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当然ですが「どうすればいい曲が作れるか」などというレベルでの解説ではありません。そんなコツがあるなら私が知りたいです。

 ここではBMS化を楽にしたいときの作曲法を書きます。予め書いておきますが、楽曲自体のクオリティが上がるものではありません。それどころかミックスなどの関係で品質が下がる可能性さえあります。そこを留意した上で、最終的にどうするかはあなたが判断してください。




作曲する前に

 BMSの音声は実際にプレイするキー音プレイしないBGMに分かれます。前者はシンセリードとかピアノとかドラム隊とかメインとなる音、後者はベースやパッドといったどちらかといえば背景を構成する音と解釈できます。何をキー音にして何をBGMとするかはあなた次第です。ベースが主要なジャンルではベースもキー音化したほうがよいでしょう。私はディレイやリバーブといった残響音は全てBGMに入れてしまいます。BGMの一切無いBMSを作ることももちろん可能です(実際に拙作の卍なんとかはBGMがありません)。
とはいえ、当wikiでの方向性を決める必要がありますから、ここではキー音とBGMを分離してそれぞれ作る前提で話を進めます。
どんな音を叩かせてどんな音をBGMにするのか、可能なら意識しながら作曲するとよいでしょう。たとえ完璧に作られた楽曲でも、譜面の完成度が低ければBMSとしては微妙です。BMS化を意識して作曲をすることでBMSとしての総合的な完成度の向上に繋がります。しかしながら、あまり意識しすぎて曲が支離滅裂になるのもそれはそれで考えものですね。BGMにする音の基準を私の主観で分析したものをまとめておきます

 さて、DAWにはミキサーというものが必ずあります。ミキサーは複数のトラックから成り、それぞれのトラックにしかるべきエフェクトを挿した後、マスタートラックに流れます。マスタートラックでは通常マスタリングと呼ばれる楽曲の最終調整を行いますが、

マスタートラックにダイナミックエフェクトは使わない

 ダイナミックエフェクトとは例えばコンプレッサーを指します。マスタリングは曲の最終的な良し悪しを決める過程といっても過言ではありませんが、BMSでは使えません。なぜなら、音切りの際には全ての音をバラバラに書き出して、あとでBMSプレイヤーによって再構成されるために、マスタートラックでのコンプレッションは一切意味がなくなるからです。それどころか、全ての音が鳴っている前提でマスタリングを済ませてしまうと、単音ずつ書き出したときに意図しない圧縮がかかってしまい、音量バランスがめちゃくちゃになりかねません。マスタートラックのエフェクトはよほどの事情がない限り切っておきましょう。

将来的にBMSプレイヤー側でマスタリングを行えるような実装が実現するかもしれませんが、少なくとも今のところそのような兆候はありません。マスタリングに頼らず全てのトラックを個別に調整して全体を整えてください。

トラックを分ける


 もう一つ(おそらく)重要なテクニックとしてマスタートラックを分割するというものがあります。もちろん最終的に全ての音は1つのトラックを通るわけですが、その直前に、セミマスターとでもいうべき、2つのトラックを経由させるのです。もちろんこの2つは本質的にマスタートラックですから、ダイナミックエフェクトをかけてはいけません。
その理由ですが、右図をご覧ください。お分かりですね。2つのセミマスタートラックはそれぞれキー音用BGM用となっています。左には切りたい音の本体のトラックから、右には伴奏や残響のトラックから継承しています。

 さらにこの分割を有効利用するために、次のような細工もします:

「SynthA'」というトラックはいわゆる"乾いた"トラックです。これはKEYトラックと同時に、後述の3つの残響トラックにも継承されています。「Synth Reverb」「Synth Delay」などは残響用のトラックです。このトラックには名前に応じたリバーブやディレイのエフェクトがかかっているわけですが、Dry値はゼロ、つまり「元々の音は出力に含めない」設定になっています。フリーのリバーブVSTであるEpicVerbなどはデフォルトでWetのみになっているので、どうもこの用途を想定しているように思います。残響用のトラックは全てBGMトラックに継承されます。

