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「ユリウス!?」

 イヴがユリウスのもとへと駆け寄り、彼の体を抱き起こした。

「ユーリ…。」

 イヴが心配そうな声を出すと、ユリウスは剣を杖の代わりのようにつきながらゆっくりと起き上がった。
 ユリウスは、優しく微笑み、イヴに話し掛けるように言った。

「あ…いや、心配ないよ。ちょっと疲れた…だ…け…。」
「で、でも…背中の傷…。」
「い、いえ。なんともありませ…」

 ユリウスが全てを言う前に、イヴが彼の背中の傷を触った。

「…っ!!」

 ユリウスは苦痛をこらえ、さきほどまでの優しい笑みの表情をゆがませた。
 イヴは、瞬時に顔をしかませ、持っていたバッグから白く長い布を取り出した。

「やっぱり駄目よ。手当てしなきゃ。はい。これ包帯代わり。止血くらいしなきゃ。」

 イヴはもっていたハンカチを水筒の水で濡らし、ユリウスのマントを剥ぎ取った。
 そして、少し気難しそうな顔をすると、ユリウスの傷の周りを丁寧に拭いた。

「あ…消毒するね。しみるよ?」
「うん…。」

 ユリウスはあいまいな返事で答えると、イヴは傷口に濡れたハンカチを触れさせた。
 ユリウスは激痛のあまり一瞬歯を食いしばったが、すぐに消毒は終わった。

「じゃ、あとは包帯巻くだけよね?」

 イヴはそう言いながら、白く細長い布を手で伸ばした。
 そして、包帯を巻こうとユリウスの体に密着した。
 ユリウスの肩がイヴの頬にあたる。ユリウスのあたたかい肩。この肩に何度頼ったのだろう…?
 そんな気持ちでイヴは彼の暖かさを感じていた。

 イヴは慣れた手つきで包帯を巻き終わると、バッグの中へとしまいこんだ。





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