満天星国

満天星国慰霊式典

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doudan

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満天星国慰霊式典
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発布日:91209002


概要

『満天星国慰霊式典』
日時:91209002
場所:満天星国第4層政庁前広場

 満天星国では、先に起きた弾圧事件の犠牲者に対して、その鎮魂と、二度とこの悲しみを繰り返さないための誓約を行うため、慰霊式典を執り行われました。出席できなかった方のため各種メディアでの放映を行っております。満天星国国民の皆様は、当式典の様子をご覧になられた上で、これまでと今後の私達の国のことを、共に考えていっていただければと思います。
 また、式典は昨今のNW全体の情勢不安から、満天星国警察と、里樹妹人、澪さんのご協力を頂き厳重な警備が得られました。

藩王演説


 満天星国国民の皆さんへ、藩王都築つらねより伝えたいことがあります。私が今日、此処に立っているのは皆さんに、そして弾圧の被害者として亡くなった方々に、伝えたいことがあるからです。どうか耳を塞がずに、目を背けずに、最後まで聞いて頂けるよう、お願いします。

 私は過ちを犯しました。私の耳が、目が行き届いていなかったために、この手で多くの人々を守り切ることができませんでした。そのために皆さんや、皆さんの大事な人々は、傷つき、倒れ、そしてまた二度と会えなくなってしまった人もいるでしょう。弾圧の被害者の方々の無念はとても大きなものだったと思います。そしてまた、皆さんが今胸に思い描いている憎しみ、恐怖、絶望は、私のその至らなさが作り出してしまった怪物だと、そう感じています。
 私は大きな過ちを犯しました。この罪は、私が死んでも、この国がいつか滅びた後も、皆さんの胸に、そして皆さんの子孫の胸に、残り続けてしまうでしょう。忘れようとしても、その悲しみは残り続けてしまうでしょう。ふとした瞬間に思い出し、夢に現れ、その絶望は残り続けてしまうでしょう。
 私の謝罪の言葉が、皆さんの心に届くことはないかもしれません。ですが、謝らせて下さい。貴方の心に残る悲しみは、貴方のせいではありません。私の責任によるものです。貴方の心に残る憎しみは、貴方の隣人によるものではありません。私の責任によるものです。貴方の心に残る絶望は、世界のせいではありません。私の責任によるものです。

 ここで、犠牲者の皆さんに対し、黙祷を捧げさせてください。

(黙祷)

 すみませんでした。申し訳ありませんでした。
 全ては、私の責任によるものです。私の至らなさが、私の対応の遅さが、この事態を招いてしまったのです。
 私は、皆さんの悲しみが、何よりも深いものであるということ、今も尚心に重くのしかかっているということを十分に理解しています。そして、皆さんの悲しみが、この謝罪だけで購われるものではないということも十分に理解しています。
 私は罪を償わなくてはなりません。私は、簡単には死ぬことはできないからです。今、自ら命を断つことは、責任から逃れ、一人だけ安寧を求めるだけの行為だからです。
 私は罪を償わなくてはなりません。私は、この国の藩王だからです。私は自分の意思で都築藩国を立ち上げ、満天星国を立ち上げました。それは私の自由でした。しかし、自由は義務を、責任を生むものです。私はその責任を途中で投げ出すことはできないのです。
 私は罪を償わなくてはなりません。私は、一人の人間として、今の状況をとても看過できるものではないと思っているからです。自分の良心が、自分の魂が、この状況をなんとかしろと叫ぶ声を、今、直接聞いているのです。

 都築つらねは、今この場に立っています。皆さんの悲しみを、憎しみを、絶望を、受け止めたいと、立っています。
 今日、今こうしている間にも、多くの脅威がこの国に、そしてNWに迫っています。そして皆さんの中には、生きること自体が苦しいような、経済的に、或いは精神的に、困窮した生活を送っている方もいるでしょう。私はその苦しみを、皆さんと分かち合いたいのです。その苦しみを、取り除いていきたいのです。

