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イグドラシル/北国人+歩兵+バトルメード+経済専門家

歩兵→帝國軍歩兵へプロモ
新ページ(イグドラシル/北国人+帝國軍歩兵+バトルメード+経済専門家


L:経済専門家 = {
 t:名称 = 経済専門家(職業)
 t:要点 = 机、置物、スーツ
 t:周辺環境=書斎
 t:評価 = 体格2,筋力2,耐久力3,外見7,敏捷0,器用3,感覚3,知識2,幸運3
 t:特殊 = {
  *経済専門家の職業カテゴリ = 派生職業アイドレスとして扱う。
  *経済専門家は経済関係の判定を行うときに+10の修正を得る。
  *経済専門家はターンごとに+1億を国庫に納める。
 }
 t:→次のアイドレス = 経済発展(イベント),経済政策(イベント),雇用政策(イベント),政治専門家(職業)

要点継承元(北国人




□経済専門家設定文

 アイドレスというゲームがある。何人ものプレーヤーがそれぞれ集まって小さな藩国を創り、さらにその藩国がいくつも集まって帝國、共和国と称される二つの国(のごく一部)を形作っている。
そしてさらに数多くのNPCが他の藩国やオーマなどなど、それぞれの勢力を作り、存在している。
PC、NPC含めすべての存在はそれぞれの意思に従って行動し、時に協力し、時に争い、日々を過ごしている。そういう世界を舞台にしたゲームである。

 シーズン1。このアイドレスが始まるきっかけを作った根元種族と呼ばれる存在の再登場により帝國と共和国の争いが別の様相を見せつつあった頃。
各国は目の前の敵とはまた異なる存在―あるいはシステムと呼んだほうがより精確かもしれない―に取り組むことを余儀なくされていた。
その名を「経済」という。自国にない資源、あるいは食糧、燃料を得るべく限られた資産をいかに分配し、また消費するのか。
うまくいけば自国の資産を増やし国内の発展につなげることのできる便利な存在だが、一つ間違えば国一つでは済まないほどの被害を生みだしてしまう、そんな目の前の敵より厄介な相手と成りかねない相手との長い付き合いが始まったのだった。

 ……それから。


経済専門家の誕生に至る経緯


 今も各藩国で経済への取り組みは続いていた。
いや、決して多くはない成功例を除けば今も手をこまねき続けている、と言った方が正しいかもしれない。理由は、各藩国がNWの経済に介入する手段として確実なものが市場での取引しか無いことであった。
個人による起業や、ACEあるいは一般の人々に協力を求めたり、果ては宰相への奏上や裏マーケットの利用によって間接的に市場に影響を与える方法も無いではなかったが、どれも一長一短であり十分な手段足りえていないのが現状であろうと思われる。

 そして高い山のふもとにあって見渡す限り雪原と針葉樹林が続く、旧ビギナーズ王国も例外では無かった。少しづつ工業が発展してきているとはいえまだまだ広大で豊かな小麦畑の中に雪に備えた急勾配の屋根の家々が点在している光景の方がなじみ深いこの国においても、経済というシステムを理解し、より良い方向へ機能させていくことのできる“専門家”の発掘及び育成が一つの課題となっていた。しかしこの課題は困難な問題であり、長期に渡って解決策を見出せずにいた。ところが、二つのきっかけが事態を大きく進展させる事になる。

 一つのきっかけは、ナイアル・ポー氏の藩国への逗留であった。この国を訪れて以来、彼はその飾らぬ人柄と深い知恵、そして時には恋愛相談さえも鮮やかに解決してしまう、決して見せ場を逃さない活躍によって多くの国民から「ポー教授」の愛称で親しまれている。
そんな彼だが元はと言えば火星大学で教鞭を執っていた経験の持ち主であり、さらには夜明けの船の政治家として、火星独立軍の外交を一手に担うなど政治的知識も深く、経済の専門家としてはこれ以上ない逸材であった。

 二つ目のきっかけは、ターン12での総合大学の建設であった。新臣民への就労支援として行われた公共事業の一環として、前身である初心師範学校を取り込み増設する形で作られたこの大学には、政治学部、経済学部が設置され、これで人材育成の場が備わったのである。

 とはいえ、大学が実際にその機能を果たし、優れた人材を輩出する事を期待するにはしばらくの時間が必要であった。これでは目の前の危機には対応できない。そこで、大学での人材育成と平行して即戦力となりうる人材の確保が急務となった。求められたのは、短期間で経済に関する専門的な知識を習得し実践できる教養、そしてその職務上、自国のみならず他国の首脳と相対する事も多い状況の中でも礼儀作法を損なわぬ事。そしてなによりも、現在要職についていないこと。