なぜこのような処理を行うかといえば、後の音切りの手間を削減するためです。KEYトラックをミュートすれば純粋なBGMのみが、BGMトラックをミュートすれば純粋なキー音のみがワンクリックで得られるため、いちいちトラックごとに再生するか否かを判断しなくてよいのです。もちろんその判断は最初に行うので、作業量自体に変わりはないのですが。

より具体的に、FL Studioでトラックを分割する方法は別ページで解説することにします。



作曲中に

前準備は以上です。あとは曲を作るだけですが、BMS化を前提とする場合ここでも少し注意点があります。

パターンを分け過ぎない

 パターンという概念がFL以外にあるのかはよく分かりませんが、FL Studioでは短いMIDIシーケンスのセットをパターンと称し、そのパターンを並べて繰り返されるフレーズを構築することができます。作曲時には便利な機能ですが、BMHelperを使うには邪魔です。極論、BMS化で楽したいならパターンは1パートにつき1つに統合してください。もちろん普通にパターンを使ってもBMHelperで解析可能ですが、その場合シーケンスを自分でコピペするなどして配置していく必要があります。要するにこのコピペ作業を先にやるか後にやるかの違いです。音切りというのは進めるにつれてどんどんモチベが落ちていくものですから、なるべく面倒な作業は先にやっておきたいものです。前述のミキサーの分割もそのためです。

オートメーションはほどほどに

 オートメーションは、エフェクトのかかりかたや音量などを連続的に変化させるための便利な機能です。しかし、Mid2BMSを使うなら問題ない場合もありますが、基本的にオートメーションを使ったシーケンスはぶつ切りするしかなく、それは音の使い回しが効きにくいために消費定義数の増加を招きます。さらにぶつ切りは言葉どおり「ぶつぶつ」したノイズが乗りやすいという弱点もあります。なるべくならオートメーションさせるようなエフェクトはベロシティ依存に変えるか、使う場合最小限にしたほうがよいでしょう。使いすぎてもせいぜい定義数が足りなくなったり音切りが多少面倒になる程度ですから、別にここに書いたことは全て無視しても構いません。

キースイッチもできれば避けたほうがいいです。キースイッチでは使わない音域のノートを活用して奏法を変化させたりするわけですが、その場合BMHelperなどによる自動解析は一切使えないので、自力で整理するかぶつ切りするしかありません。可能なら、奏法ごとにトラックを分けてしまったほうが楽です。打ち込みは少々煩雑になりますが、後の音切りで面倒な思いをしなくて済むかもしれません。

ベロシティ、ゲートは揃える

 ベロシティ(音の強さ)やゲート(音の長さ)はたった1ズレるだけでも後に使うBMHelperは異なる音として認識します。解析時に一定以下の差を持ったノートを同一視するオプションがありますが、思わぬ変換をなされる場合があるため、なるべく事前に調節しておきましょう。微細な音の変化に意味がある場合は別ですが
ゲートによって発音の長さが変わらないパート(ドラムなど)はゲートがバラバラでも気づきにくいものです。必ず確認してください。



完成後に

音量について

 LR2にはリミッターに相当する機能が付いていません。WAVの音量があまり大きいと、いくつかの音を同時に鳴らしたときに音割れする危険性が高くなります。かといって小さくしすぎると、こんどは他のBMSをプレイするときに利用者側で音量を上げたり下げたりする手間が必要になります。
書き出す際は、全体の音量をとりあえずピーク0dBを超えない程度に小さめにしておくと無難です。音量が小さかった場合はあとで上げることができます。

BMSを作る準備

 楽曲が完成したら次はいよいよ音切りです。
あなたはこれからBMSを作るわけですが、まずは準備をしましょう。

適当に名づけたフォルダを用意して(これを今後BMSフォルダーと呼びます)、BMSファイルを作ります。


さてここであなたは2つの道を選ぶことができる:
  1. そこに適当な名前のテキストファイルを新規作成します。
    拡張子を「.bms」に変更し、BMSEで開きます。
  2. BMSEを直接起動し、BMSフォルダーに適当な名前で保存します。
ファイルを作ったら、BMSEでとりあえず必要な情報を入力しておきます。曲名などをあとで決めるなら必要ありません



準備は以上です。音切りをはじめましょう。BMS制作で最も面倒な手順ですのでがんばってください。

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