 ですが、私は一人では何もできない人間です。今日、今ここに立っているのも私の力だけではありません。
 建国当時から、そして合併当時から支えてくれた第七世界人の皆さんがいます。彼らは私の目の前が闇に覆われ、立ち上がれなくなりそうな時に支えてくれました。辛い仕事を先んじて行い、国の危機を幾度も回避してくれました。
政庁で働く政府職員の皆さんがいます。つらね党による災禍はあったものの、少なくとも今の政府で働いている皆さんは、あの過ちを良く理解して頂けていると思います。彼らは頼りない藩王の下で、国民の皆さんのためにとても広く大きな政府活動を毎日執り行ってくれています。
 国賓として迎えた方々がいます。ヒルデガルドさんはその英知と言葉を私に与えてくれました。ミズキ=ミズヤさんはその天真爛漫な姿から、平和の大切さを教えてくれました。里樹妹人さんは過酷な戦いで先頭に立ち、あの弾圧からこの国を助けてくれました。今は亡きナイアル=ポーさんはこの国だけでなく、NW全てに素晴らしい授業を行ってくれました。オンサさんは、皆さんのために動き、そして今も私を強く支えてくれています。
 私はこうした方々が払ってくれた犠牲と、努力に対して、恩を忘れる事はありません。
 ですが、何よりも皆さんがいたからこそ、今日、今ここに私は立っていられるのです。皆さん一人一人がこの国で生活をしていることで、この国を愛してくれていることで、私はここに立っていられるのです。

 改めて、申し上げます。
 すみませんでした。申し訳ありませんでした。

 私は、今この場で、この謝罪を全て受け止めて頂こうなどとは考えていません。この謝罪だけで、皆さんからの信頼を取り戻せるとは考えていません。私の希望が、今すぐに皆さんに受け入れられて貰えるとは考えていません。しかしながら、全て承知の上でお願いさせて下さい。今一度、皆さんの希望を叶えさせてくれないでしょうか。皆さんと明日を共に過ごさせてはいただけないでしょうか。
 私は約束します。皆さんから今また少しの信頼があれば、私は皆さんがその胸に思い描く国を、必ず造り上げます。私は二度と、この悲しみを繰り返さないよう努力します。私はこの慰霊碑に書かれた言葉、これまでと今日のこの日を忘れず、今はもう会えなくなってしまった方々に、そして皆さんに精一杯報います。
 途中で倒れそうになってしまうことがあるかもしれません、失敗があるかもしれません。その時々に政策や決定に同意していただけないこともあるでしょう。しかし私は約束します。皆さんの意見に耳を傾けることを、皆さんへ正直に伝えることを、皆さんと共にこの国を良くしていくことを約束します。

 私は思い出すことができます。共和国からの難民の方々がいた時には、私たちは暖かい食事を用意することができました。クーリンガンからの攻撃があった時には、都築藩国の有志がビギナーズ王国へと援軍として駆けつけました。都築藩国が倒れそうな時には、ビギナーズ王国から大きな融資をしていただきました。私は、皆さんが過去、素晴らしい国民として、誇りある国民として活躍していたことを思い出すことができます。そして私は、まだあの頃の気持ちを、皆さんが持っていると思っています。
 お願いさせて下さい。その気持ちを、都築藩国民でもなく、ビギナーズ王国民でもなく、この国の国民として、満天星国の国民として、今一度奮い起こしては頂けないでしょうか。そしてその気持ちを、今一度私に預けては頂けないでしょうか。そして、今日この日、私たちがなぜこの場に集まったのか、争いとは何かについて考え、冥福を祈り、行動していただけないでしょうか。

 私は過ちを犯しました。私はその罪を償いたいと、皆さんの思いによって、そしてその思いに応えたいと、今ここに立っています。
 私は今日の日を忘れません。私はこの罪を忘れる事はありません。私は満天星国国民であり、そうであった人々の思いを忘れる事はありません。

 この場に集まって頂いた皆さん。この言葉を聞いている、或いは見ている皆さん。そして弾圧被害者の方々へ。
 今一度、改めて申し上げます。
 すみませんでした、申し訳ありませんでした。

 有難うございます。

音声データ:ZIP形式:7.0MB



藩王:都築つらね
臨時内務長:amur
執政:里樹澪
摂政:らうーる


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