛ける。 「こいつは──あのコロボックルだ!」 「他のこと考える余裕なんて、あるのかしらぁ?」 須々木の足が、思いっきりメリーさんの頭にヒットするのが見えた。 10番手。40 ◆kR30/VZhEk 信じられなかった。 妖怪であるはずの彼女はその打撃により、鈍い音と共に赤い物 をまき散らした。 俺はその時点で初めて、巨大な恐怖を感じた。 全身の血の気が一気に引き、身体が震え出す。 その恐怖から逃げたくて足を動かそうとするが、震えで上手く いかない。 よろけた自分の足下に、何かがあたる。 俺はそろそろとそこに視線を向けた。 「うわぁぁぁあああああああああ!」 ---- 以下広告のためsage ----
1番手。めりーさん◆c67jyZa4xw ──みんな死んでしまった。 俺の目の前には、かつてはヒトの形であった肉片が散乱していた。 吐き気を催すほどの臭気が辺りを包んでいる。 「これは……」 ふと目に付いた。無造作に転がる小さなそれは、座敷童子の千切れた足に間違いはなかった。 2番手。座敷童女◆AxN64oY9xA 信じられなかった。妖怪である彼女たちが、こうもあっさりと死に絶えるなんて。信じられるわけがなかった。 「どうしてだ……。どうして……」 いつの間にか俺の日常にまでなった風景。その全てが一瞬で奪われていく様が脳内を埋め尽くしていた。人は悲しすぎると涙すら流せないというが、今まさにそれを実感している。色々な感情を内包し、俺はそいつを我武者羅に睨み付けた。 「答えろよ! 須々木小柚!」 3番手。むー◆nlfNPGXYe2 「ふふ……」 視線の先には見慣れたポニーテール。前髪が暗い影を落とし表情は読めない。 「どうして、どうしてですって? あなたが問うの?」 歌うように優雅な仕草で小柚は足元に手を伸ばした。 「これ、なにかわかる?」 4番手。文 ◆YqZoxH8Vog 彼女の指の先に視線をやった。そこには── 「……へ?」 沸騰するかと思えた程に熱かった頭の中が、今急速に冷えていく。困惑と違和感が綯交ぜになってぐちゃぐちゃに。加速していた時間は止まる。 それは人間の頭部で、しかし問題はソコじゃない。それは良く見知った人間の顔をしていて。そうじゃない。一番の問題は。 「俺の──生首」 そいつが大泉純一、一番見慣れた、自分の顔をしていたってことだ。 5番手。1◆9dl5dBekac (ゲスト) 「どうして――」 俺は確かにここに居る。しかし、目の前の首も間違いなく俺のものだ。 鏡像としてではなく、有形的な存在で確認できる自身の肉体。 ――客観的に目にする己の亡骸。 自分の存在を押しつぶすような二律背反に目眩を覚える。 思考も体も、世界そのものが冷えきっていくような恐ろしさ。 俺の反応のどこが楽しいのか、須々木は上機嫌に俺の首を踏みつけた。 「気に入らないの。ただそれだけ」 禍々しい微笑み。 「あなたも、ね」 俺のさらに後ろを見据えて言葉を投げかけている。 もはや俺は眼中にないらしい。目の前の事実から目を逸らすように、俺は須々木の視線を追った。 6番手。共有者R ◆Q4QqNnVgv2 (通りすがり) 彼女の気配を背後に感じることに慣れたのは、いつごろからだろう。 神出鬼没なこの気配は、もはや俺の日常の一部だった。 「……メリーさん」 いつもの見慣れた表情とは違い、悲しそうな顔をしている。 いや、怒っているのかもしれないし、泣いているのかもしれない。 眉根を寄せ、彼女は何かを耐えるようにきつく目を閉じていた。 須々木さんは、メリーさんから視線をはずさない。  沈黙を破ったのはメリーさんだった。 「あなた、誰?」 7番手。文 ◆YqZoxH8Vog、再び それを聞いて須々木小柚は、いや──誰だ。あれは、ダレなんだ? あんな凶々しい笑みを、俺は知らない。その口元がにいぃっ、と更に釣り上げられた。 「あはは、私が誰かって? こんな異常な状態でそれを聞くの、ねぇ」 異変、そうこれは異常だ。そうして俺は気付かされる、自分自身さえもおかしいことに。 覗き込んだ自分の掌、確かめるように触れた躯、どれをとっても女性のものだ。 さっきまで自分があげていた声も。そして、視界に感じていた違和感。