登場メカニック(シムーン)

ハンバーグ
【スフィアパターン】単座型
【設定】
シムーンが独自開発したバイタル・リアクター不使用型のダブルギアであり、基礎出力の低さを内在エネルギーを用いない外部取り付け兵器で補うと言う、典型的な旧来の単座型の一つであった。
シムーン屈指の鬼畜、シンダー・プロテスにこの機体が割り当てられる日までは。
その時点でのハンバーグは右手にアサルトライフル、両肩に着脱自在の多段ミサイル砲塔、左手に電磁ブレード内在型の実体盾と言う、“一般的な”装備をしていたのだが、それが気に入らなかったシンダーは典型的なコンセプトは其の侭に、悪魔的なカスタマイズを施し、原型が消失する程のキワモノへと変貌させた。
まず、全体的に装甲を増加し、全体的な質量と重量を底上げして機体全体の堅牢さと安定性を強化。
次いで武装であるが――既存に用意されていた物は全て破棄。全く新しい、“ゲテモノ”としか言いようの無い得物を取り付けた。
右手に握られているのは、まるで地獄の鬼が持つようなスパイク付きの金棒であり、出力がバイタル・リアクター採用型よりは劣るとはいえ、その大質量の直撃を受けて無傷で済むダブルギアは存在しない。
左手のシールドは、対物用の大型三連ガトリング砲を取り付けた物へとカスタマイズされ、凶々しさを増している。
そして、最大の特徴は背部に接続された2つの砲門――ナバーム兵器『ミディアム』である。
『ミディアム』の砲門から発射されるのは特注の『ジェル』がタップリと詰まった特注の砲弾であり、着弾と共に炸裂し――敵機体に熱々の『ジェル』が振りかかる事になる。
そして、『ジェル』は空気に触れる事によって化学変化を起こし、一気に燃焼、数千度の灼熱となってダブルギアの装甲を焼く。
この『ジェル』の恐ろしい所は一度付着すると洗い流す事が(少なくとも戦闘中には)不可能であり、『ジェル』を浴びたダブルギアは付着パーツを破棄しない限り、急激に上昇する機体温度に苦しめられる事になろう。
放置すれば、如何に耐熱機構があったとしてもやがては耐えられなく成り、オーバーヒート。 それ以前に中身であるパイロットが蒸し死ぬ可能性もある。
そして、『金棒』や『ガトリング砲』で負傷した場所にジェルが降りかかろう物なら……内部に吹き上がった獄炎に、精細なマシンシステムは瞬く間に焼きつくされる事になるだろう。
『叩いて』『挽いて』『焼く』――ハンバーグの名に相応しい機体となったのである。
ベルセルク
【スフィアパターン】単座型
【全長】12.0メートル
【設定】
極秘裏に提供を受けたタイプU型スフィアを中心として、修復したスクラップや企業襲撃時に奪取した部分的パーツを継ぎ接いで作り上げたダブルギア。
基礎設計の段階から、とことんまで装甲強度とブースト出力による瞬間加速度、マニピュレーターの大型化に拘っており、破損の度に再改修と改装が繰り返された結果、全長12mと言う、ダブルギアとして規格外の巨躯を手にする事になった。
フォルムは全体的に極めて無骨に太く、まるで中世の重騎士の様な印象を見る者に与える。
その外見から鈍重な印象を受ける物もいるが、各所に増設されたブースターによって極めて高い瞬発力を保有する為、見た目以上に素早い機動が行える機体である。
だが機体剛性の大幅強化と全体的なフォルムの巨大化の代償として、一般的な規格を完全に逸脱してしまい、通常ダブルギアの兵器使用や取り付けが不可能となってしまった。
結果、大量のジャンクパーツを加工して鍛造した“対ダブルギア滅断用超大型ブレード”『切捨(キリステ)』一本を担いで、戦場に切り込んで行くと言う、途方も無い命知らずの狂気をパイロットに要求する機体へと成り果てた。
但し、大型の機体を動かす高出力と超高機動の代償としてスフィアに吸われる生命力も高く、ベルセルクに騎乗するパイロットが一年以上戦い抜いた例は無い。
常軌を逸した運用コンセプトと、早死が確実な性質と合わさった結果、このダブルギアは『ベルセルク』の渾名を頂戴するに至り、やがて正式な登録コードへと変わったのであった。
『ベルセルク』の運用手段は、機体性質上『対物・対ダブルギア』に特化している。
何せ武装が段平一本。質量と機体出力を活かした斬撃は極めて強力ではあるが、攻撃範囲事態は絶望的に狭く、『土地を焼く』『施設を破壊する』等の『可能な限り速く広範囲を破壊する』テロルには不向き。
必然的に動かない固定目標――大型ビルやタワーの破壊や、ダブルギア運用戦艦の破壊作戦や、近づきさえすれば一撃必殺が可能な『ダブルギア』の撃破に特化する運用がなされる様になった。
その為、『ベルセルク』が参加する作戦の多くは、敵が『ダブルギア』を運用する前提があるか、巨大固定目標の破壊任務である。
対ダブルギア滅断用超大型ブレード『切捨(キリステ)』
