Pure Love【執筆者/藍奈】
「英二、今度の休みにどこか出かけないか?」
昼休み。俺は、大石と一緒に弁当を食べていた。
部活の話しとか、不二やおチビの話をしていると、突然大石からデートの誘い。
「なになに?急に、出かけようなんて」
「いや・・・最近、二人で出かけてないから、たまにはいいかなって思って」
「ふ~ん・・・・いいよ。遊ぼう」
そんな感じで、今度の休み。二人で出かけることが決まった。
+ + + +
「はぁ・・・・・デート・・・とは違うか」
家に帰り着くと自分の部屋に閉じこもる。
ベッドに寝っ転がり、くまの大五郎を抱きしめる。
「いつからだっけ・・・」
俺が大石のこと、好きになったの。
最初は普通の友達だった。
すっげお人好しで、いいヤツだなって思って。
ダブルス組むようになって・・・大石のこといろいろと分かってきて。
気づいたら好きになってた。
「大石・・俺が告白したら、驚くかな・・・・」
告白したいと思ったことはない。
だって、怖いじゃん。
拒絶されたら・・・
それを考えると何も言えなくなる。
それに、大石は優しいから・・・・同情とかされたら、自分が惨めなだけだし。
「はぁ・・・」
何度目かの溜め息をついて、俺は寝た。
+ + + +
駅前の時計の下が集合場所。
待ち合わせ五分前に着いた俺は、笑いが出た。
「大石、来るの早すぎ!」
待ち合わせ場所には大石がいて、俺が来ないかキョロキョロしてた。
「英二・・・待たせちゃ悪いと思ってな」
恥ずかしいのか、照れくさそうに笑う。
そんな大石が愛しいと思う。
「で?何分前に着いたんだよ」
「笑わないか?」
「さぁ?」
「・・・30分くらい前・・かな?」
「・・・・・・・・」
一瞬唖然とすると、俺は笑いを堪える事が出来なくて笑った。
「な、何もそんなに笑う事ないだろ」
「だって・・大石、早すぎっ・・・」
「悪かったな。ほら、行くぞ」
頭を掻くと、俺の手を引いて歩き出す。
大石の手は・・・ほんの少し熱かった。
映画を見て、ファーストフードで昼食をとる。
「あの映画、おもしろかったな」
「あぁ。ラストは意外だったけどな」
さっき見た映画の話をしながら、ハンバーガーを頬張る。
どこにでもある光景。
ありふれた会話。
隣には、ラブラブな恋人たちが楽しそうに会話をしている。
(楽しそう・・・結局、俺らは友達にしか見られないんだろうな・・・)
心の中で呟いて虚しくなる。
ぼんやりとハンバーガーを見つめていると、大石の声が耳に入ってくる。
「・・・じ・・・英二!!」
現在作成中。
最終更新:2006年03月29日 13:58