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存在理由【執筆者/藍奈】






次の日、俺は仕事を休んだ。
理由は、大ちゃんの顔が見れないというのもあるけど、俺自身が頭の整理がついてなかったから。
休みの電話を入れたら、運悪くマネージャーの安部ちゃんにとられて怒られたけど、今は休んで考えなきゃいけないと思った。
今の俺は精神的に限界だった。

「・・・はぁ。今ごろ大ちゃんは新堂と仕事してんだろうな」

何をするでもなくただベッドの上でそんな事を考えていた。
大ちゃんの事を考えると、胸がイタイ。
新堂が現れてから俺は、自分の中にある様々な感情に驚いていた。
そして、俺がどれだけ大ちゃんの事を想っていたかも。

ねぇ、大ちゃん。
大ちゃんは本当に俺の事、どうでもよくなったの?
大ちゃん。俺、どうしたらいい?
俺、本当は別れたくなんかないんだ。
もっと大ちゃんを愛していたい・・・
もっと大ちゃんを、この腕で肌で感じていたい!

「・・・っ・・・・・だい・・ちゃん」

溢れ出る涙。
もう、とっくの昔に枯れていたと思っていたのに。
大ちゃんとの思い出が頭の中に1つ1つ浮かび上がる。


タノシカッタ

ツライコトモアッタ

デモ、アイシテイタ


大ちゃんだけだよ。
俺をこんなに虜にさせたのは。

一生、大ちゃんだけ。

忘れよう。いや、忘れないといけない。
全部。そして、俺は一人で歩いていく。

「大ちゃんいないから、難しいかもな」

それでも歩いていく。1歩1歩、確実に。
大ちゃん、見送りぐらいはしてよね。それだけで、いいから。
そこで俺の意識は途切れていた。




目が覚めると朝の日の光が、部屋の中に差し込んでいた。

「仕事・・・いくか」

さすがに昨日休んだので、今日休むことは許されないだろう。

(阿部ちゃん、コワいしな・・・・)

俺は素早く着替えると、車のキー片手に仕事場へと向かった。




スタジオへと続く扉の前。俺は立ち止まっていた。

(もう、大ちゃん来てるだろうな)

引き戻れない。俺は覚悟を決めると、目の前に立ち塞がる大きな扉を開いた。
中央にはもうセットがあって、大ちゃんがスタッフの1人と話をしていた。
新堂の姿は見当たらない。

(まだ、来てないのか?)

まぁ、俺にとってはアイツがいない方がいいんだけど。
大ちゃんの側まで行き、挨拶をする。

「おはよう、大ちゃん」

「あ、おはよう。ヒロ」

普通にできて、少しホッとした。
けど、大ちゃんの顔。どこか辛そうだった。

(何かあったのかな・・・俺には関係ないか)

自分にそう言い聞かせると、俺は自分の調整に入った。
今日歌う『TEAR’S LIBERATION』は今日からの俺にはピッタリの歌詞だった。
ちゃんと歌えるか心配だった。
あまりにも俺の状況をリアルに写し出されていたから。
けど、だからこそ逆に歌ったらスッキリする・・・そんな気にもなった。

バラード調のメロディーライン。
大ちゃんの細い指が奏でる音に耳を貸す。
俺は今までの大ちゃんとの思い出を胸に歌い出した。

(この曲で、最後になるかもな)

密かに思いながら俺は精一杯歌った。
メロディーから大ちゃんの気持ちが分かるような気がした。
そして、俺はそこに確かに感じていた。
曲を通して俺と大ちゃんは一つになった・・・・と。




it’s my tear’s liberation tell me now what is love!
Open My Heart 幾つかの夢の場面
想いは途切れても このまま立ち止まらない
Open My Wings 傷ついた夢を抱いて
もう一度歩き出せる I Believe・・・

Open My Heart せつなく揺れる夜にも
傷みを恐れずに 閉ざした壁を破ろう
Open My Wings 手探りで知る未来に
その手を伸ばしてみる 答え求めて</font>




この曲を最後に「access」は解散した。
そして、俺と大ちゃんもこの曲を最後に会わない約束をした。












―月日は流れて、7年後―


「確か今日だったなぁ。あれから、7年か」

俺は信号待ちする車の中、ふと思い出していた。
解散してから今日で7年。
この7年間、俺の仕事はaccessとして活動していた時より極端に少なくて。
大ちゃんの偉大さを身をもって感じていた。

それでも俺は1つ1つ仕事をこなしていた。
決して満足とはいえない生活。
俺の心は今でもポッカリと塞がることのない大きな穴を抱えていた。


      パッパー!


