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アナザー2「回るな進め」
目が覚めたときにものすごい光が私を襲った。

「まぶし・・・。」

光に負けそうになりながらも起き上がると、全体が木で作られた不思議な部屋だった。

私は状況が把握できないままベットから降りるとちょうど扉が叩かれる音がした。

「入りますよー。」

ひ弱と言うか、微妙な声をかけて入ってきた人に私は驚きの色を隠すことが出来なかった。

「おや、起きてたんですね。良かった良かった。」

その人は普通に反応したと思ったら、木で出来たお盆に薬らしく粉状のものを上に乗せて持ってきてた。

「これ薬ですので。後何か不自由があったら言ってくださいね。」

「・・・!ちょっと待て!」

私は状況が把握できないままこの人に話しかけてしまった。

「ここは何処だ。」

その人はきょとんとした顔で言った。

「ここは海の上ですよ。疑うなら甲板に上がってみますか?」

私はその人の言うことがどうも嘘っぽく感じてしまい、急いで甲板に出た。

「海・・・だけど『海洋の星』じゃない!?」

わけがわからない。私が乗っていたのは最新式の客船だ。こんなに木で出来た西洋風な船じゃない。

それにどうだ。船員は古ぼけた中国のような格好の人ばかりだ。どこかの映画のワンシーンか?

「どうか・・・しましたか?」

「ちょっと何よ・・・。私なんでこんなことになってるの?」

自分のおかれた状況が未だに判断できない。

私はただ、姉を探したいだけなのに。



「大丈夫ですか?眉間にしわがよってますよ。」

「大丈夫よ。ところで、あなたは誰?」

さっき私が寝ていた部屋。やはり現実。木の部屋だ。

「私は三保といいます。普通な人だと思ってください。」

いやいやいや、あなただけ格好違いますから。

「あなたのことも教えてくれませんか?」

三保が私に問いかけてきたので正直に答えた。

名前。船に乗ったこと。船で気を失ったこと。男のこと。

それを聞いた瞬間三保は黙り込んで考えてしまった。

「えっと、私のことだから、気にしないで。それに誰かを巻き込むつもりもないし、こうなったのも神の思し召しなのよ。」

そう言うと三保は私にこう言った。

「じゃあ、あなたがこの船の近くに居たことも、神の思し召しかもしれませんね。」

そう言う言葉が出るとは思ってなかった。

普通の人なら意味の分からないことを言ってると思うはずだ。

この世界は私のいた世界ではない。ここは、別の世界なんだ。

「あなたの言っていることは本当なんでしょうね。何故か、そんな気がするんですよ。」

異世界人の私に対して疑問を持たない。それだけでもいい人だと思ってしまった。

まぁ、なんとなくな人なのかもしれないけれど。

「あなたは、元の世界に戻りたいと思いますか?」

「ええ、元の世界に戻って姉を探して見せるわ。」

私が言ったあと、三保は面白いことを言った。

「もしあなたのお姉さんがこの世界に迷い込んだとしたら・・・?」

私の脳裏にあの男の言葉がよみがえる。

―――あなたが探している人はきっともう少しで会えますよ。

私の探している人、姉。

もう少し、つまりこの世界にいるかもしれない。

姉は戻れなくてずっとこの世界にいる!

「もしかしたら・・・。」

私の唇が勝手に動く。

「もしかしたら・・・居るかもしれない・・・!」

そして私は、衝動でこの言葉を言ってしまった。

「お願いがあるの!私といっしょに姉を探してほしい!」

何をいっているんだ私は。

ついさっき知り合ったばかりの三保という人に手伝ってなど。

三保は少し黙っていたが、ついに口を開いた。

「いいでしょう。最近少々暇だったのでいい息抜きになりますよ。」