A-21:35-00681-01:YOT:ゴロネコ藩国 さん

「男の子と女の子とペンギンのお話し」



あるところに、男の子と女の子とペンギンがいました。
男の子はいじめられっ子でした。
女の子はとても元気な子で、男の子がいじめられてるといつも助けにきてくれました。

ペンギンは男の子の友達でした、男の子がペンギンと話していると
人がペンギンと話すのはおかしいとまた他の人にいじめられましたが、
それでも男の子はペンギンに話しかけ続けました、友達だからです。

女の子は男の子に会うたびにいつも凄い速さで一方的におしゃべりをしていきます。
いじめられて泣いていた男の子はいつもそれで元気になります。

女の子は男の子に会うたびにいつも男の子の背中をバチーンと思い切り叩いていきます。
男の子は背中が痛くて嫌でしたが、いじめられて落ち込んでいた男の子は
なぜかいつもそれで元気になります。

ある日の事です、いつもおしゃべりな女の子がその日はなんとなく元気がありませんでした
男の子が心配して大丈夫かとたずねると、女の子はなんでもないと言い
いつものように男の子の背中を叩いていきました。

でもその日は背中を叩かれたのにいつもと違いあまり痛くありませんでした
痛くなかったのになぜか男の子にはそれが悲しかったのです。

男の子は自分を助けてくれた優しい人の事を思い、自分も優しい人になってその人の助けになりたいと思いました。
ペンギンはそれならば強くなれと言い、望むなら自分が鍛えてやると言いました。
そうしてペンギンは男の子の先生になりました。

来る日も来る日も男の子は必死に特訓をしました、とてもつらかったので何度もくじけそうになりましたが、
自分に優しくしてくれた人の事を思いそのたびに立ち上がりました。

男の子は日に日に強くなっていきました。
その力で怪物もたくさん倒しましたが、嬉しくなさそうです、やさしい人間には怪物も悪い奴ではない事が分かってしまうからです。

女の子は日に日に病気で弱っていきました。
ペンギンは言いました、女の子が死ぬのは運命だと。
男の子はそれは嫌だと言いました。
ペンギンは言いました、それならば運命をぶっとばせと。
そうして男の子はそれまで必死に努力して手にした力で本当に運命をぶっとばしてみせました。

女の子の病気が治った代わりに男の子の運命は決まってしまいましたが、男の子は満足でした。
これから先はいつだって自分の背中を叩いてくれる人が居るからです、
背中は痛いですが男の子は幸せでした。

めでたし、めでたし。



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最終更新:2008年06月29日 05:34