後ろからクラクションを鳴らされ信号が青になっていたことに気付く。

「ヤベッ」

俺は慌ててサイドブレーキを入れ、アクセルを踏む。
そのとき俺は目の端に大ちゃんの姿を見たような気がした。



家に帰り着くと、滅多に鳴ることのない家の電話が鳴った。

「誰だよ、こんな時間に」

と言ってもまだ9時を少し回ったとこだから、そんなに遅い時間じゃないけど。
何コールか響いた後、留守電に変わった。

『・・・・・・・ヒロ、僕だけど分かる?・・あのね、実は・・・・』

耳に入ってきた声に俺は一瞬固まる。
分かる?って、分かるに決まってるだよ。
7年前と何ら変わらない声と喋り方。
忘れようと誓ったのに結局、忘れられなかった愛しい人。

(大ちゃん!!)

俺は急いで電話の前まで行くと、受話器を取った。

「大ちゃん?!」

『あ・・・ヒロ。いたんだ・・・・・留守電になったから、いないと思った』

「さっき帰ってきたんだ。そしたら電話が鳴って、大ちゃんの声が聞こえてきたから」

『そう・・・・』

「うん・・・」

久々にというか7年振りに聞いた大ちゃんの声。
どこか、暗い感じの声。
それでも声が聞けたことが俺は嬉しかった。

「ねぇ、大ちゃん。どうかしたの?電話なんて」

なかなか話し出そうとしない大ちゃんに、とうとう堪えきれずに聞いた。
すると大ちゃんは小さな声で話しだした。

『あのね、ヒロ。明日、仕事が終わった後・・・2人で会えないかな・・』

「え?」

大ちゃんの口から発せられた言葉に、俺は呆然とする。

『あ、別にダメならいいんだ。うん。無理にってわけじゃ・・・』

「大丈夫!!仕事終わった後だろ?大丈夫だよ。会えるよ」

『そう、良かった。じゃ、明日。おやすみ、ヒロ』

「おやすみ、大ちゃん」

受話器の向こうからは無機質な機械音。

(大ちゃんが・・・大ちゃんに会える・・・)

俺の全身から喜びが溢れる。
早く明日になってほしい。俺は受話器を握りしめたまま、歓喜に浸っていた。





次の日、俺は朝からソワソワしていた。
大ちゃんに会える・・・ただそれだけの事なのに天にも昇った気分だった。
まぁ、おかげで仕事にも力が入ったのは言うまでもないだろう。
仕事が終わると、俺は楽屋で少し時間を持て余していた。
何の因縁があってか今、俺が使ってる楽屋は7年前にも使った楽屋と同じだった。

「・・・ここって思い出深いよな」

この楽屋でいろいろあった。
大ちゃんに叩かれて叩かれて叩かれて・・・・・あれ?
そんなに叩かれたっけ?俺・・・・あ、でも俺も叩いたんだよな。大ちゃんのこと。

(痛かったよな、やっぱ)

あの時、叩いたこと謝らなきゃ。

「ヒロ」

「!!!」

いきなり名前を呼ばれ心臓がバクバクする。
ゆっくりと後ろを振り向くと、そこには大ちゃんの姿があった。

「大ちゃん・・・」

抱き締めたい衝動に駆られるが、そこは理性で抑えこむ。
雑誌とかで見たら分からないけど、大ちゃんはどこかやつれた感じがした。

「ヒロ、あのね・・・その、ご飯を食べに行こうと思ったんだけど、その前に少し話しておきたいことがあって」

「?・・・いいけど、ここで?」

「うん。じゃ、ちょっと待ってね」

「え?ちょっ、大ちゃん?」

俺に待つように言うとドアの方まで歩いていく。
俺は何がなんだか分からず、言われた通り大人しく待っていた。
大ちゃんはいったん外へ出ると誰かをつれて中に入ってきた。
そのダレかは・・・俺が一番嫌いな男――新堂 直哉だった。

