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山本師匠

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だれでも歓迎! 編集

山本師匠


  NHKの山本浩アナウンサーのこと。サッカーファンには「曲げてきた!」「マラドーナ、マラドーナ、マラドーナ、マラドーナ!!」「メキシコの青い空」でおなじみ。
  現在は解説委員の肩書きで現場をいったん退いたが、昨年あたりからまたボチボチ実況をしてくれている。
  シドニー五輪の開会式、選手入場ではサッカーのことばかりしゃべって怒られていた。アルベールビル五輪ではカーリングの実況も担当。トリノでは残念ながら実況は無かった。


No.88 2006.01.20
冬季オリンピックには、スピードを競うアルペンスキーやスピードスケート、優雅なフィギュアスケートなど、さまざまな魅力が詰まっていますが、中でも私がぜひおすすめしたい競技が「カーリング」です。この競技、派手さはありませんが、知的スリルは満点!知れば知るほど味わい深さが増す、粋なスポーツなのです。とくに囲碁、将棋好きな“おじさん族”には、たまらない魅力があるのではないでしょうか(笑)。
私もアルベールビルで実況を担当して以来、すっかりハマってしまいました。ぜひみなさんにもトリノで、カーリングのおもしろさに目覚めてほしいものです。

カーリングは98年の長野オリンピックから正式に採用された競技で、日本女子は、今回のトリノで3回目の出場となります。今回の代表は、ソルトレークにも出場した小野寺歩選手を中心にした「チーム青森」。実はソルトレークではメダルを期待されていた日本チームですが、8位と惨敗。トリノではその雪辱がかかっています。
といっても、「カーリングって何?」という方もいらっしゃるでしょうから、ちょっとご説明しましょう。

カーリングは、15世紀ごろにスコットランドで始まったといわれています。円形の石(ストーン)が氷の上をくるくる回転して(カール)進むことから、この名が付けられました。現在はカナダで、国民的スポーツといわれるほど盛んに行われています。
簡単にいいますと、この競技は、約40メートル先に描かれた3メートル半ほどの円(ハウス)の中にストーン(約20キロ)を滑らせて投げ入れ、ハウスの中心に近いところに、いかに自分のチームのストーンを残すかというゲームです。1チーム4人で行われ、1人2投ずつストーンを投げ、相手チームと交互に投げ合うため、計16個のストーンを使うことになります。つまり16個のストーンを投げ終わった時点で、もっともハウスの中心に近いところにストーンがあるチームが勝ちというわけです。点数は、負けチームのいちばん中心に近いストーンより、勝ったチームのストーンが何個内側にあったかで決まります。1個なら「1-0」、2個なら「2-0」というわけです。
この敵、味方合わせて16個のストーンを投げるのを「1エンド」として、それを10回「10エンド」行い、その合計点で最終的な勝負が決まります。

カーリングの最もおもしろい点は、先攻と後攻が勝ち負けによって入れ替わるルールにあります。カーリングは最後の最後に相手のストーンをはじき出し、いちばん中心に近いところに自分のストーンがあれば勝ちですから、どうしても後攻が有利になる競技といえます。ところが、エンドごとの勝敗で、次のエンドでは、勝てば先攻、負ければ後攻という具合に順番が入れ替わるルールになっていますので、強いからといって、ずっと勝ち続けられるわけではないのですね。
そこで大事になってくるのが頭脳プレー、駆け引きです。たとえば接戦の場合、9エンドではわざと負けて、10エンド、つまり最終回の後攻の権利を得て、逆転につなげるという作戦が成り立ちます。こんな微妙なゲームの“読み合い合戦”が、カーリングの大きな魅力なのです。

このゲームを読み、作戦を立てる“カーリングの司令塔”ともいえる存在が、4人の中で最後にストーンを投げる「スキップ」と呼ばれる選手です(ちなみにカーリングでは、最初に投げる選手を「リード」、2番目を「セカンド」、3番目は「サード」といいます)。
日本チームでこの重責を担うのが、先ほど紹介した小野寺歩選手です。小野寺選手は、ソルトレーク五輪では、カーリングが盛んな北海道・常呂(ところ)町の幼なじみとつくった「シムソンズ」の一員として参加しました。ところがその後、チームは解散状態となり、選手兼指導者として青森に移り、「次のオリンピックで雪辱を果たしたい」という一念で頑張ってきました。「スキップ」という初の大役と、オリンピック経験者としてチームを引っ張る役割も担わされる、小野寺選手にかかるプレッシャーは大変なものでしょうが、ぜひソルトレークの無念をトリノで晴らしてもらいたいものですね。

スキップはゲーム全体の流れを読むとともに、刻々と変わる氷の状態を見て、ひとつひとつのプレーごとに的確な指示を仲間に出すことも、大きな仕事です。
実はカーリングのフィールドには、氷の表面がザラザラになるくらいの小さな氷のツブ(ペブル)をつくるため、試合前に水がまかれます。これをプレーヤーはブラシで掃いて、ストーンのスピードや方向を調整します。ストーンのスピードが遅い場合は、一生懸命ペブルを掃けば摩擦が少なくなり、飛距離を伸ばすことができますし、掃かずにそのままにしておけば、前に進む力が鈍り、今度はストーンの回転する力が勝って、任意の方向にカーブさせることもできるわけです。
このストーンの進む先を一生懸命掃除(スウィープ)している2人のプレーヤーに指示を出すのが、スキップなのです。とはいっても、2時間近くかかる試合の進行具合によって、氷の状態は刻々と変わります。また観客が多ければ、その熱気で氷が溶けやすくもなります。スキップは、氷の状態に影響を与えるこんないろいろな要因を読んで、その都度その都度、細かな指示を与えなければなりません。それほどビミョ~な競技なのですね。カーリングは、チーム・キャプテン「スキップ」の経験と勘が、勝負を分けるといってもいいかもしれません。
単に氷の上で石を滑らせる競技なのですが、このへんが囲碁や将棋にも通じる“読み”が必要になってくる所以(ゆえん)で、かめばかむほどおいしくなると(笑)、私がおすすめする理由でもあるのです。

日本代表となった「チーム青森」は、昨年カーリングの本場・カナダで2か月ほど合宿をして、チームとしての精度を上げてきました。小野寺選手も「ミスショットが起こったとき、そこからどうリカバリーするか?そのときの氷の状態にアジャストさせてプレーできるようになった」と、合宿の成果を強調しています。ソルトレークより力が上といわれる日本チーム。トリノでどんな活躍を見せてくれるのか!? ますます楽しみとなってきました。
ぜひみなさんも、トリノからカーリングのおもしろさにハマってくださいね!

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