顔に触れようとしたときに先に手に触れたもの── 「あなた、メリーの姿をした誰なのかしら?」 8番手。座敷童女◆AxN64oY9xA ああ。なんとなく、現状が掴めてきた。 睨み合う須々木とメリーさん。多分、彼女たちも外見と中身が別の誰かと入れ替わっているのだろう。今の俺のように。 「まあ別に、誰だっていいんだけどね。壊れちゃえば同じことでしょ?」 須々木が酷く冷淡な声音で呟く。室内に緊迫した空気が漂い、メリーさんが身構えた。 「遅い上に隙だらけ。ダメダメね」 眉間を押さえるような動作をしながら仕掛ける須々木。左に右にとローキックを放ち、メリーさんはなんとかそれを捌いていく。 「言うほど、大したことないじゃない」 メリーさんが安堵の息と共にそう評した。確かに、須々木の攻撃は完全に防がれている。女の体力ならいずれ疲弊してしまうと思うのだが……。 その時、須々木が笑みを零したのを俺は見逃さなかった。と同時、更にメリーさんの内に一歩踏み込み、彼女の襟首を持ち須々木が跳ねる。 「カウ・ロイ!」 須々木の膝蹴りが深々とメリーさんに突き刺さった。この為に彼女はローキックで視線を下に向けさせていたのだろう。そして突然の上段への攻撃。為す術もなく、メリーさんは崩れ落ち、須々木が唾を吐いた。 「ムエタイ……立ち技最強の武術よ。覚えておきなさい」 9番手。文 ◆YqZoxH8Vog、他の人も書け。 「め、メリーさ」 駆け寄ろうとする俺に対して、片膝をついた彼女は右手を突き出した。大丈夫、とだけ表情で語って── 「……座敷さんじゃないし、灯のヤツでもない。メリーさんも違うし、男連中でも無いわね」 ゆっくりと、体勢を立て直す。目の前に居る須々木はそれをただじっと見ている。 「最初は遊木子かと思ったのだけれど──、分かったわアンタの正体。アンタは」「もういい、死んで?」 目で追うのがやっとの速さ。そのままの体勢から須々木が繰り出した跳び膝蹴りを、メリーさんは肘で弾くようにして受け流した。 「おい、大泉! こっから早く逃げろ! このままじゃ二人とも殺られちまう!」 激しい攻防の中から、メリーさんは──いや、あれは須々木だ。メリーさんの外見をした須々木はこちらに声を投げ掛ける。 「こいつは──あのコロボックルだ!」 「他のこと考える余裕なんて、あるのかしらぁ?」 須々木の足が、思いっきりメリーさんの頭にヒットするのが見えた。 10番手。40 ◆kR30/VZhEk 信じられなかった。 妖怪であるはずの彼女はその打撃により、鈍い音と共に赤い物 をまき散らした。 俺はその時点で初めて、巨大な恐怖を感じた。 全身の血の気が一気に引き、身体が震え出す。 その恐怖から逃げたくて足を動かそうとするが、震えで上手く いかない。 よろけた自分の足下に、何かがあたる。 俺はそろそろとそこに視線を向けた。 「うわぁぁぁあああああああああ!」 11番手。座敷童女◆AxN64oY9xA そこにあったのは赤黒く変色した肉塊だった。少なく見積もっても死んで2、3日は経過しているだろう。 しかし、これがただの腐乱死体であれば先ほどのような叫び声を上げなかった。 まず、首から上がない。無理やり抉り取られたようにその部分だけが歪に血溜りだけを残して消え失せている。そして腹部は二つに裂かれ、中からは巨大なヒルの様な臓物が顔を出していた。何度か踏み荒らされているように泥と血でぐちゃぐちゃで、とても見るに耐えない。 俺は怖気立った。正直腰がいつ抜けてもおかしくない。 それでも、なんとかこの状況を脱するため、まずは須々木──否、コロポックルに視線を移す。 ……? ニヤニヤしながら、こちらを見ている? あの口に挟まったものは……? 俺が理解するのと、コロポックルがそれを噛み潰すのとは同時だった。ぐちゅ、と水っぽい音が辺りに響き、口の中で転がし、味わうようにして噛んでいる。 あれの正体は目玉だ。神経の塊。それが幾重にも潰されていく。痛みがシンクロし、まるで自分の瞳に犬歯が突き刺さるかのような恐怖を覚え、俺は失禁した。 ---- 以下広告のためsage ----

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