「久しぶりだね、貴水くん。元気だった?」

「・・・どうも」

俺は一言返すと視線を大ちゃんに戻す。

「大ちゃん、何でコイツがいるの?」

「ヒロ、今から僕が話すこと信じてくれる?」

「・・・・・」

俺は少し考えた。
大ちゃんの言うことは信じてやりたい。けど、話の内容にもよる。
大ちゃんを見ると、大ちゃんは少し震えていた。
それを見て俺は信じると決めた。

「信じるよ。だから、話して」

優しく言うと大ちゃんは、俯いていた顔を上げ俺の方を見た。
その目には、うっすらと涙が滲んでいた。
俺はその涙を指で掬ってやると、大ちゃんが抱きついてきた。
それも、泣きながら。

「・・・ごめ・・ん、ヒロ・・・・・ありがと・・・っく・・」

俺は何も言わず、黙って大ちゃんが泣き止むのを待った。





「落ち着いた?大ちゃん」

背中を撫でてやりながら様子を伺う。

「うん・・・ごめん・・」

「謝る必要ないよ。ビックリしたけど」

それにしても大ちゃんは、どうして泣き出したんだ?
最初の「ごめん」。
あれは泣くことに対しての「ごめん」じゃないような気がする。
そして、新堂が来た理由。
俺は、それが早く知りたかった。
俺の心中を察したのか、大ちゃんがゆっくりと話しだした。

「ヒロ・・・・僕ね。ヒロがいないと、ダメなんだ」

突然の告白に、俺は動揺した。
いや、俺がいないとダメってことは大ちゃんには俺が必要ってことだろ?
それは嬉しいけど、何で今なんだ?
今更じゃないのか?

「どうしたんだよ、突然」

「うん。・・・・・僕ね、あの時・・・ヒロに嘘をついたんだ」

「・・・・・」

(もしもし、大介さん?話、とんでない?)

嘘をついたっていつの事だよ。7年前のいつかだろ?
てかさぁ、大ちゃん。
君の話に順序というものはないのか?
俺は頭をフル回転させて大ちゃんの言う「あの時」を探す。
そして、俺はもしかしたらと思い大ちゃんに聞いてみる。

「あの時って、俺が大ちゃんにセックスしたか聞いた時?」

「///うん」

「嘘って、したのにしてないって言ったこと?」

「違う!!・・・やっぱり、誤解してたんだ・・・・・」

寂しそうな顔をして一瞬上げた顔をまた俺の胸に埋める。

(誤解?)

何がゴカイなんだ?
あの時、大ちゃんは顔を赤くして「どうでもいい」って言った。
俺はてっきり大ちゃんが新堂とヤったから赤くして言ったんだと思ったんだけど、それが違うのか?