戦場において廃棄されたダブルギアを始めとしたジャンクパーツを溶解し、再構築した合金で作り上げた対ダブルギア兵器であり、外見は全長10mの刀身を持つ大型ブロードソード。
特性は、極めてシンプルな構造と用途――大きく、固く、重く、鈍い――鉄の塊を平たく伸ばしたかの様な剣であり、“断ち斬る”というよりは振るった際の慣性で“潰し斬る”為の大剣である。
実用性は高いのだが、あまりの高重量故、実質的に『ベルセルク』の専用装備であり、仮に“切捨”を運用しようと思うならば、ベルセルクに匹敵する出力と靭帯剛性を持つダブルギアで無ければ不可能に近い。
ベルセルク・タイプS(スレイブ)試験型
【スフィアパターン】複合型・亜種
【設定】
ベルセルクの予備機の一つをシンダー・プロテスが接収し、独自のカスタマイズを施した機体。
基本的なコンセプト、性能は同一であり、違いといえば『道化』のシンダーのエンブレムが肩口に塗装されている事と、武装を『切捨』から超大型の鉄棍に変更し、『ジェル』の発射機構を内蔵したシールドを左腕部にマウントしている位である。
が、スフィアの仕様をシムーンの独自技術を用いた複合型のカスタムバージョン――タイプS(スレイブ)へと変更している。
タイプSは、基本的には複合型と同様に2つのスフィアにパイロットを乗せて、出力調整と操縦の役割を分割する仕様なのだが、スフィアに施した改造によって通常、飽く迄も“非常用”として用いられる『操縦側での出力調整』を前提とした作りとなっており、エンジンスフィア側のパイロットの負担を無視し、出力を上げられる機構が組み込まれている。
エンジンスフィア側に搭乗――と言うより放り込まれる人間は向精神薬物が投与された上で拘束され、その戦闘での高出力を約束する代償として“壊れる”事が約束される代わりに、優秀なパイロットスフィア側の搭乗者の負担を排除し、長く一線に立たせ続け、優れたベテランパイロットを排出する事が可能となったのだ。
無論、エンジンスフィアに放り込まれる人間は、1~2回の出撃で限界を迎えてしまうのであるが、シムーンは誘拐拉致を日常的に行っているため『電池』に困る事はまず無い。
余りにも人倫に悖るため、シムーン内部でも賛否両論のシステムであるが、シンダーはこのシステムをこよなく愛し、日々燃料の調達と調整に励んでいる。
ザ・グレイト・サイレンス
【スフィアパターン】複合型
【全長】9.0メートル
【設定】
極秘裏に提供を受けたタイプU型スフィアを中心として作り上げたダブルギアであり、敢えて分類するならば射撃戦特化型の機体であるが、珍妙奇天烈外道に定評のあるシムーンが作った機体故、そのコンセプトはやはり傾きに満ちている。
四肢を備えた全長9mの機体と、大まかな外見だけは一般的ダブルギアであるが――その武装は両手に握られた『黒須重工』製の大型ダブルギア用オートマティック・ハンドガン『大蛇(オロチ)』のコピー品二丁のみと言う狂気の産物である。
そして機体全体に施された特徴的なカスタマイズの数々。
『大蛇』の予備カートリッジを大量に搭載したバックパック、銃の反動を抑えるための四肢の強化、急速動体制御の為のブースター増築、頭部パーツにテンガロンハットを模した小型レドームを装着。
機体を構築する全ての要素が2丁拳銃を撃ちまくる為に存在すると言う、超絶的バカ機体である。
近接兵装はナイフ一本足りとも存在せず、誘導兵器や『大蛇』以外の武装は一切存在しないと言う、コンセプトから何まで欠陥尽くしの機体であるが、シンダー・プロテスを始めたシムーンの超人的幹部達が騎乗する時、恐るべき機神が戦場に生まれる事になる。
彼等の操縦技工を持ってすれば『大蛇』の銃撃で飛来するミサイルを撃ち落とし、近接戦闘を制し、舞踏の如く舞いながら放たれる銃撃によって敵軍を殲滅する。
そして凄まじい銃火と轟音の後、硝煙香る中で全てが沈黙するのだ。
黒須重工製作大型ダブルギア用オートマティック・ハンドガン『大蛇(オロチ)』
『ダブルギアを破壊しうるサイドアームズを』と言う発想の元に作り上げた大型のダブルギア用自動拳銃。
その機構は大型化こそしているが一般的な自動拳銃とほぼ同一であり、予備のカートリッジさえあれば最前線に置いても弾薬補給が可能である。
弾薬も『一撃でダブルギアを破壊しうる』コンセプトの元に製造されており、ワンカートリッジ分の弾丸を打ち込まれれば大概のダブルギアは完全破壊可能。
但し、装弾数や射程距離、連射性を考慮すれば総合性能は当然アサルトライフルの方が有用であり、非常用の使い捨て武装としては兎も角、この銃のみに全てを託そうとするのは紛れも無い狂気の行動である。
ゲヘナ
【スフィアパターン】複合型・亜種
【設定】
組織幹部、シンダー・プロテスが『自分が乗る為』に創り上げたシムーンの奇天烈兵器の筆頭にして、最大級の重装ダブルギアである。
アメミット
セルケト
ネフェルテム
最終更新:2015年07月23日 03:52