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イグドラシル/補給士官

補給士官


L:補給士官 = {
 t:名称 = 補給士官(職業4)
 t:要点 = バインダーに挟んだ書類,ボールペン,軍服
 t:周辺環境 = 補給物資
 t:評価 = 体格1,筋力1,耐久力1,外見-1,敏捷4,器用1,感覚1,知識4,幸運1
 t:特殊 = {
  *補給士官の職業4カテゴリ = 職業4アイドレスとして扱う。
  *補給士官を含む部隊は、戦闘動員による食糧,燃料消費を75%に出来る。この効果は75%ルールを無視して効果を発揮する。この効果は重複しない(補給士官以外の効果による重複はする)
 }
 t:→次のアイドレス = 資源削減計画(イベント),補給所の建設(イベント)


戦線を維持するに当たって最も大事なことは、補給が途切れないことである。
常にベストコンディションに部隊を保つだけでなく、士気を保つ上でも重要なのだ。
そのために、軍では昔から補給には格別の注意が向けられてきた。
怠った者の末路は、その者も軍そのものもいわずもがな、である。
勿論、満天星国でもそれは徹底されている。
正確に言えば兵站システムの構築以降ではあるが、常に緊張を保って兵站管理を行っている。
いついかなるとき敵が攻めてきても、また攻めることになっても問題が起きないようにしているのだ。

その中で、兵站の管理を行う専用の仕官が事務官の中から選出され、補給士官として各部隊に配置された。
補給に関わる事務作業を一手に担い、より正確に、より効率よく物資を管理する。
部隊の士気に関わる重大な仕事だが、それだけに担当するものはエリートであり、部隊の誰もが頭の上がらない存在となっている。

が、そんな緊張感漂う役職にも例外はいる。
その例外は、ある部隊の詰め所で確認されていた。

「ま、待ってください~!」

軍の詰め所に似合わぬかわいらしい声が、建物の中に響いた。
続いて響くのがぱたぱたぱたという擬音。軍用の靴ならば決してしない音である。
言うなれば、スリッパでないと出ない音だ。
その発生源は女の子。一応軍服を着てはいるものの、スリッパのままなのでどこか間抜けである。


「はぅぅ~、ま、待って~!あぅっ!」

再びその声が響き突然途絶えた。同時に響くずってーんという音。
あまりにも場違いな声と音に、その場にいた人間の関心はその発生源に向けられた。
そこには伸びている女の子がいた。
念のため断っておくが、スカートはちゃんと膝まであるので中は見えていない。
その進行方向には手に持っていたバインダーとボールペンがカラカラと音を立てていた。
さらにその先にはトラックが、やはり音に気付いて停まっていた。
どうやら女の子はこのトラックを追っていたようである。
まぁ、結果はやりたいことができたのだからよいはずである。本人がぶっ倒れていることを除けば。

集まってきた野次馬でガヤができ始める頃、ようやく女の子が立ち上がった。
鼻っ面を思い切り打ったようで若干涙目になっている。
が、トラックが停まっているのを見るやいなや、にぱぁっと笑顔になる。
そして今度こそ待ってーと言いながらぱたたーとそれに駆け寄った。

「あ、あの!」
「おう、どうしたいおじょうちゃん」

ぴょんぴょん跳ねながら運転席に向けて一生懸命声をかける。それに運転手は気さくに答えた。
こんなかわいい子が伝令とは、いや、いいことしてくれるなぁ、という笑顔だ。
彼はよーし、おじさんなんでも聞いちゃうぞーと軽い気持ちで次の言葉を待った。
重い気持ちが必要だったのに。

「天陽の予備のシーカーユニットとピケのジャイロユニットが各1個ずつ、12.7mm弾の弾薬が20箱、天陽用AMR弾3箱、SAMとATMが各2個ずつ、食糧パックが23個に燃料タンク一個下ろしてないです~!」

それを聞いた瞬間運転手の笑顔が固まった。周囲のガヤも固まった。
一人だけ首をかしげる女の子。
その胸には補給士官であることを示すバッジが輝いていた。

彼女の仕事は補給の管理。必要な補給物資はデータだけでなく頭の中にも完璧に入っているのだ。
そんな彼女からすれば、書類を見ずともこの程度の指示は出せて当たり前。何も驚くことではない。
さらには、その後正気に戻った運転手やあたりの暇人たちを使って短時間で不足分を下ろしたりもできるのだ。。
多少ドジなところもあるが、それでも仕事内容はエリートのそれであった。
兵站を管理するものとして、ドジなのはちょっとアレかもしれないが……。
しかし、士気を維持するために補給を行うのである。
その中には癒しも含まれるのだから、彼女はまさにうってつけの人材であった

あくまでも、例外ではあるが。


「ふぅ……」

荷物の下ろし忘れもどうにか対処し、女の子もひと段落着く。
しかし、休む暇はない。つぎの物資が届いているのだ。
早くそのチェックに向かわなければ。
と、言ってるそばからそのトラックがエンジンをかけているのが見え。

「あ、そのトラック待って~!」

そしてまた、ぱたぱたずってーんという音が詰め所の中に響く。

(文:里樹澪/絵:あやつき)

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