「ヒロが、僕に・・・その、新堂とのことを聞いてきた時、僕は嬉しかったんだ」

「嬉しい?」

「うん。僕はいっつもヒロが綺麗なお姉さんたちとアソんでるのを見ると妬けてくるから、新堂との事を聞かれた時、ヒロも妬くことってあるんだなぁと思って嬉しかったの」

「え?てことは、大ちゃんは新堂と・・・」

「その時はね」

新堂の方を見ると、新堂は大きく頷いた。

「大介をデートに誘った時、しようと思ったんだけど見事に拒絶されたよ。君じゃないと嫌だって言われて・・・結局、できなかったんだ」

俺の勘違いだった。
まさか大ちゃんがそんな事を思っていたなんて知らなかったし、新堂とも何もなかったんだ・・・・

「でもねヒロ。僕、その日新堂と寝たんだ」

「?でも、大ちゃん今してないって・・」

「ヒロがキスしてきたでしょ?で、理由を聞いたらシたかったからって・・・・・」

確かに言った。でも、あれは本心なんかじゃなくて。
そう。ただのやつあたりだった。

「あの言葉を聞いた時、あぁヒロにとって僕は所詮その程度の存在でしかないんだって思ったら、すごく悲しくなってきて・・・気付いたら、ヒロを叩いてた」

俺は、自分だけが被害者気分になってたけど実は、大ちゃんの方が俺より傷ついていて本当の被害者なのかもしれない。
気付いてやれなかった。大ちゃんの気持ちに。

「僕は壊れていたのかもしれない。あの後、楽屋を出て新堂の所にいったら新堂は何も聞かずに僕を抱き締めてくれたんだ」

「大介、大丈夫?僕が話そうか?」

新堂が大ちゃんを心配して声を掛けてくる。

「ううん。大丈夫。僕が話す。・・・・話さなきゃ、前に進めないから」

そう言って、大ちゃんは話を続けた。

「新堂のその優しさが、あの時の僕には凄く嬉しくて、暖かくて・・・その日、僕は新堂の家に行って寝たんだ・・・」

「大ちゃん・・・俺・・・」

「ヒロ、ごめんね。ヒロに叩かれて目が覚めたんだ。何をしてたんだろうって思ったら罪悪感も出てきて、でも遅かった。ヒロに、別れようって言われた時、もう戻れないんだ・・僕が戻れなくしたんだって・・・っ・・・」

大ちゃんの頬に涙の道ができる。
ポロポロと大粒の涙が大ちゃんの目から溢れてくる。

もういいよ、大ちゃん。
もう、わかったから。
大ちゃんだけが悪いんじゃない。
俺も悪いから、お互い様なんだよ。
俺は抱き締める腕に力を入れる。

「っく・・・ヒロ?・・・くるしぃ・・・」

「大ちゃん、大好きだよ」

「!?な・・・に・・」

「俺、この7年間。大ちゃんの事を忘れようと努力したけど無理だった」

何かを言いかけた大ちゃんは、俺の言葉に耳を傾ける。
新堂が気をきかせてか、そっと出ていくのが分かる。

(ありがとう・・・新堂)

きっと、新堂はこの7年間ずっと大ちゃんを支えてきたのだろう。
でもこれからは、俺の役目。

「街とか歩いたり、車を運転してるときも、目は大ちゃんを探していた。大ちゃんの載ってる雑誌を買って読んだりしてた」

もう離さない。
絶対、離さない。

「それに月日が経てば経つほどに、大ちゃんへの愛しさが増えていって、どうしようもなくなってた・・・」

「ヒロ・・・」

この腕の中の温もりを、もう二度と失いたくない。
俺は大ちゃんを一人にさせすぎたのかもしれない・・・

「昨日、大ちゃんから電話が掛かってきたとき、本当に嬉しかった。大ちゃんが俺に会いたいって言ってくれた時、調子いいかもしれないけど心の中のどこかでもしかしたらって思う自分がいてさ」

「・・・ヒロ。僕ねもう1つ話があってね。実は、もしヒロが許してくれるなら・・・僕の事を見捨てないでくれるなら、もう一度accessをやろうと思ってるんだけど・・・ダメかな」

俺は一瞬、自分の耳を疑った。
だって、大ちゃんがaccessをやろうって・・・それって、俺はまた大ちゃんの側にいれるってことだろ?

「だめ・・・・じゃないけど、でも・・・何で?」

いや、ここは素直に喜ぶところなんだろうけど、信じられない!っていう気持ちの方が強い。
大ちゃんが何を思って言ったのか、その真意が知りたい。

「さっき、ヒロが僕の事を忘れられなかったって言ってくれたでしょ?僕も同じだったんだよ。もう元には戻れないって思ったあの日から・・・あの時からヒロの事を忘れようと思ったんだ」

俺は大ちゃんの言葉に全神経を集中させる。

「でもやっぱり僕も忘れられなかった・・・暇さえあれば、ヒロのことを探してた。いないと分かっても、探さずにはいられなかった」

大ちゃんは俺の背中に腕を回して服を掴む。その仕草がまた可愛くて、俺は込み上げてくる笑いを必死に堪える。

「何度も電話を掛けようとして・・・掛けようと思ってボタンを押すんだけど、最後のボタンだけ押せなくて。自分のした事に何度も悔やんで、でも悔やみきれなくて。ヒロから電話かメールがくるかもと思って何度も携帯のディスプレイ見るんだけど、全然なくて・・」

俺と大ちゃんは、どこまで考えることが一緒なんだろう。

実は俺も大ちゃんと同じことをした時があった。
何度も電話しようと思ったし、メールだってしようと思った。けど、かけることも送ることもできなかった。
理由はいろいろあるけど、一番強いのは・・・・

