「EL5」(2006/04/06 (木) 16:55:44) の最新版変更点
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<p>「はい。これで大丈夫。」</p>
<p>「あ、ありがとう。」</p>
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「ううん。こちらこそ、足手まといでごめんなさい。」</p>
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<p> イヴは、ユリウスの怪我を見て、包帯をしまった。</p>
<p> 気まずい。</p>
<p> 気まずい雰囲気が二人の間にたちこめる。</p>
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双方、動こうともしない。立ち上がろうともしない。</p>
<p> なにも話そうとしない。</p>
<p> ただじっと座っているだけ…。</p>
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<p>「…もう暗くなる。</p>
<p>どこかで野宿するか。」</p>
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ユリウスはそういうと、イヴは「うん。」とうなづきながら立ち上がった。</p>
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ユリウスは立ち上がると、森の奥へとつっきていく。</p>
<p> イヴもそれに続いて歩く。</p>
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<p> やがて、ほこらのようなところが見えた。</p>
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ユリウスとイヴは、ほっとしたような笑顔で、そのほこらへと走っていく。</p>
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<p>「よし。これなら雨にもぬれないだろう。」</p>
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<p> ユリウスとイヴは、ここで寝ることにした。</p>
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このほこら、見た目よりずっと頑丈で全て石造りだった。</p>
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多少ひび割れたブロックがあるが、石は規則正しくならんで、隙間風も入ってこない。</p>
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<p>「うん。しっかりした造りだな。」</p>
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「でも変だわ。こんな、人も足を踏み入れないような森の奥にほこらがあるなんて…。</p>
<p>誰がなんのためにつくったのかしら?」</p>
<p>「ま、とりあえず今は今を考えろってことだ。」</p>
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<p>
ユリウスは適当な場所を見つけると、ごろんとよこに転がった。</p>
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そのとき、背中に激痛が走り、ユリウスは表情をゆがめ、体を丸めた。</p>
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<p>「ユリウス!?」</p>
<p>「あ、いや。なんでもない。」</p>
<p>「…そう。」</p>
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<p> イヴは、心配そうな声でそうつぶやいた。</p>
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