 ……そんな都合のいい人材が果たしているだろうか?
 ……いたのである。

 かつてメード服に身を包み、「常にエレガントに」を合言葉に箒形銃の扱いから果てはI=Dの操縦まで一連の戦闘技術とありとあらゆる家事技能と礼儀作法を叩き込まれ、宮廷に仕えながら、時に宰相にお茶をお出しする(ついでに奏上する)こともあり、時には軍服仕様のロングコートに身を包み、歩兵銃片手に戦場に立つこともある、優秀な人材でありながら少なくとも表向きは隠居している人々が。

 それが通称ご隠居、あるいは、「隠居したメード」と呼ばれる人々だった。彼女達はバトルメードを引退すると同時に軍からも退役しており世間一般的には無職となっており、再就職するものはほとんどいなかった。この理由については諸説あるがいずれも憶測や噂の域を出てはいない。したがって、ここでその理由について詳しく語る事は控えておく。ともかく、メード服を脱ぎ防寒着に着替えた彼女らは隠居したと言ってもまだまだ若かった。その中には第2の人生を新たな世界に求めた者たちも確かに居たし、中には大学で学ぶ事を選んだ者もいたのである。

 かくして、銃弾も剣戟も飛び交うことが無い、それでいて命がけの戦場に挑む者達が現れる。
願わくはこの大学を巣立つ彼らの力が人々の生活の安定と向上につながらんことを。


 ……そこまで書き終えた所で、机から顔を上げ、ようやく一息ついた。
肩を回すとポキポキ音が鳴る。

 「んー、少し休憩するかな」

 南側にしつらえられた少し大きめの机に、窓に背を向けて座りながら、スーツ姿の彼はそんな事を呟いた。
窓から差し込む光が白い髪を照らしている。部屋の壁は南側と北側のドアを除いてはびっしり本棚で埋められており、仕事場であると同時に書斎としても使われているのだろう。
余分を排したような部屋の中、机の上の小さな置物―1つの写真立て―だけが彼の趣味を示していた。

 軽快なノックの音が響く。入ってきたのはスーツ姿の女性だった。

 「そろそろ出かけるわよ?」

口調から判断するに、彼の同僚だろうか。

 「ああ、すみません。母校の学史に寄稿を頼まれてまして。少し昔を思い出していました」

準備してあったらしい鞄を手に取り、体上がりながら答える。

 「ふうん。いい気分転換になったみたいね」

ちらと彼をいちべつしただけで、後は背を向けてドアに手をかける。

 「そうですね。少なくとも、初志から外れずにいられた事を確認できたのは良かったかな」


 よく、景気の悪い事を風に例えたりする事がある。
曰く、風邪が長引いている、風邪をこじらせてしまった、などなど。

 きっかけは、それほどたいしたことでもなかった。

 自分の住んでいる藩国が所属する「帝国」と「共和国」との経済格差が大きくなっているらしい、とニュースが報じていた。別に国が無くなるわけでも無し、少し不景気になるくらいだろう、と思っていたら、父があっさり職を失った。
なんでも、「共和国」から安い商品が大量に入ってきて、小さな製造業では全く太刀打ち出来なかったらしい。

……ほどなく一家は離散し、自分は親戚に引き取られる事になった。
別れ際に父が一言 「すまん」 と言って頭を下げていた姿が今でも忘れられない。
その姿を見た時の、怒りとも悲しみがないまぜになったような言いようの無い気持ちが今でも忘れられない。

何故、何も悪くないはずの父がこのような目に合い、何故頭を下げねばならなかったのか、と。

 そうして、自分は、自分の道を定める事にした。一人でも多く、自分と同じ目に会う人を減らすために。
その力を得るために進む路を決めたのだった。


 そのまま部屋を出て歩き出す二人。

 「なら、今日もよろしく頼むわよ?たくさんの人々の生活が私たちの双肩にかかっているのを忘れないようにね」
「ええ。この満天星国は、僕達が守りますよ」

 戦闘とはまた違った形で、満天星国を襲う敵と戦っている彼ら。
 そうして今日もまた、それが始まる。


―誰もいなくなった部屋の中。
机の上に置かれた写真立て、「卒業生一同」と小さく書かれた写真の中には誇らしげに笑う彼の姿があった。