「怖かったんだ。ボク。だから、待つことしかできなくて」

怖い。
俺も怖かった。電話しても、とってくれないかもしれない。
とってくれたとしても、会話になるかどうか心配。メールをしても名前を見て消されそうだし。

恐怖と不安。
この2つの感情に阻まれて、待つことしかできなくなった俺たち。

(でも、大ちゃんはやっぱり凄いね・・・)

俺のできない事を平気でやってのける大ちゃん。
俺は改めて大ちゃんの事をスゴイと思った。

「大ちゃん、アリガトウ」

「うん?・・・何が?」

「ありがとうv」

大ちゃんの額にキスを落とす。

「ヒロ?何?」

「大ちゃん、access本当にするの?」

「うん。したい。・・・・ヒロが僕の事を許してくれるなら・・だけど」

どこまでも愛しい大ちゃん。
大ちゃん、許すも何もないよ。
悪いのは俺だったんだから。
俺たちは少し遠回りしすぎたのかもな。

「やろう、大ちゃん。俺の方が大ちゃんに許してもらえるかどうか分かんないけど、もう一度大ちゃんと音楽がやれるなら俺は・・・俺もやりたい」

「ヒロ、そんな、ヒロは悪くないよ。僕がいけなかったんだから・・・」

「大ちゃん」

また謝り始めそうな大ちゃんに、俺はストップをかける。

「大ちゃん、もう止めよ?お互い様って事でさ・・大ちゃんばっかりに謝られると、俺どうしたらいいか分かんないよ」

俺も大ちゃんも、あの時から十分苦しんだ。
相手を傷つけて、自分も傷ついて。
俺は大ちゃんの傍にいれるだけでいいんだ。
だから、大ちゃんの「accessやろう」っていう言葉は俺にとって凄く意味のある嬉しい言葉で。

「そうだね、ヒロ。ありがとう」

「何言ってんの、俺の方こそありがとう。大ちゃん、今でも俺は大ちゃんのこと愛してるよ」

俺のその台詞に大ちゃんは、うっすらと顔を朱く染めていく。

「///あのね、ヒロ。僕も・・・」

そっと耳元で囁かれた言葉は、たぶん一生俺の中で響きつづけるだろうな。
これから、また一緒だよ。

ねぇ、大介。人を愛するって難しい事だよな。
俺も大介も、成長したと思ったけど、「恋愛」に対しては全然成長してないよね。
大ちゃんの気持ちが分からなくて苦しくなった時もあった。
醜い嫉妬で、大ちゃんを傷つけた時もあった。
この7年間、忘れることができずに足掻いた自分がいた。
そして何よりも


―――俺は大介だけしか

   ア  イ  セ  ナ  イ  ―――


俺は大ちゃんの額にもう一度キスを落とすと、瞼や頬にもキスを落としていった。
くすぐったそうに身を捩る大ちゃんの顔に手を添えると、少し上を向かせる。
俺を7年前と何ら変わらない汚れない瞳で見つめてくる。
そんな可愛らしい大ちゃんに、今度は唇に軽い触れるだけのキスを贈る。

「・・・大ちゃん、一緒に歩いていこう?ゆっくり」

「うん。ヒロ、もう僕を一人にしないでね?」

「約束するよ」

そう言うと俺は、また一つキスを贈る。


ゆっくりと、少しずつでいいから一緒に歩いていこう。
これからだって、決して楽しいことばかりが俺たちを待ってるわけじゃない。
だけど、迷わずに、相手を見つめていこう?
俺は大ちゃんを支えるから、大ちゃんも俺を支えてよ。
2人で前に進もう。
また、今日から――



次の日、俺と大介はかつてのaccessのスタッフに挨拶に行った。
そして、翌日発売の雑誌にはこんな見出しがあった。



『7年の沈黙を破ってaccess復活』








「大ちゃん、一生愛してるよ」

「///あのね、ヒロ。僕もヒロの事・・・愛してるよ」







俺がこの世に生まれてきた『存在理由』

それは・・・






『君に恋するため』














▼藍奈'sコメント
これまた懐かしいものが出てきた…
これは高校2年の時に、授業中ずっとルーズリーフに書いてた。
友達にリクされたもので。
歌が三部作になってるんだけど、それに合わせて書くっていう初の試みだったんだけど…
読み返してみたら、なかなかいいもん書いてんだな~と思ったり(うわぁ)
最近こういうの書いてないな~…
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